印刷用紙:B4縦 1ページの行数:60 1行の文字数(半角で):106                第3学年 学級活動指導案                                 日 時  平成6年9月14日(水)1校時                                  児 童  3年3組31名(男子16名女子15名)                                 指導者  遠藤 美智子 1.題材名 学級オリンピックをしよう               2.題材について  ○本学級は、当番や係の活動を班単位で受け持ち、班活動が学級生活の基盤となっている。クラス編成をしたばかり  の4月当初は、新しい友達を作るのに戸惑い、休み時間一人で遊んでいたり、特定の子だけと遊んでいたりする姿が  よく見られた。しかし、班活動、学級行事などを通していろいろな友達と関わる機会が増え、徐々に友達の輪を広げ  てきている。                                                 班で活動する時、ふざけて遊んでいる子、自分の思うようにいかず班の活動を嫌がる子、無関心な態度をとる子な  どがいて、班内で解決できず教師に訴えて来ることがある。この場合自分の非を認めない子も少なくない。また、掃  除中では、友達とおしゃべりをしたり、すぐ手を休めてうろうろしたりして、自分の仕事をしっかりやらない子や自  分の仕事が終わっても手伝わない子がいる。そのため、時間内に作業が終わらないこともある。このようなことから、  仲良く遊べるようになってきたものの、班のまとまりという点では、まだ不十分であると思われる。そこで、次のよ  うな事前意識調査を行ってみた。 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+−−−− |      調  査  項  目 | ++ | + | − | −− +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+−−−− |1.あなたは、そうじの時に班の人と力を合わせてやっていると思いま| 4人 |20人 | 6人 | 1人 | すか。 | (13%) | (65%) | (19%) | ( 3%) +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+−−−− |2.あなたは、体育の時に友達と励まし合って活動していると思います|10人 |17人 | 3人 | 1人 | か。 | (32%) | (55%) | (10%) | ( 3%) +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+−−−− |3.あなたは、学級で行事をする時、班の人たちと力を合わせて、仕事|11人 |16人 | 3人 | 1人 | や練習をしていると思いますか。 | (35%) | (52%) | (10%) | ( 3%) +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+−−−− |4.あなたは、学級で行事をした時、「みんなで力を合わせて頑張った| 9人 |20人 | 2人 | 0人 |」という気持ちになりますか。 | (29%) | (65%) | ( 6%) | ( 0%) +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+−−−−   この意識調査から、1と2の項目に関して8割ぐらいの子が+傾向の意識を示していることが分かる。実際は、掃  除の時は友達とふざけたり、おしゃべりをしたりしている子がおり、班の子と力を合わせて仕事をしているとはいえ  ない状況にある。また、体育の時間に班対抗で試合などをすると、失敗した子を責めたり、けなしたりするような態  度をとる子もおり、友達と励まし合って活動しているとはいえない。このことから、子どもの意識と実態にずれがあ  ることが分かった。                                              3と4の項目では、一学期に取り組んだお誕生会の出し物の練習や準備を通し、班の子と力を合わせて頑張ったと  感じている子が多く、学級行事が子ども達の満足感、成就感を育てていると考えられる。  ○このような子ども達に、班対抗で記録に挑戦する学級オリンピックに向けた準備や練習を通して、友達と励まし合 い、力を合わせて頑張ろうとする態度を養わせたい。また、みんなで一つのことをやり遂げたという、成就感・満足感 を味わわせたいと思い本題材を設定した。  ○指導に当たっては、「何のために学級オリンピックをするのか」という提案理由を話合いの前に確かめあい、学級 オリンピックにみんなで取り組む意義を押さえさせたい。また、学級活動カ−ドに自分の考えを書く前に、「どんな種 目が考えられるか」自分たちで調べ、同じ種目を考えた子がグル−プになって内容を紙にまとめる作業をさせて、自分 の考えをしっかり持たせるようにする。  本時では、学級活動カ−ドに書いた意見を積極的に発表できるように促したい。「どんな種目にするか」について話 し合う場面では、最初に、事前にまとめておいた紙を使って、グル−プの代表の子に種目と内容を説明してもらい、種 目のイメ−ジを一人一人に持たせるようにする。話合いが進まない時は、提案理由をよりどころに話し合わせるように したい。そして、反対意見が先行し話合いが責め合いにならないように議長に助言していく。「班でどのように取り組 むか」については、班ごとに学級オリンピックに向けてどんな取り組みをするか考えさせ、活動の見通しを持たせたい。 班の話合いでは一人の意見に縛られることなく、多くの子から意見を出してもらって話をまとめていくように指導し たい。  事後の指導では、活動計画を決めて取り組ませ、学級オリンピックに向け取り組んでいる様子を励ましていきたい。 また、班の友達と力を合わせて練習したり、仲間を励ましたりしている様子を取り上げて賞賛していきたい。さらに、 学級オリンピックの取り組みの総括の場を持ち、がんばった点、課題点を確認し、次の実践へつなげていきたい。 3.仮説とのかかわり  自ら学ぶ力を支える基本的行動様式の意識調査をしたところ、本学級では「議題や課題について自分の考えをまとめ る」「自分の考えをまとめて話す」という力が落ち込んでいることが示された。この力を高めていくために、  ・議題についての提案理由をしっかりとつかむ。                                ・自分の考えやわけを事前に学級活動カ−ドに記入する。  ・話合いの場面でどのような話し方をしたらよいか、基本的な話し方にもとづいて話す。  ・学級活動カ−ドをよりどころにして、自分の考えを自信を持って発表する。 などの力を身につけることが必要になってくると思われる。  