印刷用紙:B4縦 1ページの行数:64 1行の文字数(半角で):110 第4学年学級活動指導案 日 時 平成6年9月14日(水)2校時      対 象 4年1組 34名(男子14名女子20名) 指導者 千葉 久美子 1 題材名 よい姿勢で学習しよう 2 題材について ・ 近年、児童の体格は向上したが、その反面、背筋力の低下から背柱が歪んでいる子、真直ぐ立てない   子などの問題が出されるようになってきた。このような問題を解決するために、子どもが自分自身の健   康状態に関心を持ち、病気の予防や健康な生活を実践できるように継続的な指導が必要である。    よい姿勢をとることは、疲労が少なく学習や作業の効果が上がり、内臓の負担が少ないため発育を順   調にする。また、集中力、落ち着きができ、見た目にも美しく機能的である。姿勢には、その人の生活   や心身の健康も現れる。  このようなことから、4月から姿勢についてはその場その場で指導してきたが、よい姿勢をなかなか   持続させられなかった。立って音読する時や書写の時間は、教師も子どもも姿勢について強く意識する   ためかよい姿勢がとれる。しかし、ふだんの学習中や生活の場面では、座っている時に椅子のふねこぎ、   腰を浅くかけて足を伸ばす、体が曲がる、書く時にノートに目を近付ける、左手の位置が悪い、立つ時   に真直ぐ立てないなど、問題点が多い。また、よい姿勢が続かない子どもは、集中力や根気が不足して   いるため、最後まできちんとやりぬくことができないということも見られる。  そこで、姿勢について、子どもの実態を把握するために、事前の意識調査を行ってみた。 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−−+ |     意 識 調 査 項 目 |とてもしている している あまりしていない していない | | ++ | + |  − | −− | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−−+ |1. あなたは、よい姿勢をとることが大切だと| 15 | 16 | 2 | 1 | | 思いますか | (44%) |(47%)|  (6%) | (3%) | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−−+ |2. あなたは、いつもよい姿勢をとろうと気を| 3 | 13 | 9 | 9 | | つけていますか | (9%) |(39%)| (26%) |(26%) | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−−+ |3. あなたは、話を聞くとき、よい姿勢で座っ| 2 | 7 | 20 | 5 | | ていますか | (6%) |(20%)| (59%) |(15%) | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−−+ |4. あなたは、字を書くとき、よい姿勢で書い| 3 | 16 | 12 | 3 | | ていますか | (9%) |(47%)| (35%) | (9%) | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−−+ |5. あなたは、気持ちを集中し、落ち着いて学| 0 | 8 | 18 | 8 | | 習してますか | (0%) |(24%)| (52%) |(24%) | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−+−−−−−−+−−−−−+ 調査の結果から、90%がよい姿勢は大切だと思いながら、半数以上が気をつけていないといってい   ることから、姿勢が自分の健康に重要な意味を持っていることを十分理解していないと考えられる。字   を書く時は姿勢が字という形になって表れるため意識しているが、ノートに目を近づけている子の自覚   が低い。集中しているかについては、自己評価の基準に差があるが、厳しく見ている子が多い。話を聞   く時の座り方は、集中しているときにはいいのだが、時間がたって飽きてくるとくずれることから、気   持ちとの関連が考えられる。  ・ よい姿勢で学習してほしいと願い「姿勢」と注意してきているが、子ども達は自分から意識してよい   姿勢をとろうという気持ちには、まだ育っていない。そこで、よい姿勢をとることが自分の健康にとっ   て重要な意味を持っていることを分からせ、よい姿勢をとる必要性を理解させたい。そして、自分でよ   い姿勢をとるよう意識し、めあてを持って努力しようとする態度を育てたい。また、自分の姿勢を見直   すために鏡で見たり、友達から見てもらって注意し合ったりすることも考えさせたい。よい姿勢をつく   る背筋力をつけるために、積極的に運動すること、バランスよく食べることも必要であることに気づか   せ実践させたい。 ・ 指導にあたっては、まず、よい姿勢をとることが大切だと思いながら、よい姿勢をとろうと意識して   いない人が多く、姿勢がくずれている実態をグラフとビデオを見せることによってつかませ、問題点に   気づかせ、学習課題をとらえさせたい。どうしてよい姿勢がとれないのか、その原因を話させることに   よって、気持ちや意欲が姿勢に現れてくることにも気づかせたい。よい姿勢が大切なわけを理解させる   ために子ども達の知識を出させ、それに背骨の仕組みや悪い姿勢の害を具体的に説明することで、姿勢   が自分の心身に重要な意味を持ち、本当に大切にしなければならないのだという気持ちを持たせたい。 姿勢をよくするためにどうしたらよいか解決方法を考えさせる場面では、子ども達から出てこないと   思われる運動や栄養のことも補足したい。よい姿勢を実際やってみて、自分のめあてを持ち、これから   頑張って実践していこうという意欲づけをしたい。また、事後の実践活動では、よい姿勢をしている子   を誉め、根気強く継続して指導していきたい。 3 仮説とのかかわり 本学級の子ども達は「課題について自分の考えをまとめる」「自分の考えをまとめて話す」という力が  落ちている。この行動様式を高めていくために、 ・ 提示された資料から課題を引き出し、自分自身の問題としておさえる。 ・ 先生の話や友達の意見をよく聞き、自分のことを振り返ってみる。  ・ 自分の考えを理由も合わせて学級活動カードにまとめ、発表する。 などを身につけていくように指導したい。そのため、課題意識を持つ場面では、提示された資料から問  題を見つけ、それを自分自身の問題として考えさせたい。原因について話し合い、解決方法を考える場面  では、自分の本音を出させるとともに、友達の考えをしっかり聞いて自分と比べ、まとめさせたい。   