小学校3年 特別活動(そうじを見直そう) 指導案 仁王小学校 用紙は A4 縦  1行 90字(半角) 1ページ 49行に設定してください。 第3学年  特別活動(学級指導)学習指導案 指導者  小野寺 正彦  .主題名 そうじを見直そう  .主題について   本主題は「日常の清掃についての指導」として取り上げられる内容であるが、ここでは適応に関  する指導として取り上げる。それは、清掃活動が学級生活において子どもと子どもが直接かかわり  あい、子どもの学級生活や学校生活を充実させることになるからである。   清掃は、清潔で健康的な生活を送るために不可欠である。学校における清掃活動は、決められた  清掃区域を決められた時間内に友だちと協力しながら進めて、自分たちの生活する環境をきれいに  気持ち良く使えるように整える活動である。清掃活動を通して、清掃の仕方を分からせたり協力す  ることの大切さに気付かせたりすることができるので教育的に価値の高いものであると考える。し  かし、清掃活動は、日常的な繰り返しの活動であるため、清掃の大切さや必要性について理解して  いたとしてもマンネリ化し、望ましい清掃の活動から逸脱することがしばしば見られる。そのため、  清掃活動は学年の発達段階に応じて計画され、実施されていかなければならない。低学年において  は、高学年の清掃の仕方を見せたり、教師も一緒に清掃をしたりしながら自分たちでも清掃ができ  るようにすることが中心的指導となる。中学年においては、清掃の必要性を理解させながら、友達  と協力して時間内に手際よく清掃ができるようにしていくことが大切な指導となる。高学年におい  ては、より自治的な意識を持って清掃をする実践的な態度を養っていくことが大切な指導となる。  3年生における清掃活動は、高学年への橋渡しとして、教師の一方的な指導ではなく、子どもたち  が主体的に取り組めるような手だてを講じながら指導していかなければならないと考える。   6月に入り、学校児童会の「明るい学校にしよう」のめあてを受けて、学年児童会では清掃活動  を取り上げ、「むだ話をしないで、いっしょうけんめいそうじをしよう。」と取り組み始めた。現  在の学級の子どもたちの清掃のようすを見ると、ほうきや雑巾の扱いにも一応慣れ、自分たちで分  担を決め、一生懸命清掃に取り組んでいる姿が見られる。しかし、清掃の直後にごみがまだ残って  いることが多い。それは、用具の操作が不十分であったり自分の分担に固執し、手順通りいかなか  ったりするためである。   そこで、学校生活にも慣れ、学年の取り組みとして清掃活動が取り上げられているこの時期に、  清掃活動について見直しをすることは、学級の清掃活動を充実させるうえで効果的であると考える。  指導にあたっては、現在の清掃活動で頑張っている点を認め合わせた後、努力しているにもかかわ  らず、ごみが残っていることに気付かせる。さらに、ごみが残っている原因について話し合わせ、  改善策を考えさせていきたい。改善策を決めさせる際には清掃の実態を見直させ、子どもの実態に  則したものを選択させることにより、子どもたちは意欲的に実践するものと考える。  .本主題にかかわる指導の流れ 4月   ・清掃分担決定(学級会活動)     ・清掃区域に応じた清掃の仕方の指導(全体指導)         ・清掃区域に応じた清掃の仕方の指導(区域毎の指導)    5月            ↓                  ↓    6月   学年児童会の取り組み「むだ話をしないで、いっしょうけんめいそうじをしよう。」        が始まる。        学級指導「そうじを見直そう」・・・・・・・・・・・・・・・・(本時)         ・清掃区域に応じた清掃の仕方の指導(区域毎)        清掃の取り組みの反省と今後の在り方(全体指導)  .主題と子ども  学級の子どもたちは明るく活発で、与えられたことには積極的に取り組むという姿勢をもってい  る。子どもたちの清掃の様子を見ると、時間内に終わらせようとしている子どもたちやむだ話をし  ないように気をつけている子どもたちの様子が見られる。しかし、子どもたちの清掃の様子を詳し  く見ると、清掃用具の扱いが不十分であるためにごみが残る、自分に分担された以外の作業をしな  い、隅々まで意識が向いていないなどの姿が見られる。実際には一生懸命取り組んでいる子どもた  ちであるが、清掃終了後にはごみが残っている。これは、清掃の大切さや必要性を理解していても  日常的な繰り返しの活動であるために、清掃についての意識が低下していることが考えられる。さ  らに、隅々まで気を配ってごみをとることや雑巾がけをすることに対する意識や技能が低いためで  あると考えられる。  実際に清掃についての調査結果を見ると、現在の清掃活動に対して問題があると思っている子ど  もは32名であった。その中でも自分の清掃にかんすることより友達の清掃に対する苦情が多い。  清掃活動そのものに対しては「むだ話をしている。」「ふざけている。」「そうじをした後にごみ  が残っていてきたない。」「机を移動するときに、ごみをひきずる人がいる。」「終わる時間が遅  い。」などが実態として上げられてきている。これは、技能面、態度面の両方で不十分な所が多々  見られるということである。したがって、清掃活動における子どもたちの技能面・態度面の個人差  を把握し、個人差に応じて解決策を自己決定させ、意欲的に実践させる必要があると考える。   そこで、指導にあたっては、がんばって清掃をしている姿を提示し、がんばりを認めて賞揚する  とともに、自分達のこれまでの清掃の様子を振り返らせ、きれいにそうじをするためにはどうした  らいいかを考えさせ、自分達の実態の問題点を洗い出させて、解決策を考えさせ、より具体的な活  動を組ませていきたい。そして、きれいなそうじが出来るようにさせたい。    本時指導にあたっては、清掃活動に対しての個人差を技能面・態度面でタイプ別にとらえる。     