印刷用紙:B5縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):76   −−以下 指導案本文−−         第3学年社会科学習指導案                     第3学年ろ組 男20名 女13名 計33名                     指 導 者  千厩町立千千厩小学校                            石  川   彰  子 1 単 元 名     酒をつくるしごと 2 単元について  1 教材について    本単元は、「自分たちの町を中心とした地域の重要な生産活動は、自然環境を   生かしながら営まれていること及び原料の入手や生産品の販売などの面で工夫が   なされていることについて調べて、地域の生産活動の特色と工夫について理解で   きるようにするとともに、自分たちの地域は生産活動を通して広く国内の他地域   などとかかわりがあることに気付くようにする。」をねらいとしている。    そこで、千厩町の役場下で大正元年から酒づくりを営んでいる横屋酒造を取り   上げた。横屋酒造で使っている水は、酒づくりに適した軟水で、その水を使うこ   とによりよい酒ができるということから、現在まで85年もの間酒づくりが行わ   れてきている。原料は県内産の米を95%、県外(兵庫県)産を5%ほど使って   おり、製造された酒は県内全域、遠くは九州や四国、関西地方までも販売されて   いる。これらの点から、地域による生産活動の特色や他地域とのつながりを捉え   させることができる。また、消費者の嗜好の変化によって、様々な種類の酒を製   造するようになってきていることから、人々の生活の変化も気づかせることがで   きると考え教材化した。    3年生の子供たちはまだまだ自分以外のことについて、共感的な理解を示すの   は難しい段階であるため、普段は建物の中の様子を見ることができない造り酒屋   については、あまり興味・関心を持つことはできないと思われる。しかし、身近   な通学路にある造り酒屋は見学、調査活動を容易に行うことができ、子供たちの   追究意欲を高めることができると考えた。  2 児童について     児童は新しい教科である社会科に興味をもって取り組んでおり、一人一人が追   究したい課題を意欲的に調べてきている。3年生になってから学習した「わたし   たちのくらしとまち」では、町の探険をしてグループで絵地図づくりをし、公民   館など公共施設の見学を通して、公共施設の設備や役割をパンフレットにするな   ど社会科学習の仕方や楽しさを味わうことにより、しだいに地域に目を向けるこ   とができるようになってきた。    今までの学習では、それぞれの児童が個人課題を追究して調べたことを自分の   力でまとめてきている。その結果児童は、見学に行って見たり聞いたりしてきた   ことを自分なりの方法で、絵や文を用いてまとめることができるようになった。   しかし、それを聞く側を意識して、わかりやすく発表するということや友達の発   表と自分の調べたことを結びつけて聞くという点はまだ不十分である。    本単元で学習する酒は、児童にとって関心が薄いように思われるが、酒を造っ   ている工場が千厩にあることや、「玉の春」という商品名は家でもよく見たり聞   いたりして知っている児童も多い。また、横屋酒造が通学路にあることから、中   の様子に興味を抱いている児童もいる。  3 主題に関わって    研究主題にせまるため、実際に工場を見学する活動も取り入れ、地域の生産活   動に関心を持っていない児童も興味・関心を持ち、意欲的に学習に取り組めるよ   うにする。    「つかむ」段階では、前単元とのつながりから千厩町で作られている物を探し   て、その中で千厩町で作られている品物として横屋酒造で作られ、全国で金賞を   取った酒を提示したり、横屋酒造の場所を示すビデオを見せたりすることで、児   童には縁の薄い酒づくりに興味を持たせるようにしたい。学校のすぐ近くで酒づ   くりが行われていることに気付かせ、疑問を明確にして、一人一人の児童に問題   意識をもたせる。そして原料の仕入先や、販売先、酒の作り方、働く人の工夫、   酒の種類など個人の課題が同じ人同士でグループを作り、グループ内で学習計画   調べる方法を話し合わせ、児童同士でも深め合っていけるようにしたい。    「調べる」段階では、グループごとに見学を行うようにし、発表会の時に他グ   ループの発表を自分たちの調べたことと関連づけて意欲的に聞かせるようにした   い。また、聞く人が興味をもって聞けるように要点をまとめて、紙芝居やペープ   サートなど多様な方法でわかりやすく発表させたい。    「まとめる・広げる」段階では、発表の仕方を工夫させることにより、グルー   プ毎の発表を興味を持って聞けるようにして、発表後は他のグループの発表と自   分の調べたことを関連づけて、聞いて分かったことを多く発表させるようにした   い。    発表を聞いて、地域の生産活動が自然環境と深く関わっていることを知った上   で、町で作られている他の品物はどうなっているか、新たな「問い」として調べ   町の生産活動の広がりを捉えさせたい。 