印刷用紙:B4縦 1ページの行数:56 1行の文字数(半角で):102 第6学年 学級活動指導案 日 時  平成6年9月14日(水) 2校時   対 象  6年2組 32名(男子19名 女子13名) 指導者 佐 々 木 善 成 1、題材名 係活動を見なおしてみよう。 2、題材について ○学級の子ども達は、4月に5年生までの活動の経験を生かし、日常生活の上で必要と感じていることを出しな  がら係を決め、活動内容を考え、役割分担してきた。そして、学級の友達が楽しめるように自分達で内容や構成  を考えて新聞を発行したり、学級のスポーツ集会を企画・運営したりしながらこれまで活動を進めてきた。 しかし、委員会活動や各種行事にむけての取り組みのためになかなか活動時間を確保することが難しく、十分  に話合ったり、活動したりすることができない。したがって、これまでの活動内容は継続して取り組んできてい  るものの、活動を工夫し、発展させようとする態度はあまり見られず、次第に活動が停滞してきている。そこで、  子ども達が現在係活動に対して、どのような意識を持っているのか次のような意識調査を行った。 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+ | 調 査 項 目 |++| + | − |−−| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+ |(1)あなたの係は、活動を活発に行い、学級のために役に|3人 |7人 |12人 |10人 | |   立っていると思いますか。 |9% |21% |37% |33% | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+ |(2)あなたは、係活動に積極的に取り組んでいると思いま|4人 |9人 |12人 |7人 | |   すか。    |13% |29% |37% |21% | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+ |(3)あなたは、係活動に積極的に取り組もうと思いますか|12人 |11人 |7人 |2人 | |       |37% |36% |21% |6% | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+ |(4)あなたは、係活動が活発になるように内容を工夫して|0人 |3人 |13人 |16人 | |   いると思いますか。 |0% |9% |40% |51% | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+ |(5)あなたは、係活動をしていて、「やってよかった」と|6人 |5人 |9人 |12人 | |   思うことがありますか。 |18% |16% |29% |37% | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+ |(6)あなたは、係活動を活発にしていく必要があると思い|20人 |9人 |3人 |0人 | |   ますか。 |62% |29% |9% |0% | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+ (++:思う、+:思うほう、−:思わないほう、−−:思わない) この意識調査から、学級全体の係活動も自分達の係活動もあまり活発に行われていないということをほとんど  の子ども達が感じており、活動内容を工夫しながら係活動を行おうとする意識も低いことがわかる。したがって、  係活動に対して満足感や成就感、貢献感を感じている子どもが多いとは言い難い。 しかし、積極的に活動に取り組んでいるという子どもは少ないものの、積極的に活動しようとする意識や活動  を活発にしていかなくてはいけないという意識は高い。積極的に取り組まなくてはいけないができない理由とし  て、「活動内容が少ないから」、「活動内容が少ないので人に任せてしまう、ついわすれてしまう」といったこ  とがわかった。   ○このような実態の子供達に対して、係活動をもう一度見直させ、集団活動における自分達あるいは自己の役割  の大切さを感じとらせて活動していく中で、満足感や貢献感を味わわせることによって、よりよい学級生活作り  を目指していこうとする態度を育てていきたい。また、卒業までの残り半年間の生活をさらに充実させ、自分達  の伝統や文化を築かせていきたい。そのために、様々な事柄に目を向けて広い視野で物事を考え、活動を工夫、  発展させていくような態度を育てていきたい。よって、以上の考えから本題材を設定した。 ○指導にあたっては、各係の活動の批判になってしまわないようにし、これまでの活動の良さを認めたり、これ  からの活動の支えとなるような考えを出し合ったりしながら、係だけで考えていくのではなく、学級全体として  盛り上げていき、自分達の学級生活をより高めていくのだという意識を持たせるようにしていきたい。また、学  級での話し合いをさらに広げて、学年や学校の行事の取り組みや日常生活などにも十分生かしていけるのだとい  うことも考えさせていきたい。 本時においては、自分の考えを積極的に発言させるようにするとともに、友達の考えを素直に受け入れるよう な雰囲気で進めていきたい。そして、活動計画がうわべだけにならず、今後の実践に変化がみられるように話合 いを深め、意識付けていきたい。 事後の活動では、継続的に活動していくわけであるから今後もマンネリ化していくことも予想される。そこで、 活動が十分行われているか中間チェックを行ったり、活動を工夫し、十分に活動しているような係や個人を認め  たりしながら、係活動を盛り上げていくようにしたい。 3、仮説とのかかわり 自ら学ぶ力を支える基本的行動様式の事前調査をしたところ、本学級では4.「自分の考えをまとめて分かりや  すく話す」、6.「理由をはっきりさせながら話し合える」、A.「意見を出し合いながらよりよい活動ができる」  の項目について、力が弱いことが示された。 学級の子供達は、次第に発言できるようになってはきているものの発言者が限られたり、失敗を恐れ、自信が  あるときでないと発言できなかったりすることがある。そこで、このような子供達にまず事前に学級活動カード  に理由や考えを書かせ、それを拠り所としながら自信を持って発言できるようにしていき、話合いの意欲を高め  ていきたい。また、理由をはっきりさせながら要望を出させ、その考えと自分の考えとを比較しながら自分の考  えを述べさせることによって、話合いを深め、よりよい活動ができるようにしていきたい。また、評価活動の中  に自己評価の他に相互評価も取り入れていくことによって、互いに認め合いながらよりよい活動を目指していけ  るような態度も育てていきたい。 