印刷用紙:B4縦 1ページの行数:64 1行の文字数(半角文字で):106 第 1 学 年 学 級 活 動 指 導 案 日 時  平成7年9月29日(金)5校時 児 童  1年3組 男17名女15名計32名                            指導者  阿 部 仁 子 1.題材名  「かかりのはっぴょうかいをしよう」 2.題材について  一学期の係活動は、教師の手伝いから始まり、一人一役として係の仕事を分担してきた。二学期は、一人一役から班 (小集団)の係活動にと変化させ、少しずつ自分と友達との結び付きを強め、班としての協力意識を育てていきたいと 考えた。この班での係活動が始まって一カ月が過ぎようとしている。係の仕事も軌道に乗ってはきているが、活動内容 が単調になり、飽きやすく長続きしなくなってきた。また、班の仲間と協力して仕事をするといった活動もわずかしか 見られない。さらに、他の係に無関心だったり、自分達の頑張りを学級全体に広めていこうといった活動が見られなか ったりといった面も出てきた。そこで、係についてのアンケート調査をしたところ、係のことで困っている子や、他の 係の頑張りを見つけられないでいる子が多いことが分かった。やはり、お互いの頑張りを認め合えるような場が必要で あると思われた。そこで、係で頑張っていることを学級活動の時間にみんなに知らせたらどうだろうと教師から提案し 、「かかりはっぴょうかい」をすることに決まった。この「かかりはっぴょうかい」をすることによって、1.お互いの 仕事を明確にし、頑張りを認め合える、2.係どうしの刺激となり、活動内容が広がる、3.協力することの喜びを味わえ る、などの係全体の活性化につながるのではないかと考え、本題材を設定した。  子ども達は、とても活動的で元気がよい。興味のあるものについては大変意欲的であるが、まだまだ自己中心的な意 識や行動が見られる。二学期の係活動が始まり、どの子も分担した仕事はよくやっていた。しかし、班の仲間と協力し 一つの仕事をやるといったことは、経験の少なさからできないでいた。そこで、他の学級の係が自分達だけで工夫して 作った「落とし物入れ箱」を、意図的に見せたところ、どの係もそれに刺激され自分達も協力して何か作ってやろうと 意欲を持ち始めた。しかし、この活動の中で班の仲間の誰かが仕事をしてくれなくて困るといった声があちこちから聞 こえてきたり、せっかく頑張って作ったものも、あまり活用されていなかったりという光景も見られた。この「かかり はっぴょうかい」をすることに決まってからは、それぞれの係が自分達の自慢を作ろうと頑張って仕事をするようにな ってきた。今回の発表会のような活動は、一学期に生活科で一度やっただけであり、その時は練習中の協力ができなか ったり、まだまだ発表の声が小さかったりした。   指導にあたっては、子どもの興味・関心が高まるような掲示や、子どもが常に係活動を意欲的に展開するような場の 設定を心掛けた。その一つとして、「かかりコーナー」を設置し、そこにお知らせやお願いやニュースなどを掲示させ 、日常の活動の足跡とさせた。また、係活動の時間も、朝の会や帰りの会を有効に使い、意識的に活動させるように確 保した。さらに、シールを個人の頑張りの記録とし、本時までの意欲につなげるようにしてきた。本時の活動では、単 なる「お知らせ発表会」に留まらずに、「自分達の頑張ってきたことの自慢会」であることを意識させた発表会にした い。また、発表会運営の司会グループなどの役割分担や、プログラム、さらに発表会までの意欲を持続させる取り組み (ごほうびの賞)の工夫により、「かかりはっぴょうかい」が、自分達で作り上げた発表会だという実感を持たせたい 。発表の仕方については、教師が具体的な方法を知らせ、ある程度形を作ってやり、子どもの重荷にならないように配 慮したい。また、一人一人が生かされる場として、班単位での発表であるが、代表による発表ではなく自分の言葉で発 表させ、成就感を持たせたい。さらに、発表が苦手な子については、発表前の練習の場でおおいに励ましたり、班内の 協力を促すような助言・援助をしていきたいと考えている。この題材全体を通して、少しでもお互いの良さを認め合う ことや、協力することの楽しさを味わわせ、一人一人が今まで以上に意欲をもってこれからの係活動を展開していくよ うに指導していきたい。 3.目標 ・係の頑張りを発表し合うことで、他の児童や係の頑張りに気づき、これからの係活動に意欲を持つことができる。 4.指導計画 +−−−+−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |  期  日 | 時  間 | 参 加 児 童| 活  動  内  容 | +−−−+−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |事 前|9月12日(火)| 業間時間 | 全 員 | 係活動に関するアンケート実施 | | +−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |9月13日(水)| 帰りの会 | 全 員 | 議題の提案と決定 | | |9月14日(木)| 放課後 | 班長会 | 議題の原案作成 | | |9月18日(月)| 放課後 | 計画委員会 | 進行の打ち合わせ | | +−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |9月19日(火)| 3校時 | 全 員 | 学級活動(話し合い活動)「かかりのはっぴょうか いをしよう」 | | | | | | +−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |9月20日(水)| 放課後 | 班長会 | 役割毎の打ち合わせ 賞状等の準備 | | |9月21日(木)| 2校時 | 全 員 | 係発表会に向けての準備・練習 | | |9月28日(木)| 放課後 | 計画委員会 | 進行の打ち合わせ | +−−−+−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |本 時|9月29日(金)| 5校時 | 全 員 | 学級活動(集会活動)「かかりのはっぴょうかい」 +−−−+−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |事 後|9月30日 (土)〜 | 全 員 | 新しいめあてで、係活動をしていく | +−−−+−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 5.本時の指導 (B型) (1)ねらい ・係での頑張りを生き生きと発表したり、友達の頑張りに気づいたりし、これからの係活動に意欲を持つことが     できる。 (2)展 開 +−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−− | | 学 習 内 容 | 児 童 の 活 動 | 指 導 上 の 留 意 点 | 資料・評価 +−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−− |導|1 前時の想起 | |・今日の発表会まで、係活動を頑張っ |・紙板書 | | | | きたことをや、どうして発表会をす | |入| | | ることになったのかを振り返らせ、 | |3分 | | 発表の意欲付けをする。 | +−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−− | |2 係の発表会 | | | | (1)はじめのことば | | | | |(2)うた |・踊りつきの歌を歌う。 |・楽しい雰囲気を作らせる。 | | |(3)めあての | | | | |  はっぴょう | |・めあては、全員に声を出して読ませ |・紙板書 | | +−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ 意識づける。 | |展| |・はずかしがらずにはっぴょうしよう。 | | | | |・ほかのかかりのすごいところをみつけよう。| | | | +−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−− | (4)はっぴょうかい |・今までの係活動の様子やお願 |・どの班が何を発表しようとしている |係での頑張り | | | い、自分たちの自慢できるこ | のか事前に把握しておき、教師の援 |を自分の言葉 | |1.がんばったこと | とを取り入れて発表する。 | 助を効果的に展開できるようにして |で自信を持っ | |2.がんばったひと | | おく。 |て発表するこ | |3.じまん | |・緊張して思うように発表できない子 |とができたか | | | | | | |4.もらいたい | | については、発表前の準備や練習状 +−−−−−− | | しょう | | 況を留意してみてやるとともに、班 | | |5.そのほか | | 内の協力を促すようにする。 +−−−−−− | | |・他の係のすごいところを見つ |・率先して拍手をしたり、大きくうな |友達の頑張り | | | け、ごほうびの賞にあうかど | ずいたりすることによって、聞いて |や良さを見つ | | | うか決める。 | いる児童の意識を高めるようにする。|けようとして | | | |・前もって、各班の取りたい賞を目標 |いるか。 | | | | として決めておく。 +−−−−−− | | | |・賞の観点を具体的に示しておき、す | | | | | ぐに決められるようにしておく。 | | (5)ごほうびをこう |・発表を聞いて決めた賞状を、 |・すべての班がもらえるように、準備 |・賞状 | | かんしあおう | 班の代表同志で交換し、協力 | の段階で配慮しておく。 | |開| | 努力を認め合う。 | | | | |・全員でメダルを掛け合う。 |・班での頑張りは、一人一人の頑張り |・メダル | | | | があったからだ、ということを確認 | |35| | | する意味でも、全員で喜び合うよう | |分| | | にする。 | +−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−− |終 (6)かんそうはっぴ |・自分が発表したことや、他の |・友達の頑張りを見つけられたことや、| | | ょう | 係の発表を聞いてどうだった | 自分が頑張ったことで賞状やメダル | | | | か発表する。 | がもらえた喜びを発表させたい。 | | | | | +−−−−−− | |(7)せんせいから |・教師の話を聞く。 |・みんなで力を合わせることの大切さ |これからも頑 | | | | を再認識させ、さらに発表の頑張り |張ろうという |末| | | をおおいに評価し、次への活動の意 |意欲を持とう | | | | 欲付けをする。 |としているか | | | | | |7分(8)おわりのことば | |・めあての反省を含めて話させる。 +−−−−− +−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−