3 単元の目標  1 酒づくりやその販売の仕方に興味をもち、それを進んで調べようとしたり、調   べた内容を表現しようとする。     (社会的事象への関心・意欲・態度)  2 千厩町の自然環境と酒づくり、その販売に伴う他の地域との関わりなどについ   て考えることができる。              (社会的な思考・判断)  3 酒の製造や出荷、販売の方法などを見学・聞き取り調査活動を通して調べ、自   分なりの方法でまとめ、工夫して発表することができる。                        (観察・資料活用の技能・表現)  4 品質の良い酒をつくる人々の努力と工夫、製造や販売における他の地域との結   びつきがわかる。           (社会的事象についての知識・理解) 4 指導及び評価の計画(11時間) +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | 評価項目と評価方法 | |段階| 主な学習内容・活動 | 時 | 資料等 +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | | | | | 関心・意欲・態度 | 思考・判断 | 技能・表現 | 知識・理解 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | |1.町内で作られている品物探しをする。| | | 自分たちの町でつくられ| | | 千厩でどんなものが作| | | ・磐清水でりんごが作られている。 | | |ている品物に関心をもち、| | |られているか分かる。 | | | ・学校の近くで酒が作られている。 | | |意欲的に調べようとしてい| | | (発言)| | | ・梅田でトイレットペーパーが作られている。 | |る。 (発表)| | | | | | ・家で野菜を作っている。 | | | | | | | |つ | | | | | | | | | |2 学校の近くで酒を造っている横屋酒造| |・ビデオ | | | | | | | について話し合い、学習問題を作る。 | |・酒(横屋酒造製造) | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−+| 1 |・課題カード | | | | | | || おいしいさけづくりのひみつをさが|| | | | さけをつくる仕事につい| | | |か ||そう。 || | | |て調べたいことを考える。| | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | (課題カード)| | | | | | | | | | | | | | ・酒の作り方・工夫 | | | | | | | | | ・つくられたお酒はどこに | | | | | | | |む | ・原料はどこから(米・水) | | | | | | | | | ・働いている人の苦労 | | | | | | | | | ・酒の種類 | | | | | | | | | | | | | | | | | |3 グループに分かれて予想を立て、学習| 2 |・学習計画表 | 自分で調べたいことをも| 自分なりの予想を持つこ| | | | | の計画を立てる。 | | |とに見学の計画を立てよう|とができる。(ノート) | | | | | | | |と協力し合っている。 | | | | | | | | | (計画表)| | | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | |4 見学や聞き取り調査をして調べる。 | 2 | | 酒づくりやその販売に興| | 自分の課題について、| | | | | | |味をもち、それを進んで調| |見学や聞き取り調査をし| | |調 | | | |べようとしている。 | |て調べる。 | | | | | | | (メモ・態度)| | (メモ、態度)| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |べ |5 見学や聞き取り調査でわかったことや| 3 | | 調べた内容を工夫して表| | 見学して見聞きしたこ| | | | 気づいたことを、グループごとにまとめ| | |現しようとしている。 | |とをもとに、酒づくりや| | | | る。 | | | (態度・資料)| |出荷、販売の仕方を自分| | | | ・劇で | | | | |なりの方法でまとめ、工| | |る | ・紙芝居で | | | | |夫して発表する。 | | | | ・新聞で | | | | | (発表資料)| | | | ・ペープサートで | | | | | | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | |6 グループごとに発表会をする。 | 2 |・児童発表資料| 友達の発表を自分のもの| 千厩町の自然環境と酒づ| 調べたことをわかりや| 酒をつくるための製造| | | |本時|・地図 |に関連づけて聞こうとして|くりの関係や他地域との関|すく発表する。