小学校3年社会科指導プログラム

学 校 名 藤沢町立新沼小学校
対象学級 第3学年(男子5名 女子1名)
指 導 日 平成11年9月18日(土)
指 導 者 須 藤 壽 弘
作 成 者 須 藤 壽 弘

T 単元名 「町の人たちの買いもの」

U 単元設定の理由

1 教材観

本単元は、地域の人々の消費生活について調べ、人々の生活と買い物のかかわりや商店や商店街の工夫、消費生活と他地域とのかかわりについて理解させることを、学習経験の単位として、学習指導要領(社会科)の目標の(2)および(3)、内容(3)に基づいて設定した。

本単元では、自分たちの地域の人々の買い物の様子や商店、商店街の様子について調べ、地域の人々はどのようなことを考えて消費生活をしているのか、商店や商店街などではどんな工夫をして販売をしているのかを理解できるようにするとともに、自分たちの地域は消費生活をとおして広く国内外の地域とかかわりがあることに気付かせることにより、普段何気なく行っている消費生活に対する見方や考え方を広め深めていくことをねらいとしている。

通信販売、クレジットカード、電子マネーなど、販売、消費の形態は今後更に多様化していくことが考えられるが、消費生活においても主体的に情報を選択、活用し、適切な判断ができる自立した人間としての資質が必要であり、それを養う教材としての価値もあるものと考える。

2 児童観

児童はこれまでに、第1単元「町の人たちのくらし」の学習では、公共施設を利用する人々の様子から、地域の人々が協力して生活の向上や住みよい町づくりに努力していることを発見し、自分たちができることを考え、自分も地域の一員であるという自覚をもつことができた。

第2単元「わたしたちの町のようす」の学習では、地域の地形や土地利用の様子、集落の分布、交通の様子等を調べ、絵地図に表現したり、絵地図から読み取ったりして、地域の人々のくらしが自然をはじめとする地域の環境に深くかかわりがあることや、場所によって違いのあることを学んできた。

これらの学習をとおして、児童は地域の社会事象に興味、関心をもち、協力して問題解決のための情報収集やまとめの表現活動ができるようになってきている。

しかし、3年生で初めて社会科を学習するので、全員での見学による同じ内容の情報収集であったり、文字や記号、絵を用いた発表会が中心であったりしたので、多様な情報を比較してみたり、関連付けたりすることや、学んだことに自分の考えや意見などを加えてまとめを作り、学習の理解を深め合ったり、見方を広め合ったりすることはしてこなかった。

そこで、本単元では、児童に身近な消費生活を取り上げ、児童一人一人の情報収集活動や収集した情報をもとに自分考えを加えて新しく情報を生成したり、生成した情報を伝達したりする活動などを行い、幅広い情報の活用ができる力を育成しながら、学習問題の解決が図られるようにしていきたい。

3 指導観

指導にあたっては、普段何気なく行われている買い物に目を向けさせるために、児童一人一人に自分の家の買い物について情報を収集する活動を取り入れたい。

児童は家族同伴、あるいは個人での買い物の経験をもっており、自分の家の買い物やよく行く店の様子などについてある程度の知識はあると思われる。しかし、それは断片的な知識であり、例えば、買い物をする店を選ぶ理由や商品を選ぶ観点などには気付いていないことが考えられる。そこで、収集した個々の情報を比較したり、結合したりして見ることなどにより、違いや共通点などを見つけさせ、自分の家を含めた、地域の人々がどのような考えや理由で日常の消費生活を営んでいるのかをつかませていきたい。その際、学級が少人数であることから、他学年にもあらかじめ調査の協力を依頼し、情報として活用していきたい。

商店や商店街の販売の工夫や他地域などとのかかわりについては、身近な商店の見学を実施し、実際の様子や働く人、買い物する人などを具体的に捉えさせていきたい。見学できない部分については、VTRや写真等を利用して補うようにしていきたい。

学習のまとめの段階では、収集した情報をもとに自分の考えや意見を加え、コンピュータを利用して新しく情報を生成し、伝達、交流する表現活動を取り入れたい。このことにより、学習の理解をより深めるとともに、伝達された情報が互いの学習にも役立つことや、友達の学習の仕方や表現方法のよさが学び合えることなどを理解させ、学習結果を情報として生成し、伝達することの価値や必要性を実感させていきたい。

