小学校6年 特別活動(男女の協力) 指導案 仁王小学校 用紙は A4 縦  1行 90字(半角) 1ページ 49行に設定してください。   第6学年 特別活動(学級指導)学習指導案                                                                                指導者  仁昌寺 真 一    T.主題名   男女の協力                                                                               U.主題について                                         男女の協力は、一つの目的に向かって男女の区別なく力を合わせて努力する姿であると考える    異性に対する意識が高まっていない低学年の段階では、身体的にも大きな差はなくどのような   活動も同等にこなすことができる。一般的には、女子がリーダーシップをとって活動を進める状   況が見られる。したがって、協力については比較的問題なく行われることが多い。しかし、高学   年になり異性に対する意識が高まってくると、男女の性差がはっきりし異性を意識するあまり、   無関心をよそおったり反発し合ったりする傾向が出てくる。したがって男女の協力はむずかしい   ものになってくる。                                      ところが、将来的に見た場合には男女は互いに力を合わせていくことが望ましい姿であるから   反発し合うこの時期に、男女の特性を理解させ、協力することの大切さを理解させることは極め   て重要であると考える。                                    また、学級経営の面から見ても、男女が学級目標に向かって協力していく姿こそ望ましい姿で   あると考える。                                        最近の学級の子どもたちを見ると、発達段階の特性とは異なり、体育のグループ学習での協力   や日常生活での協力はうまくいっている方である。しかし、回りの目が気になってはずかしさが   優先してしまったり、相手の言い分を素直に受け入れようとする姿勢が弱いために反発し合った   りして素直に協力できない場面もまだまだ見られる。                       そこで、本主題の指導では、男女の精神的・身体的な特性について互いに理解させ、男女相互   がその良さを見つけ認め合う中で協力し合うことの必要性を理解させていきたい。指導にあたっ   ては、日常の学級生活での協力場面を見つめさせ、素直に協力できない原因を洗い出させて、そ   の中から改善策を自己決定させていくことを通して改善への意欲をより具体化していきたい。                                                V.本主題に関わる指導の流れ                                  4月19日(水)  学級会 学級目標決定  「真心こめて 真剣に」             5月12日(金)  保健指導「6年生の心と体」                       5月15日(月)〜16日(火) 修学旅行                          5月29日(月)  アンケート調査「仁昌寺学級は、男女の協力ができていると思いますか。   6月 3日(土)  学級会 学級のシンボルマーク決定                    6月24日(土)  学級指導「男女の協力」 〈本時〉                    7月上旬      学級集会(スポーツ集会)                                                                    W.主題と子ども                                         4月中旬、2回の学級会により、「真心こめて 真剣に」という学級目標を設定した。仁王小   学校の最上級生として、学級の仲間はもちろん学年の仲間、下級生にも常に思いやりの心、真心   を持って接し友愛に満ちた学校生活を送ることができるようにしようというものである。そのた   めに、何事にも誠実にそして、真剣に考え行動できるようにしようという意味のものである。     6月3日(土)には、学級のシンボルマークも決定した。男女が肩を並べ、互いに手を取り合   いハート(心)に手をさしのべているマークである。このシンボルークを決定する段階で強く出   された考えは、学級の仲間同士が互いに手を取り合うのはもちろんのこと、特に異性である男子   と女子が手を取り合い、それぞれの長所に目を向けながら互いに支え合っていこう、という考え   であった。握手は協力、星は輝きを表わしている。男女力を合わせてよりよい仲間集団を創って   いくことによって、一人一人が、そして学級全体が常に輝きたいという子どもたちへの願いがこ   められている。                                        子どもたちは、5月12日(金)に保健指導として「6年生の心と体」という主題で男女に分   かれて指導を受けている。その中で男女の性格や生理上の違いについて指導されているが、一方   的な説話形式のものであり、知識として理解できても具体的な実践に結びつくには不十分である   と考える。                                          