小学校5年 特別活動(掃除を見直そう) 指導案 緑が丘小学校 用紙は A4 縦  1行 106字(半角) 1ページ 49行に設定してください。           第5学年学級指導指導案                                 日 時 昭和63年10月12日(水)                          学 級 5年3組(男20 女21 計41名)                      指導者 教 諭 菅原 浩           1 主題名 掃除を見直そう                               2 主題について                                     ・ 日々の清掃が、児童の生活の場を清潔にし、よい環境づくりのために実施されているが、   十分細かいところまで手が届かず、汚れている場所が意外と身の回りにあることに気付く。    近代化された今日の社会・家庭の中で、たくさんの機械が普及しているのに、雑巾・ほう   きを使用するのは、時代おくれだという意見もある。しかし、家庭を中心に成長してきた子   供に対し、学校という集団生活の場で、清掃活動を通しながら、個人の健康を維持したり、   環境を整備・改善するための活動の基本を身に付けていくことは、必要なことである。清掃   は、このように健康生活と環境の関係に成り立っているもので、個人・集団を問わず、人間   形成の大切な場でもある。自分たちの教室に入ったとき、すみずみに清潔さが感じられ、掃   除の行き届いたあとがみられるのは、子供たちにとっても、快いものであるにちがいない。   しかし、このような清掃活動も、一日の生活のなかでは、惰性的な活動になりやすく、いい   加減に行われたことが反省会等で問題になることも少なくない。                そこで、いい加減な掃除をしていると、衛生面で問題があることと、自分たちのやってい   る掃除の仕事は、実はたいへん素晴らしい活動なのだという二つの面から指導することによ   り、改めて掃除をしっかりしようという意識を持たせ、明日からの実践へと取り組んでいけ   るよう本主題を設定した。                            ・  ・ 児童は四年生のときに、「正しいほうきの使い方」の学習をしており、同時に掃除につい   ての意義・取り組む態度等も学んできている。しかし、学級編制が行われ、清掃区域も変わ   るなど、清掃活動を取り巻く環境が違ってきていたり、学習後約一年経過していることから   その意識も少しずつ薄らいできている。                           普段の掃除開始の会や、反省会などでは、協力とか責任とかの生活指導あるいは道徳的な   面は、よく子供たちの口から出てくるが、保健的な面は意識されることが少なく、掃除をや   らないことによる衛生面での問題について、具体的に考えられる子は少ない。また掃除は、   やらされるものであり、できれば楽な仕事をしたいという気持の子が多く、自主性・連帯感   も十分ではない。                                   ・ 最近の子供たちへのアンケ−ト調査によると、掃除についての必要性を感じている子がほ   とんどで、(41人中37人)掃除は自分たちの大切な仕事である、という意識は持ってい   る。しかし自分の掃除について反省してみると、                                あなたは掃除をしっかりやっていますか                       +---+-----+-----+-----+-----+----+-----+-----+                     |  | 1班| 2班| 3班| 4班| 5班| 6班| 7班|                     +---+-----+-----+-----+-----+----+-----+-----+                     | 〇| 1 |  3 |  1 |  2 |  0 |  0 |  1 |     未解答4人           +---+-----+-----+-----+-----+----+-----+-----+     欠席のため           | ×|  4 |  3 |  4 | 4 |  6 |  4 |  4 |                     +---+-----+-----+-----+-----+----+-----+-----+              と、各班ともにしっかりとやれていない子のほうが多い現状である。       やれていない子にその原因を尋ねてみると。(29人中)                          +------------------------------------+                        | ・ついおしゃべりをしてしまう。 16人|                        | ・つい遊んでしまう。       6人|                        | ・友達につられてしまう。     3人|                        | ・分担がはっきりしない。     1人|                        | ・掃除は嫌い。          1人|                        | ・いつもの癖。          1人|                        | ・時間が立たないとやらない。   1人|                        +------------------------------------+                と、掃除に集中できず、途中で仕事よりおしゃべりや遊びに夢中になってしまう子が多い    ようである。そこで、子供たちの掃除の様子を観察してみたら、次のようなやり方をして    いることが分かった。                               +-----------------------------------------------------------------------------+ | ・始まるまでに時間がかかる。                           | | ・通り一ぺんの掃除で、きれいなところも汚いところも同じようにやっている。     | | ・雑巾が汚れていても折り返したり洗ったりすることをあまりしないで、いつまでも使って| |  いる。                                     | | ・机ふき用雑巾と床拭き用雑巾を同じ場所に重ねて干してある。            | | ・教師の見ているところとそうでないところに差があるらしい。(特におしゃべり)   | +-----------------------------------------------------------------------------+     普段何気なくやっている掃除ではあるが、改めて見直すと、ずいぶん気になるところが    あるものだと感じた。特に、雑巾に関わる衛生面での指導の必要性を痛感している。       また、一番多く使っている机の上も、案外きれいにされていない。自分の机こそ自分が    きれいにする必要がある、ということを実際に拭く作業を通して学ばせたい。        ・ 子供たちは、掃除という仕事は毎日行っているごく普通の活動として捉えているが、そ    れは、学校の活動だからやっているようである。逆に家の掃除は、「母親の仕事」になっ    ている。自分の部屋の掃除は、ほとんどが「時々」や「たまに」の不定期なもので、その    きっかけも「やりなさい」と言われてから行う、主体性のない仕事であった。      +-----------------------------------------------------------------------------+ | 家の掃除は誰がやりますか。                            | |  ・母34人  ・祖母2人 ・祖父1人                      | | 自分の部屋を一番掃除する人は誰ですか。                      | |  ・母18人  ・自分17人・姉1人 妹1人                   | | あなたは自分の部屋の掃除をどれくらいおきにしますか。               | |  ・毎日 5人 ・週一回 5人 ・たまに、ときどき23人 ・ほとんどしない 4人 | |  ・まったくしない 0人                             | +-----------------------------------------------------------------------------+     学校の掃除をもし親任せで掃除機を使ってやるとしたら、多くの人とお金が必要である    ことを示すことによって、自分たちの行っている仕事の素晴らしさに気付かせ、これから    の掃除に取り組ませたい。                             3 本時の位置付け                                      +-------+    +-----------------+    +-----------+   +-----------------+    | 学級会+-------+ 4月 掃除の分担+-------+ 終わりの会+---+-+ 最上級生にむけて|    +---+---+    +-----------------+    | 掃除の反省|  | +-------+---------+      |                   +-----+-----+  |     |          +---+-----+               +-------+-------+ | +-------+-------+      | 学級指導+-----------------------------+ 掃除を見直そう+-+-+ 能率の良い仕事|      +---+-----+               +-------+-------+  +---------------+        |                      |                    +---+---+  +---------------+   +-------------+-+                   | 道 徳+---+ ひろしのなやみ+-----+ 山に働く少年団|                   +-------+  +---------------+   +---------------+                4 本時の指導                                                (1)目 標 掃除の必要性を理解し、実践方法の見直しを考えることができる。                 (2)展 開                                               +---+----------------+-------------------+---------------------------+----------------+----------+ |  | 学 習 活 動 |  主  発  問  |  予想される児童の反応   | 指導上の留意点 | 準備・資料| +---+----------------+-------------------+---------------------------+----------------+----------+ | 導| 1学級の掃除の様| ・5年3組の掃除は上| ・うまくやれていない。   | ・実態を示しなが| 4年生の時| |  |  子について話し|  手にやれているだろ| ・うまくやれているところもあ|  ら、自分たちの| の新聞  | | 入|  合う。    |  うか。      |  る。           |  掃除にいい加減|      | |  |         | ・各班の様子はどうだ| ・一生懸命やっている班が少な|  なところがあっ| 班のアンケ| | 問|         |  ろう。      |  い。           |  たことに気づか| −ト   | | 題|         | ・ここ数日の掃除の様| ・ふざけてやっている人がいる|  せたい。   | VTR  | | の|         |  子をビデオで見てみ| ・ビデオの前でだけまじめなふ|         |      | | 把|         |  よう。      |  りをしている。      |         |      | | 握| 2本時学習のねら| ・こんな掃除のしかた| ・もっとちゃんと掃除をしなけ|         |      | |  |  いを持つ。  |  で問題はないだろう|  ればいけない。      |         |      | |  |         |  か。       | ・健康の面でも問題がある。 |         |      | |  |     +-------+-------------------+--------------+       |         |      | |  |     | なぜ掃除が必要なのか、もう一度考えてみよう。|       |         |      | |  |     +-------+-------------------+--------------+       |         |      | | 展| 3掃除が必要なわ| ・なぜ一生懸命掃除を| ・おしゃべりをしてしまう。 | ・いい加減な掃除|      | |  |  けについて話し|  しないのか。   | ・つられて遊んでしまう。  |  ではいけない、|      | |  |  合う。    |           | ・分担がはっきりしないので、|  ということが頭|      | |  |         |           |  始まりが遅くだらけてしまう|  では分かってい|      | |  |         | ・いい加減な掃除は、| ・健康に悪いと思う     |  ても実践できな|      | | 開|         |  生活にどんな影響が| ・正しい掃除の仕方を覚えない|  いでいると思わ|     | |  |         |  あるのだろう。  |  で大人になってしまう。  |  れるので、具体|      | | 原| (1) ----に培養さ| ・衛生面での問題につ| ・放っておくと黴菌やダニなど|  的なものを示し| 培養---- | | 因|  れた身の回りの|  いて、調べてみよう|  がいっぱいになっていく。 |  ながら訴えてい|      | | の|  黴菌について話|           | ・給食台の上の汚れがひどい。|  きたい。   |      | | 追|  し合う。   |           |               |         |      | | 求| (2) 自分の机の上| ・今みんなが勉強して| ・毎日使っている机もずいぶん| ・全員に雑巾を持| 雑巾各一枚| | ・|  を拭くことによ|  いる机の上はきれい|  汚れているんだな。    |  たせ、自分の机|      | | 解|  って身近な汚れ|  だろうか。    | ・一回だけより二回、三回と拭|  をふかせる。 |      | | 決|  に気付く。  |           |  くことによってきれいになっ|         |      | | 方|         |           |  ていく。         |         |      | |  | 4掃除をすること| ・みんなの掃除を全部| ・人任せにすると、たくさんお| ・親任せにすると|      | |  |  のすばらしさを|  お母さんにお願いす|  金がかかる。       |  人手は250 人、|      | |  |  話し合う。  |  るとどうなるのか。| ・掃除まで親にやってもらうこ|  お金は138 万円|      | |  |         |           |  とはできない。      |  かかることから|      | |  |         | ・人手もお金も必要以| ・自分たち         |  自分たちのやっ|      | |  |         |  上にかけなくてもい| ・自分たちの教室は、自分たち|  ていることのす|      | | ま|         |  いのは、誰ががんば|  できれいにしなくてはいけな|  ばらしさに気づ|      | | と|         |  っているからだろう|  い。           |  かせたい。  |      | | め|         |  か。       |               |         |      | |  | 5学習を振り返り| ・自分たちの掃除を反| ・分担をはっきり決める。  | ・簡単に結論づけ|      | | 実|  明日から実践し|  省してみて、まず何| ・無言で働く。       |  ないで、学級会|      | | 践|  ていくことにつ|  からなら直していけ| ・協力してやる。      |  や班長会でも話|      | | 意|  いて話し合う。|  るだろうか。   | ・掃除の初めと終わりをしっか|  し合わせたい。|      | | 欲|         |           |  りとやる。        |         |      | +---+----------------+-------------------+---------------------------+----------------+-----------+  5 評価 掃除が必要であるということについて再認識し、明日からの掃除はがんばってやろう、という気持ちを