また、コンピュータによる情報の保存や再構成、ネットワークを利用した情報伝達の速さなどの利便性や特徴についても、今までの表現活動と比較しながら気付かせていきたい。

V 単元の指導目標

1 地域の人々の消費生活や商店などの工夫に関心をもたせ、情報を活用しながら、進んで調べ、よりよい消費生活をしようとする態度を養う。・・・・・・・・・・・・・(社会的事象への関心・意欲・態度)
2 地域の人々の買い物や商店などの様子から、消費生活の特徴に気付かせ、地域の人々がよりよい消費生活やよりよい販売のために工夫や努力をしていることを考えさせる。・・・・・(社会的な思考・判断)
3 学習で収集した情報を、表やグラフ、地図に表すとともに、学習結果を自分の考えを加えてコンピュータでまとめ、情報として伝達し合うことができるようにさせる。・・・(観察・資料活用の技能・表現)
4 地域の人々の消費生活の工夫や商店などの販売の工夫について理解させるとともに、消費生活をとおして自分たちの地域が他地域とかかわりがあることを理解させる。・(社会的事象についての知識・理解)

W 単元の教材構造

X 単元の指導計画(略)

Y 本次の学習(第7・8時)

1 主 題 「買いものしらべと商店がいのまとめを作りつたえあおう」

2 指導目標

よく利用する店やよく買う品物、曜日による買い物の仕方の違いなど、地域の人々の買い物の様子や商店街の工夫を、学習で収集した情報をもとに構成を考えたり、自分の意見を加えたりしながらコンピュータ教材を用いてまとめ、友達と伝え合うことができるとともに、友達のまとめのよさや自分との違いを交流し合うことで情報の生成や伝達の必要性が分かる。

3 目標行動

G1:学習のまとめを見合い、互いのよさを交流することにより情報の生成や伝達の必要性が言える。

4 下位目標行動

@自分と友達のまとめを比べ、よさを交流し合うことができる
A作ったまとめを保存したり、友達に伝達することができる
B選択した情報に考えや意見を加えまとめを作ることができる
Cまとめの構成を考え、必要な情報を選ぶことができる
D地域の人々が工夫しながら買い物をしていることが言える
E商工会を作り活動していることが言える
Fスタンプや街灯などは集客の工夫であることが言える
G曜日により買い物の仕方が違う理由が言える
Hよく買う品物と時々買う品物の違いが言える
Iスーパーマーケットがよく利用される理由が言える
RJ商店街では様々な工夫をしていたことが言える
RK町の人々の買いものには特徴があったことが言える

5 形成関係図とグルーピング

6 本次の展開 (       :コンピュータ教材の活用)

時間 主な学習内容 展開の流れ 教材・教具・教育機器と留意事項
4分 〈導入〉

・レディネス調査(RJRK)
 
学習プリント
・学習課題を確認し、記入させる
買いもの調べのまとめを作り、友だちとくらべてみよう。
14分 〈展開〉
1 よく利用する店やよく買う品物、曜日による違いがあることを想起し、理由について自分の考えを発表する(GHI)
グラフ、表、買い物地図、学習プリント
・自分の家の買い物の様子や自分の体験とグラフや表の傾向を比べ、似ているところや違いを見つけさせる
・食料品、身近な店、休日の買い物に着目させる
・スタンプや売り出しなど商工会を組織しての活動に着目させ集客の努力に結び付けたい
・地域の人々は、考えながら買い物をしていることに気づかせる

