印刷用紙:B5縦 1ページの行数:38 1行の文字数(半角で):80   −−以下 指導案本文−−   第5学年社会科学習指導案 5学年い組 男18 女19 計37名 指 導 者    千厩町立千厩小学校                              小島浩子 1.単元名  伝統に生きる工業 2.単元について (1)教材について     本単元は、「我が国の伝統的な技術を生かした工業について、それが盛んな地域や生産    物を地図や資料などで調べて、原料や土地の条件、技術などを生かして生産していること    を理解するとともに、伝統的な技術を生かした工業製品のもつ意味について考える」こと    をねらいとしている。     そこで、伝統的な技術を生かした工業として、東磐井地区の和紙作り(東山町東山和紙)    を取り上げた。東山和紙は、平安時代末期に奥州平泉の藤原氏の落人が東山町一帯に土着    し農業の傍ら生活用品として作り始めたといわれ、約800年余り伝統が受け継がれてき    たものである。きれいな水に恵まれ、原料である楮やのりの役割をするトロロアオイが取    れるという好条件のこの地域に優れた技術が加わり和紙作りが盛んになっていった。最も    盛んな時期は幕末から明治時代にかけてであり、長坂・田河津地区は軒並といってもよい    ほど紙を漉いていたといわれている。昭和17年においては主に冬期間の副業として28    5人を数え、東北各地に広範な販路を持っていた。しかし、現在は障子紙としての利用が    減ったことと、地味で辛い仕事が敬遠され後継ぎがなくなっていることもあり、山谷地区    を中心にわずか3軒と激減しているが、民芸品や賞状用紙など和紙のよさを生かした伝統    製品を作り続けている。     東山和紙のような事例を上げ、工房を見学したり紙漉き体験という具体的な活動を取り    入れたりすることにより、伝統的な技術を生かした工業生産が原料や土地の条件、技術な    どを生かして行われていることや、生産に従事している人々の工夫・努力、そして製品の    歴史やよさ、作り手の心に気付かせることができると考えた。 (2)児童について     本学級の児童のほとんどは社会科学習を楽しいと感じており関心は高い。特に、実物を    使った体験、見学、発表会などを楽しみにしている。前単元の「千厩町に見られる工業の    様子」の学習では、グル−プ毎に工場見学をし、働く人々の工夫や努力に気付いてきた。    見学に際しては、進んで下見をしたり写真を撮ったりし、まとめる段階でも以前は資料を    写すだけだった児童も集めた資料を活用し自分なりに工夫して分かりやすくまとめられる    ようになってきた。また、発表会に向けての打ち合わせや練習も自分達で進められるよう    になり、発表会でも自分の調べたことと比べながら他の発表を聞き、質問したり意見を言    ったりする児童が増え、社会科学習への意欲が高まってきている。     本単元で学習する伝統に生きる工業については、盛岡手作り村での様子を見ると手作り    の食べ物や竹とんぼなどの玩具は興味深く見学したり購入したりしていたが、鉄器や染め    物などの生産工程や伝統的な技法の場所は短時間ですませていた児童が多く、物珍しさは    あるが関心は薄いように思われる。今回取り上げる、東山和紙についても当地区の数少な    い伝統的な技術を生かした工業製品の1つであるということや製品の持つよさに気付いて    いる児童は少ない。 (3)主題に関わって     主題にせまるために、見学・体験活動を取り入れながら主体的に追究活動に取り組ませ    ていきたい。     「つかむ」段階では、まず牛乳パックからの紙作りを体験させ、紙についての関心を高    めたい。紙作りの体験や自分で作った紙と東山和紙を比べることから感想や疑問を出し合    い、それをもとに学習課題を設定したい。     「調べる」段階では、自分達の課題に対する予想を立ててから課題に沿って調べ学習を    進めさせたい。和紙工房の見学などによって調べ、グル−プ毎に工夫しながらまとめさせ。     また、手紙や電話で資料を取り寄せるなど積極的に調べるよう支援したい。     「まとめる・広げる」段階では、調べたことを実物やクイズなどを使い、分かりやすく    まとめ、劇・紙芝居・ニュ−ス形式など多様な方法で発表させ、聞くときは、自分が調べ    たことと比べて意見や質問を言えるようにさせたい。その中で新たな「問い」や自分なり    の考えを持つようにさせたい。最後に日本各地の伝統的な技術を生かした工業についてま    で「問い」を広げ、伝統的工芸品が私たちの生活とどのように関わっているか、またそれ    らが持つよさについても話し合い、自分なりの考えを持たせてまとめたい。 