印刷用紙:B4縦 1ページの行数:56 1行の文字数(半角で):126   −−以下 指導案本文−−   美 術 科 学 習 指 導 案 日 時:平成8年10月23日(水) 1校時 場 所:美 術 室 学 級:1年B組(男子16名、女子15名、計31名) 授業者:教 諭  熊 谷  香 1 題材名   自然物からの構成 「ピーマンのイメージから」  − デザイン − 2 題材について   デザインの学習では、1学期に色彩の学習で色の三要素、三原色からの12色相環作り、グラデーションの学習をしている。自然物の 構成は、普段見慣れている身の回りの自然物を見つめ直し、視点を変えたり切ってみたりすることで、形や色の変化を発見し、物を見つ め直すことの大切さや面白さに気づかせることができる題材である。既習事項を生かした配色やポスターカラーの混色、平塗りなどの基 本的な技法の学習にも有効であると思われる。身近なもので構成をさせることで、生徒たちの興味・関心を高めることができ、また無駄 のない単純な形へ高めるという新しい視野へも考えを深めることができる。  生徒たちは、とても素直で明るく元気があり、美術の授業にも意欲的に取り組み、「描きたい」「つくりたい」という気持ちを持って いる。1学期の色彩の学習では、色の性質や色と色の関係に興味を持ち、意欲的に学習に取り組んだ。しかし、のんびりした面があり、 作品の制作にも時間がかかりすぎる傾向がある。 そこで本題導入時には、充分興味・関心・意欲を持たせ、1学期の色彩の学習を生かし、配色のよさや面白さを表現しながらバランス のとれた構成をさせたい。その中で計画性を持たせ、自主的な学習態度を身につけさせていき、また、身近な自然物を見つめ直し構成す ることで、新たな視点に気づかせ、造形感覚や構成力を養っていきたい。 3 題材の目標  <関心・意欲・態度>    自然物の観察の仕方を工夫し、形や色の美しさと構成する楽しさを味わうことができる。  <発想・構成能力>    自然物のスケッチから形や色の特徴を発見し、単純化や強調を行いながら構成できる。 <創造的な技能>    画面構成や配色(彩色)などの表現を通して、造形の基本的な知識や技能を身につけるとともに、計画的に作業をする態度や能力を 身につける。 <鑑賞の能力>    友だちの作品を鑑賞し、よいところを学び合う。 4 指導計画 ・・・・・・・・・・・7時間  (1) デザインの意義 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0.5 時間  (2) アイディアスケッチ(テーマの選択と決定)・・・・・・・・・・・ 0.5 時間  (3) 精 密 描 写 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 時間  (4) 単 純 化   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 時間 (5) 画 面 構 成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 時間 (6) 配 色 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0.5 時間  (7) 彩 色 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.5 時間 (8) 鑑 賞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 時間 5 本時の指導  (1) 観点別目標   <関心・意欲・態度>     画面構成に興味を持ち、意欲的に課題に取り組むことができる。   <発想・構成能力>     身の回りの物のデザイン性を発見し、構成のイメージを広げて画面構成ができる。   <鑑賞の能力>     自他のスケッチを鑑賞し、学び合える。    (2) 思考力・判断力・表現力を高めるために    美術では、基本的な技法の学習、いろいろな技法の経験、技法を選択した制作、それに鑑賞を加えて3年間で思考力・判断力・表現   力を養っていこうと考えている。1年生では、他学年の作品の鑑賞や導入段階の工夫で意欲づけをして制作に取り組ませることで、 「自分のイメージに合った作品を作るにはどうしたらよいか」と思考する力をつけ、既習技法を工夫しながら取り入れていくことで判断  力を養い、また、学び合いの場で表現力を養っていきたいと考えている。 そこで本時では、身近な物を見つめ、そのデザイン性を考えさせることで課題に意欲を持たせ、その課題に向けて構成を考え吟味す   ることで思考力・判断力を身につけさせ、構想の段階で発表し意見の交換をすることで表現力を身につけさせることをねらいとする。  (3) 展 開 ★・・・思考力  ●・・・判断力  ■・・・表現力 を主として育成したい場面 +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− |段 階| 学 習 内 容 と 生 徒 の 活 動 | 教 師 の 働 き か け 備 考 +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− | | |1.構成について考える。 | | | | (1) 構成について気づいたことを発表する。|・ 作品や模様のついた布を提示する。    ・ 学習プリント | 課 |   |・ 感じたままを発表できるよう、あまり説明 |導| | | は加えない。     ・ 参考作品 | | | | | |題| (2) 模様のついているものは何があるかを考|・ 普段何気なく見ている模様のデザイン性に  ・ 布 | | | え発表する。 | ついて気づかせる。 |入| | ・ どんな模様がきれいに見えるかを考えさせ | 把 |   | 気づかせる。 | | |   | | | 2.学習課題を設定する。   |・ 生徒から課題を引き出し、生徒の言葉で設 |10|握| | 定する。 | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+ |分| | | 学習課題 イメージに合った構成をするにはどうしたらよいか | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− | | |3.自分のテーマを確認する。 | | | | ・ ねらい ・ テーマを確認することで、発想を促す。 | | | ・ アイディアスケッチ |・ 具体例を挙げ、生徒の発想を引き出す。 | 課 | | | | 4.構成を考える。 |★ ● | | | (1) 単純化した自然物で配置を考える。 |・ 配置の方法を提示する。   ・ トレーシングペーパー | 題 | ・ くり返し   |・ くり返し模様の生徒には、トレーシングペ | | | ・ 強 調  | ーパーを用意する。   ・ 配色パネル | | |  |・ 簡易な配置で終わらないよう、可能な限り | 追 |   | 独創的な表現ができるように助言する。   ・ 机間巡視 | | |   | | | | (2) 配色も考えながら全体のイメージを構成 ・ グラデーション、感情効果等、既習の色の | 求 | する。  | 関係を思い出し、配色するよう補足説明を加 |展| |  | える。 | | |   |・ 色彩と形のバランスに注意し、全体でとら | | |   | えさせるようにする。 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− | | 5.中間発表をする。 |★ ● ■   ・ 実物投影機 | | | ・ 構成のラフスケッチを発表する。 ・ 数人のラフスケッチを実物投影機で映す。 |開|課| ・ 感じたことや意見を発表する。 ・ 問題点があれば発表するよう促す。 | | |   |・ 感じたことや助言をできるだけたくさん発 ・ 鑑賞カード | 題 |   | 表できるよう促す。 | | |   |・ 意見が出ないときはプリントを活用する。 | 解 |   | |35| |6.アイディアをまとめる。 | | 決 | (1) デザインの決定をする。   |・ 意見交換の内容を取り入れられるよう助言 |分| |   | する。 | | | (2) まとめたデザインを発表し、鑑賞する。|・ アイディアのまとまった生徒に発表しても | | | | らう。 +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− | | |7.本時の作業進度を確認する。 ・ 自己評価用至を活用しながら、本時のまと ・ 自己評価用紙 |終|ま| | めをする。 |結|と| | |5|め|8.次時の学習内容を確認する。 ・ 学習計画を立てさせることで次時の意欲づ |分| | | けをする。 +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 6.目標分析表 +−+−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−− | | 学 習 内 容 |時間| 関心・意欲・態度 | 発想・構想能力 | 創造的な技能 鑑賞の能力 +−+−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−− | | | ・ デザインの意味を理 | | ・ 他学年の作品を鑑 | 1.デザインの意義 |0.5 | 解し、進んで学ぼうと | | 賞し、構成の美しさ | | | | する。 | | を学ぶことができる | +−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−− |自| | |・ ピーマンの形の成り|・ イメージを広げ、テ|・ 自分のイメージをア ・ 自他のスケッチに | |2.アイディア |0.5 | 立ちに興味を持ち、自 | ーマを決定できる。 | イディアスケッチに表 ついて学び合える。 | | スケッチ | | 分なりの表現をしよう| | すことができる。 | | | | とする。 | | |然+−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−− | | | |・ 見方を工夫して観察|・ ピーマンの置き方や|・ 構図を工夫し、ピー ・ 構図や特徴の表し | | | | し、感じたことを表現| 光の方向を工夫するこ| マンの形や特徴を捉え 方について意見を交 | | | | しようとする。 | とができる。 | て正確に書くことがで 換することができる |物|3.精密描写 |1 | | | きる。 | | | |・ 描写することの意味|・ 精密描写により、ピ| | | | | を理解し、最後まで丁| ーマンの形や特徴を捉| | | | | 寧に作業できる。 | えることができる。 | |か+−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−− | | | |・ 精密描写でつかんだ|・ 精密描写から最も特|・ ピーマンの形や特徴 ・ 特徴の捉え方や単 | |4.単純化 |1 | 特徴を生かした単純化| 徴ある部分を捉え、形| を、線の省略や形の強 純化について意見交 | | | | をしようとする。 | を吟味しながら単純化| 調で表現することがで 換ができる。 |ら| | | | ができる。 | きる。 | +−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−− | | | |・ 画面構成に興味を持|・ 身の回りの物のデザ| ・ 自他のスケッチを | |5.画面構成 |1 | ち、意欲的に課題に取| イン性を発見し、構成| 鑑賞し、学び合える |の| | | り組むことができる。| のイメージを広げて画| | | | | | 面構成ができる。 | | +−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−− | | | |・ 配色に興味を持ち、|・ 既習の技法を取り入| ・ 配色について意見 |構|6.配 色 |0.5 | 美しい配色を追求する | れながら、配色の構想 | 交換ができる。 | | | | ことができる。 | を練ることができる。 | | +−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−− | | | |・ 丁寧に彩色し、きれ| ・ 平塗りの仕方を理解 ・ 平塗りの仕方につ |成|7.彩 色 |1.5 | いな仕上がりを心がけ | | し、むらやはみ出しの いて学び合うことが | | | | ることができる。 | | ない、丁寧な彩色がで できる。 | | | | | | きる。 | +−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−− | | | ・ 進んで自他の作品を | | ・ 自他の作品を鑑賞 | | | | 鑑賞し、意見を述べよ | | し、制作の反省や友 | 8.鑑 賞 | 1 | うとする。 | | 人の作品について感 | | | | | | じたことを発表でき | | | | | | る。 +−+−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−− 1年 平面構成       − ピーマンのイメージから − ○ 模様について気づいたことを書いてみよう。 ○ 模様のついているものには何があるか。 課 題−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ ○ イメージスケッチ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | 自分のテーマ | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ ○ 鑑賞発表(中間発表)  発 表 ・ 自分のテーマ    ・ 工夫したところ   ・ 問題点(うまくいかないところ)etc・・・ 発表を聞いて   ・ すばらしいと思ったところ  ・ 「こうすればもっとすばらしくなる」と思うところ   ○ 自己評価  本時を振り返って(感想、作業進度、改善点等) +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 次の時間の計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+