印刷用紙:A4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):88   −−以下 指導案本文−−   第6学年 学級活動(保健・歯)指導案 期 日 平成8年11月1日(金)2校時 場 所 6年1組教室 及び オープン・スペース 対 象 6年1組 25名 男10名 女15名 指導者 教諭 岩  田  ア  ツ 1 題材名 「歯の健康によい食べ物について考えよう」 2 指導にあたって (1) 題材について 本題材は、「歯の健康つくりの章第2節むし歯の原因と予防」の中で唱えられている    ようにむし歯の原因は口腔の汚れであるが、その背景には食生活、基本的食習慣、児童    を取り巻く家庭・地域社会などが深く関与している。したがって、予防についても常に    多面的に考え、対処していく必要がある。とされており、食生活に焦点を当てて考えよ    うとするものである。     この年齢は、智歯を除いて永久歯はほぼ生えそろい、永久歯列は完成したようにみえ    る児童もいる。しかし、X線写真を見ると歯の根は完成していないことがわかる。歯は    まだ成長中なのである。また、歯の健康によい食べ物というと、カルシウム(無機質)    の多い食品をとればよいと考えがちであるが、歯の構造をみるとそれぞれの部分に、さ    まざまな栄養素が必要である。そこで、良い歯をつくり健康に保っていくため、児童が    自発的に好ましい食生活を心がけられることを目的として本題材を設定した。 (2) 児童について   日常生活における子どもたちの食生活をみると、問題にするべき点をかなり取り上げ    ることができる。食べ物に関するアンケートの様子からみると好きな食べ物のベスト3    は、くだもの・肉類・めん類である。嫌いなものでは野菜・海草類・きのこ類とあげら    れている。 食事に関しては、好き嫌いをしないが2名、良く噛んで食べている11名残    さないが2名、おやつではスナック菓子・ガム・アイスと続き、歯ごたえのあるものを    選ぶが2名という実態から糖分のあって柔らかいものが好まれていることがわかる。 第二大臼歯 (3) 指導について 本題材の指導にあたっては、課題解決的学習方法で進めるものである。児童が日常の    食事調査をすることで自分の食生活を見直し、課題を見いだしてそれを解決する一連の 流れの条件として栄養素と食品から考えるものである。栄養素及び・食品共にバランス    のとれた毎日の食生活が口腔衛生をかわきりに健康な体をつくることを、一日分の献立    を立てて見ることで考えさせようとするものである。 本時の学習では、グループで作成した献立を発表する。その献立には六つの基礎食品    の種類が整い、栄養素のバランスがとれているかの面から話し合い自分の献立の見直し    さらに教師の支援からよりよい献立を作成することによって、歯の健康を司る望ましい    食生活の意識づけと実生活の変容を図りたい。 3 研究主題との関連    本題材の学習において、児童が課題に基づき、調べる・資料を作成する・発表する学習   を通し、課題解決のために気づいたことを話し合う学習方法を行えば、児童の主体的な参   加を促し「自ら学ぶ力」を 培うことができるであろう。 本時は、「健康な体をつくる」ための、望ましい食事になる改善点に気づき話し合いを   深めれば、児童は食生活を見直し、基礎食品をもとに歯によいバランスのとれた食事をし ようとする意欲をもつことができるであろう。 4 本題材に関連する指導内容 +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ 月 | 内      容 | ね ら い | 評 価 | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ 4 給食後に歯をみがこう (S) 給食後の歯みがきの大切さが分かり、自分から進んで歯                     をみがくことができる。 意欲・態度 +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ 5 自分の歯や歯肉の様子を知ろう (S) 歯や歯肉の観察ができ、自分の口の中の様子がわか                      る。 関心 ・知識 +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ 6 第二大臼歯を工夫してみがこう (L) 第二大臼歯の特徴が分かり、工夫してみがくことが                       できる。 知識・意欲・態度 +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ 7 むし歯が及ぼす体の害を考えよう(S) 口の中の病気だけでなく、全身の健康に大きな影響                       を及ぼすことが分かる。 知識 ・関心 +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ 8・9 かむことと歯の発達を知ろう(S) 歯の発達と発音、容姿、そしゃくの関係が分かる。 知識 ・関心 +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ 10 歯肉炎を予防しよう (L) 歯肉を守り健康にするための、歯みがきや食べ物につい                     て考えることができる。 