印刷用紙:A4縦 1ページの行数:43 1行の文字数(半角で):90   −−以下 指導案本文−−   第4学年 学級活動(保健・歯)指導案 期 日 平成8年11月1日(金) 1校時 場 所 4年2組教室 及び オープン・スペース 対 象 4年2組27名 男15名 女12名 指導者 講師 千田 幸恵 (T1) 歯科医 高橋 和敬 (T2) 1 題材名『おやつの選び方を考えよう』 2 指導にあたって (1) 題材について 本題材は、おやつを通して、歯ごたえのあるものをよくかんで食べることが、歯だけではな く身体全体によいことを意識付けようとするものである。 本来おやつとは、三度の食事では足りない栄養を補うためのものであった。しかし、摂りか   たによっては歯や身体全体に悪影響を及ぼすものとなる。最近では店で買ったものをおやつと   している傾向が見られ、それらには塩分、糖分が多量に含まれているものもあり、また、軽く て柔らかいものも多い。そのため、歯や身体に悪影響を及ぼしたり、よくかんで食べることを 忘れがちになり、健康のバランスを崩すことにもなりかねない。そこで、好き嫌いに左右され ることなく歯や身体全体のことを考えたおやつの選び方を身に付けさせたいと考え本題材を設 定した。なお、『咀嚼』については食事全体に関わる大切な問題であるが今回は子どもたち自 身が選択する機会の多いおやつを通して学習することにした。 (2) 児童について 事前におやつに関するアンケートを実施した。その結果、ほとんどの児童が、毎日おやつを  食べており、その種類は多様であることが分かった。なかでもアイス、ポテトチップスなどが   多く『おいしいから』という理由で、自分の好きなものを食べている児童が多い。また、せん べいを食べると答えた児童も多かったが『歯によいから』と意識して選ぼうとしている児童は 少ない。このように、前学年までの学習で『甘くないもの』や『あまり歯にくっつかないもの』   を選ぶべきだという知識はあっても、自分の普段口にしているおやつには、その知識が必ずし も生かされているとは言えないようである。また『よいおやつとはどんなおやつか』という質 問には、『かたいもの』という咀嚼に関わる答えを出した児童が多く見られたが、なぜかむこ とがよいことなのかについての知識はあまりなく、『歯によいのではないか』『あごが丈夫に なるのではないか』という程度のようであった。 (3) 指導について 本時では、歯みがきリーダーが学級のおやつ調査をした結果から、普段よく食べているおや  つと、歯や身体の健康のためによいと考えているおやつが違っていること、知識が自分たちの   生活に十分に生かされていないことに気付かせ、問題を自分たちで解決していこうという意欲 を持たせたい。また、『咀嚼』の重要性に気付いていない子どもたちに、自分たちに身近な歯 みがきリーダーの発表を聞かせたり、かむ活動を実際に体験することによって、『咀嚼』のす ばらしい効果を知らせ、今後の生活の中で歯や身体全体の健康を考えたおやつ選びが実践でき るように働きかけていきたい。歯科医から咀嚼と不正歯列の関係について話していただき、咀 嚼の大切さの理解を深め咀嚼を意識しておやつをとろうとする態度を身に付けさせたい。 3 研究主題との関連 リーダーがまとめたアンケート結果をもとに、『歯によいおやつ』と『普段口にしているお  やつ』を比較しながら試食することにより、咀嚼の重要性に気付き、おやつ選びを身近な問題   としてとらえ、自分の生活を改善していこうとする意欲が高まるであろう。 4 本題材に関連する指導内容 +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−− 月 | 内 容 | ね ら い 評価 +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−− |4 給食後に歯をみがこ 毎食後の歯みがきの大切さが分かり、自分から進んで歯を 意欲 | う(S) みがくことができる。みがき残しを舌や鏡で確認できる。 態度 +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−− |5 自分の口の中の様子 自分の口の中が観察でき、歯並びやむし歯の数や位置が分 関心 | を知ろう(S) かる。 | +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−− |6 生え変わった小臼歯 小臼歯をきれいにみがくことができる。 知識 | を守ろう(L) | 意欲 +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−− |7 むし歯の進み方を知ろう(S)むし歯の進行と症状が分かり、早期治療の大切さが分かる知識・理解 +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−− 8・9 歯の役割を知ろう(S) 歯の3つの役割が分かる。 知識・理解 +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−− 10 歯肉炎について知ろ 歯肉炎の症状が分かり、歯と歯肉の境目や歯と歯の間を丁 関心・意欲 | う(L) 寧にみがくことができる。 