また、実践意欲を持つ場面では、学級活動カードに今までの自分のことを振り返らせ、自分のめあてを   たてて記入させ発表させて意欲付けたい。 4 指導目標 よい姿勢をとることの大切さが分かり、自分から進んでよい姿勢をとろうとする態度を養う。  1. 自分から、よい姿勢をとろうとすることができる  2. 自分から、よい姿勢をとっていこうとする意識を持つことができる  3. よい姿勢をとることの大切さが分かる  4. よい姿勢がとれないわけを考え、話し合うことができる  5. クラスみんなでよい姿勢をとるためにどうしたらよいか考え、直していこうとする意欲を持つことが   できる 6. 自分達の姿勢に問題点があることに気づく 5 指導計画 事前  姿勢についての事前調査をする。 本時  よい姿勢をとることの大切さを分からせ、どうしたらよい姿勢がとれるか話し合って自分のめ       あてを立てさせる。 事後  学習や生活の場面で、よい姿勢をとっている子を称揚し、みんなでまねをしていくようにする。 事後の状況について調査する 6 本時の展開 (1) ねらい  よい姿勢をとることの大切さが分かり、自分から進んでよい姿勢をとろうとする意欲を         持たせる。 (2) 展 開 +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−− 過 程|  学 習 活 動 | 主な発問と予想される反応 |   指 導 上 の 留 意 点 | 資 料 +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−− | | | | | | 課 |1.資料を見て話し合う|○このグラフからどんなことが|・よい姿勢が大切だと思っている人が多い |グラフ | 題 | | 分かるか。 | グラフを見せ、姿勢について意識してい | | 意 | |・よい姿勢が大切だと思ってい| ることを分からせる。 | | 識 | | る人が多い。 | | | を | |○学習中のビデオを見て、みん|・落ち着きなく姿勢がくずれたり、熱中し |VTR | 持 | | なの姿勢に問題点はないか考| て机上に目が近くなっているVTRを見 | | つ | | えよう。 | せ、自分達が思っているように姿勢がよ | | | |・きちんと座っていない。 | いわけでなく、問題点が多いことに気づ | | | |・ノートに目が近い。 | かせる。 | | | |・背中や体が曲がっている。 | +−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | |・いすをガタガタさせている。| |問題の存在に気づいたか。 | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |2.本時の課題をつかむ|○今日はどんなことについて考|・学級活動カードに自分の課題を書かせ、 |学活カード | | | えていったらよいのだろう。| 課題意識をはっきりさせて発表させる。 | | | |+−−−−−−−−−−−−−+・数名に発表させ、まとめる。 | | | ||どうしたら、自分のしせい | +−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | ||がもっとよくなるのだろう。| |課題意識を持つことができたか | | | | |+−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | 思 |3.原因について話し合|○よい姿勢が大切だと思って |・自分のことを振り返り、学級活動カー |学活カード | 考 | う | いるのにどうしていつでも | ドに書かせてから、本音で話させ、よ | | を | | 姿勢をよくしていられない | い姿勢がとれないわけを明らかにした | | 深 | | のだろうか。 | い。気持ちや意欲が姿勢に現れること | | め | |・姿勢のことを忘れてしまう。| にも気づかせたい。 | | る | |・疲れてくる。 | | | | |・あきてくる。 | | | | |・だらける。 | | | | |・姿勢をくずした方が楽だ。 | | | | |○よい姿勢は、なぜ大切なの |・なぜよい姿勢が大切なのか、子ども達 |OHP | | | だろうか。 | に考えさせ、それを補足するようにO |図 | | |・目を悪くしないため。 | HPで、背骨の仕組みや悪い姿勢の害 |紙板書 | | |・背骨が曲がらないため。 | を説明し、よい姿勢をとることが自分 | | | |・よい姿勢の方がかっこいい。| 達の心や体の健康にとって大切なもの | | | |・気持ちがいい。 | であることを理解させる。 | | ま |4.解決方法を考える |○姿勢をよくするためには、 |・姿勢をくずさないための方法のほかに、| | と | | どうしたらよいだろうか。 | 丈夫な体をつくることの大切さも分か | | め | |・自分でいつも気をつける。 | らせ、バランスのとれた食事や、外で | | る | |・鏡を見る。 | 元気に運動をして強い骨や筋肉をつく | | ・ | |・友達同士、注意し合う。 | ることも意識させたい。 | | 確 | |・集中して学習する。 | | | か |5.実践してみる |○よい姿勢をくずさないよう |・よい姿勢を保ちながら集中して視写に |視写プリン | め | | 気をつけて、視写をしよう。| 取り組ませ、自分の問題点に気づかせ |ト | る | | | て、これからもっと気をつけていこう | | | | | という意欲につなげる。 | | 実 |6.自分の目当てを持つ|○今までの自分の姿勢を反省 |・カードに書くことによって、今後のめ |学活カード | 践 | | し、これから頑張っていこ | あてをしっかり持たせる。 | | 意 | | うと決意したことを書こう。| +−−−−−−−−−−−−−−−−+| | 欲 | | | |自分の反省をもとに、自己決定し || | を | | | |ているか。 || | 持 | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−+| | つ |7.本時の学習を振り返|○今日の学習の反省を書こう。|・学級活動カードに今日の学習の反省を |学活カード | | る | | 記入させ発表させる。 | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | |課題を自分の問題として考えるこ || | | | | |とができたか。友達のよさを見つ || | | | | |けることができたか。 || | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−+| +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−