(発表)|過程の努力と工夫、製造| |ま | | 1/2| |いる。(発言・態度) |わりなどについて考える。| |や販売における他地域と| |と | | | | | (発言)| |の結びつきがわかる。 | |め |7 自分たちの町にある工場の数や種類を| 1 |・町内の工場の| | | | (発表)| |る | 調べて町全体の工場の様子について話し| | 数(グラフ)| 町内にある他の工場につ| | | 町全体の工場の様子に| |・ | 合う。 | |・ビデオ |いて関心を持とうとしてい| | |ついて、広がりや数、種| |広 | ・いろいろな種類の工場がある。 | | |る。 (発表・態度)| | |類の面からその特色をと| |げ | ・機械や機械の部品を作っている工場が| | | | | |らえる。(評価カード)| |る | 多い。 | | | | | | | | | ・働く人が他の町からも来ている。 | | | | | | | | | | | | | | | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ 5 本時の学習(9/11時)  1 目 標    調べてわかったことを発表し合い、酒が造られる過程や原料、働く人の苦労がわかる。  2 展 開 +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−+ 段階| 学習活動と学習内容 | 活動への支援 | 資料等 |評価の視点 | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−+ つ 1 本時の学習内容を確認 ・本時の学習の内容を確 児童の発| | | | する。 認し、これまでの努力に 表資料等| | か |+−−−−−−−−−−+ ふれて、発表会への意欲 | | | || おいしいさけづくり| を高めたい。 | | | む ||のひみつをさがそう。|| | | | | |+−−−−−−−−−−+| | | | 3分| | | | | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−+ | 2 酒づくりの仕事につい ・発表を聞く児童には、 発表資料| 調べたことを | | | て調べたことを発表し合 「酒づくりの秘密をたく 意欲的に発表し | | | い、酒づくりのひみつに さんみつけよう」と聞く ているか。 | 調 | ついて話し合う。 めあてを持たせたい。 | | (発表) | | | ・酒の作り方・工夫 | | | | | | ・原料はどこから ・発表の後には、質問や | 友達の発表か | | | (水・米) わかったことを自由に話 ら「ひみつ」を | | | ・働いている人の苦労 し合って、理解を深めさ 探せるか。 | べ | せたい。 | (態度・発表) | | | | | | | | | ・発表の仕方や表現で工 | | | | 夫しているところは賞賛 | | | | して、よさを広めたい。 | | る | | | | | | | | | | | | | ・本時の学習のまとめと ビデオ | | | | して、酒をつくっている | | | | 人の話を聞き、確かめに | | 35分| したい。 | | | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−+ ま 3 本時の学習について振 ・本時の学習を振り返り 評価 | 酒づくりやそ | | | り返り、評価カードを書 ながらカードに書かせ、 カード の工夫、原料や | と | き本時のまとめをする。 まとめとしたい。 | 働く人の苦労に | | | ・数人のカードを紹介し ついてわかった | め | て、次への意欲づけにし か。 | | | たい。 | (評価カード) | る 4 次時の学習内容を知る | | | | 7分| | | | | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−+                                   3 板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |+−−−−−−−−−−−−−−−+ | || おいしいさけづくりのひみつを | 《さけのざいりょうはどこから》 | | さがそう。 | ・米 | |+−−−−−−−−−−−−−−−+ ←水さわ・花まき、ひょうご | | | | 《酒の作り方》           ・水 | | ←井戸水(さけづくりによい水) | | ・米をあらってむし、こうじを作る | | ↓             《はたらく人のくろう》 | | ・むした米と水、こうじをまぜる  ・寒い中で仕事をする。 | | ↓              ・さけづくりの時は家にも帰られない。 | | ・タンクでしこみ、アルコール分を ・おいしいさけをつくるにはてまがかか | | 作る               る。 | | ↓ | | ・こしてビンにつめる | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+