4、指導目標 ◎係活動を見直し、創意工夫して係活動に取り組むことにより、楽しく、住みよい学級生活を築こうとする自主   的、実践的な態度を育てる。 1.楽しく、住みよい学級になるように創意工夫して係活動に取り組むことができる。 2.係活動を創意工夫し、充実させていくように活動内容を決めることができる。  3.これから係活動をどのように取り組んでいくか学級活動カードに書くことができる。  4.理由や根拠をはっきりさせながら話し合うことができる。 5.自分の考えと友達の考えを比べながら話し合うことができる。 6.資料をもとに学級の問題点を明らかにすることができる。 7.本時の議題を知り、事前に係活動に対する自己の考えを学級活動カードに書くことができる。 5、指導計画 9月2日(金) 放課後 計画委員会(議題の選定) 3日(土) 帰りの会 (議題の決定) 5日(月) 放課後 係会(反省会とこれからの活動計画について) 7日(水) 放課後 係会(議案書作成)     9日(金) 帰りの会 議案書及び学級活動カードの配布 12日(月) 朝の会 学級活動カードの回収      放課後 係長打ち合わせ     13日(火) 放課後 計画委員会(準備、打ち合わせ) 14日(水) 朝の会 (学級活動カード返却) 2校時 学級活動(本時) 16日(金) 朝の活動 係会(活動計画の検討) 19日(月) 活動開始 6、本時の展開 (1)議題  係活動を見つめ直してみよう。 (2)ねらい 楽しく、住みよい学級生活を目指して、係活動の内容を創意工夫し、活発にしていこうとする         実践的な態度を育てる。  (3)展開 +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |提案理由|係活動を活発にし、みんなが楽しく、住みよい学級にするために係の活動内容についてみんな| | |で話合いたいと思い、この議題を提案します。 | +−−−−+−−−−+−−−−−−−−+−−−+−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−+ | | 議 長 | |副議長| |ノート書記| | |役割分担+−−−−+−−−−−−−−+−−−+−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−+ | |黒板書記| |提案者| | +−−−−+−−−−+−−−−−−−−+−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | 話し合いの手順 | 指 導 上 の 留 意 点 | 資 料 | +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ |1、始めの言葉 | | | | | | | |2、今日の目当て |・目当てにそった話合いができるように意識させる。 | | | | | | |3、役割紹介 | | | | | | | |4、議題の確かめ | | | | | | | |5、提案理由の説明|・話し合いの意図を十分理解させる。 | | | |・資料を提示することによって、学級の問題点を明らかにし、課題意 |意識調査の| | | 識を持たせるとともに、解決に向けての意欲を高める。 |結果をグラ| | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |フ化した表| | ||提案理由の説明を聞いたり、資料を見たりする中で問題点を明ら| | | | ||かにし、問題意識を持つことができたか。 | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | |6、話合いの順序 |・話し合う内容について明確にすることによって、意識を焦点化し、 | | |  の確かめ | 見通しを持って話し合いに参加できるようにさせる。 | | | | | | |7、話合い | | | |○各係毎に反省とこ|・活動計画だけでなく、これまでの活動の反省等も発表させ、それを |反省や活動| | れからの活動計画| ふまえた上での計画であるということを意識させる。 |計画を書い| | について発表させ|・各係毎にこれからの活動計画についてねらいや内容も含めながら発 |た表 | | る。 | 表させる。 |学級活動カ| | |・各係に取り組んでもらいたいことがあれば、理由を明らかにしなが |ード | |  | ら出し合い、みんなで盛り上げていこうとする気持ちを持たせる。 | | | |・要点を整理して発表させ、各係の検討の時間を十分に確保できるよ | | | | うにする。また、要望の出し合いだけにならないように、要望に対 | | | | する考え等についても出していくようにしたい。 | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | ||自分の考えを理由を明らかにしながら述べることができたか。| | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | ||自分の考えと友達の考えを比較しながら聞き、意見を述べること| | | | ||ができたか。 | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | |8、決まったことの|・ノート書記に話合いによって決定された事項について発表させ、こ | | |  確認 | れからの活動の意欲を高めるとともに、責任感や使命感を持たせる | | | | ようにする。 | | | | | | |9、反省と感想 |・学級活動カードに自分が今後どう取り組むかを書かせ、係活動を盛 |学級活動カ| | | り上げていく上で、一人ひとりの気持ちも大事になってくることを |ード | | | 考えさせる。 | | | |・反省カードに自己評価や相互評価を書かせ、発表させることによっ |反省カード| | | て、満足感や成就感、貢献感を味わわせる。 |友達カード| | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | ||これからの係活動に積極的に取り組み、盛り上げていこうとする| | | | ||気持ちを持ちことができたか。 | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | |10、先生から |・話合いの中でよかったことやこれからの活動に対しての期待等につ | | | | いて触れ、今後活動に向けての意欲付けを図る。 | | | | | | |11、終わりの言葉 | | | +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+