印刷用紙:B4縦 1ページの行数:58 1行の文字数(半角で):100 学級活動指導案      花巻市立湯本小学校 教 諭 小澤 清治 1 主題名  「係の活動計画の良いところを見つけよう」 2 日 時  平成3年8月31日(土) 3校時 3 学 級  雫石町立安庭小学校5学年 (男子8名、女子12名、計20名) 4 設定理由 学級活動における係活動については、小学校指導書・特別活動編に「係の活動は、学級の児童が学級内の仕  事を分担処理するために、幾つかの係に分かれて自主的に行う活動であり、児童の力で学級生活を豊かにする  ことをねらいとしている。」と記されている。このことは、係活動の場合の活動の対象が学級集団であり、学  級の成員であることを示している。そして、集団に対する一人一人の所属感と意欲的な係活動とは互いに関連  し合いながら高まっていくものと考えられる。したがって、係活動は、単に係活動ができたという結果にある  のではなく、児童が豊かな学級をめざしてどのような計画を立てて活動し、集団への所属感をいかに高めてい  くかが重要であと考える。   しかし、児童にとっての係活動は、単調な活動であったり、教師の指示による活動や一部の児童による活動  であったりすることが多いため、他の成員の活動には無関心となる傾向にある。そのため、お互いの承認や賞  賛が少なく、集団への所属感が高まらず、係活動への意欲も薄れているように思われる。   このようなことから、二学期の係の活動計画の発表を通して評価活動を行うことによって、承認・賞賛し合  う活動の大切さに気付かせたい。さらに、評価活動を計画・実践・反省の各段階において行うことが、係活動  の意義や学級の成員一人一人の特性や努力を理解し合うことであり、集団の一員としての自覚が深まっていく  ことを理解させたい。また、これを契機として、自分の役割を自覚し、創意工夫を生かした係活動を行う意欲  を喚起したい。 5 児童の実態   実態調査結果から、多くの児童は係活動を自主的に責任をもって係活動に取り組んでいるとこたえている。  しかし、係活動に対する関心の低い児童が多く、活動は時間的な制限があったり、成員間の認め合いや創意工  夫が少なく活発な活動とはいいがたい。   学級に対する意識面では、学級生活は楽しいとこたえているが、自分の事を心配したり考えてもらっている  と感じたり、学級の中で自分が役立っていると感じている児童が少なく、学級への所属感をもてないでいる傾  向にあるのではないか。 6 展 開 (1) ねらい   ・係の活動計画を話し合い、実践活動への意欲を高める。   ・活動計画を相互評価することにより、評価活動への意欲を高める。 (2) 展開の概要 (45分) +-----+---------------------+-----+-----------------------------+--------------------------+ | 段階|  学 習 内 容 | 時間|   児 童 の 活 動 | 指 導 上 の 留 意 点 | +-----+---------------------+-----+-----------------------------+--------------------------+ | | 1.本時の学習のねら | | 1)学習のねらいをつかむ。 | ・実態調査における「学級生| | |  い | | ◇係活動における賞賛が少ないこ|  活における賞賛」と「係活| | | | |  とを知る。 |  動の対する賞賛」をグラフ| | 導| | | ・認め合うことが多い学級だが、|  にしたものを提示して、比| | | | |  係の事では誉め合うことがすく|  較させることで係活動を通| | | | |  ない。 |  した交流が少ないことに気| | | | | ・係活動の良いところがあるので|  づかせ、係活動計画の良い| | | | |  誉め合うことが少ない。 |  ところを見つけようとする| | | | | +--------------------------+ |  意欲をもたせたい。 | | 入| | | | 係の活動計画の良いところを | |        (紙板書)| | | | | | 見つけよう | | | | | | | +--------------------------+ | | | | | | ◇評価カードの使い方を知る。 | ・評価カードを渡し、カード| | | | | |  を使った評価の仕方につい| | | | 5| |  て説明する。  (TP)| +-----+---------------------+-----+------------------------------+--------------------------+ | | 2.係の活動計画の発| | 2)活動計画の発表を聞きながら、 | ・発表者には、目標、活動内 | | |  表 | |  評価カードに記入する。 |  容、役割分担を計画書を基 | | | | | | に詳しく発表させる。 | | | | | 《評価の観点》 | (活動計画用紙)| | | | | +--------------------------+ |       | | | | | | ・やり遂げることのできる目 | | ・評価の観点を基に良かった | | | | | |  標を立てましたか。 | |  ところに記入させるだけと | | | | | | ・活動内容に工夫があります | | し、聞くことに集中させる | | | | | |  か。 | | | | | | | | ・役割分担がはっきりしてい | | ・進行は教師が行う。 | | | | | | ますか。 | | | | 展| | 12| +--------------------------+ | | | +---------------------+-----+------------------------------+--------------------------+ | | 3.活動計画の検討 | | 3)各係の活動計画を一人一人で検 | ・一学期の活動や自分達の活 | | | | |  討し、評価カードに記入する。 |  動計画と比較させながら、 | | | | | | 活動計画の良いところを中 | | | | 5| |  心に発表の準備をさせる。 | | +---------------------+-----+------------------------------+--------------------------+ | | 4.活動計画について | | 4)係の活動計画について話し合う | ・記入したことを基に、一つ | | |  の話し合い | | <賞賛> |  一つの係について活動計画 | | | | | ・活動内容を工夫している。 | の良かった点を具体的に話 | | | | | ・学級のためになる。 |  し合わせる。 | | | | | <期待> | ・活動計画は、学級生活を豊 | | | | | ・楽しみです。 |  かにすることを考えて立て | | | | | <改善> |  たものであることをおさえ | | | | | ・〜事もやってほしい。 |  させる。 | | 開| | | | ・自分の係に対して、どの様 | | | | | |  な内容の発表がされるか、 | | | | | |  期待をもって聞くようにさ | | | | | |  せる。 | | | 5.評価活動の意義 | | 5)評価活動の良さを考える。 | ・活動計画について話し合っ | | | | | ・工夫したところを認めてもらっ|  た感想を発表させることを | | | | |  てうれしかった。 |  通して評価活動の良さに気 | | | | | ・やる気がでてきた。 | づかせ、評価活動の意義に | | | | | ・みんなのためにやったかいがあ |  ついてまとめる。 | | | | 13|  る。 | | | +---------------------+-----+------------------------------+--------------------------+ | | 6.発見カードの使い | | 6)実践段階での相互評価の方法を | ・「発見カード」を渡し、実 | | |  方 | |  知る。 |  践段階での評価活動の方法 | | | | | +--------------------------+ |  について知らせ、他の係の | | | | | | ・計画に基づいて活動しまし | |  活動を気を付けてみていこ | | | | | |  たか。 | |  うとする意欲をもたせる。 | | | | | | ・工夫して活動しましたか。 | |  (TP)| | | | | | ・協力して楽しく活動しまし | | ・発見カードは、他の係の良 | | | | | |  たか。 | |  いところを発見するために | | | | 5| | ・進んで活動しましたか。 | | 活用することを協調する。 | | | | | +--------------------------+ | | +-----+---------------------+-----+------------------------------+--------------------------+ | | 7.授業の感想と発表 | | 7)今日の授業で考えたことを発表 | ・何人かの児童に発表させ、| | | | |  する。 |  実践への意欲をもたせる。| | 終| | | ・認め合うことの大切さが分かっ | | | | | |  た。 | | | | | | ・係活動を進んでやりたい。 | | | | | | ・みんなに認められるようにがん | | | 末| | | ばりたい。 | | | | | | ・他の係の活動の良いところを見 | | | | | 5|  ていきたい。 | | +-----+---------------------+-----+-------------------------------+-------------------------+