印刷用紙:A4縦 1ページの行数:53 1行の文字数(半角で):108   −−以下 指導案本文−−              第4学年図画工作科学習活動案                              日 時 平成8年9月6日(金)5校時                              学 級 4年2組 男24名 女16名 計40名                              授業者 松村 恵美子 1.題材名   発見! 新種の生き物 2.題材について (1)題材について   ・本題材は、学習指導要領第4学年の目標「生活を楽しくするものなどを用途や美しさ、つくり方などを考えてつ   くり、それを使う楽しさを味わい、デザインの能力や創造的な工作の能力を伸ばす。」をもとに構成されている。   ・本題材は、身の回りにある材料の形や色、質感などから想像して、新種の生き物をつくる活動である。どんな材   料をどのように組み合わせてつくるかを自由に考えていく。違う種類の材料の組合せや意外な材料から思いがけな   い生き物が生まれるに違いない。子ども達が、意欲をもって取り組むことができると考えられる題材である。 (2)児童について    ほとんどの子ども達は、図工が好きである。中でも、工作が好きなこどもが多い。4年生になってからの「風の   音、風の形」では、身の回りの材料を集めて、きれいな音をだしたり、形や色を工夫したりして表現した。    ほとんどの子どもは、自分のつくりたいものを楽しく考えることができる。図工は、自分の思いを自由に表現で   きることが、子ども達にとっては魅力的のようである。しかし、発想・構想の段階で時間のかかる子どもも数人い   る。相談にのったり、友達の作品を参考にしたりしてヒントを与えるようにしてきた。    「開いてみたいな・・・」では、鑑賞カードを用いて、お互いの作品のよさを認め合った。子ども達は、友達の   作品を見て、工夫しているところやまねしてみたいと思ったところを見つけ、意欲的に書いていた。アンケートで   も「友達の作品のよいところを見つけることができた。」と答えている子どもが多く、楽しみながら鑑賞する中で、   友達のよさを積極的に見つけようとする姿勢が見られるようになってきた。 (3)指導について    「見たこともない生き物を見つけました。」と話すことを活動のきっかけとする。「どこで見つけたのか。」   「どんな生き物なのか。」などを話し合わせ、想像力をかきたてる。その後、身近な材料を使って自分だけの新し   い生き物をつくり出すことを話す。教科書や参考作品を見ながらイメージを広げるようにしたい。身の回りのどの   ような材料が使えそうか話し合い、一人ひとりが材料集めをする。    子ども達が柔軟な想像力を発揮できるようにするためには、材料に十分触れ合うことが大切だと考える。そこで、   表現の段階では、自分が集めてきた材料を操作する中から発想を生み出し、広げていきたい。一つの材料でも切っ   たり、しばったり、刺したりしていろいろな使い方ができることをできるだけ子ども達の作品の中から知らせたい。   接着方法については、接着剤の扱い方や性質を教え、効果的に使用できるようにしたい。表現内容に合わせて、全   体で指導したり個別に指導したりするようにする。子ども達の活動はできるだけ見守るようにしたいが、途中でつ   まずく子どもがいると考えられる。相談にのったり、一緒に材料を組み合わせてヒントを与えたりしながら取り組   んでいきたい。    鑑賞の段階では、教室の中に生き物が住んでいるような環境をつくる。自分のつくった生き物の住んでいる場所   を想像して自由に置く。木や草むら、池等の中に置くことにより、作品への思いが一層深まると考えられる。そし   て、楽しんで鑑賞しながら、お互いのよさを見つけ合うようにしたい。 3.題材の目標   身の回りの材料から発想を広げて、新種の生き物をつくる。 4.観点別評価目標 +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ |造形への関心・意欲・態度| 発想や構想の能力 | 創造的な技能 | 鑑賞の能力 | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | いろいろな材料を積極的| 集めた材料の特徴を生か| 材料の特徴を生かしたり| 生き物の住む世界をつ| |に集め、楽しみながら表現|して、新種の生き物のイメ|、組み合せを工夫しながら|くり、その中から自分や| |しようとしている。 |ージを広げている。 |表現している。 |友達の作品のよさや楽し| | | | |さを感じ取っている。 | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ 5 活動計画(6時間) +−−+−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ |時間|段階 目 標 | 学習内容 | 準備 | 支援内容等 | 評価計画 | +−−+−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | | |・自分のつくる新種|・自分のつくる生き物|提示作品|・参考作品を鑑賞し、どん|・つくりたい生| | |発|の生き物についての|を思いえがく。 |教科書 |な材料をどのように生かし|き物のイメージ| | |想|イメージをもつ。 | |参考資料|ているかを話し合うことに|をもち、表現を| | |・| |・どんな材料を使うこ| |より、表現のイメージをふ|楽しもうとして| | |構| |とができるかを話し合| |くらませる。 |いる。(鑑) | | |想| |う。 | |・身の回りのどんな材料が| | | | | | | |使えるかを話し合い、材料| | |45分| | | | |集めのヒントにする。 | | +−−+−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | | |・材料を組み合わせ|・自分の集めてきた材|空き缶 |・材料を、どんどんくっつ|・集めてきた材| | | |たり、接着して、自|料を手にして、何に見|ウレタン|けたり、はがしたりしてみ|料をもとに新種| | | |分の生き物を表現す|えるか、何に使えるか|針金 |るように話し、その中から|の生き物のイメ| | | |る。 |などを話し合う。 |毛糸 |生まれた発想を生かすよう|ージを広げてい| | | | | |紙コップ|に支援する。 |る。(発) | | | | |・材料のもっている形|紙粘土 |・接着剤、針金などの組合| | | |表| |や色の特徴を考え、新|身辺材料|せに必要な材料を用意し、|・材料の特徴を| | | | |種の生き物をつくる。|接着剤 |自由に使えるようにしてお|生かしたり、組| | | | | | |く。 |合せを工夫しな| | | | | | |・一人一人の発想を大切に|がら表現してい| | | | | | |し、活動を見守るようにし|る。(技) | | |現| | | |たい。 |・効果的な接着| | | | | | |・友達の作品を見て思いつ|方法を考えてつ| | | | | | |いたアイデアや、やりなが|くっている。 | | | | | | |ら思いついたアイデアには|(技) | | | | | | |積極的に取り組ませる。 | | | | | | | |・目や模様をつけるように| | | | | | | |話す。また、材料そのもの| | | | | | | |のもつ色合いを大切にする| | | | | | | |ようにし、彩色は最小限に| | |135分 | | | |するようにする。 | | +−−+−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | | |・新種の生き物の住|・自分のつくった生き|段ボール|・自分のつくった生き物に|・名前や住んで| | | |んでいる環境をつく|物は、どんな名前でど|紙 |ついて想像をふくらませ、|いるところを自| | | |る。 |んな場所に住んでいる|発泡スチ|名前や住んでいるところな|由に想像してい| | |鑑| |のかを考える。 |ロール |どをカードに記入する。 |る。(発) | | | | |・グループごとに環境|画用紙 |・子ども達の思いを生かせ| | | | | |を表す用具をつくる。|色画用紙|るように、できるだけ材料| | | | | | |模造紙 |や技術面での支援をしてい| | | ↑| | | |折り紙 |きたい。 | | | 本|賞| | | | | | | | |・友達と作品を見合|・生き物を自分のイメ|鑑賞カー|・思い思いの場所に作品を|・友達や自分の| | 時| |い、作品のよさを味|ージする場所に置く。|ド |置き、楽しい雰囲気の中で|作品のよさを味| | ↓| |わう。 |・工夫したところなど| |鑑賞をしたい。 |わっている。 | |90分| | |を話し合う。 | | |(鑑) | +−−+−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ 6.本時の活動 (本時・・・6/6) (1)目標     友達の作品を見て、よさや楽しさを見つける。 (2)本時の指導の工夫   本時は、鑑賞の2時間目である。教室に生き物の住んでいる環境をつくり、自分のつくった作品を思い思いの場所  に置く。そして、友達の作品のよさや楽しさを味わっていく。  @思いをふくらませるような発想・構想段階の工夫   教室の中に、生き物が住んでいるような環境をつくる。自分の作品や友達の作品に対する思いを豊かにするために、  その中に自由に作品を置く。自分たちで「新種生き物ワールドを」をつくり出すことで、鑑賞活動への意欲付けを図  りたい。  A子ども一人一人の表現のよさを見合うための学習活動の工夫   子ども達がお互いの作品を見合う時間をつくる。コメント用紙を持って歩き、気にいった作品に感想を書いたコメ  ント用紙をはっていく。自分の隣の席の子には必ずコメントを書くことにして、あとは、気にいった作品にどんどん  感想を書いていく。教室を自由に見て回れる雰囲気をつくり、その中で、友達のよさや工夫したところに気づかせた  い。 (3)展開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ |段階 子どもの活動 | 子どものよさを生かす工夫(評価○) | 備考 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ | |1.自分のつくった新種の生き物を、住ん|・まわりの様子を見て、友達の生き物とかかわらせて|環境の用| |発|でいる場所を想像して置く。 |置くなど、置き方も工夫するように声がけをする。 |具 | |想| |・最初に考えた場所と変えてもよいことを話し、子ど|セロテー| |・| |もの思いを生かすようにする。 |プ | |構|+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |ガムテー| |想||新しゅ生き物ワールドを見て、おもしろい生き物を見つけよう。| |プ | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |ひも | |10| |○まわりの様子を見て、生き物の住んでいる場所のイ|作品 | | 分 |メージを広げ、作品を置いている。(発) | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ | |2.友達の作品をお互いに見て、作品にコ|・おもしろいと思ったところや工夫していると思った|コメント| | | メントをつける。 |ところを中心に、コメントを書く。 |用紙 | | | ・自分の隣の席の子どもの作品につい|・材料の使い方や、生かし方にも目を向けるように話| | |表| て |す。 | | | | ・気に入った作品について |・自由に見合える雰囲気をつくり、楽しく見て歩きた| | |現| |い。 | | | | | | | | |3.学級の友達にも、よさを紹介する。 |・コメント用紙をもとに、数人の子どもの作品を取り| | | | |上げ、話し合う。 | | | | |・意見交流をしながら、子ども一人ひとりのよさに共| | |25| |感するようにする。 | | | 分 |○友達の作品のよさや楽しさを見つけている。(鑑)| | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ |ま|4.鑑賞したことをもとに、新種生き物ワ|・「他のクラスの友達にも、作品を見てもらおう。」|招待状 | |と| ールドへの招待状を書く。 |と提案し、簡単な招待状を書く。 | | |め| |・新種生き物ワールドのおもしろさ、自分たちのつく| | | | |った生き物の楽しさなどを紹介するようにしたい。 | | |10| |○自分や友達の作品を紹介するために、招待状を意欲| | | 分 |的に書いている。(関) | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ (4)評価   友達の作品を見て、よさや楽しさを感じ取っている。(鑑)   A:友達の作品のおもしろさだけでなく、材料の使い方や生かし方の工夫にも目を向けて感想を書いている。   B:友達の作品のよさやおもしろさを感じ取り、感想を書いている。   C:友達の発表を聞きながら、友達の作品のよさやおもしろさを感じ取っている。  ◆板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | 発見! 新しゅの生き物 | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |新しゅ生き物ワールドを見て、おもしろい生き物を見つけよう。| | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | +−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | | 地 図 | | | | | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+