知識・意欲・態度 +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ 5 指導計画 +−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−+ 月/日| 活動単位 | 活 動 内 容 | 取り扱い時間・場 | 評 価 | +−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−+ |8/23|学級(個人)|食事に関するアンケート | 家庭科 ・ 教室|知識・態度| +−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−+ |8/23〜 学級(個人) 食事調べ(金・土・日の三日間) 課外 |関心・意欲・態度 +−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−+ |9/24|学級(個人)|健康な体に関するアンケート| 課外 |知識・態度| +−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−+ 10/1〜 個・グループ|献立作成 | 家庭科・課外 |関心・意欲| +−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−+ 10/8〜 個・グループ|絵図作成 | 図工科・課外 |関心・意欲| +−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−+ 10/15|個・グループ|発表資料作成 | 国語 ・課外 |知識・意欲| +−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−+ 10月下旬 学級全体 |発表会 | ゆとり |知識・意欲| +−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−+ 11/1 |学級全体 |話し合い(課題解決・自己決定) 学級活動 (本時) 意欲・関心 +−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−+ 随時 |学級(個人)|個別指導(給食時) | 給食時間・課外 |知識・態度| +−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−+ 12月下旬 学級(個人) 事後実態調査(アンケート) 課外 |意欲・態度| +−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−+ 6  本時の活動 (1) ねらい    ・ 歯の根は現在も成長していることを知り、よい歯をつくるにはすべての栄養素が含     まれた献立を工夫しバランスのとれた食生活をすることができる。 (2) 工夫点    @ 献立発表の場は児童の進行により話し合い形式にし児童相互の活動を図る。。    A 家庭における児童の食事の実態を母親にインタビューした録音テープを使用する      また、グループで作成した献立は絵図にして発表の資料とする。    B 児童の母親から毎日の食事づくりのねがいを聞き食生活の見直しの態度を図る。    C 食事調査や献立から食品・栄養素の見直しをしバランスのよい献立にする。 (3)準備物    ・ 教師用 録音テープ、六つの基礎食品群、X線の歯の構造図、1日の食品必要量サンプル、      学習カード    ・ 児童用 グループ作成の献立表 (絵図) (4)評 価    @ 自分の食生活の問題点を把握することができたか。《関心》    A 歯の根は、現在も成長していることがわかり、すべての栄養素をとる必要性が分か      ったか。《知識》    B バランスのとれた食生活をしようとする意欲をもつことができたか。《意欲》  (5)展 開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−+ |段| 学 習 活 動 |○ 学習支援上の留意点 指導者 | | +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+・ 資料 +−+−+ |階| 教師の働きかけ |予想される子どもの反応 ※ 評価(項目、方法) T1 T2| +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+++−+ | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+| ||| | |つ|| 録音テープと食事調査から食事の好き| ○ 児童の食事の様子を母親 ||| | | ||嫌いに気づく。 || にインタビューした録音 ||| | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+| テープと食事調査表から ||| | | |・ テープを聞いて |・ 偏食がありどうし | 食生活に対する学習意欲を ||| | |か| 気づいたことは何|たらよいか。 | 喚起する。 ||| | | | か。 | | ・ 録音テープ ||| | | |・ よく食べたもの |・くだもの・肉類 | ・ 食事実態調査 ||| | | | はどんなものか。| | ・ 学習カード ||| | |む|・ 嫌いな食べ物は |・小魚類・野菜類 | ||| | | | どんなものか。 | | ||| | | | | | ||| | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+| ||| | | || 歯の健康によい食品と栄養素について|| ||| | | ||考えよう。 || ||| | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+| ||| | | | | | ||| | |10|・ 好きな食べ物だ |・ 歯の発育が悪くな ○ むし歯や歯肉などこれま ||| | | | け食べていたら | る。 | での学習の振り返りから ||| | | | 口腔の様子はどう|・ 歯の骨が弱くなる | 多くの児童に発表させる。 ||| | |分| なるのか。 |・むし歯になりやす | ||| | | | | い。 ※ 自分の食生活の問題点を ||| | | | | | 把握することができたか ||| | | | | | (関心) ||| | +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+++++ | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ ○ 発表の司会進行を児童が | ||| | || グループの献立発表からバランスのよ || 行い、多くの児童の疑問を | ||| | ||い食品と栄養素に基づき歯の健康につい|| 取り上げるように助言す | ||| | ||て話し合う。 || る。 | ||| | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |・ 歯をつくる食品 |・ 牛乳・小魚・海草 ○ 発表を聞き食品や栄養素 | | | | | とはどんなものか | 類。 | がバランス良く摂られてい | ||| |解| また、献立に組ま | | るか資料と照らし合わせ確 | ||| | | れているか。 | | 認する。 | ||| | | | ・基礎食品群 | ||| | |・ 必要な栄養素は何|・ カルシウムやいろ ・1日の食品摂取量(12歳) | ||| | | か。 | いろな栄養素 が必 ・X線歯の構造図 | ||| |決| | 要だ。 | | ||| | | | | | ||| | ・ 食事をする時、ど|・ 好き嫌いなく何で ○ 歯の根は成長しており | ||| | | んなことに気をつけ も食べる。 | 丈夫な歯をつくることは、 | ||| | | たらよいか。 ・ よくかむ。 |体全体を丈夫にすることで | ||| |す| | |あることに気づくようにす | ||| | |・よく噛むことはな ・ 歯の根が丈夫にな |る。 | ||| | | ぜ大切か。 | る。 ・学習カー ド | ||| | | | 肉を丈夫にする。 | | ||| |る| |・ 顎を動かす筋肉や | | ||| | | | 神経を刺激する。 | | ||| | | | ○ グループ制作の献立の食 | ||| | | | | 品群や栄養素のバランスが | ||| | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+| ||| | | || 健康な歯はバランスのとれた献立から|| とれるようにまとめ 助言 ||| | | ||つくられる。 ||をする。 ||| | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+| ||| | | | | ※ 歯の根は、現在も成長し ||| | | | | | ていることが分かり、すべ ||| | |25| | | ての栄養素がバランスよく ||| | | | | | 組まれた献立つくりの必要 ||| | |分| | | 性が分かったか。 ||| | | | | | (知識) ||| | +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+++++ | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ ○ 家族の健康を願って毎日 | ||| |め||学習して分かったことから献立の修正を|| の食事を作っているお母さ | ||| | |し、さらにお母さんの話から偏食のない食|| んの話を聞き、今日からの | ||| |ざ| 生活をめざし決意を書く。 || 食事に対する新たな決意を | ||| | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+| もつ。 | ||| |す| | ・千田さんの話 | ||| | |・今後、どんな食生|・ 多くの種類の食品 ・1日分の食品と献立 ||| | | |活をめざしたらよい| を食べるようにす ・学習カード ||| | |10|か。 | る。 ※ バランスのとれた食生活 ||| | | | | | をしようとする意欲をもつ ||| | |分| | | ことができたか。 ||| | | | | | (意欲)||| | +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−+ (6) 板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 歯の健康によい食べ物について考えよう  学習課題 −−−−−−−−−−−−−+| | | 歯の健康によい食品と栄養について考え よう | +−−−−−−−−−−−−−−−−+| | 食事実態調査   六つの基礎食品群    | |+−−−−−−−++−−−−−−−−−−+ 栄養素 | || || | ・ | || || | ・ | || || | ・ | || || | ・ | || || | ・ | || |+−−−−−−−−−−+ 歯をつくる望ましい献立 | || | 無機質 (カルシウム) 小魚・牛乳 | || | まとめ | |+−−−−−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ (7) 学習カード                                  +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | 歯 の 学 習 カ ー ド | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | 6年2組 番氏名 | | −−−−−−−−−−−−−−−| | | | ☆ 歯の健康によい食べ物について考えよう | | | | +−−−−−−−−−+ | | | | | | ◎たん白質を含むもの | |◎ビタミンCを含むもの | | | | | | | | | | | | | | ◎ビタミンDを含むもの | |◎フッ素を含むもの | | | | | | +−−−−−−−−−+ | | | | ◎カルシウム・リンを含むもの | | | +−−−学習の振り返りと決意−−−−−−−−++−−今日の反省+  −+ 岩田から一言 | || || || |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| A B C D || || | ||−−−−−−−|+−−−−−+| |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| || || | ||−−−−−−−|+−−−−−+| | || || || |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|−−−−−−−|+−−−−−+| |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|−−−−−−−|+−−−−−+| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−++−−−−−+| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+