印刷用紙:B4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):108   −−以下 指導案本文−−   第5学年図画工作科学習活動案 日 時 平成8年9月6日(金)5校時 学 級 5年2組 男17名女17名 計34名  授業者 金澤 淳子 1.題材名   島を一つもらえたら 2.題材について (1)題材について ・本題材は、学習指導要領第5学年の目標「造形的な見方や感じ方を深め、想像力を働かせて主題の表し方の構想   を練り、技法などを工夫して表し、造形的な創造表現の能力を高める。」をもとに構成されている。 ・発泡スチロールをベースにして、自分がつくりたい島をつくる活動である。発泡スチロールは切断が容易なので、  自由に形を変えることができる。接着方法も簡単なので、抵抗感が少ない。自分だけの島をつくるということで具   体的に自分の思いやイメージがわきやすく、子ども達が最後まで意欲を持続させて活動ができる題材である。 (2)児童について   アンケートによると工作に抵抗感をもっている子どもはいない。1学期に学習した「動くよ○○○」では、帯紙と  割りピンで動く仕組みをつくり、その動きから自由に発想しておもちゃをつくった。発想の段階で時間がかかる子   どもが数名いる。そこで、子ども達同士で自由に見合うことができる雰囲気を作って発想のヒントになるように支 援をして来た。発泡スチロールを使って工作をしたことがある子どもは、5名であった。揮発性のぺンで発泡スチ ロールが溶けてしまうという特性について知っている子どもはいなかった。 図工の時間のほかにも、友達のよいところを見つけて発表する機会を持つことでお互いのよさを認め合うことは  継続して行われている。  (3)指導について 「○○である島にたどりつきました。そこには、『あなたにこの島をあげます。好きなように島を作ってみてくだ  さい。』とありました。さぁ、自分だけの好きな島をつくりましょう。」と教師が提案することを活動のきっかけと  する。発想・構想の段階で時間がかかってしまう子どもがいるので、より具体的にイメージがわくように『島には何  でたどり着いたのか。』『島の自慢や特徴は何なのか。』などを話し合うようにする。友達のアイディアからいいと  ころは 自分の作品に取り入れてもいいことを話し、どんどん思いを膨らませていきたい。 アンケートから発泡スチロールを使って工作した経験がある子どもが少なかったので、事前に発泡スチロールを発  泡スチロールカッターで切断したり、接着剤で接着したりしてみる。揮発性のマジックペンもふくむ様々な画材で着  色もする。教師が揮発性のペンは発泡スチロールを溶かすことを教えるのではなく、子どもたちが気づくことができ  るようにしたい。発泡スチロールに適した画材も見つけられるようにする。表現の活動では、事前に試したことをも  とに自分でどんどん進めていけるようにする。そのため、各時間に自分ががんばるめあてを決めて活動に入る。活動  してがんばった点などについて話し合い、次時に子ども達がそれを生かせるようにしていく。また、活動カードに相  談したいことを書く欄をつくって一人ひとりのつまずきを把握し、次時で支援できるようにする。   鑑賞の段階では、自分の作品でいいところ・気に入っているところのほかに、友達の作品を見て感じたことことを  鑑賞カードにまとめ、お互いに認め合えるようにする。子どもなりの味わいに共感して、価値を見いだしていくよう  にしたい。また、自分の作品と友達の作品との間に橋をかけたりして十分に活動が楽しめるようにする。 3.題材の目標 思いをもって自分だけの好きな島を材料の特性を生かして表現する。 4.観点別評価目標  +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ |造形への関心・意欲・態度 | 発想や構想の能力 | 創造的な技能 | 鑑賞の能力 | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ ・自由に発想し、自分なりのつ・自分がつくりたい島の形や・自分の思いを表現するため ・青いシートを海に見立て| | くり方や構想をして、進んで 島の中につくりたいものを に、用具や材料を選び、そ |て、自分の島を浮かべ、| | 表現を楽しもうとしている。 イメージし構想を広げてい の使い方を考え、思いのま |自分や友達の作品のよさ| | | る。 | まに手を動かしている。 |を味わっている。 | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ 5.活動計画 (5時間) +−−+−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ |時間 段階 | 目 標 | 学 習 内 容 | 準 備 | 支 援 内 容 等 | 評価計画 | +−−+−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | |発 ・自分だけの島の・島を一つもらえたらどんな島 ・開発設計図・島にはどうやってたどり着・自由に島のイメ| | |想 イメージをもつ にしたいか想像し、話し合う。| いたのか、島の自慢や特徴|ージをもち、進| | | | | | は何かなど明確にイメージ んで表現を楽し| | | | | | きるように問いかける。 |もうとしている| | | | | | | | (関) | | |構 ・自分の思いや発・開発設計図に自分の島を詳し ・色鉛筆 ・自分のイメージした島がよ・つくりたい島や| | |想 想をもとに島の くかいていく。 | り具体的になるように島の 島の中をイメー| 45 | 設計図をかく。 ・自分の島を実現させるために| 形だけでなく、島の中も詳 ジして構想を広| |分 | | |必要な材料を考える。 | しくかくように話す。 |げている。(発) | | | ・島をつくる手順の予定を立て| ・自分なりに見通しをもって | | | | |る。 | 活動に取り組めるように手 | | | | | | 順があるといいことを話す。 | ++−+−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | |表 ・自分の思いや願・発泡スチロールを島の形に切 ・発泡スチロール ・材料コーナーを設置し、自 ・自分の思いを実| |本 | いや夢を島の中 る。 ・発泡スチロールカッタ 由に材料を選べるようにす 現させるために |時 | に生かすように・島の中をつくっていく。 |ー る。 |用具や材料を選| || | 工夫してつくる ・身辺材 ・やりながら思いついたこと び、その使い方| | |現 | | ・顔料系カラーペン は積極的に取り組ませる。 を考えてつくる | | | | ・接着剤 ・一人ひとりの表現したい気(技) | | | | | ・針金 持ちを尊重し、見守る。 | | | | | | ・カッター ・各時間の最後には活動カー | | | | | ・竹ひご ドに相談したいことや次時 | 135分| | | ・アクリル絵の具 の予定やめあてを書くよう | | | | | | にさせることで、自力解決 | | | | | | の力を養う。 | | +−−+−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | |ま ・自分や友達のよ・青いシートを海に見立てて、そ・シート ・自分の工夫したところや見・自分や友達の作| | | さを見合い、味 の上に自分の島を浮かべる。 ・身辺材 てもらいたいところをアピ 品のよさを味わ| | |と わう。 ・工夫したところや見てもらい| ールすることで、友達に作 っている。(鑑) | | | |たいところについて話したり、 品のよさを見てもらうよう | | |め | |それらについて友達から感想| にする。 | | |45分| | |を述べてもらう。 | | | | +−−+−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ 6.本時の活動 (本時・・・2/5) (1)目標 自分だけの島を自分の思いを生かしてつくろう。 (2)本時指導の工夫  本時は発泡スチロールを自分のイメージした島の形に切り、島の中を思い思いにつくっていく場面である。発泡   スチロールカッターで発泡スチロールを切ったり、カッターで池を掘ったり、身辺材を接着剤でつけたりする活動   が中心になる。  @思いを広げるような発想・構想段階の工夫 構想カードだけでは思いを十分に持つことができない子どももいると予想される。そこで、子どもの開発設計図   をOHPにより提示し、島の中のものを何をどのように使ってつくってみたいかについて話し合い、意欲づけを図   る。 A子ども一人ひとりの表現のよさを見合うための学習活動の工夫 子ども達が本時でのめあてや予定を立てることで、見通しをもって意欲的に活動できると考える。    まとめの時間に子ども達の作品を取り上げて作り方について見合う、話し合う活動を取り入れた。成功したこと   や作品を見て取り入れてみたいと思ったことを中心に話し合う。活動カードに相談したいことを書いておくので作   り方で相談したいことがある子どもが成功した子どもに作り方を説明を教えてもらい、活動でつまずいてしまった   所を解決していけるように考えた。この活動を取り入れることにより、本時では実現できなかったが、次時の活動   で取り入れてみようという子どもやほかの活動で生かしてみようという子どもが出ると予想される。 (3)展開 +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ |段階| 子どもの活動 子どものよさを生かす工夫(○評価) | 備 考 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | 発 |1.島の設計図を見ながら発表する。 ・数人の子どもの例をあげてどのようにして作ると・開発設計図 | | 想 | |自分の島の中が実現するのか話し合うことで、活・OHP | | ・ | |動のヒントや意欲付けを図る。 | | | 構 | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | | | 想 | | 自分だけの島を自分の思いを生かせるようにつくろう。 | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | | | |2.設計図を見て、本時の活動の見通し・友達と話し合ったことで参考になったことは、取| | |5分| や自分のめあてを確認する。 |りいれていいことを声がけする。 | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | 表 |3.自分の思いを生かせるように島をつ・友達の表現のよさを自分の作品に取り入れてよい・発泡スチロール| | | くる。 |ことを話す。 ・発泡スチロールカッター | | | ・発泡スチロールを島の形に切る。 | ・接着剤 | | | ・発泡スチロール、身辺材を島の形に・接着や着色で迷ったり、困ったりしている場合は・カラーペン | | | 接着する。 |うまく接着や着色をしている子どもにやり方を聞・カッター | | | ・発泡スチロールをカッターなどで削|くように促す。 ・身辺材 | | | る。 ・表現が停滞している場合は、始めの構想にもどっ・針金 | | 現 | ・着色する。 |て思いを確かめ安心して取り組めるように励ます・竹ひご | | | ・思いが実現するようにどんどん表現・事前に集めた身辺材は分類して、自由に取れるよ・紙やすり | 32分 していく。 |うにする。 ・砂 | | | ○用具や材料を選び、使い方を考えて立体的に表現・紙粘土 | | | |している。(技) | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | ま |4.友達と作品を見せ合い、表現の仕方・活動カードで本時の自分の活動を振り返ることで・設計図(活動カード) | | について話し合う。 |表現することで成功したことや相談したいことが・作品 | | と | ・活動カードで本時の自分の活動を振|はっきりするように気をつける。 | | | | り返る。 ・数人の子どもの作品を取り上げ、作り方について| | | め | ・友達の作品を見て話し合う。 |取り入れてみたいことを話し合う。 | | | | ・相談したいことについて話し合う。・相談したいこともいくつか取り上げ、話し合うこ| | |8分| |とで次時の活動で話し合ったことが生かせるよう| | | | |にする。 | | | | ○自分や友達の作品のよさを見つけている。(鑑)| | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ (4)評価 自分の思いに合わせて用具や材料を選び、その使い方を考えて立体で表現している。(技) A:思いに合わせて作り、技法を効果的に取り入れて立体的に表現している。    B:思いに合わせて立体的に表現している。 C:教師の支援を受けながら、思いに合わせて表現している。 ◆板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 島を一つもらえたら | | 九 | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | || 自分だけの島を自分の思いを生かせるようにつくろう。 |月 | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | 六 | | ◎注意すること | | ・カッターの使い方 ・発砲スチロールカッター 日 | | の使い方 | | (金)|