印刷用紙:A4縦 1ページの行数:51 1行の文字数(半角で):104   −−以下 指導案本文−−                  第2学年 学級活動(保健・歯)指導案                          期 日 平成8年11月1日 (金) 1校時                          場 所 2年1組  教室                          対 象 2年1組 27名 男15名 女12名                          指導者 講 師  伊 東 法 子 (T1)                              歯科医  斎 藤 勝 也 (T2)   1 題材名 「よくかんで食べよう」   2 指導にあたって    (1) 題材について      よくかむということは、食物を破砕するだけでなく、食物の消化吸収を助け十分に栄養     を摂取することができる。また、顎骨の発達を促し永久歯がきれいに生えそろうことを助     けたり、唾液の自浄作用を促進することによりむし歯や歯肉炎を予防したりする。その他     にも、顔の筋肉を引き締めたり、脳の働きを活発にしたり、味覚の発達を促すなど、実に     体のいろいろな部分によい影響を与える。      しかし、最近の食事には食べやすく調理された加工食品が多く、歯ごたえのある献立は     少ない。主食は米以外にパンも好まれるようになり、おやつもせんべいや豆菓子のような     硬い菓子から、ケ−キ、プリン、スナック菓子といった軟らかいものが好まれるようにな     った。特に児童を含む若い世代は、ハンバ−グやスパゲッテイ、カレ−、シチュ−といっ     た軟らかい食べ物を好んでいる。その結果、よくかんで食べるという習慣が失われつつあ     るように思われる。      そこで、よくかんで食べることが食物の消化吸収に良いことや、歯や顎を丈夫にし脳の     働きをよくすることを知らせ、今までの自分たちの食事の仕方を振り返らせることにより、     「かむ」ということを意識した食事の習慣を身につけさせたいと考え、本題材を設定した。    (2) 児童について      児童の給食時間の様子や、好きな食べ物のアンケ−ト調査などからみると、軟らかい食     べ物や加工食品などを好み、生野菜・小魚・干物などかみごたえのある食品を嫌う傾向が     ある。      また、給食の様子を見ると、10分もかけずに食べ終える児童2〜3名は、固定してお     り、あまりかまずに飲み込んでいる状態である。また、食べ物を口の中にため込んでいて     時間いっぱいかかっても食べきれずに残食する児童も見られる。      児童の大部分は、食物を良くかんで食べることの大切さには気づいておらず、かむこと     への意識が低いためか積極的にかんで食事をしょうという態度や取り組みは見られないの     が現状である。    (3) 指導について      以上の実態を踏まえ、本時では、かみごたえのある食物をかむことを実感として捉えさ     せ、よくかむ感触を意識して食事ができるように働きかけていきたい。      そこで、初めに日常の食事の仕方について振り返り、かむことの大切さについて気づか     せ、次に、かみごたえのある食物を実際にかむという活動を通してかむことの意義を体験     的に学習させる。その後、歯科医の専門的立場からのお話をいただき、驚き、興味を通し     て咀嚼の大切さを理解させていきたいと考える。      本時の学習をもとに、日常の食事におけるかむことを見直し、よくかむことの大切さを     理解させることによって、よくかんで食べることの習慣化の意欲づけとしたい。      さらに、授業の様子について家庭にも知らせ、実践の場である各家庭の理解と協力を得     ながら、「かみかみカ−ド」の実践を通して主体的に歯を大切にする児童を育てていきた     い。 3 研究主題との関連   本時の活動において、日常の食生活を振り返り、咀嚼の大切さについて体感することができ  れば、児童は、歯を丈夫にするための毎日の食物の取り方についても考えられるようになり、  進んで歯の健康を増進させようとする意欲が高まるであろう。 4 本題材に関連する指導内容 +−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− | 月| 内 容 | ね ら い (評価) +−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− | 4月|給食後に歯をみがこう(S) |毎食後の歯みがきの大切さがわかり、進んで歯をみがくことができる +−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− | 5月|自分の口の中を見てみよう|むし歯の数、位置など歯の状態がわかる。(はファイルに記入) +−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− | 6月|前歯の外側をきれいに(L) |歯ブラシの毛先の使い方が分かり、前歯を3つに分けてみがくことが +−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− | 7月|なぜむし歯になるの (S) |むし歯と歯垢の関係が分かり、ていねいにみがこうとする。 +−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− | 9月|歯の形と働きを知ろう(S) |切歯、犬歯、臼歯の形と働きが分かる。 +−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− |11月|よくかんで食べよう (L) |歯ごたえのある食べ物を良くかんで食べることができる。 +−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− |12月|上手なおやつのとり方(L) |時間と回数を決めておやつを考えることができる。 +−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 5 指導計画 +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−+ |月|活動単位 | 活動内容 |取り扱い時間・場 |評 価 | +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−+ |8|学級全体 |かむ意識を高める働きかけ|給食時間 |関心・意欲| +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−+ |8|学級全体 |食生活に関するアンケ−ト|帰りの会 |関心・意欲| +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−+ |9|学級全体 |歯の形と働きを知ろう |学級活動(s) |関心・知識| +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−+ |10|学級全体 |朝・夕の食事調べ |家庭学習 |関心・意欲| +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−+ |11|学級全体 |よくかんで食べよう |学級活動 (本時)(L) |意欲・知識| +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−+ |11|学級全体 |給食時間の咀嚼指導及び |給食時間 |意欲・態度| | |個人指導 |「かみかみカ−ド」の実践|家 庭 | | +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−+ 6 本時の活動  @ ねらい    実際にかむ活動や歯科医のお話を通して、よくかんで食べると歯や健康に良いことを   理解し、よくかんで食べようとする意欲をもつことができる。  2) 工夫点   @ かみごたえのある食物を実際にかむことにより、五感を通して楽しく活動しながら、    体験的に学習を進める。   A 中身をわからないようにした食品の提示により興味を持たせ、学習意欲を高める。   B 歯科医のお話を通して咀嚼の大切さに気づかせ、よくかむことの意義を確かなもの    にする。   C 興味本位に食べて終わりとならないように、かんだ回数や歯ごたえ、気づいたこと    を記録させ、咀嚼の大切さを体感させたい。 (3) 準備物  教師用  ハミガキングのお話ビデオ、歯ごたえのある食べ物、軟らかい食べ物、絵  児童用  学習カ−ド、手鏡、お手拭き、 (4) 評 価  @食べ物をかむ働きについて考えたり、実際にかんだりすることができたか。(関心)  Aよくかんで食べようとする意欲を持つことができたか。         (意欲)  Bよくかんで食べると、歯や体によいことがわかったか。         (知識) (5) 展 開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−+ |段|学 習 活 動 |o 学習支援上の留意点|指導者| | +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+・ 資料 +−+−+ |階|教師の働きかけ |予想される児童の反応 |※ 評価(項目、方法)|T1|T2| +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−+++ | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |・ハミガキングのビデオ| ||| | || ハミガキングのお話を聞いて、自分の食べ| | ||||| | ||方を振り返る。 | |o日常的な食事の様子の||||| | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |話から、よくかんで食べ||||| | |・お話を聞いて気づいた|・Aさんは、たった5回|ることの大切さに気づか||||| |つ|ことを発表しよう。 | でのみ込んだ。 |せる。 ||||| | | |・お腹が痛くなるのは当|o普段よくかまないで食||||| | | | たり前だ。 |べている子に発表させ、||||| |か| | |関心をもたせる。 ||||| | |・みんなはいつもどんな|・よくかまないことが多|oお話の登場人物と比較||||| | | 食べ方をしていますか| い。 |して自分の食事の仕方を||||| |む| |・固い物だったらかんで|振り返らせ、個々の咀嚼||||| | | | いるよ。 |の問題点に目を向けさせ||||| | | |・時間があるときはかむ|る。 ||||| | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | ||||| |5|| よくかんで食べると、どんないいことが| |※課題がわかったか ||||| |分||あるか見つけよう。 | |(関心《発表、挙手》)||||| +−++−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−+++++ | |・よくかんで食べるとど|・お腹にいい。 |oよくかむことのよさや||||| | | んな良いことがあると|・口の中が甘くなる。 |かまないことによる弊害||||| | | 思いますか。 |・おいしく食べられる。|を日常の食生活から考え||||| | | |・のみ込みやすい。 |させ、解決への意欲を喚||||| | | |・栄養たっぷり |起する。 ||||| | |・よくかまないとどんな|・Aさんみたいにお腹が| ||||| |解| ことが起こると思いま| 痛くなる。 | ||||| | | すか。 |・喉につまる。 | ||||| | | |・たくさん食べられる。| ||||| | | |・むし歯になりやすい | ||||| |決| +−−−−−−−−−+−−−+ | ||||| | | |かみかみ探検をしてみよう。| | ||||| | | +−−−−−−−−−−−−−+ | ||||| | | |・学習プリント ||||| |す|・軟らかいと思う食べ物|・これが軟らかそうだ。|o見た目だけでなく、触||||| | | と、硬い食べ物を1つ|・ちょっと迷うな。 |れて見ることによって食||||| | |ずつ選びましょう。 | |物の硬さに目を向けさせ||||| |る|・軟らかい食べ物をかん|・すぐのみ込んでしまっ|食物によって必要とされ||||| | | で回数を調べましょう| た。 |る咀嚼回数に違いがある||||| | |・気づいたことを書きま|・なくなってしまった。|ことに気づかせる。 ||||| | | しょう。 | |・軟らかい食べ物 ||||| | |・硬い食べ物をかんで回|・なかなかかみきれない|・硬い食べ物 ||||| | |数を調べましょう。 |・顎がつかれるみたい。|・クリ−ンウエット ||||| | | |・味が変わったよ。 |o手鏡を使って咀嚼の様||||| | | |・かんでいるうちに軟ら|子を観察させ、顎の動き||||| | | | かくなった。 |や口の中の食物の変化に||||| | |・2種類かんでみて気づ|・硬い方はのみ込み易く|目をむけさせる。 ||||| | | いたことを発表しまし| なるまで時間がかかっ|※食物をかむ活動で気づ||||| | | ょう | た。 | いたことを発表したり||||| | | | | 聞いたりすることがで||||| | | +−−−−−−−−−+−−−+ | きたか。 ||||| | | | 歯医者さんのお話を聞く。| |(意欲《発表、観察》 ||||| | | +−−−−−−−−−+−−−+ | ||||| | |・歯医者さんのお土産の| |・歯医者さんからのお土||||| | | 宝物を当ててもらいま| | 産 ||||| | | すよ。 |・チョコレ−ト |o中身が不明の食べ物で||||| | | |・ガム | 興味を持たせ、かむ効||||| | | |・キャンデ− | 用さらにつかませたい||||| | |・おみやげを食べてみま| |o普段噛むことが苦手な||||| | | しょう。 |・宝物を実際に噛む。 |子へは、かみしめての味||||| | | |・なんだろう。 |の変化に気づかせるよう||||| | | |・固い |助言する。 ||||| | |・かんだ回数や気づいた|・だんだん味がでてきた| ||||| | | ことをかきましょう。|・普通のごはんと違う。|o歯医者さんから咀嚼の||||| | |・お医者さんにお話をお| |働きについてのお話をお||||| | | 聞きしましょう。 | |聞きし、よく噛んで食べ||||| | |・お医者さんのお話でわ|・頭がよくなる。 |ることが歯や体によいこ||||| | | かったことを発表しま|・からだが丈夫になる。|とをつかませ、実践へつ||||| |30| しょう。 |・歯がじょうぶになる。|なげたい。 ||||| |分| | |※よくかんで食べること||||| | | +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+| の大切さについてわか||||| | | |よくかんで食べることは、歯や体によい。|| ったか ||||| | | +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+|(理解《発表・挙手》 ||||| +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+|||| | | | |・学習プリント ||||| |め| +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+| ||||| | | | よくかんで食べることへの自分のめあてを||o個々のめあてを認め、||||| |ざ| |決め、実践への意欲をもつ。 ||実践化へ向けて励ます。||||| | | +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+| ||||| |す|・こらから食べるときに|・急がないで食べる。 |※よくかんで食べること||||| | | は、どんなことに気を|・よくかんで食べる。 | を実践していこうとい||||| | | つけていくか書いてみ|・硬い食べ物をよくかん| う意欲を持つことがで||||| |10| ましょう。 | で食べるようにする。| きたか。 ||||| |分| | |(意欲《発表・プリント||||| +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+++++