5月15日(月)〜16日(火)は、「自分の世界を広げよう ーふれあい・発見・自立ー」   を目標に修学旅行を体験し、多くの仲間と共に行動する中でふれあいを深めてきた。班行動にお   いては、男女が力を合わせて行動しふれあう姿が数多く見られた。                 7月上旬には、学級集会(スポーツ集会)を予定している。この集会を通して学級の男女の協   力をさらに深いものにしようと考えている。この学級集会へ向けての活動の中では、男女の協力   場面がおおいに期待できる。そこで、この時期に男女の協力の必要性や大切さを男女の特性や学   級の子どもたちの願いから理解させていきたいと考えている。                   アンケートによると、男子と女子が素直に協力できない原因のトップは、はずかしさである。   協力しようとしても、回りの目が気になって声をかけたり手伝いをしたりする勇気がもてないと   いうことである。しかし、学級のある子どもの誘いの一声があると、男女一緒にバスケットボー   ルをしたり鬼ごっこをして遊んだりという場面も見られる。また、グループ学習でも互いに教え   合ったり補助し合ったりという姿も見られるようになってきている。                そこで、本時の学習では、はずかしがったり回りでひやかしたりしてしまう子どもも、本当は   みんな仲良くしたいのだということに気付かせ、具体的な解決の方策をさぐらせていきたい。     本時指導にかかわっては、周囲の目が気になってはずかしくて協力できないAタイプ、相手に   言い分があるから協力できないBタイプ、ひやかしやかげ口を恐れて協力できないCタイプ、関   心が弱くて協力できないDタイプとしてタイプ別にとらえ、解決策を選択させる際に効果的な選   択ができるように手立てを組んでいきたい。                           なお、本時の授業の最後には、学習カードに、授業に対する参加状況と意欲についての自己評   価をさせ、自らの変容をとらえさせ実践への意欲化を図りたい。               X.本時                                           (1)ねらい                                           男女相互に相手の良さを認め合い、何でも言い合うことができ、お互いに助け合い協力し合    える人間関係を育てる。                                 (2)展開                                        +-----+---------------------+-----+--------------------------------------+--------+ | 段階|  学習内容と学習活動 | 時間|       指導上の留意点       |  資料 | +-----+---------------------+-----+--------------------------------------+--------+ | 課 | 1.本時の学習について| 5分| ・ 男女の協力についての姿をVTRを見せ| VTR | | 題 |  VTRや資料を見なが|   |  たり発表をもとに話し合わせたりして、プ| グラフ | | の |  ら話し合い、課題をと|   |  ラス面が多いことに気付かせたい。一方、|     | | 共 |  らえる。      |   |  男女の協力について事前にとったアンケー|     | | 通 | +-----------------+ |   |  トの中から学級として協力ができているか|     | | 化 | |  仁昌寺学級の男女| |   |  どうかについての集計結果をグラフに表わ|     | |   | | の協力をさらに深め| |   |  し提示することによって本時の課題を設定|     | |   | | よう。      | |   |  する。                |     | |   | +-----------------+ |   |                     |     | |   | 2.男女が素直に協力で| 10| ・ 一日の学校生活を思い起こさせ、素直に|     | | 原 |  きないわけを考える。|  分|  協力できない場面を考えさせていきたい。|     | |   |  〈場面〉      |   |                     |     | | 因 |   掃除、整列、係活動|   | ・ その時の場面を明確にとらえさせるため| 作文  | |   |  給食当番、休み時間、|   |  に、必要に応じて作文を提示し素直に協力|     | | の |  学習        |   |  できないわけについて気付かせていきたい|     | |   |  〈わけ〉      |   |  (K・J) はずかしさ・まわりの目  |     | | 追 |  ・はずかしさ、周囲の|   |  (Y・N) いい分がある       |     | |   |   目が気になる   |   |  (Y・Y) ひやかし・かげ口     |     | | 求 |  ・言い分がある   |   |                     |     | |   |    身勝手だ、気にさ|   | ・ 話し合いを具体的にさせるために、でき|     | |   |   わることを言う、ば|   |  るだけ自己の体験を通した考えを引き出し|     | |   |   かにする     |   |  たい。                |     | |   |  ・ひやかし、かげ口 |   |                     |     | |   |  ・無関心、なまけ心 |   |                     |     | |   | 3.男女が協力し合うこ| 10| ・ 男女の協力についてどう考えているのか| 学習カー| | 課 |  との大切さや必要性に|  分|  事前に書かせ、持ち寄ってどの子も考えを| ド   | |   |  ついて考える。   |   |  述べることができるようにさせたい。  |     | |   |  ・男子と女子の特性か|   | ・ 学級目標やシンボルマークの意味を想起| 表   | | 題 |   ら        |   |  させ、男女間の協力、おもいやりは子ども| 学級目標| |   |  ・学級のみんなの願い|   |  たちの願いの根本であることをおさえさせ| シンボル| |   |   から       |   |  たい。                | マーク | | へ |   (学級目標)   |   |                     |     | |   |   (シンボルマーク)|   |                     |     | | の | 4.親切にしたり協力し| 5分| ・ 異性への協力がよくできている子どもの| 作文  | |   |  合うことができるよう|   |  体験作文を聞くことにより、その子の現在|     | |   |  になった子どもの体験|   |  にいたるまでの努力点を感じ取らせるとと|     | | 対 |  作文を聞く。    |   |  もに解決方法を自己決定させる時の参考に|     | |   |            |   |  させたい。              |     | |   | 5.校長先生の話を聞き|   | ・ これまでの学習を振り返らせながら、じ| 録音テー| | 処 |  本時の学習で考えてき| 3分|  っくり聞かせ、男女の協力の大切さや互い| プ   | |  |  たことを確かめる。 |   |  に支え合い励まし合うことの大切さに気付|     | |   |            |   |  かせたい。              |     | | と | 6.男女の協力を深める| 12| ・ 素直に協力できないわけについて話し合|     | |   |  ための解決方法につい|  分|  った内容を焦点化し、板書で整理して、解|     | |   |  て話し合う。    |   |  決の方法を見付ける糸口としたい。   |     | | 解 |  (1)解決方法を見つ|   | ・ いくつかの解決方法の中から、自分の解|     | |  |    ける      |   |  決方法を選択させたい。        |     | |   |   ・男女で話をしたり|   | ・ 選択の際、男女の協力に問題のない子ど|     | | 決 |   遊んだりする場を数|   |  もには学級全体の男女の協力が更に深まる|     | |   |   多くとる。    |   |  ために自分にできることを考えさせたい。|     | |   |   ・お互いの言い分を|   |  また、発表された解決方法の中で自分自身|     | |   |   出し合い、反省点は|   |  に不足しているものを選択させ、自分の生|     | |   |   改善する。    |   |  活の見直しを図らせたい。       |     | |   |   ・相手の気持ちを傷|   | ・ 解決方法を自己決定できないでいる子ど|     | |   |   つけるようなことを|   |  もには、机間巡視しながら助言をしていく|     | |   |   しない、言わない。|   | ・ 解決方法の記述の際、特にどんな場面で|     | |   |   (------・-)   |   |  そうしていきたいのかについても書かせ、|     | |   |   ・相手を思いやり真|   |  解決方法を具体的にとらえさせたい。  |     | |   |   剣にやる。    |   |                     |     | |   |   ・互いの良さを見つ|   |                     |     | |   |   け認め合う。   |   |                     |     | | 意 | (2)解決方法を確かめ|   | ・ 早く終わった子どもには、実践の決意を| 学習カー| |   |  カードに書く。   |   |  書かせたい。             | ド   | | 欲 | (3)発表する。   |   | ・ 自分で決めた解決方法や決意を発表し合| ト   | |   |            |   |  わせることを通して、解決への意欲を持た|     | | 化 |            |   |  せたい。               |     | +-----+--------------------+-----+---------------------------------------+---------+