印刷用紙:A4縦 1ページの行数:45 1行の文字数(半角で):108   −−以下 指導案本文−−               第6学年図画工作科学習活動案                                  日 時 平成8年9月6日(金)5校時                                  学 級 6年1組 男21名女17名 計38名                                  場 所 2校舎1階 低学年集会室                                  授業者 佐々木 竜哉 1.題材名       こんな家にすみたいな 2.題材について  (1)題材について    ・本題材は、学習指導要領第6学年の内容A表現(3)の「生活を楽しく豊かにするものをつくったり、身近     な環境などを造形的に構成したり、伝え合うものをつくったりすることができるようにする。」をもとに構     成されている。    ・本題材では、粘土の材質や色の持つ感じを生かして、効果的な表現をすることがねらいである。粘土を使っ     て家をつくる方法には、板づくり・かき出し・ブロックを積む等の方法が考えられる。成型の技法をいろい     ろ紹介する中で自分のイメージに合った技法を選ばせることができ、それぞれ家のイメージを強調した作品     をつくりやすい。また、でき上がった作品をもとに家の周りの情景なども表現させることができ、さらに、     作品の中に自分の分身である自分や動物を登場させることにより、作品の表現に温かな子どもの思いや夢な     どを共存させることができ、熱中して取り組める題材であると考える。  (2)児童について     子どもたちの中には、図工の時間を楽しみにしている子が多く、「つくりたいものをつくる」活動にはとて    も興味を示している。しかし、構想を練る段階で自分の考えが持てないために、表現の段階になってからすぐ    に活動に取りかかれない子も何人かいる。そこで、たくわえ・発想・構想段階で意欲を持たせるために題材の    学習に入る前に、材料・用具を準備させたり、題材に関係のあることを資料で調べさせたりしてきた。     また、表現の段階でグループごとの活動を取り入れることにより、子ども達が教え合いながら学習を進める    ことができた。     子どもたちは、5年生のときに自分の思いをいろいろな方法で表す活動をしてきた。6年生になってからは、    紙粘土を使って本物そっくりの料理をつくる活動をしてきた。それらの活動を通して色や形、表現方法に関心    を深め、自分らしい試みを繰り返しながら表現への幅を広げることができた。  (3)指導について     高学年になってくると客観的なものの見方にあいまって、技術的な側面も飛躍的に成長してくる。そのよう    な子どもたちの興味、関心を考慮して取り組ませていきたい。まず、教科書や参考資料を見て家に対するイメ    ージや構築の仕方について興味を持たせたい。さらに、できあがった家での自分の生活や周りの風景を想像さ    せることによりその後の活動の意欲付けにしたい。家の作り方についても十分に考えさせたり、工夫できそう    なことを話し合わせたりすることにより関心を持たせたい。     焼成用粘土を主に使うことは知らせるが、その他周りの様子などを表すものについては、自分で準備したり、    家の中の小物もつくってよいことを知らせ、子ども達の関心を高めたい。     表現の段階では、成型の方法によるグループをつくり活動させたい。同じ技法のグループをつくることによ    り子ども達が教え合いながら意欲的に活動していくことを期待したい。つくっていく過程で、見取図と同じよ    うにつくるのは困難な子どもがいると考えられるが、大きな改造にならない程度変更してもよいことを知らせ    る。さらに、つくりながら出てきたアイデアはどんどん取り入れながらつくってよいことも知らせ、製作の意    欲を持続させたい。     完成後は、みんなの作品を並べて町並みをつくったり、その家での自分の生活の様子を発表することにより、    お互いの作品の発想、技法のよさを見つけ、話し合う機会をもちたい。 3.題材の目標   自分の住んでみたい家を頭に描きながら、住んでみたい家を構築する楽しさを味わう。 4.観点別評価目標 +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ |造形への関心・意欲・態度| 発想や構想の能力 | 創造的な技能 | 鑑賞の能力 | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ |・建物の形や構造などに関|・絵や図などで考えを確か|・自分の思いや粘土の特徴|・友達の作品と並べて町づ| | 心をもち、自分で住んで| めながら、つくり方を計| から、ふさわしい用具を| くりをしながら、それぞ| | みたい家をつくることを| 画している。 | 選び、効果的に使おうと| れの家の形の個性や特徴| | 楽しもうとする。 |・つくる過程においてもイ| している。 | を感じ取ろうとしている。 |・つくり方をいろいろ試し| メージを広げ、試しなが|・用具を効果的に扱い、形|・焼成したことによる色の| | ながら自分の考えに合う| ら表そうとしている。 | がくずれないように固定| 変化や質の変化などを理| | ように粘り強く取り組も|・形がくずれない丈夫な構| するよう工夫している。| 解し、そのよさを味わお| | うとする。 | 造になるように、家の形| | うとしている。 | | | を構想している。 | | | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ 5.活動計画(8時間) +−−+−−+−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ |時間|段階| 目標 |学習内容 | 準備 |支援内容等 |評価計画 | +−−+−−+−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | | |・住んでみた|・近くの家や、写真|・教科書 |・参考作品を鑑賞する|・建物の形や構造などに| | | 発 | い家の形を| などでみる外国の|・参考資料| ことにより、表現の| 関心をもち、それを自| | | 想 | かく。 | 建物などを資料に|・製作 | イメージをふくらま| 分で楽しく構想しよう| | | 構 | | 自分で住んでみた| カード| せる。 | とする。(関) | | | 想 | | い家の形をイメー| |・友達のスケッチを見| | | | | | ジする。 | | る時間もとり、自分|・自分で住んでみたい家| | | | |・イメージした家の| | の作品の参考にさせ| をイメージすることが| | | | | 形をかく。 | | る。 | できる。(発) | | | | |・見取図または正面| | |・イメージした家の形を| |45| | | 図、側面図などで| | | 図にかくことができる| | 分| | | かく。 | | | (技) | +−−+−−+−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | | |・粘土をこね、・粘土をこね、土台|・粘土 |・完成までの手順を考| | | | | 粘土の扱い| となる部分や、板、・粘土板 | えさせ、計画的につ| | | | | に慣れる。| ブロックの部分を|・粘土べら| くっていけるように| | | | | | つくる。 |・切り糸 | 見通しをもたせる。| | | | | | |・定規 |・乾燥を防ぐために指|・粘土をしっかりと固定| | | | | |・のし棒 | を湿らせながらつく| しながら積み上げてい| | | | | |・たたら板| っていくことを知ら| くことができる。 | | | | | |・新聞紙 | せる。 | (技)| | | | | |・タオル |・後片付けも時間内に| | | | | | |・霧吹き | できるように手順を|・かいた図にこだわらず| | | | | | | 知らせる。 | に、つくる過程でもイ| |↑ | |・住んでみた|・粘土で土台をつく| |・板づくり、かき出し| メージをふくらませる| | | | い家をつく| り、それぞれの方| | ひもづくり、ブロッ| ことができる。(発)| | |表 | る。 | 法で家をつくる。| | ク積みのどの方法で| | |本 | | | | | も、粘土の厚さを均| | | | | |・つくる過程でさら| | 一にするとよいこと| | |時 | | | にイメージをふく| | を知らせる。 | | | | | | らませながらつく| |・乾燥、ひび割れが予| | | | | | る。 | | 想されるので、霧吹|・窓や入り口などの大き| |↓ | | | | | きで湿らせながらつ| さをバランスよくつく| | | | |・家の中の壁や家具| | くらせる。 | ることができる。 | | | | | などもつくってみ| |・しっかり接着させる| (技) | | | | | る。 | | ために、傷をつける| | | | | | | | とよいことを知らせ|・家の中も楽しくなるよ| | | | | | | る。 | うにつくることができ| | | | | | |・屋根だけでなく、壁| る。(発) | | | | |・家の形に合わせ、| | の部分や外観のある|・家の形によく合い、自| | | | | 屋根の形を考えて| | 程度の装飾などもあ| 分の家として個性のあ| | | | | つくる。 | | わせて進めさせたい。 る形をイメージするこ| | | | | | |・色をつけて仕上げた| とができる。(発) | | | | | | | い子どものために、|・たるんだり、くずれた| | | 現 | | | | 楽焼用の絵の具を準| りしないように工夫し| |270 | | | | | 備し、配色の工夫を| て屋根をつくることが| | 分| | | | | させたい。 | できる。(技) | +−−+−−+−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | | |・作品を鑑賞|・焼成した後、友達|・身辺材料|・焼成後、身辺材料を|・町づくりを楽しみなが| | | 鑑 | し、工夫や| の作品と並べて町| | 効果的に使い、家の| ら、それぞれの作品の| | | | 試みのよさ| づくりなどをしな| | 周辺を装飾させたい。 よさや工夫したところ| | | 賞 | を見つける。 がら鑑賞する。 | |・作品を見ながら、そ| を見つけることができ| | | | | | | の家での生活を話さ| る。(鑑) | |45| | | | | せて楽しませたい。|・焼成したことによる変| | 分| | | | | | 化を理解し、そのよさ| | | | | | | | を味わうことができる。 | | | | | | | (鑑) | +−−+−−+−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ 6.本時の活動(本時……3/8)  (1)目標     住みたい家の見取図などをもとにして家の形をつくりだす。  (2)本時指導の工夫     本時は、住んでみたい家の見取図などをもとにして家の形をつくっていく時間である。板づくり、かき出し、   ブロック積みのそれぞれの方法で、グループごとに土台から壁の部分をつくっていく活動が中心となる。   @意欲をもたせるような発想・構想段階の工夫     製作カードによって、家の見取図などは書いてあるが、具体的に製作に係る思いを持つことができない子ど    ももいると予想される。そこで、それぞれの技法の見取図を紹介し合うことによりその後の活動に期待をもた    せたい。また、外観だけでなく、中に置く小物類も発表させることにより、意欲付けを図りたい。   A子ども一人一人の表現のよさを見合うための学習活動の工夫     成型の技法が同じ子ども達でグループわけをし、形づくりの工夫を紹介しやすくする。また、活動が立ち止    まりがちになる子どものために、技法の支援をしたり、相談にのったりする。  (3)展開 +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ |段階| 子供の活動 | 子供のよさを生かす工夫(○評価) | 備 考 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | |1.自分が住みたい家の見取図を見|・成型の主な技法が違うグループの見取図を紹介|・製作カード | | 発 | る。 | し、いろいろな技法があることに気づかせたい。 | | 想 | |・それぞれの家のアイデアのよさなどについて話|・フォト | | ・ | | し合わせたい。 | ビジョン| | 構 | +−−−−−−−−−−+ | | | | 想 | 住みたい家をつくろう | | | | | | +−−−−−−−−−−+ | | | | 5分 | | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | |2.計画的に家をつくっていく。 |・グループ内で見せ合うことにより、自分の家に|・焼成用粘土 | | 表 | | も使えそうな工夫は取り入れてもよいことにす|・粘土板 | | | | る。 |・粘土べら | | 現 | |・技能面での支援が必要な子どもには相談にのる|・のし棒 | | | | などの支援をする。 |・たたら板 | | | |・粘土をしっかりとつけるために、傷をつけてか|・切り糸 | | | | らどべを塗ることを確認する。 |・かきべら | | | |・活動に立ち止まりが見られる子どもに対しては、・タオル | | | | 意欲的に表現している子どもの作品を紹介する。・どべ | | | |○粘土をしっかりと固定しながら家づくりをして|・筆 | | 30分 | いる。(技能) |・新聞紙 | | | |○見取図等にこだわらずに、つくる過程でもイメ| | | | | ージをふくらませている。(発想) | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | ま |3.作品を見せ合い、苦労している|・自分の作品で苦労している点を発表させ、次時|・フォト | | と | 点について話し合う。 | へのめあてを持たせたい。 | ビジョン | | め | |・次時からの製作に参考になりそうな意見も発表| | | | | させたい。 | | | | |○友達の表そうとしたことについて考えたり、説| | | 15分 | 明をきいたりできる。(鑑賞) | | | |4.後片付けをする。 |・グループごとに協力して片付けさせる。 | | | | |・乾燥後、作品を取り出しやすいように新聞紙を| | | | | はさませる。 | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+  (4)評価     粘土をしっかりと固定しながら家づくりをしている。(技能)    A:部品を均一な厚さで正確な形につくり、どべでしっかりと固定しながらつくっている。    B:部品をほぼ正確な形につくり、どべで固定しながらつくっている。    C:教師の支援によりしっかりと固定しながらつくっている。 ◆板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |9/6 こんな家に住みたいな | | | | +−−−−−−−−−−+ | | |住みたい家をつくろう| | | +−−−−−−−−−−+ | | | | 活動の流れ 気をつけること | | 土台 *乾燥・ひび割れ | | ↓        *どべ | | 壁 | | ↓ | | 屋根 | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+