印刷用紙:B4縦 1ページの行数:50 1行の文字数(半角で):106   −−以下 指導案本文−−                    選択美術科学習指導案                              日時  平成8年10月23日(水)                              対象  2年男子13名 女子11名 計24名                              場所  美術室                              指導者 上野 行知 1.コース名「1枚の板から作る」 2.題材名 工芸 3.目標  1)木材の正しい加工、装飾法を知り、木材の美しさに気付き、機能性や美しさを考えて自己の作品に    生かして行くことができる。  2)他と協力しながら楽しく学習することができる。(関心・意欲・態度)  3)設定した題材を基に制作物を自己決定し、計画や構想を主体的かつ創造的に立てることができる。                                           (発想・構想の能力)  4)計画を基に主体的に学習を進め、自分で、又は他と協調して課題解決していくことができる。(表現の技能)  5)学習の成果を自己反省し、発表することができる。  6)他の作品を鑑賞し、良さをとらえることができる。(観賞の能力) 4.題材観   2学年になると知的理解能力が高まり、思考が論理的になり、作業を計画的に進めることができるようになってく  る。こういった時期に自分でアイディアを練り、自分で作ったものを使うことに興味を持たせると、機能的な技法や  構造を考え、完成まで集中して制作する事ができると思われる。   木材は私たちの身の周りの日用品にたくさん使われており、親しみやすい素材であり、日常生活になくてはならな  いものである。また、工具さえあれば比較的加工も容易であり、技法により様々な効果が得られる素材でもある。こ  のような観点から自ら考え、学び、想像できる自主的・創造的人間の育成を図るうえで、適した題材であると考えら  れる。   なお、設計の仕方や、切断などの作業に関する知識は技術科での木材加工の経験もあるので、それを基盤にすえ、  美術科の学習としては更に、美的に、個性的に作品造りに取り組ませたい。 5.生徒の実態   いずれも必修の美術には意欲的であり、制作場面では積極的に進めていくことの出来る生徒たちであるが、2〜3  名ほど教師からの援助、助言がないと自主的な制作が困難な生徒も見られる。全体的には質問点・疑問点を教師にす  ぐに求めてくる生徒が半数、自分で解決していこうとする生徒が半数程度である。しかし制作に関しては一生懸命に  取り組む姿勢が見られる生徒が多い。アイディアスケッチ、設計に関しては透視図法の学習が不十分なこともあり、  表現に苦心している生徒が多く見られた。前時までには各自ほぼ設計段階(構想図)を終えており、制作を開始して  いるが、用具の不備、個人個人の作業スピード、の違いなどから進度には多少ばらつきが生じている。 6.指導観   あくまでも教師はアドバイザーに徹し、生徒の作品を教師の作品としてしまわない点に留意しなければならない。  それを基本に生徒自身の自主的な取組みを尊重し、創造力を広げ、疑問、課題点を克服させて行くよう指導を行いた  い。また学習カードの活用を通して生徒自身の主体的な課題発見に努め、自己評価の観点を大切にしていきたい。 7.指導計画・・・・・15時間  1)オリエンテーション(素材選定・構想)・・・1       接着・・・・・・・・・・・・・・・(2)  2)デザインを考える、アイディアスケッチ・・・1       研磨・・・・・・・・・・・・・・・(2)  3)用具を考える・・・       ・・・・・1    6)仕上げ・塗装・・・・・・・・・・・・ 2  4)構想図を考える(部品設計)・・・・・・・・1       研磨・・・・・・・・・・・・・・・(1)  5)制作・組み立て・・・・・・・・・・8           塗装・・・・・・・・ ・・・・・・(1)     切断・・・・・・・・・・・・・(2)本時     7)完成・鑑賞・発表・反省・・・・・・・・1     切削・・・・・・・・・・・・・(2)                              8.本時の計画    1)目標 *切断(材料取り)の方法を知り、正確に切断をすることができる。         *作業がまだ進んでいない生徒は、本時の目標を立て制作を進めることができる。    2)展開 +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−− |過程 教師の働きかけ | 生徒の活動 |時間| 指導上の留意点 +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−− |つ|*前時の学習内容を説明 |*教師の説明を聞き前時の学習内容 | | *学習カードを使い、 | | する。 | を振り返る。 | | 課題の把握をさせる。 | |*本時の学習内容を |*本時の学習内容を確認する。 | | *各自が進めるべき課題の |か| 確認させる。 |*本時の学習課題を把握し発表する。| | 把握を援助する。 | |*本時の学習課題を −予想される発言− | 7| | | 把握させ発表させる。 |『部品の切断を正確に行う。』 | | *糸鋸機械の使用時間・ |む| |(進度の遅れている生徒は) | | 順番を決めさせ、公平 | |*注意事項を説明する。 |『設計図を書き終える』等 | | に使用できるように配 | | |*教師の話を聞き注意事項を確認する。 | 慮する。 | | | ・糸鋸盤・彫刻刀・ドリル | | *事故を防ぐために特に糸鋸盤・ | | | ・両刃のこぎりに関して | | 彫刻刀の使用法の説明をする。 | | +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−+ | | | | +−+−−−+ +−−−−−−− | | |各自の進度に応じた課題を達成するためにみんなで協力して正確な作業に取り組もう| | | +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−+ | |*各自の計画に従って |*各自の計画に従って課題に | | *教師は相談役になり、 |た| 課題に取り組ませる。 | 取り組む。 | | 生徒が主体的に作業を | |*くりぬきなどの切断 | ・効率的な切断を考える。 | | 進められるように配慮 | | 方法を指導し、理解 | ・正確な切断をする。 | | する。 |め| させる。(随時) −予想される困難点− | | *用具を正しく使用する | |*互いに協力させて |・のこぎりびきがうまくできない | | 事ができているかに注 | | 作業に取り組ませる。 |・設計どうりの切断ができない | | 意し、事故のない様に |す| |・曲線の切断ができない |30| 作業させる。 +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−− |ま|*使用した用具の始末 |*使用した用具の始末や掃除 | | *協力して後片付けに | | や掃除の指示をする。 | に積極的に取り組む。 | | 取り組ませる。 |と|*学習カードに本時の |*学習カードに本時の | | *個人の意欲・主観を尊重 | | 自己評価、感想を記入 | 自己評価、感想を記入 | | した評価・感想とさせる |め| させ発表させる。 | し、発表する。 | | ようにする。 | | | | | |る| | |13| *次時の意欲を持たせる。 +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−    3)評価      *意欲的に取り組むことができたか      *正確な切断をすることができたか