印刷用紙:A4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):88   −−以下 指導案本文−−   第4学年 学級活動(保健・歯)指導案 期 日  平成8年11月1日(金)2校時 場 所  4年3組教室 及び オープンス・ペース     対 象  4年3組 28名 男15名 女18名        指導者  教 諭  佐々木 慎 一(T1)           栄養士  菊 池 ・ 子(T2) 1 題材名 「歯と毎日の食事について考えよう」 2 指導にあたって  1 題材について    近ごろ、おやつや食事は柔らかいものが多くなり、現代の子どもには咀嚼の不足から不 正咬合が目立つようになってきている。また、身の回りにある食べ物は多種多様であるが その中から自分の好きなものだけを選んでしまいがちのようである。自分の健康を考え、 かみごたえのあるものを取るよう心掛けたり、偏りなく食事をしようとする習慣をつけて おくことは、成長期の子どもにとって大変重要である。    そこで、毎日の身近な食事を通して、糖分の多いものや粘着性のあるものはむし歯にな りやすいこと、また、カルシウムを多く含むものやかたいものは歯や体によいことを振り 返るとともに、栄養面についても意識させたい。また、カルシウムなど栄養のあるものを 摂取しても、偏食をしているとその栄養が十分に生かされないことを理解させ、好き嫌い なくバランスのよい食事が取れるようにさせたいと考え、本題材を設定した。  2 児童について    歯によい食べ物について、『甘くないもの』『かたいもの』と理解している児童が多く 自分のおやつについては意識しているようである。しかし、まだ頭で理解はしているもの の、歯には悪くても、欲求のまま自分の好きなおやつを食べてしまう児童も見られる。食 事についても同様で、嫌いなものをできる限り食べようとするのではなく、初めから食べ ようとしない児童もいる。なお、歯によい食べ物を『カルシウムを多く含むもの』ととら   えている児童もいるが、まだまだ少数である。  3 指導について    本題材の学習で児童は、各家庭の歯によい自慢料理のアイデアを持ち寄って考えたグル ープの自慢の献立を発表し合う。どんな食事を心がければよいのか、より具体的な知識と して身につかせるために、与えられた食事で指導するのではなく、自分たちで実際に献立 を立てさせる。栄養を考えて食事を作ってくれている人の苦労を少しでも体験させ、好き 嫌いなく食事をしようとする意欲につなげていきたい。本時の学習では、自分たちのグル ープ活動や他のグループの発表など、さまざまなアイデアや知識に触れ、それぞれのよさ を認め合う中で、歯によい食事とはどんな食事か焦点化させていく。その際、自分たちで 気づかせるよう配慮する。それをもとに今後の自分の食事に対するめあてを考えさせる。 また、自分なりの歯によい献立を考えさせて家庭で作ってもらい、食事をさせてみる。そ うすることで、家庭でも自分で意識して食事ができるようにさせ、さらに、健康に対する 家庭の意識も高まってほしいと考える。    授業の中では栄養士にも入っていただく。栄養士には専門的な立場から、発表者のよさ を認めていただき、さらに補足があればお話ししていただく。そうすることにより、児童 は自分たちの活動に対する成就感をもつことができ、健康に気をつけた食事への意欲につ ながると考える。また、歯によい食事に関する知識も明確になり、身につきやすくなるで あろう。 3 研究主題との関連   授業で学習したことや家族へのインタビューなどで得た知識をもとに、自分たちで献立を  立ててみることによって、ただ与えられた食事を食べるだけではなく、意識してバランスの  よい食事を取るように心掛けるようになるであろう。また、献立の発表会を自分たちの手で  進めていくことによって、成就感を持たせることができると考える。 4 本題材に関連する指導内容 +−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | 月 | 内 容 | ね  ら  い |評 価 | +−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | 4 |給食後に歯をみがこう(S) 毎食後の歯みがきの大切さが分かり、自分から進んで歯をみが くことができる。みがき残しを舌や | | 鏡で確認できる。 意欲・態度 | +−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | 5 |自分の口の中の様子を知ろう(S) 自分の口の中が観察でき、歯並びやむし歯の数や位置が 分かる(合わせ鏡を使うことができる)。 関   心 +−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | 6 |歯によいおやつ(L) 歯によいおやつを考えて取ることができる。 関心・意欲・理解 +−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | 7 |むし歯の進み方を知ろう(S) むし歯の進行と症状が分かり、早期治療の大切さが分かる。知識・理解 +−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ 8・9 歯の役割を知ろう(S) 歯の3つの役割が分かる。 知識・理解 | +−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ |10|歯肉炎について知ろう(L) 歯肉炎の症状が分かり、歯と歯肉の境目や歯と歯の間を丁寧に みがくことができる。 関心・意欲・理解 +−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ 5 指導計画 +−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−+ |月/日 活動単位     活動内容 取り扱い時間・場 評 価 | +−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−+ |9/21 学級全体|おやつ、食事について振り返ろう |帰りの会 | 関心・意欲 +−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−+ 10/ 1 個人 |自慢の献立調べ |家庭 | 関心・意欲 +−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−+ 10/ 5 グループ|グループ自慢の献立作り |ゆとり・課外 |関心・意欲・態度 +−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−+ 11/ 1 学級全体|『歯と毎日の食事について考えよう』 |本時(学級活動・L) 関心・意欲・知識 +−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−+ 11/ 5 個人 |学習内容と児童の考えた献立についての啓蒙|通信 | 関心・意欲 +−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−+ 11/ 5 個人 |自分の考えた献立を食べよう |家庭 |関心・意欲・知識 +−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−+ 6 本時のねらい  1 ねらい    歯によいことを意識して自分たちで献立を立てたり、他のグループの発表を聞いたりす ることによって、歯によい食事の取り方を理解し、好き嫌いなくバランスの取れた食事を することができる。  