印刷用紙:A4横 1ページの行数:43 1行の文字数(半角で):108   −−以下 指導案本文−−               第1学年 学級活動(保健・歯)指導案                    期 日  平成8年11月1日(金) 2 校 時                    場 所  1年2組 教   室                    対 象  1年2組 26名 男15名 女11名                    指導者  教  諭 菅   原   敏   子 1 題材名  「むし歯とおやつ」 2 指導にあたって  1 題材について    本題材は、むし歯予防の面からおやつの内容を考えさせ、合わせて食後の歯みがきの大   切さに気づかせることにより、望ましいおやつの習慣を育てようとするものである。    この時期の児童は活動が活発であり、おやつは栄養面、精神面から欠くことのできない   ものとなっている。しかし、とり方によっては、歯や身体全体に悪影響を及ぼすものとな   るので気をつけなければならない。    特に、歯の健康との関係で問題になるのは砂糖量のことである。「おやつ」としての砂   糖量は約20gが限度とされ、ジュース1杯分、あるいはアイスクリーム1個分だけで許   容量に達してしまうと言われている。そのため、なるべく砂糖量の少ないおやつを選んで   食べることが歯の健康上から望ましいことである。    しかし、近年の児童のおやつは甘い菓子類に加え、砂糖を大量に含んだ清涼飲料水が多   くなってきている。その上、市販菓子がおやつとして袋ごと与えられる場合も多くなって   いるのが実情ではないだろうか。    そこで、日常食べているおやつの中には、砂糖が多く入った甘いものが多いことに気づ   かせ、むし歯予防のためにはどんなおやつが良いか、どれ位食べるのが良いかなどを考え   させ、おやつの内容を上手に選択する気持ちを育てたい。また、砂糖の量は少なくても歯   にくっつきやすい菓子もむし歯の原因になりやすいことから、おやつの後のうがいや歯み   がきの大切さにも気づかせたい。    以上のように、おやつの望ましいとり方は、むし歯予防の面からはもちろん、広く健康   づくりの面から重要であると考え本題材を設定した。  2 児童について    6月下旬に「おやつ調査」を実施した。その中で「どんなおやつを食べているか」につ   いては、下記のような結果が得られた。 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 1年2組 おやつの種類と個数(のべ個数) 6月27日(木)〜30日(日) | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 類別 ジュース類 アイス ご飯・パン類 スナック菓子 乳製品 せんべい くだもの あ め ガ ム その他甘いお菓子 +−+−−−+−−+−−−+−−−+−−+−−+−−+−−+−−+−−−−−−−+ 個数 43 40 31 30 24 24 21 19 16 70 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ その他、数は少なかったが麦茶、とうもろこし、トマト、イカのくん製、さつまいも等   が見られた。おやつを食べた後の歯みがきについては、いつもする0人、ときどき6人、   しない20人。うがいについては、いつもする0人、ときどき12人、しない14人でほ   とんどされてない実態である。    これらのことは、子どもたちが、おやつに多く含まれる砂糖がむし歯の原因になるとい   うことを切実な問題としてとらえてないためと思われる。おやつ後の歯の手入れについて   も、プラークを落とすことの大切さはわかっていても、プラークを作らないことの重要性   は意識されていないためと思われる。  3 指導について    以上の実態を踏まえ、日常食べている代表的なおやつを、甘さの面から「むし歯になり   やすいグループ」と「なりにくいグループ」に分け、自分たちがいかに多く「むし歯にな   りやすいグループ」を食べているかに気づかせたい。そして、1日のおやつでとる砂糖の   量の限度を角砂糖の個数で示し、「むし歯になりやすいグループ」のおやつの砂糖量と比   較させながら、むし歯予防のためにはどんなおやつが良いのか、どれだけ食べればよいの   かを考えさせたい。また、プラーク防止の関係から、おやつ後の歯みがき、特に「くっつ   きやすいおやつ」を食べた後の歯みがきも大切であることを理解させたい。    本時の学習を基に、普段のおやつのとり方を見直し、望ましいおやつの選択と食後の歯   みがきの実践意欲の向上を目指したい。さらに、授業の様子を家庭にも知らせ、協力を得   ながら望ましいおやつのとり方を家庭レベルの問題として浸透させていきたい。 3 研究主題との関連   本時の活動において、おやつをとるとき甘いものや歯にくっつきやすいものをとりすぎる  と、それがむし歯を作る原因になるということがわかれば、児童は自らおやつを選び気をつ  けてとるようになり、進んで歯を大切にしようとする意欲を高めることができるであろう。 4 本題材に関する指導内容 +−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | 月 | 内 容 | ね ら い | 評 価 | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+− | 4 |給食後に歯をみがこう (S)|毎食後の歯みがきの大切さがわかり、自分から進んで歯をみが 意欲・態度 | | |くことができる。ブクブクうがいができる。 | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+− | 5 |自分の歯の様子を知ろう(S)|自分の歯の様子がわかり、むし歯の早期治療の大切さがわかる 知識 +−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+− | 6 |歯ブラシの使い方、動かし方 |歯ブラシの使い方動かし方(こちょこちょみがき)がわかり、 知識・態度 | |を知ろう (L)|順序を決めてみがくことができる。歯ブラシの選び方がわかる +−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+− | 7 |むし歯ができるわけを知ろう(S) むし歯の原因を知り、その予防がわかる。 知識 +−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+− | 8〜9 |いろいろな歯の形を知ろう (S)|歯にはいろいろな形の種類があることがわかり、それらの生え 知識 | | |ている場所がわかる。 | | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+− | 10 |第一大臼歯をみがこう (L)|第一大臼歯の位置や特徴がわかり、つっこみみがきをして噛み 関心・知識 | | |合せ面を丁寧にみがくことがわかる。 意欲・態度 +−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+− | 11 |むし歯とおやつのことを知ろう|甘いおやつや歯にくっつくおやつは歯によくないことを知り、 関心・知識 | | (L)|食べたらすぐみがくことの大切さがわかる。 意欲・態度 +−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ 5 指導計画 +−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−+ |月 日|活動単位| 活 動 内 容 | 取扱い時間・場 評 価| +−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−+ |6月27日|学級全体|おやつ調べ(1回め) | 家 庭 |意欲・態度 | |〜6月30日 | | | | +−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−+− |7 月 |学級全体|むし歯のできるわけを知ろう |学級活動 (S)|関心・知識 | +−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−+− |11月1日|学級全体|むし歯とおやつのことを知ろう |学級活動(本時・L) 関心・知識・意欲・態度 +−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−+− |11月8日|学級全体及び 「おやつがんばりカード」の実践 家 庭|意欲・態度 | |〜11月12日 個人指導 家庭へ協力の呼びかけ(学年通信) | | +−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−+− |11月13日以降 学級全体 定期的におやつのとり方を振り返る 帰りの会 意欲・態度 | +−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−+