理解 +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−− 5 指導計画 +−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−+ 月/日 | 活動単位 | 活動内容 取り扱い時間・場 評価 | +−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−+ |7/23 学級全体 事前アンケート(おやつについて) 帰りの会 関心・意欲| +−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−+ 10/1 学級全体 リーダーによる学級のおやつ調査 帰りの会 関心・意欲| +−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−+ 10/15 歯みがきリーダー 発表のための資料作り 休み時間・ 放課後 意欲・態度・知識 +−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−+ 11/1 学級全体 『おやつの選び方を考えよう』 本時(学級活動) 関心・意欲・知識 +−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−+ 事後指導学級全体 個人のめあてや学習内容などの家庭への連絡家庭 意欲・関心| | 個人 おやつの摂り方特にかむことを意識したおやつの選び方について確認朝の会・帰りの会・給食時 +−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−+ 事後指導学級全体 リーダーによる学級のおやつ調査 帰りの会 関心・意欲| +−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−+ 6 本時の活動 (1) ねらい 実際に普段食べているおやつをかんでみる活動を通して、よくかむことの大切さを実感させ、 よりよいおやつ選びについて理解させるとともに、これからの生活の中で実践しようとするこ  とができる。 (2) 工夫点 @咀嚼の重要性をリーダーが発表することによって、身近なおやつについて見直そうとする意  識を高める。 A実際に食べてみる物は、アンケート結果を生かし、普段よく食べているものや咀嚼に時間の  かかるものなどを取り上げる。 B歯科医師に専門的な立場から咀嚼と不正歯列の関係について指導していただく。 Cかむ回数を数えることにより、普段あまりかまない児童にも咀嚼の重要性を意識させる。 (3) 準備物 ・教師用・・紙板書(課題)、お菓子 ・児童用・・リーダーの発表資料、学習カード (4) 評価 @かむことの大切さを理解することができたか。 《理解》 A進んでよいおやつを選ぼうとする意欲を持つことができたか。《意欲》 B自分たちのおやつの選び方の問題点に気づくことができたか。《関心》 (5) 展開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−+ 段 | 学 習 活 動 ○学習支援上の留意点 指導者 | | +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− ・資料 +−+−+ 階 | 教師の働きかけ 予想される児童の反応 ※評価(項目・方法) T1 T2 | +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−+−+ | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+| | | | つ | 歯によいと考えているおやつと、自分たちがよ | ・アンケート結果のグラフ ||| | | | く食べるおやつが一致していないことに気づく。 (よく食べているおやつと ||| | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+| ||| | か ・アンケートの結果をリ | よいと考えているおやつ) ||| | | | ーダーから聞きましょ | | ||| | む | う。 | | ||| | | ・リーダーの発表で気づ ・よいおやつが少ない。 ※自分たちのおやつの選び ||| | | | いたことはありますか ・甘いものも多い。 方の問題点に気づくことが ||| | | | +−−−−−−−+−−−−−−−−+ できたか。 ||| | 5 | 歯によいおやつの選び方を考えよう | (《関心》発表) ||| | 分 | +−−−−−−−+−−−−−−−−+ ・紙板書 ||| | +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+++−+ | | +−−−−−−+−−−−−−−+ | ||| | 解 | 歯よいおやつを試食してみる。 | ・せんべい、するめ、昆布 ||| | | | +−−−−−−+−−−−−−−+ | ||| | | ・おせんべいやするめな ・よくかんで食べるので スナック ||| | 決 | どはどうして歯によい | あごが丈夫になる。 | ||| | | | おやつなのでしょう。 ・甘くない。 | ||| | す | ・やわらかい。 | ||| | | ・普段食べているおやつ | ○せんべいやするめ、昆布 ||| | る | に比べてどのくらいか | などと一緒に、よく食べる ||| | | | む回数が違うものか調 | おやつ第1位のスナックを ||| | | | べてみましょう。 | 準備しておき咀嚼を中心に ||| | | | | 比較するように助言する。 ||| | | | | ○咀嚼回数とともに、よく ||| | | | | かむことで気づいたことを ||| | | | | メモさせる。 ||| | | | | ・学習カード ||| | | ・発見したことや気づい ・あごが疲れたよ。 ○個人個人の気づきを認め ||| | | | たことを発表してみま ・かめばかむほど味がで その中で普段あまりかんで ||| | | | しょう。 | てくる。 いないことに気づかせる。 ||| | ・いつも食べているおや ○よくかむと味わいが変わ | | | つは飲み込める。 ってくることなどから予想 ||| | | | ・つばがいっぱい出る。 したこと以外にもまだかむ ||| | | | | ことのよさがあることに気 ||| | | | | づかせる。 ||| | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+| ||| | | | かむことの大切さについてリーダーの発表を聞 | ○発表はオープン・スペー ||| | | | く。 | スを使い学習の雰囲気を作 ||| | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+| ||| | | ・かむことの大切さにつ ・あごの発達がよくなる る。 ||| | | | いてリーダーの人達が | のか。 ・リーダーの発表資料 ||| | | | 調べてべてきてくれた ・消化を助けるのか。 ○咀嚼の重要性をリーダー ||| | | | ので聞いてみましょう。 が発表することによって身 ||| | | | | 近なおやつについて見直そ ||| | | | | うとする意識を高めるよう ||| | | | | にする。 ||| | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+| ||| | | | 歯科医から咀嚼についてのお話をしていただく。 ○子どもたちの気づきやリ | | | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+| | ||| | ・よくかむことの大切さ ・よくかまないと歯並び ーダーの発表などを認めて | ||| | | について、歯医者さん | が悪くなるのか。 いただくとともに咀嚼の不 | ||| | | からお話をしていただ ・歯並びの悪さはむし歯 足から起こる不正歯列につ | ||| | | きましょう。 | につながるんだ。 いて触れていただき、よく | ||| | ・よくかむことは、体に ・健康につながるんだ。 かむことへの意欲を喚起す | ||| | | とってどんな大切なこ | る。 ||| | | | とがありましたか。 | | ||| | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+| ||| | | | よくかむことにも注意しながらおやつを選ぶよ | ※かむことの大切さを理解 ||| | 30 | うにする。 | できたか。(《理解》挙手 ||| | 分 |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ ・発表) ||| | +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+|| | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+| ||| | め | 今日の授業で分かったことをもとにこれからの | ○机間巡視をし、咀嚼につ ||| | | | 自分のおやつのとり方についてのめあてを考え | いて意識できないでいる児 ||| | ざ | る。 | 童には自分のたてためあて ||| | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+| ||| | | ・おやつの選び方につい ・かみごたえのあるもの を認めながら、学習内容を ||| | す | て、今までを振り返り | を食べるようにする。 振り返らせ咀嚼を含めため ||| | | | 自分に必要なめあてを ・やわらかいものでもよ あてがたてられるように援 ||| | | | たてましょう。 | くかんで食べる。 助する。 ||| | | ・発表してください。 | ・学習カード ||| | | | | ※進んでよいおやつを選ぼ ||| | | | | うとする意欲を持つことが ||| | 10 | | できたか。(《意欲》発表 ||| | 分 | | ・学習カード) | | | +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−+−+ (6) 板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−+| アンケートの | おやつの選び方を考えよう | | まとめ || | | +−−−−−−−−−−−−−+ | || | | よくかむことにも || 結果のグラフ | ◎食べてみて気づいたこと 気をつけておやつ || +−−−−−−+ | || 歯によいおやつ ・あごがつかれる を選ぶ。 || | +−−−−−−−−+| ・甘くない ・つばがいっぱい出る | ・くっつかない ・かめばかむほど味が出る | |+−−+ +−−−−−−+ | ・かたい|−−−+ ・いっぱいかまないと飲み かむことのよさ | | |+−−+ | +−−−−−−+ | | | 込めない | | | ・あごが丈夫になる | | +−−−−−−−−−−−−−− ・消化を助ける | | ・歯並びがよくなる | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ (7) 学習カード 学級活動学習カード 4年2組 番名前 〓おやつを食べて見直してみよう。 +−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ おやつの | | | | | | 名前 | | | | | | → | | | | | +−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+