Aタイプ・・・技能面・態度面の両方できている子ども     Bタイプ・・・技能面で努力が必要な子ども     Cタイプ・・・態度面で努力が必要な子ども     Dタイプ・・・技能面・態度面の両面で努力を必要とする子ども  解決策を選択させる際に効果的な選択ができるように手だてを組んでいきたい。  なお、本時の授業の最後には、学習カードに授業に対する参加状況と意欲についての自己評価を  させ、自らの変容をとらえさせ、実践への意欲化を図りたい。  .本時の指導 1.ねらい 清掃活動の現状を具体的に見直させ、清掃区域をきれいにする方法を話し合わせて清掃活動を   よりよいものにしていこうとする意欲と態度を養う。 2.展 開 ------------------------------------------------------------------------------------------ 段階 学習内容と学習活動 時間 指 導 上 の 留 意 点 資 料 ------------------------------------------------------------------------------------------ 1.清掃活動のVTRを 8  ・VTRで学級の子どもたちが、一生懸命に清掃 VTR 見て清掃の様子につい 分  に取り組んでいる様子を見せ、頑張っている姿        課 話し合い、課題をとら を賞揚する。      題 える。         ・清掃終了直後のVTRを見せ、頑張って清掃し VTR  の  ○頑張っている清掃の   ているにもかかわらず、きれいになっていない  共 様子            ことに気付かせ、本時の課題を設定する。 通 ○ごみが残っている様                               化   子                                     きれいにそうじを                                    するには、どうすれ  ばいいか。 ------------------------------------------------------------------------------------------ 2.そうじがきれいにな 10 ・清掃の時間の様子を想起させ、技能面と態度面 原 らないわけについて話 分 の両面から考えさせたい。      し合う。 ・清掃区域によって、清掃の方法に違いがあるが、 因 ○技術面 基本的な「掃く」「拭く」に絞り、掃き方や拭   ・はきかた    き方のどんなところが悪いのかまで掘り下げ、 の ・ふきかた    解決策を決める際の手がかりとしたい。      ・手順                                     追 ○態度面       ・態度面においては、清掃に向かう姿勢がいい加 ・ふざける 減であると、掃除はきれいにはならないことに 求 ・おしゃべり    気付かせ、自分自身の心構えによっても、掃除 は変わることを分からせたい。 ・掃除がきれいにならないわけについて考えてい ------------------------------------------------------------------------------------------ 3.そうじをきれいに 7  るKYの言動に注視していきたい。  課 することの大切さや 分 ・なぜ、きれいに掃除をする必要があるのかにつ 学習カー   必要性について話し いて事前に記入した学習カードを持ち寄らせ、 ド 合う。  多くの子どもの考えを表出させたい。 題 ・子どもの考えを板書によって整理しながら、保 ・保健衛生の面 健衛生の面と心情面にまとめた後、養護教諭の 絵 話を聞かせて、きれいに掃除をすることの大切        へ ・心情面   さや必要性に気付かせる。   4.そうじをきれいに 12 ・そうじがきれいにならないわけについて話し合 するための解決方法 分 った内容をもとに、解決の方法を見付けさせる。 の について話し合う。      (1)解決方法を見付  ・いくつかの解決方法の中から、自分の実態にあ ける った解決方法を選択させたい。 対 ○技能面      ほうきの使い方に ・Aタイプの子どもたちには、さらに向上させる 気を付ける。 という意味で 〜 から、Bタイプの子どもた 処  拭き方に気を付け ちには 〜 から、Cタイプの子どもたちには る。  を、Dタイプの子どもたちには 〜 から選    すみずみに気を付 択させていきたい。 と ける。 ・机間巡視をし、実態と解決方法が異なっている   ○態度面           子どもには助言をする。      きれいにするとい ・EHやDタイプの子どもたちには、助言をして 解 う心構えをしっか 解決方法を自己決定させる。    りもつ。     (2)解決方法を確か ・学習カードに自己決定した解決方法を記述させ 学習カー 決 め、カードに書く。 る。その際、掃除の様子を振り返らせ、自分が ド 選択した理由について記述させる。 ------------------------------------------------------------------------------------------   5.校長先生の話を聞き 3 ・校長先生の話をもとに、本時学習を振り返らせ 録音テー   本時で学習してきたこ 分 ながら、自分たちが学習してきたことの有効性 プ 意 とを確かめる。 に気付かせる。 6.実践に向けての決意 5 ・自分で決めた解決方法や決意を発表させ、実践 学習カー 欲  を持つ。 分 の意欲づけを図りたい。 ド ・EHにも発表させ、以後の変容を見守りたい。 化 ・学習カードに自己評価をさせ、自らの変容をと らえさせるとともに、以後の指導に役立てたい。 ------------------------------------------------------------------------------------------