印刷用紙:B4縦 1ページの行数:57 1行の文字数(半角で):100 第5学年 学級活動指導案 日 時 平成6年 9月14日(水) 1校時 児 童 5年1組36名 (男子19名,女子17名) 指導者 富谷 恵美子 1.題材名 学級スポ−ツ大会をしよう 2.題材について ○学級の子どもたちは、明るく素直な子が多い。また、何か物事をやるときでも積極的に取り組もうとする子 が多い。1学期の学級活動で学級全員の結び付きを強め、学級のまとまりを高めることをねらいとして、「広 げよう友だちの輪集会」を実施した。お互いの良さを見つけようという内容で実施した集会で、自分たちで 友だちの良さを見つけるゲ−ムを考え、係を分担して準備して行った結果、協力して集会をすることができた しかし、準備の段階では自分の意見が通らないことを理由に途中で係を投げ出してしまう子、係や集会には積 極的に参加するが、普段の生活は自分勝手な行動をとる子がいて、まだまだ協力することの大切さを理解して いない子がみられる。また、友達の輪集会の内容を決める話合いのとき、協力することができる内容の集会は スポ−ツ大会もいいのではないかという意見が多く、2学期に実施することを話合いの中で確認している。 そこで、子供たちに次の様な意識調査をしてみた。 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−+−−−+−−−+ | 調 査 項 目 |++ | + | − | −−| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−+−−−+−−−+ |1あなたは、学級で行事をやるとき、進んで仕事や練習をし| 9 | 18 | 9 | 0 | | ていると思いますか。 |25%|50%|25%| 0%| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−+−−−+−−−+ |2あなたは、学級の当番や係の仕事をするとき、協力して仕| 12 | 20 | 4 | 0 | | 事をしていると思いますか。 |34%|55%|11%| 0%| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−+−−−+−−−+ |3あなたは、学級のみんなは当番や係の仕事をするとき、協| 3 | 23 | 9 | 1 | | 力して仕事をしていると思いますか。 | 8%|64%|25%| 3%| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−+−−−+−−−+ |4あなたは、学級で行事をやったとき、「みんなで力を合わ| 16 | 16 | 4 | 0 | | せてがんばった」という気持ちになりますか。 |44%|44%|12%| 0%| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−+−−−+−−−+ (++ →いつもしている,+ →している,− →あまりしていない,−− →していない) この結果から、学級行事を実施して「みんなで力を合わせてがんばった」と思っている子が多いことがわか るが、それは当日のことだけで、その過程においては、「自分が協力していない」「みんなが協力していない と思っている子が多いことがわかった。 学級のまとまりについては、ケンカが多いからまとまっていないと感じている子が多いことがわかった。 ○このような実態の児童に対して、1つのことを学級のみんなと力を合わせて最後までやり遂げることによっ て、今まで感じたことのなかった成就感や満足感を持たせ、学級・学校生活における自主的・実践的態度をつ けさせたいと考えた。1学期の学級活動アンケ−トの結果から、友達の輪集会のときの話合いの経過から、2 学期最初にこのような集会を開くことによって、さらに学級のまとまりを強めることができるのではないかと 考え本題材を設定した。 ○指導にあたって、子どもたち一人一人が提案理由にそった考えをもち発表し、意見を交換することにより、 大会への参加意欲を高めるとともにめあてをもって「学級スポ−ツ大会」に取り組もうとする気持ちを持たせ たい。 事前では、提案者からの提案理由の説明をうけて、学級活動カ−ドに自分の考えを記入することにより、大 会のねらいを意識させるようにしたい。 本時においては、出し合いの場面では、自分の意見を積極的に発表させるようにしたい。また、出た意見を まとめるときには話し合いで内容が決定するようにしたい。その際、どの子も楽しんで参加できる種目を決定 できるようにさせたい。 事後の活動では、活動計画を立てて取り組ませたい。準備段階でも大会の目的を意識させ、活動の時間を十 分に保障して子供同士の協力の場を多く設定できるようにし、大会までの過程を励ましていきたい。 3.仮説とのかかわり 自ら学ぶ力を支える基本的行動様式の事前調査をしたところ、本学級では「理由や根拠をはっきりさせなが ら建設的に話し合う」「提示された資料をもとに、友達との話合いの中で、問題を見つけ、自分たちのものと してとらえる」という力が弱いことが示された。 集団学習形態の中で多様な考えを出し合い、友達との関わりで課題追求をしながらともに高まろうとさせる ためには、友達の意見と比べながら常に「自分ならどうするか」を念頭において話し合いに参加させることが 必要であると思う。そのために具体的な手がかりとなる学級活動カ−ドを活用させて、事前に自分の考えを学 級活動カ−ドにまとめさせ、自分の発言に自信を持たせることにより進んで話合いに参加できるようにしてい きたい。話合いをまとめる根拠となる提案理由を話合いの途中でも意識させながら進めていきたい。 4.指導目標 ◎学級スポ−ツ大会の活動を通して、友だちと協力することの大切さを感じ取らせるとともに、成就感や満 足感を持たせ、学級の連帯感を高める。 