印刷用紙:B4縦 1ページの行数:53 1行の文字数(半角で):108   −−以下 指導案本文−−                第3学年 社会科学習指導案                               日 時 平成8年10月18日(金)4校時                               児 童 3年3組 男15名 女13名 計28名                               指導者 桑島 秀則 1 単元名  「3 まちの人たちのしごととくらし」   小単元名 「1 かんづめ工場のしごと」 2 単元について (1) 単元の系統性      児童はこれまで「町のようすしらべ」で、岩手町の大まかな地形や沼宮内のまわりの地域、鉄道や道路の様子     について学習してきている。また、「町の人たちの買いもの」では、商店の集客及び販売の工夫を観察する中で、     地域の人々の消費生活の特徴や願いを知り、商店と人々の暮らしのつながりについて気付くことができた。      児童は、この小単元を学習したあとに、もう一つの生産活動学習「しぜんをいかしたしごと」へと進んでいく。 (2) 内容について      この小単元では、地域の主な生産活動として「かんづめ工場」を取り上げ、自分の生活と生産活動とのつなが     りを考えながら学習を進めていきたい。      岩手町のかんづめ工場は、数種類の缶詰やジュース、ワインなどを作っているが、その中でも中心となるブル     ーベリージュースやワインの原材料となるブルーベリーなどは地元の岩手町産のものが使われており、また、働     く人々の多くが町内に住んでいることなどから地域の生産活動の例として適している。これとは別に、上記以外     の原料については、葛巻町など近くの地域から、また、遠くは福島県からも運ばれてきていること、また製品も     全国各地へ送られていることなど他地域とのつながりを考える上でも適した教材といえる。 (3) 指導にあたって      生産活動の学習では、製造工程や原料の種類など学習内容も難しくなり、社会科に対して苦手意識をもつ児童     が増えていくことが考えられる。暗記の社会科学習にならないように、児童自ら学ぶことができるような手立て     を講じていきたい。      そのために、まず導入の段階でかんづめ工場の製品を食べたりする中で、児童が自然に缶詰について調べてい     きたいという意欲をもつようにしたい。児童が意欲的に学習課題を追究していく場となるように、かんづめ工場     の見学を設定し、自らの学習課題を解決していくようにし、分ったことをグループごとに様々な表現方法で発表     させたい。このように身近にある缶詰の生産活動を追究させていく中で、地域の工場が、様々な面で広く他の地     域と結び付いている事や、自然環境や社会環境とも深く関わっていることに気付かせ、自分達の町に対する認識     をさらに深めさせたい。 3 児童の実態      児童は2年生までの生活科の町の探検などで地域の働く人々と多く触れ合っている。また、様々な主体的な体     験活動を通して表現する楽しさを体得している。3年生になり、生活科から社会科に継続されても、生活科で養     われた体験的活動に対する意欲があり、社会科においても積極的に地域との関わりを持とうとしている。調べ活     動においては、この事について調べたいという明確な目的意識はまだ十分とはいえないが、調べてみたいという     意欲はかなり高いように思われる。      話し合い活動は、あまり活発とは言えず、質問や意見の内容も前の発表者と似通ったものが多い。従って、発     表内容に対する意見交流が深まらず、教師の方で話し合いをまとめてしまうこともよくある。今後とも話し合い     活動が活発になるように、発表者のよいところを見つけるなど、工夫した指導が必要である。      岩手町の工業生産については、春の社会科見学で自動車の部品工場と製麺工場を見学し、製品ができるまでの     仕組みや工夫、製品の種類の多さなどを学習したが、地域と工場の自然的・社会的なつながりや働く人の願いな     どには触れることができなかった。児童の質問の内容などから、工業生産に対しては、関心が高いように思う。 4 単元の目標 (1) 地域にある工場や工業製品に関心を持ち、生産活動の工夫や特色を進んで調べようとする。                                      (社会的事象への関心・意欲・態度) (2) 工場の仕事が、他の地域と結び付いて成り立っていることを、原料や製品の輸送・販売、働く人のくらしと関    連づけて考える。                                (社会的な思考・判断) (3) 工場を見学し、観察・聞き取り調査や資料などで調べて分かったことを絵や文、劇など自分なりの方法で表現    し、発表する。                             (観察・資料活用の技能・表現) (4) 工場の生産活動は、地域の自然環境や社会環境を生かし工夫して営まれていることや、原料、製品、働く人な    どを通して他地域と結び付いていることが分かる。           (社会的事象についての知識・理解) 6 本時の指導 (1) 目標 自分たちの発表や話し合いを通して、かんづめ工場が自分達の地域や他の地域と深く結び付いているこ       とが分かる。                             (2時間扱い・本時 2/2) (2) 展開 +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |段| | | | |階| 学習活動 | *指導上の留意点      ・教師の支援     ■資料 ○評価 | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |つ|1 前時の学習を想起する。|・前時の発表内容やまとめから、かんづめ工場では、| | | | | 製造工程などに様々な工夫や努力があることを想起| | |か| | させる。 | | | |2 本時の課題を把握する。|・子供達の発表をもとに学習を進めていくことを話し、 | |む|+−−−−−−−−−−−+| 追究の意欲を高めたい。 | | | || かんづめ工場で調べて|| | | | ||きたことを発表し、かん|| | | |3||づめ工場のひみつをまと|| | | |分||めよう。 || | | | |+−−−−−−−−−−−+| | | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |3 かんづめ工場について調|*前時までに、調べたことをまとめさせたり、発表の|■児童作成資料 | |追| べてきたことを発表する。| 準備をさせておく。 |○観察、聞き取りをも| | | ◎かんづめ工場が岩手町に|*子供達の作成した資料は、内容を事前に把握してお| とに、分かったこと、 | | できたのはなぜか。 | き、以後の展開に意図的に生かしていく。 | 思ったことを進んで| |究| ◎どの原料がどこから運ば|*発表の際は、調べた方法についても紹介させたい。| 発表しようとしてい| | | れてきているか。 |・発表が不十分なところや認識が浅いところについて| るか。 | | | ◎製品の出荷先はどこか。| は、練り合わせたり補足したりして思考が深まるよ| | |す| ◎働いている人は、どこか| うにしたい。 | | | | ら通勤してきているか。| |■検証資料 | | |4 発表の内容をまとめなが|・原料の入手経路、働く人の通勤範囲、工場の立地条|○話し合いから、かん| |る| ら、かんづめ工場が、岩手| 件などから自分達の地域と深く結び付いていること| づめ工場の生産活動| | | 町だけでなく、他の地域と| や、町外からの原料の入手や製品の販路などから他| が他の地域と関連し| |35| も深く結びついていること| の地域とも深く結び付いていることが話し合いで分| ていることを考える| |分| を話し合いで検証する。 | かるようにする。 | ことができているか。 +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |5 学習を振り返り、発表や|・机間巡視をして、シートに書けないでいる子供には、■学習シート | |ま| 話し合いから分ったことや| 授業の感想や、授業での自分のがんばりについてな|○工場では、原材料の| | | 感じたことを学習シートに| ど書きやすいことを見付けて書くようにアドバイス| 入手・製品の販路・| |と| まとめる。 | をする。 | 働く人などを通して| | |+−−−−−−−−−−−+| | 広く他の地域と結び| |め||かんづめ工場は、自分た|| | 付いていることや、| | ||ちの地いきだけでなく、|| | 自然環境や社会環境| |る||原料の仕入れやせい品の|| | と関わっていること| | ||はんばいのめんで他の地|| | が分かったか。 | | ||いきとのかかわりがふか|| | | | ||い。 || | | | |+−−−−−−−−−−−+| | | |7|6 次時の学習内容を知る。|*次時には、かんづめ工場の人へのお礼の手紙を書く| | |分| | ことを伝え、意欲を次時につなげたい。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ 5 指導・評価の計画(12時間扱い) +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |学| | 評価項目と方法 | |習| おもな学習活動 +−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |段| |社会的事象への関|社会的な思考・判|観察・資料活用の|社会的事象につい| |階|( )内は取り扱い時数 |心・意欲・態度 |断 |技能・表現 |ての知識・理解 | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |1 資料をもとに岩手町で作|資料を見て分かっ| | |岩手町にある工場| |つ| られている様々な製品につ|たことを進んで発| | |の中で機械・金属| | | いて話し合い、食品工場の|表しようとする。| | |工場とともに食品| | | 仕事に関心を持つ。 | | | |工場が多いことが| | | | | | |分かる。 | | | (1)|〔発言・観察〕 | | |〔発言〕 | |か+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |2 かんづめ工場の製品を実|かんづめ工場に関| |かんづめ工場の製| | | | 際に食べてみて、製品を作|心をもち、小単元| |品を見て気がつい| | | | っている工場について関心|を通した課題をつ| |たことを発表した| | | | を持ち、小単元を通した課|くろうとする。 | |り、食べてみた感| | |む| 題をつくる。 (1)| | |想を発表したりす| | | |+−−−−−−−−−−−+| | |る。 | | | ||かんづめ工場でせいひん|| | | | | | ||ができるまでのひみつを|| | | | | | ||さぐろう。 ||〔発言〕 | |〔発見〕 | | | |+−−−−−−−−−−−+| | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |3 かんづめ工場について、|疑問に思ったこと、自分なりの課題を| |課題解決のおおよ| | | 疑問に思ったこと、調べて|調べてみたいこと|もったり、予想し| |その方法(見通し) | | みたいことなど学習課題を|を進んで出そうと|たりすることがで| |が分かる。 | | | 出し合い、検証計画をたて|する。 |きる。 | | | | | る。 (1)|〔発言・観察〕 |〔発言・ノート〕| |〔ノート〕 | |追+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |4 かんづめ工場の見学計画|意欲的にかんづめ| | |見学すべき項目、| | | を立てる |工場の見学計画を| | |見学の仕方やマナ| | | |立てようとする。| | |ーが分かる。 | | | | | | |〔見学カード・ | | | (1)|〔発言・観察〕 | | | 観察〕 | |究+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |5 かんづめ工場を見学した|意欲的に観察した| |観察したり聞き取| | | | り、聞き取り調査をしたり|り聞き取ったりし| |ったりしたことを| | | | して調べる。 |ようとする。 | |見学カードにメモ| | | | | | |することができる。 | | | (2)|〔観察〕 | |〔カード〕 | | |す+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |6 調べたり、見学したりし|見学してわかった| |見学して分かった| | | | てわかったことを自分の好|ことをグループご| |ことを自分達なり| | | | きな方法で表現する。 |とに工夫しながら| |に工夫して絵や文| | | | |まとめようとする。 |・劇等に表現する。 | | | (2)|〔観察〕 | |〔観察・発表資料〕 | |る+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |7 見学して分かったことを|観察、聞き取りを|話し合いを通して、 |工場では、原材料| | | 発表し合い、検証する。 |もとに、わかった|かんづめ工場の生| |の入手・製品の販| | | |こと、思ったこと|産活動を他の地域| |路・働く人などを| | | |を進んで発表しよ|と関連させて考え| |通して広く他の地| | | |うとする。 |る。 | |域と結び付いてい| | | | | | |ることや、自然環| | | | | | |境・社会環境と関| | | | | | |わっていることが| | | | | | |分かる。 | | | (2) 本時 2/2|〔発言〕 |〔話し合い〕 | |〔発言・シート〕| +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |8 小単元の課題をまとめ、|工場探検したこと| |かんづめ工場の人| | |ま| かんづめ工場の人々にお礼|を楽しんで絵や手| |への手紙に、自分| | | | の手紙を書く。 (1)|紙等にまとめなが| |の思いや考えを表| | |と|+−−−−−−−−−−−+|ら地域に対する愛| |現する。 | | | ||かんづめ工場の製品は、||着を持とうとする。 | | | |め||地域の人々や自然と深く|| | | | | | ||結び付いている。また、|| | | | | |る||原料の仕入れや製品の輸|| | | | | |・||送・販売などで他の地域|| | | | | |ひ||とも結び付いている。 ||〔観察・発表〕 | |〔手紙・作品〕 | | | |+−−−−−−−−−−−+| | | | | | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |ろ|9 岩手町の他の工場にも関|岩手町の他の工場| | |岩手町の他の工場| | | 心を持ち、資料などで調べ|に関心を持ち、資| | |について種類やそ| |げ| る。 |料などで意欲的に| | |の場所の特徴など| | | |調べようとする。| | |がわかる。 | |る| (1)|〔観察〕 | | |〔発言・ノート〕| +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+