印刷用紙:B4縦 1ページの行数:70 1行の文字数(半角で):115                      選択美術学習指導案                                 日 時 平成6年11月16日(水)1校時                                 生 徒  2年 男子6名、女子7名 計13名                                 指導者  高 沢  豊 1 講座名 「素敵なオリジナル作品を作ろう」 2 題材名  ステンシルTシャツ作りと工芸時計作り 3 指導にあたって (1) 題材観 後期選択教科ガイダンスで、前期に製作した生徒の作品を見せたところ、「工芸時計やステンシルTシャツなどを作っ    てみたい。」という意見が非常に多かった。このようにほとんどの生徒は、「物を作る」ことへの興味・関心が前期同様    に高いことを感じた。1、2年の必修美術の内容にレタリング・デザイン・絵画・工芸・版画等の各分野が盛り込まれて    おり、工芸時計やステンシルTシャツの製作の基礎となる表現技法や構図の工夫などを学んでいる。以上のように生徒の    興味・関心の高い、そして必修教科において学習した分野の発展的な題材として「工芸時計」と「ステンシルTシャツ」 の学習を進めることにした。   第1時のオリエンテーションでは、前期の作品を見ながら製作過程や問題点をふまえ話し合ったところ、「13時間で    1つの作品をていねいに製作していきたい。」という生徒もおり、その結果上記の題材のうち1つを選択し製作すること    とした。第2・3時では、13時間の学習計画をつかませるとともに自分の製作しようとする作品のアイデアスケッチを 練らせた。同時に前期製作した2つの作品の色づけの例を見せながら、用意した型紙で実際に色づけの仕方を体験させ、    今後の学習への興味・関心を図った。 ステンシルTシャツについては型紙を作ってしまえば、何度でも色づけすることができるという利点がある。したがっ    て、生徒は色づけの試し刷りをしながら、より良い色づけへの関心をもって製作できると考える。また、工芸時計におい    ても試作の段階を取り入れながら製作させたいと考える。1つの作品を完成させるまでの各過程の中で、生徒がより良い    方法や手順を発見し意欲的に学習に取り組む場面を大切にしていきたい。 (2) 生徒の実態 本講座は、男子6名、女子7名、計13名の生徒で構成されている。後期3時間目までの授業では、生徒は題材に興味    ・関心があるためか作品作りに真剣に取り組んでいる。作品のデザインカットや文字などは自分で決定したものであり、 楽しみながら製作を進めているが、色づけについては計画の段階にとどまっており、まだ不十分である。色づけの工夫     について具体的に考えさせる必要がある。 本時は、Tシャツ・工芸時計とも自分なりの色づけをいろいろと試しながら、効果的な色づけの工夫をさせ、その工夫    したことを発表させることにより、次時への意欲づけとしたい。 (3) 指導観 この講座におけるねらいは、個々の生徒の作品の製作計画にもとづき、作品作りに意欲的に取り組む姿勢とその製作過    程の中でより良い方法や手順を学びとらせることにある。 ステンシルTシャツでは、輪郭となる黒枠の型紙作りが生徒にとって困難な作業となることが予想される。そのため、 教師側で用意した型紙の原版で切り取るときの手順や留意点を示範し、生徒にも実際に切り取らせたい。さらに「題材観」  の項でも述べたようにできあがった型紙を使い、効果的な色づけになるように繰り返し試作させたい。工芸時計では、 色づけの段階が一番迷うことが予想される。中心になるカットを目立たせるための配色や筆・ブラシによる色のつき方な    どをいろいろと試作させながら一番よい色づけを考えさせていきたい。  評価については、製作過程の中で試作を重ねながらより良い方法や手順で表現しようとする意欲を重視して、自己評価 相互評価、教師による評価によって総合的に見ていきたい。 4 指導目標 (1) ステンシルTシャツ・工芸時計作りのおもしろさを知ることができる。 (2) 大まかな学習計画を立て、Tシャツや工芸時計のアイデアスケッチができる。 (3) Tシャツの型紙作りや工芸時計作りができる。 (4) Tシャツや工芸時計の色づけを工夫することができる。 (5) 自分の作品を発表したり、友達の作品の良さを見つけたりできる。 