1.協力して、大会に取り組むことができる。 2.大会にどのように取り組んでいくかを学級活動カ−ドに記入することができる。 3.理由や根拠をはっきりさせながら話し合うことができる。 4.自分の考えと友達の考えを比べながら話し合うことができる。 5.提案理由にそって、大会について話合うことができる。 6.本時の議題を知り、提案理由を意識して事前に大会についての自分の考えを学級活動カ−ドに書くこと ができる。 5.指導計画 9月 1日(木) 放課後 計画委員会(議題の選定) 2日(金) 帰りの会 (議題の決定) 3日(土) 帰りの会 (学級活動カ−ド配布) 6日(火) 朝の会 (学級活動カ−ド回収) 7日(水) 計画委員会 (学級活動カ−ドの結果の検討) 13日(火) 放課後 計画委員会 (準備 打合せ) 14日(水) 朝の会 (学級活動カ−ド返却) 1校時 学級活動(本時) 16日(金) 放課後 計画委員会(反省) 19日(月) 6校時 係準備 24日(土) 2校時 学級スポ−ツ大会 6.本時の展開 1 議題 学級スポ−ツ大会をしよう 2 ねらい 大会のめあて、内容を決める話し合いをすることにより、大会への参加意欲を高める。 3 展開 +−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 提案理由 |1学期の友達の輪集会では、自分たちで工夫して学級の一人ひとりの良さを見つける| | |ゲ−ムして見つけれなかった友達の良さを見つけたと思います。2学期になり、みん| | |なが仲良く、楽しくできるようなスポ−ツ大会を開いて、明るく、協力し合えるよう| | |な学級にしたいので提案しました。 | +−−−−−−+−−−−+−−−−−−−+−−−+−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−+ | |議長 | |副議長| |ノ−ト書記| | | 役割分担 +−−−−+−−−−−−−+−−−+−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−+ | |黒板書記| |提案者| | +−−−−−−+−−−−+−−−−−−−+−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | 話合いの手順 | 指 導 上 の 留 意 点 | 資 料 | +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ |1 始めの言葉 | | | | | | | |2 歌 |●楽しい話合いができるように、大きな声で歌う。 | | | | | | |3 今日の目当て |●めあてにそった話合いができるように意識させる。 | | | | | | |4 役割紹介 |●計画委員の自己紹介を受けて、積極的に発言する意欲| | | | を高めさせる。 | | |5 議題の確かめ |●本時の議題をしっかり認識させる。 | | | | | | |6 提案理由の説明 |●話合いの意図を十分理解させる。 |●意識調査の結| | |●資料を提示することにより提案理由の説明をさせる。| 果 | | | | | |7 話合いの順序の確 |●話し合う内容の重点を明確にして、自分が前もって考| | | かめ | えてきたことをどこで、どのように話せば話し合いに| | | | 効果的に参加することができるか意識させる。 | | | | | | |8 話合い | | | | 1どんなめあてにする|●一人ひとりが、どんな願いを持っているかを発表させ|●学級活動カ−| | か。 | る。 | ド | | |●スポ−ツ大会は、楽しみだけで行うのではないことを| | | | しっかり理解させる。 | | | 2どんな種目にするか|●自分の考えを、理由や根拠をはっきりさせて自信をも| | | | って発言できるように、学級活動カードを積極的に活| | | | 用させる。 | | | |●提案理由にかえりながら、内容を決定するようなさせ| | | | る。 | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | ||提案理由を意識して話し合うことができたか。 || | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | ||自分の考えを理由や根拠をはっきりさせて述べたか|| | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | |9 決まったことの確か|●発表を通し内容を確認させる。 | | | め | | | | | | | |10 反省と感想 |●学級活動カ−ドに自分が今後どう取り組むかを書かせ|●学級活動カ−| | | 今後の活動の意欲付けを図る。 | ド | | |●反省カ−ドに自己評価と話し合いの中での良さを書か|●反省カ−ド | | | せ発表させることにより、次への意欲付けを図る。 |●友達カ−ド | | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | ||学級スポ−ツ大会の実施にむけて活動意欲を持つこ|| | | ||とができたか。 || | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | |11 先生から |●話合いの中でよかったことを誉め、大会の準備や会 | | | | の実施に対する意欲付けを図る。 | | | | | | |12 終わりの言葉 | | | +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+