3.単元の目標 (1)伝統的な技術を生かした工業に関心を持ち意欲的に調べようとする。                  (社会的事象への関心・意欲・態度) (2)伝統的工芸品が、私たちの生活にどのような役割を果たしているか、考えることができる。            (社会的思考・判断) (3)東山和紙などの伝統的な工業について、調査したことを工夫しわかりやすくまとめ発表で    きる。         (観察・資料活用の技能・表現) (4)伝統的な技術を生かした工業について、原料や土地の条件、技術などを生かして生産して    いることがわかる。   (社会的事象についての知識・理解) 4.学習及び評価の計画(12時間) +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |段| | | | 評価項目と評価方法 | |階| 主な学習内容・活動 |時| 資料等 +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | | | | 関心・意欲・態度 | 思考・判断 | 技能・表現 | 知識・理解 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |つ|1.機械製品の紙と東山和紙を比較後、|2|機械製品の紙 |・紙作りに意欲的に|・東山和紙のよさに| |・紙には機械工業に| | | 牛乳パックを使った紙作りの体験をし| |東山和紙 |取り組む(態度) |気付く。 | |よる製品と手作業に| | | 手作業による紙作りに関心を持つ。 | |牛乳パック等 | |(発言・態度) | |よる製品があること| |か|2.自作の紙と東山和紙を比較し、感想|1|自作の紙 | | | |が分かる。(態度)| | | 疑問を発表する。 |本|筆 |・製品を比較し気付| |・製品を比較し二つ| | | |・東山和紙のほうがきれい。 |時|民芸品 |いたことを進んで発| |の違いを調べる。 | | |む|・東山和紙はどうやって同じ厚さに作る| | |表しようとする。 | |(態度) | | | | のかな | | |(発言・態度) | | | | | |・紙作りは難しかったが、東山和紙はど| | | | | | | | | うなんだろう | | | | | | | | |・材料が違うのでは | | | | | | | | |・特別な技術が欲しいのでは | | | | | | | | |・作り方に秘密があるのではないか | | | | | | | | |3.話し合いをもとに自分なりの課題を| | |・課題作りに意欲的| | | | | | 持つ。 | | |に取り組もうとする| | | | | |・材料 ・作られるようになった訳| | |(課題カ−ド) | | | | | |・作り方 | | | | | | | | |・工夫や努力 | | | | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | | | ||東山和紙のひみつをさぐろう| | | | |・自分の予想を持ち| | | | |+−−−−−−−−−−−−−+ | | | |解決のための方法を| | | | |4.学習計画を立てる。 |1| | |考える。 (発言)| | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |調|5.グル−プ毎に調べる。 |3|教科書 社会科資料集 |・意欲的に調べ課題| |・資料から必要な部|・東山和紙作りの原| |べ| | |図書資料 |を解決しようとする| |分を抜き出す。 |料や土地の条件、技| |る| | |ビデオ資料 |(態度・ノ−ト) | |(態度・発表資料)|術などがわかる。 | | | | |各自必要な所の見学・取材 | | | |(ノ-ト・発表資料) | | | | |和紙工房の見学 カメラ 見学ノ-ト | | |・調べて分かったこ| | | |6.調べたことを分かりやすくまとめ発|2|メモ |・調べたことを工夫| |とを工夫し分かりや| | | | 表会の準備をする。 | |集めた資料 |しながらまとめよう| |すくまとめる。 | | | | | | |とする。(態度資料| |(発表資料) | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |ま|7.テ−マごとに予想に対する結論を交| |発表資料 |・わかりやすく発表|・紙作りの工夫や苦| |・和紙作りに携わる| |と| えて分かりやすく発表する。 | | |しようとする。 |労を考える。 | |人々の工夫や努力が| |め| |2| |(態度) |(ノ-ト・資料) | |分かる。(ノ-ト) | |る| | | |・自分の疑問を他の| | |・伝統的工芸品の良| |・| | | |発表から調べようと| | |さが分かる。 | |広| | | |する。 | | |(発表・評価カ-ド) | |げ| | | |(態度・ノ-ト) | | | | |る| | | | | | | | | |8.日本各地の伝統工業について調べ伝| | | | | | | | |統的工芸品が私たちの生活とどのよう |1|教科書 | |・伝統工芸品が生活|・全国各地の伝統工| | | |に関わっているか、またそれらが持つ | |社会科資料集 | |の中でどんな役割を|芸品を調べることが| | | |意味について話し合い自分なりの考え | |図書資料 | |果しているか考える|できる。(プリント) | | | | をもつ。 | | | | (発言) | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ 4.本時の学習(3/12時) (1)目標      自作の紙と東山和紙を比較して自分なりの「課題」を持つことができる。 (2)展開 +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−+ | |学習内容と学習活動 |活動への支援 |資料等 |評価の | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−+ |つ|1.東山和紙と自分で作っ|・筆で書いたり折った|東山和紙|・進んで比| |か| た紙を比較する。 |りしながら気付くよう|筆 |較しようと| |む| |にさせる。 |自作の紙|しているか| |15| | |民芸品 |(態度) | |分| | | | | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−+ |調|2.感想や疑問を発表する|・比較からだけではな| |・意欲的に| |べ|・東山和紙のほうがきれい|く紙作りの体験からも| |自分なりの| |る|・どうして同じ厚さにでき|発表させ、多様な感想| |考えを発表| | | るのかな |や疑問を出させる。 | |しようとし| | |・材料が違うのではないか| | |ているか。| |20|・特別な技術があるのでは| | |(発表・態| |分| ないか | | |度) | | |・作り方に秘密があるので| | | | | | はないか | | | | | |3.話し合いをもとに自分|・調べたいことのカ−|課題カ-ド| | | | なりの課題を持つ |ドを黒板にはらせ一人| | | | |・材料 |一人の問いを大切にす| | | | |・作り方 |る。 | | | | |・工夫や努力 | | | | | |・作られるようになった訳| | | | | |4.学習課題のまとめをす| | | | | | る。 | | | | | |+−−−−−−−−−−+| | | | | ||東山和紙のひみつをさ|| | | | | ||ぐろう。 || | | | | |+−−−−−−−−−−+| | | | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−+ |ま|4.自己評価カ−ドを書き|・何人かに評価カ−ド|自己評価|・伝統的な| |と|本時のまとめとする。 |を発表させ次への意欲|カ−ド |技術を生か| |め| |付けとする。 | |した工業に| |る| | | |ついて学習| | | | | |していこう| |10| | | |としている| |分|5.次時の予告を聞く | | |か。(カ-ド)| +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−+ (3)板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | +−−−−+・・・・・ ・・ +−−−−−−−−−−−−−−+ | | |東山和紙|厚き書材作 何な |東山和紙のひみつをさぐろう | | | +−−−−+いれき料りあかぜ +−−−−−−−−−−−−−−+ | | いやは方り工東 | | す?はそ夫山 | |い ?うが町 個人課題 | | で | | +−−−−+ ・ ・・ | | |自作の紙| 薄 書牛 | | +−−−−+ い き乳 | | にパ | | くッ | | いク | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+