5 指導計画 (13時間扱い) ・オリエンテーション・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第1時 ・学習計画とアイデアスケッチ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第2時 ・試作・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第3・4時 ・ステンシルTシャツ・工芸時計製作・・・・・・・・・・・・・・・・・第5〜11時(本時 第7時) ・作品発表会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第12時 ・後期のまとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第13時 6 本時の指導目標  Tシャツや工芸時計の色づけを工夫することができる。 ・ステンシルTシャツや工芸時計の色づけをいろいろと試し、効果的な色づけをすることができる。 ・できあがった色づけの工夫した点を発表することができる。 ・意欲的に学習に取り組むことができる。 7 本時の展開 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー |過程| 教 師 の 働 き か け  | 生  徒  の  活  動    | 支  援・援  助  と  評  価 | |ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー|ーーーーーーーーーーーーーーーーー| | み |1 前時までに製作してきた作品 |1 ステンシルTシャツや工芸時計の |生徒が試作を重ねていくにつれて工 | | | や試作品の色づけについていく | 色づけについていくつか発表し、本 |夫した色づけになっていることに気 | | つ | つか発表させ、本時の学習課題 | 時の学習課題を把握する。 |づかせ、自分も色づけの工夫をして | | | を把握させる。 | ・2、3人の生徒の色づけの発表を |みたいという興味・関心を引き出し | | け | ・ステンシルTシャツ、工芸時 | 聞き、効果的な色づけの工夫をつ | たい。 | | | 計 | かむ。 | | | る | | | | |( 7)| ------- 本時の学習課題 ------------------------ | | |ーー||   |ーーーーーーーーー|ーーーーーーーーーーーーーーーーー| | ||  自分の作品の効果的な色づけを工夫しよう。 | | | |  | ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー | | | |   | | | | し |2 色づけの工夫のポイントを整 |2 自分が色づけするときの具体的な |・工夫した色づけの作品例はあらか | | | 理し、参考にさせる。 | 方法を作品例からつかむ。 | じめ作っておき、参考例として示 | | ら | ・重色、混色、ぼかし | ・どのようにぼかしを入れるか。 | したい。 | | | ・筆の種類、その他 | ・筆の種類による色づけなど |・色づけのポイントとなる点を生徒 | | べ | | | に問いかけながら気づかせていき | | | | | たい。なお、使った作品例は掲示 | | る | | | し、いつでも生徒が見にきて色づ | | | | | けの参考にできるようにしたい。 | | |3 色づけをさせる。 |3 自分の作品や試作品の色づけをす | | | た | | る。 | | | し | | ・文字やカットの工夫した色づけ |・机間指導をしながらつまずいたり | | か | | | 迷ったりしている生徒に示唆し、 | | め | | | 色づけの工夫に取り組ませたい。 | | る |4 工夫した色づけの発表をさせ |4 自分で工夫した色づけを発表し、 |・途中で生徒の工夫した色づけを取 | | | さらに色づけに挑戦させる。 | さらに色づけに挑戦する。 | り上げ、色づけの一層の意欲づけ | | ふ | | | になるようにしたい。 | | か | | | | | め | | | | | る | | | | |(35)| | | | |ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー| | ま |5 本時の色づけの工夫について |5 本時の色づけについて感想発表 |・発表は、2名程度におさえたい。 | | と | 感想発表させ、自己評価をさせ | し、自己評価表に記入する。  |・自分の製作過程を振り返らせ、次 | | め | る。   | | への製作の意欲づけを図りたい。 | | る |6 次時の学習内容を予告し、必 |6 次時の学習内容を聞き、必要な | | |( 8)| 要な用具や準備を確認させる。 | 用具や準備を確認する。 | | | | | | | ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 8 評価 ・ステンシルTシャツや工芸時計の色づけをいろいろと試し、効果的な色づけをすることができたか。 ・できあがった色づけの工夫した点を発表することができたか。 ・意欲的に学習に取り組むことができたか。