印刷用紙:B4縦 1ページの行数:52 1行の文字数(半角で):118   −−以下 指導案本文−−   第1・2学年図画工作科学習指導案 日 時 平成8年10月2日(水)2校時 児 童 1年 男1名 2年 女1名 授業者 松 井 千 秋 1、題材名 うつしてあそぼう(造形遊び)(1年教材) 2、題材設定の理由 (1)題材について     第1・2学年における「造形遊び」についての目標は、「材料をもとにした造形活動のおもしろさを味わ    い、材料から豊かな発想をして、進んで造形活動ができるようにする。」である。「造形遊び」の内容は、    「材料をもとにして、楽しく造形遊びができるようにする。」であり、そのような活動を通して育てる能力    は、1学年は「身近な自然物や人工の材料の形や色などに関心を持ち、それらを並べる、積む、版にして写    すなどの思いついた造形遊びをすること。」2学年は「身近な自然物や人工の材料の形や色などの特徴に関    心を持ち、それらを並べる、積む、版にして写すなどの思いついた造形遊びを工夫すること。」である。  この時期の子供たちは、手をはじめ体ごと働かせて、砂、土、粘土などの材料にかかわり、気持ちも発想    もともにダイナミックな活動を楽しんだり、身近にあるいろいろな材料を並べたり、積んだり、何かに見立    てて遊んだりすることが好きである。     本題材は、身近にある自然や人工の材料の中から版にできそうなものを選び、絵の具をつけて写し、その    写るおもしろさやたのしさを味わう題材である。直接的な描写の表現と異なり、版になるものを使って、形    を写し取っていくので偶然性のおもしろさや写しながら発想を広げるたのしさを味わいながらどの子供も抵    抗なく活動することができると考え、この題材を設定した。     あらかじめ写すことや写し方を決めて活動するのではなく、写しながら、形が写るおもしろさやその形の    特徴に気づくことを大切にしたい(ここでは、特に1年生を生かす)。そこからさらに、同じ形を並べる、    形を組み合わせる、思いついた形をつくるなど、色と形を考えながら活動を広げさせていきたい(ここでは    特に2年生を生かす)。 (2)児童の実態について 学級の子供たちは、図工が大好きである。図工材料となるような身辺材料も日頃からよく集めてくる。こ    れまで取り組んだ題材の中で、絵の具という画材は、2年生は「型押し」「筆による彩色」「たんぽによる    彩色」「紙粘土と絵の具を混ぜたどろどろ絵の具」を経験してきている。1年生は「手型押し」「筆による    彩色」「紙粘土と絵の具を混ぜたどろどろ絵の具」を経験してきている。1年生は、版で遊ぶのが初めてで    ある。 この題材では、事前に版遊びをすることを知らせ、写したい身辺材料(空き容器、ひも、木の葉など)を    子供たちに集めさせることで、やってみたいという気持ちを高め、写るおもしろさやたのしさを味わわせた    い。また、導入では、教師が写したものを当てっこして、子供たちの意欲を喚起させたい。 1年生には、版遊びを思いつくままにやっていくおもしろさを味わわせ、2年生には、色と形を工夫して    版遊びをするおもしろさを味わわせたい。 3、目標  (1)〈関心・意欲・態度〉 身のまわりにあるものの形や特徴に注目し、写すたのしさを味わう。  (2)〈発想・構想の能力〉形・色の特徴やおもしろさに気づき、並べ方、組み合わせ方を考えながら、型押し               遊びを工夫する。  (3)〈創造的な技能〉  写し方によって表情が違うことに気づき、自分なりに生かす試みをする。  (4)〈鑑賞の能力〉   できた作品を見せ合い、お互いの良さに気づく。 4、準 備  (1)児童      写したい身辺材料(空き缶、空き容器、木片、発泡スチロール、ひも類、木の葉など)、雑巾  (2)教師      ・場・・・・・・教室の床いっぱいに大きな紙を広げる。      ・材料・用具・・絵の具(共同)、ロール画用紙、画用紙、スタンプ皿、スポンジ、ローラー、              たらい、バケツ、雑巾、絵筆、身辺材料、新聞紙 5、学習計画(2時間扱い)(本時1時間目) +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ |段 階| 子 供 の 活 動 | 教 師 の 支 援 | | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | 事前 | ・材料集めをする。 |・1週間前に学習内容を教科書とVTRを見せて概略的に知らせ、| | | | | 表現意欲を持たせる。 | | | | |・写して遊びたい身辺材料を考えさせ、材料を集めさせる。 | | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | |+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | お || | || | | も ||1、身辺材料を使った型押しを見て|・教師が写した絵を見せる。 || | | う || 何の型押しか当てっこする。 | クイズ「何を写したのかな?」 || | | 7分 || | || | +−−−++−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−++−−−+ | ||2、各自が用意してきた身辺材(空|・おもしろい材料(縄、レース、ガーゼ、糸、タワシなど)子供|| | | あ || き容器、野菜など)に絵の具をつ| が気づきにくい身辺材料を用意しておく。 || | | ら || け、紙に写す。 | || | | わ ||3、写し終えた形を友達に紹介する|・写した形を友達に紹介し合い、その中からおもしろい形を見つ||(1)| | す ||4、写しながら思いついた形や模様| けさせていく。 || | | || をつくっていく。 | || | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | 5、いろいろな並べ方や押し方を工|・同じ形でも、色を変える、大きさを変える、並べ方を変えること| | | | 夫して写す。 | により、発想が広がっていくように言葉をかける。 |(2)| | 73分 | ・船の形ができてきたぞ | 「○○を変えるとおもしろいね」 |(3)| +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | み | 6、友達の作品のよいところを発見|・友達の作品のよいところ、工夫しているところに気づかせる。 | | | あ | し、また、自分の作品の工夫して| |(4)| | う | いるところを発表する。 | | | | 10分 | ・たのしかったな | | | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ 6、本時の学習   (1)ねらい       身のまわりにあるものを使って、いろいろな色や形を写すたのしさを味わう。       形・色の特徴や写し方によって表情が違うことに気づく。   (2)展 開 +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |段 階| 子供の活動 | 教 師 の 支 援 | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |1、身辺材料を使った型押しを見て、 ○教室の床いっぱいにロール紙を広げて置き、場の雰囲気をつくって | | お | 何の型押しか当てっこする。 | おく。 | | | ・ピーマン ○たのしい雰囲気作りをするため、BGMをかける。 | | | ・プリンカップ ○身のまわりにあるものの形や特徴に注目させ、写してみたいという | | も | ・段ボール | 気持ちを高めるため、教師が写した型押しを見せて何の型押しか当 | | | ・木の葉 | てっこさせる。 | | | | 「何を写したのかな」 | | う | | ・形のおもしろいもの、色のおもしろいものを準備しておく。 | | | ○「どんなものを集めてきたかな。」 | | 7分 | | 「先生はこんなものを集めてきたよ。」 | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | +−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | | | 提案 |見つけてきた材料で、写して遊ぼう。| | | | +−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | | |2、各自用意してきた身辺材料(空き ○「見つけてきた材料に絵の具をつけて写すと、どんな形ができるか | | | 容器、野菜など)に絵の具をつけ、 | 写して遊びましょう。」 | | | 紙に写す。 ○絵の具(共同)は赤、青、緑、黄、橙を用意しておき、ほしい色が | | | ・たのしいな | ある子にはその色を与える。 | | | ・こんな形ができた ○絵の具にはよく写る色と写りにくい色があるので、絵の具の濃さを | | | ・おもしろいぞ | 調節しておく。 | | | ・いろんな形を写そう ○一緒に写して遊ぶ。 | | | ○刃物を使う場合には、安全に気をつけさせ、見守る。 | | あ | ○そっと押さえる手、力強く体重をかけている手、指を広げて押さえ | | | | ている手など、写す工夫をしていることを認めていく。 | | ら | | 「ぎゅっと押さえたから色がはっきりしているね。」 | | | | 「指を広げて押さえたから、形がはっきりしたね。」 | | わ | ○いろいろな形を写していることを認めていく。 | | |3、写した形を友達に紹介する。 | 「いろいろな形を写しているね。」 | | す | ・こんな形になったよ。 ○色を工夫していることを認めていく。 | | | ・こんなおもしろい形を写せたよ | 「いろんな色があって、きれいだね。」 | | | ・○○さんの形いいなあ。ぼくも写 ○写したいろいろな形を友達に紹介し合い、その中からおもしろい形 | | | してみよう。 | を見つけさせていく。 | | | ・こんな方法で写したよ。 | 「先生、気づかなかったけれど、こんなおもしろい形が現れてきた | | | | んだね。」 | | | | 「おもしろい写し方だね。」 | | | ○子供達の手がけることの一つ一つをその子のよさと受け止め、いい | | | | ねという気持ちで励ますように評価する。 | | | ○型が写るだけで満足している子供には、「この型をつなげていった | | | | ら何ができるかな」と模様や思いついた形になっていくように言葉 | | | | をかける。 | | | ○どんどん表現していく子供達の姿から表現の思い、発想や構想の広 | | |4、写しながら思いついた形や模様を | がりなどを感じ取り、共感するようにする。 | | | つくっていく。 ○子供の活動が停滞してきたら、新しい方向を紹介する。 | | | ・写しているうちに蛇になってきた。 ○技法的なことは、子供達がとりあえずできることを生かしてつくる | | | ・おもしろい形になってきた。 | ように励まし、その方向にそって新しい方法などを紹介する。 | | | ・船の形にしよう。 ○自分の作品づくりに入りたい子供には、画用紙を与える。 | | | ・魚の形にしよう。 (評)写してみようと集めた材料で、いろいろな色を使って楽しく写 | | | ・どんどんつなげてみよう。 | すことができたか。 | | 33分 | (評)形・色・写し方によって表情が違うことに気づいたか。 | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | み |5、写して遊んだ感想を発表する。 ○「写して遊んだ感想を発表してください。」 | | あ | ・いろいろ形を写しておもしろかっ ○個々のよさを紹介する。 | | う | た | | | 5分 | | | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+