印刷用紙:B4縦 1ページの行数:53 1行の文字数(半角で):108   −−以下 指導案本文−−   第1学年図画工作科学習活動案                          日 時 平成8年9月6日(金)5校時 学 級 1年1組 男15名 女15名 計30名   授業者 菊 地 早 苗 1、題材名 そらをとべたら 2、題材について (1)題材について ・ 本題材は、学習指導要領第1学年の目標「表したいこと、つくりたいものを自分の表現製作の方法でつくりだす     喜びを味わうようにする。」をもとに構成されている。 ・ 本題材は、自分がいろいろなものに乗って空を飛んでいろいろな世界へ行くことを想像して自由に表現するこ     とができる。空想することの楽しさを味わうことができる題材である。また、ぼかしやひっかき、絵を切り取     ってはるなど表し方を工夫できる題材である。  (2)児童について  この時期の子どもたちは、みんな絵をかくことがすきであろうと予想していた。しかし、5月段階では、意に反   して、絵をかくのが嫌いと答えた子が6名いた。与えられた題材に対して思いが持てなかったり、思いをうまく表   現出来なかった経験があるためである。1年生になってから「みんなのすきなえ」や「すきなはな」で絵をかい    てきた。それらの学習の中でも「ぼくできない。」と涙ぐむ子や「ぼくやらない。」という子が何人か見られた。  支援をしながらその子なりの表現のよさを認め励ましてきた。その結果、少しずつではあるが絵をかくことに抵  抗がなくなって来ている。また、鑑賞では自分の表現のよさを見つけられるようになって来ているが、まだ友達  の表現のよさに目を向けられない子も多い。描画材料の中心は、クレヨン・パスであるが、それを使用してのいろ  いろな技法については経験がない。絵の具については、幼稚園のとき使った経験がある。 (3)指導について   「もしも、何かに乗って空を飛べるとしたら、どんなものに乗ってどんなところに行ってみたいかな。」とい    う問いかけにより夢のある楽しい乗り物や夢の世界、不思議な世界を空想できるようにする。乗り物や、行って    みたい世界や国を自由に話し合い、その後、どんな乗り物に乗ってどんな世界に行ってみたいのか簡単なお話に    して、 かくようにする。お話に書いておくことにより自分が表現したいことを明確にすることができると考える。  特に、何をかきたいのか決めることができない子には十分時間をとって話を聞いて支援して行きたい。表現の    段階では、はじめに行ってみたい国を思いのままに線がきする。線がきの後、細かいところをかいたりクレヨン    やパス、絵の具などで色をつける。クレヨンやパスの技法については事前に紹介しておく。次に、乗り物や自分    を別の紙にかいて切り取る。別の紙にかくことによりやり直しができるので、かき出しに抵抗がなくなると考え    られる。また、楽しく飛んでいるように向きを考えてはることができる利点がある。 鑑賞の段階では、作品を見せながら、自分の考えたお話をする。自分の作品のみに目が行きがちであるので、   自分の作品のよさを見つけた後に友達の作品を見て、友達のよさも見つけることができるようにしていきたい。 3、題材の目標 自分が空を飛んでいろいろな世界に行くことを想像して自由に表現することによって、空想することの楽しさを 味わう。 4、観点別評価目標 +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ |造形への関心・意欲・態度| 発想や構想の能力 | 創造的な技能 | 鑑賞の能力 | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ ・自分がいろいろなものに乗・乗り物や行きたい世界や国・クレヨン、パスや水彩絵の具・自分の作品について、お | って空を飛び、いろいろな をイメージし、どのように などを使ってぼかしやひっか 話を発表したり、友達の | 世界に行くという空想画に 画面に構成するか思い描い きの技法を生かしたり、はさ 作品のお話を聞きながら | 興味を持ち、進んでかこう ている。 | みで切ったりはったりしてい その表現のよさを感じ取 | としている。 | | る。 | っている。 | | | | | | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ 5、活動計画 (4時間) +−+−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−− 時間段階| 目 標 | 学 習 内 容 | 準 備 | 支 援 内 容 等 | 評価計画 +−+−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−− | 発 ・もしも空を飛 ・自分が乗りたいものと |参考作品 |・「もしも、何かに乗って空を|・空想の絵に | | べたならば、乗 行きたい国や世界を想像 | |飛べるとしたら、どんなものに|興味を持ち進 | 想 ってみたい乗り し話し合う。 | |乗って、どんなところに行って|んでかこうと | ・ 物や行ってみた ・自分の考えと友達の意 |作文用紙 |みたいかな。」と、興味を持た|している。(関 | 構 い国や世界につ 見を参考に絵にかきたい | |せるように語りかける。 |・空を飛んで 45 | いて空想する。 世界をお話にかく。 | |・自由に話し合える雰囲気をつ|いる様子を思 分 想 | ・画面構成を思いえがく。| |くる。 |いえがいてい | | | | | | |る。(発) +−+−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−− | | | | | | | | 表 ・行ってみたい ・クレヨンやパスなどで |画用紙 |・感じ取った自分のイメージを|・自分の思い | | 国や世界を思い 行ってみたい国や世界を |色画用紙 |大切にしながらクレヨンやパス|にあった表現 | | のままに自由に 線がきで表現する。 |クレヨン |で思いのままに試みるよう促す|方法で思いの | 現 かく。 ・ぼかしやひっかきなど |パス |・かいたりはったりしたことか|ままに表現し ||| | の技法も使いながら色づ |水彩絵の具 |らも思いついたことをどんどん|ている。(技) ||| | けをする。 |感想カード |試みるように励ます。 | 本 | ・乗り物や自分 ・空を飛ぶ乗り物や飛ん | |・表現できた喜びを話しかけて| 時 | をかいて行って でいる自分をかく。 | |くる子を快くうけとめる。 | ||| みたい世界にお ・ていねいに切る。 | |・表現が停滞している子には、 | ||| いてみる。 | | |相談に乗り一緒に考えていく。・| 90 | | | | |早く終わった子どものために感| 分 | | | | |想カードを用意しておく。 | +−+−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−− | | ・乗り物や自分 ・空を楽しく飛んでいる |のり | | | ま を絵にはる。 |よう向きを考えてはる。 |作品 |・子どもの発表や表現の過程を|・自分や友達 | と ・自分の作品を ・自分の作品について、 | |振り返り子ども達一人ひとりの|の作品のよさ | め 見せながらお話 題名をつけお話を発表す | |よさを感じ取るようにする。 |を感じ取って | | を発表し表現の る。 | | |いる。(鑑) 45 | よさを感じ取る ・友達の作品をお話を聞き| | | 分 | | ながら楽しんで見る。 | | | +−+−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−  6、本時の活動  (本時‥‥3/4)    (1)目標     空を飛ぶ乗り物や飛んでいる自分を空想して楽しくかく                                                          (2)本時指導の工夫   本時は、表現の2時間目で、空を飛ぶ乗り物や飛んでいる自分をかき、行ってみたい世界に加える時間である。    クレヨンやパスでかく活動が中心となる。         @思いをふくらませるような発想・構想段階の工夫      絵にかきたい世界はお話に書いているが、それだけではイメージのわかない子もいると考えられる。そこで、     空を飛ぶために乗りたいものの実物を出来る限り用意して実際に乗ってみてイメージがわくようにする。どんな     気持ちで乗っているか考えたり、動作化することにより、どこに、どんなふうに乗っているのか自分の思いをふ     くらませるようにする。    A子ども一人ひとりの表現のよさを見合うための学習活動の工夫      まだ自分の作品だけに目が行く時期なので、自分の表現の工夫やがんばりを自分で見つけてはっきり話すこと     ができるようにしたい。そのあと、さらに、どの友達の作品にもあるよさにも目を向けさせるようにしたい。そ     こで、みんなの作品を自由に見て歩けるような時間の確保をする。  (3)展開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−− | | | | 段階        子どもの活動 | 子どものよさを生かす工夫 (○評価) | 備 考 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−− |発|1、空を飛ぶ乗り物について話し合う。 ・作ったお話や前時にかいた行ってみたい世界をもと 作文用紙 | |想| に自分が乗りたいものを思い出すようにする。 作品 |・| | | | | +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |構| | そらをとぶのりものとじぶんをたのしくかこう | | | | +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |想| | | | 2、乗っている時の気持ちを考え様子を動作化 ・実物や写真がある場合は、出来る限り用意する。 乗り物の | | する。 ・どこにどんなふうに乗っているのか様子を思い浮か 実物 |7| べるようにするために 動作化する。 写真 |分| ○空を飛んでいる様子を思いえがく。(発) | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−− | | | | |表|3、空を飛ぶ乗り物と乗っている自分を思いの ・表現が停滞している子には、相談に乗り一緒に考え 画用紙 | |ままに表す。 て行く。 クレヨン | | |・楽しく想像しながらかく。 ・どうしてもかき出せない子は、実物や写真などを参 パス |現|・描画材料を選んでかく。 考に乗り物からとりかかれるようにする。。 絵の具 | | ・行って見たい国や世界の絵をいつでも見ることがで | | | きる場所に掲示しておく。 | | | ・行ってみたい国や世界の絵に直接かきこむことも認 | | | める。 | | |4、乗り物と自分をていねいに切りとる。 ・細かい部分は回りをつけて切るよう声をかける。 はさみ | | | | | | ・早く終わった子どもは、自分や友達のの作品のよさ |感想カ | | を見つけて感想カードに書く。 |ド | | ○思いにあった材料を選び、思いのままに表現してい | |30| る。(技) | |分| | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−− | | | | |ま|5、自分の活動を振り返り、工夫した所やうま ・自分の作品の工夫や友達がどんな試みをしたか、楽 作品 |と|くいったところを話し合う。 しく見せ合う。 | |め| | | | |6、友達の作品を自由に見て回る。 ・意見交流をしながら自由に見て回り、子どもたち一 | | | 人ひとりの作品のよさに共感する。 | |8| ○自分や友達の作品のよさを感じ取っている。(鑑) | |分| | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−− (4)評価    空を飛ぶ乗り物や飛んでいる自分を空想して楽しくかいている。(表)    A:行ってみたい世界に合った色や大きさを考えながら、進んで自分の思いを表現している。    B:好きな描画材料を選び、自分の思いを表現している。    C:教師の支援を受けて描画材料選びや表現をしている。 ◆板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | +−−−−−−−+ | | そらをとべたら | 9| | +−−−−−−−+ | | が| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |そらをとぶのりものとじぶんをたのしくかこう| つ| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | ・のりもの         ・のりかた 6| | じてんしゃ ふうせん    ぶらさがる さかだち に| | じゅうたん かさ      すわる ともだちと ち| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+