本題材においては、学級活動カ−ドに自分の考えを書かせる前に、種目を調査する期間を設けて自分の考えをしっか り持たせるようにしたい。また、学級活動カ−ドに記入した内容に事前に目を通して、よい考えや意見については励ま しの言葉を添えて返し、自分の考えに自信を持たせるようにしたい。 4.指導目標  ◎学級オリンピックの活動を通して、みんなで一つのことをやり遂げた満足感、成就感を味わわせるともに、学級の   連帯感を高める。  1.みんなで協力し、学級オリンピックに取り組むことができる。  2.学級オリンピックに向けて、みんなと力を合わせて係の仕事や練習に取り組むことができる。  3.学級オリンピックにどのように取り組んでいくか、学級活動カ−ドに記入することができる。  4.理由や根拠をはっきりさせてながら、学級オリンピックについて話合うことができる。  5.学級オリンピックについて、自分の考えと友達の考えを比べながら話し合うことができる。  6.提案理由にそって、学級オリンピックについて話し合うことができる。  7.本時の議題を知り、学級オリンピッの種目について自分の考えを持つことができる。 5.指導計画  9月 2日(金)昼休み 計画委員会(議題の選定)     3日(土)帰りの会 (議題の決定)     8日(木)帰りの会 (学級活動カ−ド配布)     9日(金)朝の会 (学級活動カ−ド回収)          放課後  計画委員会 (学級活動カ−ドの結果の検討)    12日(月)放課後 計画委員会 (準備、打ち合わせ)    13日(火)放課後 計画委員会 (準備、打ち合わせ)    14日(水)朝の会 (学級活動カ−ド返却)          2校時 学級活動 (本時)    21日(水)5校時 係準備    28日(水)5校時 学級オリンピック    29日(木)学級オリンピックの反省  6.本時の展開   (1) 議題  学級オリンピックをしよう   (2) ねらい 学級オリンピックの種目や班の取り組みを決める話合いをすることにより、学級オリンピックへの参        加意欲を高める。   (3) 展開 +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− |提案理由|班がえをして、2週間が経ちました。班で力を合わせることができる学級オリンピックをすれば、新しい | |班が今よりもっと仲良くなり、チ−ムワ−クをよくすることができると思ったので提案しました。    +−−−−+−−−−+−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−− | | 議長 | | 副議長| |黒板書記|              |役割紹介+−−−−+−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−− | |ノ-ト 書記| |あいさつ・歌 |提案者 |              +−−−−+−−−−+−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−+−−−−− | 話合いの手順       指   導   上   の   留   意   点 | 資 料  +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−− |1.はじめの言葉 | |      |2.歌 |・歌を歌って話合いのための楽しい雰囲気づくりをさせる。 |      |3.役割紹介 |・計画委員会の児童に自己紹介させることにより、自分たちで話合いを進めると |      | | いう意識を持たせる。 |      |4.話合いのめあて|・本時の話合いのめあてをしっかり意識させる。 |      |5.議題の確かめ | |      |6.提案理由の説明|・「なぜ学級オリンピックをするのか」話合いの意義を十分理解させる。 |      | |・新しい班が今より仲良くなり、チ−ムワ−クが高まるような学級オリンピック |      | | にすることを意識させる。 |      |7.話合いの順序の| |      |  確かめ |・本時はどんなことを話し合うのかつかませる。 |      |8.話合い | |      | 1.どんな種目にす|・出し合いの時、種目ごとにグル−プの代表が内容を紙に書いたものを使って発 |学級活動カ |  るか | 表し、種目のイメ−ジがわくように配慮する。 |−ド    | |・自分の考えを、理由や根拠をはっきりさせて、自信を持って発言できるように |      | | 学級活動カ−ドを活用させる。 |      | 2.班でどのように|・班のめあて、いつ・どのように取り組むかを班ごとに話し合わせることによっ |      | 取り組むか | て活動に見通しを持たせる。 |      | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |      | | |自分の考えを理由や根拠をはっきりさせながら話すことができたか | |      | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |      | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |      | | |友達の考えと学級活動カ−ドに書いたものとを比べながら、自分の考えを| |      | | |まとめて話すことができたか | |      | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |      |9.決まったことの|・ノ−ト書記に話合いで決まったことを発表させ、みんなで確かめ合いたい。 |      | 確かめ | |      |10.反省と感想 |・学級活動カ−ドに学級オリンピックにむけて、自分がこれからどの様に取り組 |      | | んでいくか書かせ、今後の活動の意欲付けを図る。 |学級活動カ | |・反省カ−ドに話合いの自己評価を書き、友達カ−ドには話合いの中で良い意見 |−ド    | | をいった子、頑張って発言した子について書かせる。そして、それらを発表さ |反省カ−ド | | せることにより、次の話合いへの意欲付けを図る。 |友達カ−ド | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |      | | | 学級オリンピックの実施に向けて活動意欲を持つことができたか | |      | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |      |11.先生から |・話合いで良かった点をほめ、学級オリンピックの準備や練習の取り組みへの意 |      |12.おわりの言葉 | 欲付けを図る。 |      +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−