印刷用紙:A4横 1ページの行数:63 1行の文字数(半角で):120   −−以下 指導案本文−−   第6学年  図画工作科学習指導案 日 時 平成8年11月20日(水)6校時 児 童 男5名、女10名、計15名 指導者 小 澤  則 幸 1題材名         もうひとつの絵の世界     《私の好きな画家・お気に入りの1枚》 2題材設定の理由 (1)指導内容について    図画工作科第5学年及び第6学年の目標(3)は、「造形作品などを進んで鑑賞し、そのよさや美しさなどを感じ取り感性を   高めるとともに、それらを大切にすることができるようにする。」となっている。    これを受けて第6学年B鑑賞(1)には、造形作品を鑑賞し、それらに親しむことができるようにするとなっており、その内   容として     ア 我が国及び諸外国の親しみある美術作品などのよさや美しさなどに関心をもって鑑賞すること。     イ 友人の作品を鑑賞し、表現の意図や特徴が分かるとともに、そのよさなどを分かり合うこと。   が示されている。    鑑賞の活動は、造形作品など創造されたもののよさや美しさなどに対する共感やあこがれの感情にもとづいて行われるもので   ある。しかも、その見方や感じ方は、個々の美的な経験や創造的な経験、感覚などによってなされるものであり、どのように感   じるかなどを他から規制されるものではない。この自分の好みによる感じ方は、好き嫌いといった見方や感じ方から、次第に、   その好きなものを深く見るようになり、より好きになったり、逆に、そのような一時の感情が薄れるようなことがある。したが   って、初めは、作品などを総合的に思いのままに感じ味わい、その上で部分的に見たり、他の作品などと比較して見たりして、   見方や感じ方を深め、深く味わうようになるものである。    高学年では、いろいろな造形作品の鑑賞に興味をもつ児童が増えてくる傾向が見られるとともに、自分の好みによって、共感   的に見たり、批判的に見たりする傾向も見られる。この時期の児童は、進んで自分の好きな美術作品を選ぶなどの傾向が強くな   り、見方や感じ方も深まってくるものである。このような望ましい傾向を生かしながら創造的な鑑賞の能力や感性を高めるよう   にすることがねらいとなる。    本学級の児童は、これまで様々な題材に取り組み、自分なりの発想や思いを表現すると共に、様々な技法も体験してきた。ま   た、自分の思いを膨らませるとともに、見ている人にもその思いが伝わるように、それぞれの画材や技法の特性を意図的に工夫   しながら絵に表すこともしてきた。そして、鑑賞については、その都度友人の作品の意図や特徴、よさなどを味わってきた。    この題材では、我が国及び諸外国の親しみのある美術作品に親しみ、そのよさや美しさなどを感じ取ったり、味わったりしな   がら児童の感性や創造表現の基礎的な能力を高めることをねらいとする。なお、指導に際しては、単なる知識や技能だけの理解   に陥らないようにするとともに、自由な雰囲気で作品などに親しむ楽しさを味わうことができるように配慮していきたい。 (2)児童の実態について    本学級の児童は、明るく素直で学習意欲も旺盛である。図画工作科の学習も皆大好きで、自分の思いを自分なりに表現するこ   とに喜びを感じている。また、友人の絵を鑑賞するときには、それぞれの作品の主題や表現の意図・独自性を感じ取りながら、   そのよさを味わうとともに、それを積極的に自分の表現活動に取り入れようとしていた。    美術作品については、今年度に入り数枚鑑賞しているが、いずれも教師の選んだ作品の鑑賞であったので、本題材では、自分   の好きな表現や雰囲気の絵または心が引かれる画家などを選び、自分の感じた思いと友人の感じた思いを交流させながら、さら   に鑑賞の楽しさを味わえるようにさせたいと考えている。 (3)指導の意図   ◎子供の思いを生かし、主体的に活動できる指導過程にするために     ・いろいろな時代や表現の美術作品を鑑賞し、それぞれのよさや美しさを味わえる環境を整える。(画集、雑誌など)     ・画家や作品についての自分の思いを発表したり、話し合ったりしながら、自分なりの感じ方を深められるようにする。     ・自分の感じ取ったものを、ある程度学習カード等にまとめてから話し合いを進める。   ◎一人一人の思いを的確に受けとめ、充実した鑑賞活動をさせるために     ・鑑賞用の学習カードを使用し、一人一人の思いを知るとともに、話し合いの時に必要な支援を予想し、準備する。     ・学習カードの中に自己評価欄を設け、常に児童のつまずきや喜びを把握し、必要に応じて支援する。     ・教師用の支援記録カードを用意し、一人一人の状況を常に把握するように心掛ける。 3題材の目標   ○自分の感じた思いをもとに、発表したり話し合ったりして最後まで意欲的に鑑賞しようとする。 (関心・意欲)   ○いろいろな美術作品に親しみ、そのよさや美しさを感じ取ったり、味わったりする。 (鑑賞・技能) 4学習計画 2時間扱い   第1次 いろいろな美術作品を鑑賞した中から好きな画家や作品を選び、感じ取ったものを鑑賞カードにまとめる。(1)   第2次 自分の選んだ作品について発表したり、教師や友人の紹介した作品について話し合ったりする。     (1)本時 5材料、用具  《教師》画集、雑誌、視聴覚教材  《児童》筆記用具 6本時の指導 (1)本時のねらい    ・いろいろな美術作品に親しみ、そのよさや美しさを感じ取ったり、味わったりする。 (2)本時の展開 +−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 流れ | 児 童 の 活 動 | 教 師 の 支 援 ★ と 評 価 ☆ | +−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |意 | | | |欲 1、前時の学習を想起し、 ○前時に使用したカードに、励ましや支援を記入したものを配る。 | |を | 本時の学習内容を知る。 | | |も | ☆本時の鑑賞に意欲をもつことができたか。 | |つ | +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | みんなの好きな画家・お気に入りの1枚のよさを、自分なりに味わおう。 →わいわいじっくり鑑賞しよう | |2 | +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ に変更。 | |分 | | | | 2、教師の選んだ絵を全員で ★全体の雰囲気から受ける感じや印象など自由に話し合えるようにする。 | | | 鑑賞する。(全体) | | | | ★作品の独自性やよさ、主題に迫る視点が児童から出ない時は、教師から視点を与えて | | | |話し合いを深める。 | | | | | |思 | ★視点を与えても理解しにくい場合は、作者や作品について若干の説明を加える。 | |い | | | |を | ★全員が発言できるように配慮し、一人一人の感じ方を大切に取り上げる。 | |味 | | | |わ | ☆よさや美しさを感じ取るとともに、鑑賞の仕方や視点をおおまかに理解できたか。 | |う | | | | 3、自分のお気に入りの1枚 ○発表と話し合いで一人3分程度とし、鑑賞の時間が公平に確保されるように指示する。 | |35 | を紹介し、みんなで鑑賞し | | |分 | 合う。(班ごと) ★話し合いが盛り上がらない班には、一緒に参加して視点を与えたり、教師の感想を話し | | | |たりする。 | | | | | | | ★同じ作品を気に入った場合は、発表のタイミングがずれるように助言する。 | | | | | | | ★技法だけにとらわれた話し合いになっている場合には、全体から受ける感じや作品の独自| | | |性、主題に係わる視点を与え、必要に応じて話し合いに参加する。 | | | | | | | ★話し合いが早く終わった班は、手元にある資料を使って他の作品の鑑賞をしてよいことを| | | |助言する。 | | | | | | | ☆同じ絵でもいろんな感じ方があることを知り、鑑賞を深めることができたか。 | | | | | |思 4、本時の感想をまとめ、鑑 ★本時の学習で自分の感じ方が変わった点や、他の人の感じ方で印象に残っている点に着目| |い | 賞の楽しみや喜びを実感す |して自分の鑑賞の深まりが実感できるような感想が書けるように助言する。 | |を | る。 | | |温 | ★難しく考えなくても、自由な気持ちで鑑賞を楽しんだ心のありのままを書いてよいことを| |め | |助言する。 | |る | | | | | ☆鑑賞の楽しみや喜びを実感し、これからもいろいろな美術作品に親しもうとする気持ちが| |8 | もてたか。 | |分 | | | +−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ (3)評価 ・いろいろな美術作品に親しみ、そのよさや美しさを感じ取ったり、味わったりすることができたか。