2 工夫点   @自分たちの手で発表会を進め、また、各グループの工夫点の発表を取り入れることによ    り、献立のよさに自分たちで気づくようにする。   A発表の際、各グループの作った献立は模型にし、視覚的にとらえられるようにする。   B専門的な立場から各グループの考えのよさやを認めたり、補足することができるように、    審査員を栄養士にお願いする。   C献立の発表資料はオープン・スペースに掲示(展示)しておき、ほかのグループの資料    を授業中、あるいは授業後に自由に見て歩けるようにする。発表もオープン・スペース    で行う。 3 準備物   教師用  紙板書 児童用  発表資料 学習カード  4 評 価   @協力して献立を考えたり、他のグループの発表をしっかりと聞くことができたか。                                  《関心》   A今後の食事の取り方について、歯や体の健康を意識しためあてをもつことができたか。                                  《意欲》   Bどんなことに気をつけて食事をしたらよいか分かったか。      《知識》 5 展 開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | | | | | |段| 学  習  活  動 | ○学習支援上の留意点 |指導者| | +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ ・資料 +−+−+ |階| 教師の働きかけ 予想される児童の反応 ※評価(項目、方法) |T1|T2| | | | | | | | +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+ | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | | |つか| 歯と食事について考えよう |・紙板書 ||| | |む|+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+○短時間で課題をつかませ、発表||| | | | | | 会の活動へと進む。 ||| | 1分 | | ||| | +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+++−+ | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ ||| | | || じまんのこんだて発表会をする。 |・紙板書 ||| | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ ||| | | |・司会者のみなさん|・ぼくたちの考えた|○各グループの発表資料はオープ||| | | | お願いします。 | 献立は... |ン・スペースに掲示(展示)して||| | | | | |おき、学習の雰囲気を作る。 ||| | | | | |○発表もオープン・スペースを使||| | | |・発表を聞いて気づ| |って行い、話し合いの雰囲気を作||| | | | いたすばらしさを| |る。 ||| | | | メモしておきまし| |○気づきのメモは、発表のよさを||| | | | ょう。 | |認め合うものとするが、質問や自||| | | | | |分の考えも記録させる。 ||| | | | | |※他のグループの発表をきちんと||| | |解| | |聞くとともに、他のグループのよ||| | | | | |いところを見つけることができた||| | | | | |か。 ||| | | | | | (《関心》観察・学習カード)||| | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ ||| | | || 感想、気づきを発表し合う。 |○カルシウムなど栄養面について||| | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+は新しい学習内容なので、着目さ||| | | |・各グループのどん|・かたいものがたく|せる。 ||| | | | なところがすばら| さんある。 |○どんな気づきについても大切に||| | | | しかったか、気づ|・カルシウムを多く|し、話し合いを活発化させる。 ||| | | | いたことを発表し| 含んでいる。 | ||| | |決| てください。 |・あまり甘いものが| ||| | | | | ない。 | ||| | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ ||| | | ||カルシウムの大切さについて理解する。| ||| | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ ||| | | |・カルシウムという|・骨がスカスカだ。|○骨粗鬆症の骨と健康な骨の写真||| | | | 言葉が出てきたけ|・骨が細い。 |などインパクトの強い補助資料を||| | | | れどカルシウムが| |準備し、カルシウムが不足すると||| | | | 不足するとどうな| |歯や骨が脆くなることを理解する||| | | | るか見てみましょ| |手助けとする。 ||| | | | う。 | | ||| | |す| | |○むし歯の原因のひとつはカルシ||| | | | | |ウム不足であることを意識づける||| | | | | |ようにする。 ||| | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ ||| | | ||審査員の栄養士さんに歯と食事につい | ||| | | ||てのお話をしていただく。 | ||| | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+○専門的な立場から児童の作った||| | | |・たくさんすばらし|・栄養士さんのお話|献立の足りないところの補足やよ| ||| | | いことが見つかっ| を聞く。 |いところをほめていただく。かた| ||| | | たけれど、本当に| |くないものでもよくかむことが大| ||| | | よい献立だったの| |切であることや、好き嫌いが多い| ||| |る| か、お話を聞いて| |と摂取したカルシウムなどの栄養| ||| | | みましょう。 | |が十分に生かされないことについ| ||| | | | |ても触れていただき、今後のめあ| ||| | | | |てにつなげていきたい。 | ||| | | | |○カルシウムを多く含んでいるも| ||| | | | |のを具体的に例示してもらう。 | ||| | |・歯と食事について|・よくかむ。 |※どんなことに気をつけて食事を| ||| | | 学習したことを、|・カルシウムをなど|すればよいのかが分かったか。 ||| | | | まとめてみましょ| 栄養を考える。 | (《知識》観察・挙手)||| | | | う。 |・好き嫌いをしない| ||| | | | | ようにする。 | ||| | | | | | ||| | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ ||| | | ||よくかむことや栄養を考えて、好き嫌 | ||| | 34分 |いをせずに食事を取るように心がける。| ||| | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ ||| | +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+++−+ | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ ||| | | ||食事についての今後のめあてを決めて、| ||| | | ||自分なりに歯によい食事の献立を考え | ||| | | ||る。 |○授業のまとめをそのままめあて||| | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+とするのではなく、まとめをもと||| | |め|・食事についての今|・嫌いなものでもが|に自分の生活を振り返って、改善||| | | | 後の自分のめあて| んばって食べるよ|したいところや努力の足りなかっ||| | | | を立てましょう。| うにする。 |たところを中心にめあてをたてら||| | | | |・かたくないもので|れるように助言する。 ||| | | | | もよくかんで食べ| ||| | |ざ| | |※食事についての自分にあっため||| | | | | |あてを立てることができたか。 ||| | | |・終わった人は、自| | (《意欲》学習カード)||| | | | 分だったらどんな| |○なぜその献立を立てたのかも書||| | | | 歯によい献立を立| |かせるとともに、その献立を実際||| | |す| てますか。書いて| |に生かし、家庭で料理して食べさ||| | | | みましょう。 | |せてみることで、家庭の食事でも||| | | | | |自分のめあてを生かしていこうと||| | | |・発表してもらいま| |する意欲を喚起する。 ||| | | | しょう。 | |※献立の中に、本時の学習内容が||| | | | | |生かされているか。 ||| | | |・授業を振りかえり| | 《意欲》(学習カード)||| | 10分  ましょう。 | | ||| | | | | | ||| | | | | | ||| | +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+  (6) 板書計画                                 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | 歯と食事について考えよう | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |+−−−−−−−−−−−+ | || | | ||じまんのこんだて発表会| ―カルシウム― | |+−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−−+| | | |食事で || | Aグループのすばらしさ Bグループのすばらしさ Cグループのすばらしさ |大切なことは?|| | | | | +−−−−−−−+| | ・甘いものが少ない | | 健康な骨 ◆かたくないもの | | ・カルシウムを | | | | でもよくかんで | | 多くふくんでいる。 | | | 食べる。 | | | | +−−−−−−−+ | | ・歯ごたえのあるものが多い。 | ◆カルシウムなど | | | | +−−−−−−−+ | | | | | | えいようを考え | | | | | | て食事をする。 | | | | |骨粗鬆症の骨 ◆好ききらいをし | | | | | | ない。 | | | | | | | | +−−−−−−−+ | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+  (7) 学習カード 学 級 活 動 学 習 カ ー ド   4年3組   番名前             ☆発表や試食で気づいた、他のグループのすばらしいことを書こう! +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | | | | | Aグループ | Bグループ | Cグループ | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ ☆これから、自分が食事を取るときのめあてを書こう! +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ ☆ほかの班の発表や、えいようしさんのお話を聞いて、どんなよさのある、どんなメニューを作っ てみたい(食べてみたい)と思いましたか。かいてみましょう +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+ |《メニューの名前》 《そのメニューの絵》 | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |《どんなよさがある?》 | | | | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−| | | | | | | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−| | | | | | | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−| | | | | | | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−| | | | | | | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−| | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+