印刷用紙:A4縦 1ページの行数:44 1行の文字数(半角で):88   −−以下 指導案本文−−   第 5 学 年  学 級 活 動 ( 保 健 ・ 歯 ) 指 導 案                 期 日 平成8年11月1日(金)1校時                     場 所 5年1組教室  及び  オープンスペース                     対 象 5年1組 29名 男12名 女17名                   指導者 教諭   菊池 牧子 (T1)        歯科医  和賀 浩幸 (T2) 1 題材名 「咀嚼の大切さを知ろう」 2 指導にあたって 1 題材について 本題材は、 第5学年歯の保健指導計画にあるロング扱いの3題材(「犬歯のみがき方を   考えよう」「歯肉の病気について考えよう」)の1つである。    かむことは、あごの周りの筋肉を使うため私達が考える以上にさまざまな効能がある。   「ひみこのはがいーぜ」と言われるように、「肥満防止・味覚の発達・言葉の発音・脳の   発達・歯の病気予防・ガン予防・胃腸快調・全力投球」の効果があると言われている。し   かし、それほどの効果があるにもかかわらず、その効果は意外に知られておらず、柔らか   いもの中心の食事によって、その咀嚼の回数が大きく減少している。これにより小学生は   あごの発達が悪く、顔かたちも変化してきており、さらに口の中の変化(永久歯が全部生   えそろうまでのスペースがなくなり、歯列不正となる。)が起きている。    咀嚼の果たす役割を理解し、よくかんで食べることを習慣化することが健康な食生活の   基本であることに気づかせるとともに、より自らの口腔内の健康に気をつけていこうとす   る児童の意識を高めることができると考え、本題材を設定した。 2 児童について 児童の給食の様子を見ていると、早食いやよくかまずに飲み込む児童が多く見られる。   アンケートで調査した結果でも「かむことに注意して食事をしている。」と回答した児童   は29名中4名である。また、これまでおやつは歯ごたえのあるあまり甘くないものがよい   ことを学習してきているため、「歯によいおやつ」は、煮干しやせんべい、スルメと答え   る児童が多数であったが、ふだんのおやつとしてこれらの食品を取ってはいない。また、   「かむことの8大効果」をすべて書くことができた児童は一人もいなかったが、回答で多   かったのは、歯やあごを丈夫にする、肥満防止、脳の発達、であった。それも、なぜそう   なるかを説明するのは難しいようである。現代の柔らかい物中心の食事による口腔内の変   化については、あごの発達と結び付けて考える児童が多いことが分かった。かむことはよ   いことだと分かっており、あごを発達させるためによいことには気づいているが、その他   の効果や、なぜそのような効果があるかまでは理解していないのが実態である。 3 指導について 本題材の指導にあたっては、「問題解決的学習展開」を図ることにする。児童は、7月   に「犬歯のみがき方」の学習で、同じ問題意識の児童同士で調べ、まとめ、発表するとい   う活動を経験している。本題材ではさらに児童個々の発想を生かした調査・研究を進め、   児童がより能動的に学習に参加できるようにしたい。    本時の学習では、グループ毎に調べ学習したことを発表し、そこで生じた疑問を話し合   い、分からない所を歯科医の和賀先生に教えていただき解決する。そして、さらに新たな   疑問を見つけだすことにより次の学習へとつなげていきたい。 3 研究主題との関連   本題材の学習展開において、児童同士が自らの問題意識の基づき「調べる・まとめる・発  する」という問題解決的学習を行えば、児童は主体的に学習に参加し、『自ら学ぶ力』の素  地を築くことができるであろう。   また本時は、発表からの疑問について和賀歯科医さんに教えていただけば、咀嚼の効果に  ついて理解することができるだろう。また、話し合いをすることによって新たな疑問を発見  し、次の時間に学習したいことを見つけ、調べようとする意欲を持つことができるであろう。 4 本題材に関連する指導内容 +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+ |月| 内 容 | ね ら い |評価| +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+ |4| 給食後に歯をみがこう | 毎食後の歯みがきの大切さが分かり、自分か |知識| | | (S) ら進んで歯をみがくことができる。 |態度| +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+ |5|自分の歯や歯肉の様子を知ろう| 自分の歯や歯肉の観察ができ、自分の口の中 |知識| | | (S) の様子が分かる。 |態度| +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+ |6|犬歯のみがき方を考えよう | 犬歯を歯ブラシの毛先を上手に使ってみがく |知識| | | (L) ことができる。 |態度| +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+ |7|むし歯の進み方を知ろう | むし歯の進み方を知り、自然に治らないこと |知識| | | (S) から歯を大切にすることができる。 |意欲| +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+ |8|歯によい食べ物を知ろう | 歯や歯肉、あごを丈夫にする食べ物を知り、 |知識| | | (S) 歯によい食べ物を選んで食べることができる。 |態度| +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+ 5 指導計画 +−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−+ |月/日| 活動単位| 活 動 内 容 取り扱い時間・場 | 評 価 | +−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−+ |7/24 学級全体 | 咀嚼に関する事前アンケート | 朝の会・教室 |知識・態度| +−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−+ |9月 | 学級全体 グループ編成と研究の進め方 | ゆとり |関心・意欲| |下旬 | の計画 | | | +−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−+ |10月上旬 グループ 個・グループの図書での調べ学習 | 保健体育 |態度・知識| +−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−+ |10月中旬 グループ 個・グループの発表資料作成 | 朝自習 |意欲・知識| +−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−+ |10月下旬 学級全体 グループ毎の発表 | 課外 |意欲・関心| +−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−+ |11/1 学級全体 グループ毎の発表 | 本時(学級活動) 意欲・関心| +−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−+ |11/7| 学級全体 新たな疑問の解決と自己決定 | 保健体育 |意欲・関心| +−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−+ |随 時| 学級全体 給食時の観察と呼びかけ | 給食時間 |意欲・態度| +−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−+ |11月下旬 学級全体 事後実態調査と呼びかけ | 帰りの会 |意欲・態度| +−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−+ 6 本時の活動  1 ねらい    自分たちが咀嚼について調べたことを発表し合い、その内容について話し合うことによ   って、新たな疑問をもつことができる。  2 工夫点   @和賀歯科医さんに、児童の調べ学習に対する評価をしていただき、児童の次時への意欲    を喚起する   A和賀歯科医さんに自分たちでは分からなかった疑問に答えていただき、知識の習得を図    る。  3 準備物   教師用 学習カード  咀嚼に関する資料・本   児童用 発表用資料  4 評 価   @他のグループの発表をメモしながら聞くことができたか。《関心》   A学習をふり返り、新たな疑問をもつことができたか。  《意欲》   Bかむことによる効果が分かったか。          《知識》  5 展 開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ |段| 学 習 活 動 |○学習支援上の留意点 指導者 | | +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+・資料 +−+−+ |階| 教師の働きかけ 予想される児童の反応 |※評価(項目、方法) T1 T2 | +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+++−+ | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ ||| | |つ|| グループの発表内容の確認 |○自分が聞きたいグループ、 ||| | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ ||| | | | 各グループの発 ・現代食による口の中 |特に聞きたいことを学習カー ||| | |か|表内容で、自分が の変化 |ドに書き、発表することによ ||| | | |特に聞きたいこと ・一回の食事でのかむ |って、本時の学習意欲をを喚 ||| | |む|を発表しよう。 回数 |起する。 ||| | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ ||| | | || 咀嚼についての発表を聞いて、もっとく |・発表内容の概要のプリント ||| | | 8| わしく知りたいことを見つけよう ・学習カード ||| | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ ||| | |分| | | ||| | +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+++−+ | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ ||| | | || グループの発表を聞く。 | ||| | | || | ||| | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ ||| | | |・グループの発表 ・かまないと、歯が弱 | ||| | | |を自分が特に聞き くなると思っていたけ | ※他のグループの発表をメモ ||| | | |たい事に注意して れど、骨が発達しない |しながら聞くことができたか。 ||| | |解|聞きましょう。 ことが分かった。 |(《関心》学習カード) ||| | | |・分からない事を ・1回の食事で何回く | ||| | | |お聞きしましょう。 らいかむのが理想なん | ・学習カード ||| | |決|グループで相談し、学習カードに書い ですか。 | ||| | | |て代表が聞く。 | |○和賀先生には、児童の発表 | | | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | ||| | | 分からなかったことを和賀先生にお聞きし |に対しほめていただく。また、 | ||| |す| ましょう。 |聞かれたことに対しては、児 | ||| | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | ||| | |・グループで話し ・今日の発表のほかに、 童が新たな疑問を抱くように | ||| | |合っても分からな かむことの効果はありま 答えていただき、次時への意 | ||| |る|かったことを和賀 すか。 |欲を喚起する。 | ||| | |先生にお聞きしま | |○自分の初めの予想と比べな | ||| | |しょう。 | |がら書くように助言する。 | ||| | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+○初めの予想と違って新たに | | | | | 今日の学習で分かったことを書く。 |分かったことがある児童、い ||| | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+つもよくかんでいない児童を ||| | | |・今日の学習で分 ・効果は分かっていた |中心に指名する。 ||| | | |かったことを学習 けれど、どうしてそう |※かむことによる効果が分か ||| | | |カードに書きまし なるのかが初めて分か |ったか。 ||| | | |ょう。 った。 |(《知識》発言・学習カード) ||| | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ ||| | |27|| 食べ物をよくかむことは全身の健康のた |○まとめは、児童たちの言葉 ||| | |分| めに大切なことである でまとめるよう働きかける。 ||| | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ ||| | | | | | ||| | +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+++−+ | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ ||| | |め|| 今日の学習では分からなかったこと、も |○調べた内容について、さら ||| | | | っとくわしく知りたいことを書き、発表す |にくわしく知りたいと書いて ||| | | | る。 |いる児童に意図的に指名する。 ||| | |ざ|+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ ||| | | |・今日の学習をふ ・今日の学習をふり返 |※学習をふり返り、新たな疑 ||| | | |り返って、もっと って、分かったこと、 |問をもつことができたか。 ||| | |す|くわしく知りたい もっとくわしく知りた | (《意欲》発言・カード) ||| | | |ことをカードに書 いことを学習カードに | ||| | |10|きましょう。 書く。 | ||| | |分| | | ||| | | | | | ||| | | | | | ||| | +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+++−+ (6) 板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | そしゃくについての発表を聞いて| 食べ物をよくかむことは、全身の健康| |自分の生活をふり返ろう |のために大切なことである | +−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | 《 分かったこと》 《 もっとくわしくしりたいこと 》 | グループ1 | | | | | | | グループ2 | | | | | | | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ (7) 学習カード +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | || 歯 の 学 習 カ ー ド | 5年 組 名前 | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | 今日はいよいよ皆さんが調べたことを発表する日です。自分の発表はもちろん、ほか| |のグループの発表から自分を高めましょう。 | | | |+−−−−−−−−−−−−−+ | | 自分が一番聞いてみたい発表 | | |+−−−−−−−−−−−−−+ | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | グループ | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |+−−−−−−−−−+ | | 特にここが知りたい | | |+−−−−−−−−−+ | | ☆ | | −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | ☆ | | −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |+ 発表メモ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ ||−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−| ||−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−| |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 和賀先生にぜひ聞いてみたいこと | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 和賀先生の話から分かったこと(メモしながら聞きましょう。) | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | 〓 今 日 の 学 習 を 振 り 返 っ て 〓 | |☆ 分かったこと | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |☆ もっとくわしく知りたいこと−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ || | || | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |+−−−− 今日の反省 −−−−−−−−−−+− 菊池から一言 −−−−−−−−−+ || A B C D |−−−−−−−−−−−−−−−−−+ || |−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | || |−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | || |−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+