学習プリント
・よりよい消費生活をするためには、ただ漠然と買い物をするのではなく、むだな物は買わないとか、新鮮で安い店を選ぶとか、児童の経験レベルから工夫をとらえさせたい
2 商店街が行っている活動や工夫について想起し、理由を考える(EF)
3 地域の人々は工夫しながら買い物していることをまとめる(D)
30分 4 買い物しらべの学習をまとめる構成を考え、まとめに必要な情報を選ぶ(C) コンピュータ教材、学習プリント
・学習のまとめの作成であることを説明し、今までの学習で得た情報を画面の中で確認させる・構成を考える画面の説明をし、それぞれの画面は、どんな内容を提示するのに都合がよいか考えさせたい
・自分が買い物しらべの学習を通じて特に伝えたいと思う内容をひとつ決めさせて作らせる
・自分が作成しようと思う内容に合わせて画面を選択し、学習プリントを用いながら構成と文章を考えさせる。初めてなので最大2画面におさえ、遅れがちな児童に配慮する
・買い物しらべで収集した情報はあらかじめ画像として貼りつけられるようにしておく
・文字入力になれていない児童が多いので時間を十分とるとともに、遅れがちな児童に協力する
・作成したまとめを必ず見直すようにさせ、発信者の責任をとらえさせたい。
・時間に余裕のある児童には、新しい画面で更に作成させる
5 自分の考えや意見を文章で加えながら学習のまとめをつくる(B)
15分 6 まとめを保存し、伝達し合えるようにする(A)
・保存すればいつでも呼び出して、何度でも編集することができたり、新しく作ってたくさん蓄積できる便利さに気づかせる
・ネットワークを利用した情報の伝達の利便性を、友達のまとめが自分のパソコンで見ることができたときの感想を発表させることでとらえさせたい
・互いのまとめを比べて見合うことをさせ、友達のまとめ方のよさや自分との違いを見つけさせる
・友達のまとめが自分の学習に有用である場合を考えさせる
17分 7 よさや気付いたことの交流ができるようにする(@)
・メールソフトの使い方を説明する
・友達のまとめのよかった点や気付いた点を中心に交流させる
・ここでも、文字の入力に慣れていない児童には机間巡視をしながら、援助していくようにする
・友達から送られたメッセージを読んでの感想を発表させ、自分が作成したまとめの価値を実感させるようにし、そこから、情報を生成すること、伝達することの必要性を考えさせたい
10分 〈まとめ〉
8 学習プリントに地域の人々の買い物の特徴についてまとめ、発表する

9 本時コンピュータを使った学習について感じたことを書き、発表する
学習プリント
・買い物調べによって明らかになった地域の人々の買い物の特徴や商工会の工夫などについて確認する
・本時コンピュータ教材を利用した学習についての自己評価の記入と感想の記述をさせる

10 次時の予告を聞く ・次時は商店の工夫に視点をあて調べる学習の
準備であることを予告する

W′本次の学習(第13・14時)

1 主 題 「スーパーマーケットしらべのまとめを作ろう」

2 指導目標

収集した情報をもとに構成を考え、お客さんを集める工夫や店で働く人の気持ち、品物が外国を含めて各地から運ばれてくることなど、スーパーマーケットの販売活動の様子を、自分の考えを加えるなどしながらコンピュータ教材を用い新しい情報としてまとめることができる。

3 目標行動

G2:スーパーマーケットの販売の工夫やそこで働く人々の様子をまとめることができる。

4 下位目標行動

@選択した情報に考えや意見が加えられる
Aまとめるのに必要な情報が選べる
Bまとめていく構成が考えられる
Cお客さんに来てもらうために様々な工夫をしていることが言える
D店で働く人が工夫、注意していることが言える
E環境や安全も考えながら販売していることが言える
F品物は国内外から運ばれてくることが言える
G町内だけでなくとなりの町村からも買いに来ることが言える
H街灯や広い駐車場があることが言える
Iスタンプや買い物カードを発行していることが言える
J広告を出し宣伝していることが言える
RKスーパーマーケットでの買い物が一番多いことが言える

5 形成関係図とグルーピング

6 本時の展開(略)

W″本時の学習(第15時)

1 主 題 「作ったまとめをつたえあおう」

2 指導目標

学習のまとめを伝達し合い、表し方の違いや相手の情報のよさを見つけて感想や意見を交流するとともに、情報を生成し、伝達し合う価値や必要性について理解し、これからも情報を生成し伝達していこうとする意欲をもつことができる。

3 目標行動

G3:伝達し合った情報のよさを交流して情報の生成や伝達の必要性を理解し、これからも情報を生成、伝達していこうとする意欲をもつ。

4 下位目標行動

@情報を伝達し合うことは互いの学習に役立つことが言える
A伝達された情報は自分の学習に役立つことが言える
B情報を伝達することは相手の学習に役立つことが言える
Cネットワークを利用して、友達とよさを交流し合うことができる
D友達の情報を見て、よさや自分の情報との違いがいえる。
RE友達の情報を呼び出すことができる
RFコンピュータを使うと文字や写真、映像を利用してまとめを作ることができることが言える
RG情報を保存しておくと作り直しが何度でもできることが言える

5 形成関係図とグルーピング

6 本時の展開(略)