印刷用紙:B4横 1ページの行数:42 1行の文字数(半角で):170   −−以下 指導案本文−−   第 3 学 年 道 徳 学 習 指 導 案 日 時 平成8年11月 1日(金) 2校時 学 級 3年B組 男子18名 女子12名 計30名 指導者 岩 渕 富 士 子 1 主題名 心 の 平 和 を 求 め て 4 ―(9) 2 資料名 命 見 つ め て (明日をひらく・東京書籍) 3 主題設定の理由 (1)価値について 項目4―(9)は、将来の我が国を担う中学生に、国際的視野に立ち「世界の中の日本人としての自覚」を深め、世界の平和と人類の幸福に貢献しようとする態度を育成するもので    ある。  豊かさに浸る国々と貧困にあえぐ諸国の断層。それと複雑にからんで緊迫の度を増す国際情勢。この現実に目を開き、狭い民族意識を克服し、人類全体の幸せを目指した地道な努力    を身近なところから実践しようとする態度を培うことは、極めて重要である。 平和は、人間の心の在り方そのものと関わる道徳的な課題でもある憎しみを捨てて、日常生活のなかで社会連帯の精神に基づき、あらゆる時と所においてやわらぎと思いやりの心を    貫いていく努力こそ、民主的で平和的な社会及び国家を実現する根本である。このような努力や心構えを、広く国家間ないし国際社会に及ぼしていくことが国際社会に平和をもたらす    ことになる。 そして、身近に国際化が進展する中で、今なお世界の各地で悲惨な戦争が行われている。特に戦争の傷痕は、長いこと消えることはなく、まして心の傷はいやしがたいものがある。    かといって、憎しみ引きずったままでは心の安定は得られない。この悲劇を二度と繰り返さないためにも、真の平和には精神的基礎が必要であり、一人一人の心の平和が必要と考え、    本主題を設定した。 (2)生徒の実態について 学級は全体的に明るく活気があり男女仲も良い。最上学年としてこれまでも多くの行事をこなしより良いリードで集団美の醍醐味を味わってきた。その集団の中でも自分の考え方や    感じ方を学び、心身共に鍛えられてきた。その多くの経験をもとに、自分のあるべき姿や、目標にむかって努力したり、他者とのかかわりの中で自分がどうあるべきかなど考える機会    が多くあった。しかし、他者とかかわりをとても気にする反面、他からの干渉を嫌ってやや自分本位の行動をとり、思い通りにならないと長い間憎んだり、告げ口したりと独りよがり    の生徒も見うけられる。   またこの時期、中学3年生ともなると視野が広まり、次第に外国の文化や歴史、伝統などに興味や関心を抱くようになっている。昨年の文化祭テーマ展の取り組みとして『原爆死    “20万人のイメージ”』で世界平和を訴えたのが大きく影響し、今年も世界平和を願って『未来へかける平和』を取り組み、戦争の悲惨さについて学んできた。お互いを理解し思い    やる中で、互いの幸福を願う気持ちを大切にし、身近な集団だけではなく、広く国際的な視野に立って、人間尊重の気持ちをもち、自分たちの生活の中で何が大切か生徒一人一人に心    の平和について考えさせたい。 (3)資料について 本資料は、世界の平和を願い、世界に対する広島の窓口としてWFCを設立した平和運動家 原田東岷さんの出典からの資料である。オランダの老婦人が、戦争による心の痛手や体    の障害を背負いながら長い間日本と日本人を憎しみ続けてきた。彼女が広島に来て驚いたことは、自分と同じ境遇にありながらも、被爆者はアメリカのことを憎んでいなかったことや 憎しみを越えて、危害を加えた相手を許し、平和を説いている人々の姿であった。 戦争の惨禍がどれほど人間の心を不幸にしていくか、また“許す”という行為がどれほど人間の心を幸福なものにしていくかを深く考えさせたい資料である。 (4)指導について 導入では、現在も戦争が行われている現状から、戦争が人々に残すものは何かにふれる。   展開の前段では、老婦人が日本や日本人を憎み続けることを生きがいにしなければならなかったのはなぜか話し合わせ、戦争の痛手がいかに人の人生を狂わすかを考えさせ「35年    間も憎み続けることを生きがいにした老婦人の気持ちをどう思うか」意見をじっくり出させたい。このとき、単なる共感的に流されたり、逆に批判的な考えで流れるような展開は避け    、できるだけ相互の見方や考え方を、それぞれにじっくり聞かせたい。中段では、絶望と孤独感に打ちひしがれながらも自分の人生をだいなしにされた日本に行ってみたいと思う老婦    人の心をさぐり、長い間憎しみ続けていた思いが、被爆者に会うことで打ち消される老婦人の気持ちについて考えさせ、後段では、憎しみを乗り越えて“許す”ことで、人間としての    最高の美徳を感じ取り、幸福感に包まれて帰国していく老婦人の真意を感じ取らせたい。 4 本時の指導 (1) ねらい 戦争による心の傷の深さを考え、世界の平和と人類の幸福を願う心情を養う。 (2) 展開の大要 +−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | 段 階 | 教 師 の 働 き か け   | 予 想 さ れ る 生 徒 の 反 応 | 指 導 上 の 留 意 点 | +−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | |1価値への導入を図る。 | | | | 導 | | | | | | | | ・現実に今も戦争で苦しん | | | 戦争が人間にどんな傷を残す |・今も苦しんでいる人々とたくさんの不幸 | でいる人々のいることを | | 入 | だろうか。 | | 認識する程度にとどめる | | 5分 | | | | +−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | | |2資料を読んで話し合う。   | | | | | 資 | ○内容を確認する。 |・夫を日本人に殺されたも同じだ。 |・資料は、教師が読む。 | | | | |・老婦人も日本人のためにリューマチになり体 | | | | 料 | ○老婦人が広島を訪れる前の気 | の障害をうけたから。 | | | | | 持ちを考える。 |・何もすることができない煩わしさから絶望と | | | | を | +−−−−−−−−−−−−−+| 孤独感におそわれた。 | | | | | |老婦人はどうして、日本と日||・なぜ自分だけが、こんな目に合わなければ |・苦しみが生きる力となら | | | つ | |本人を憎むことを生きがいに|| いけないのか。 | ざるをえない心境を理解 | | | | |したのだろうか。 ||・憎しみだけが自分を支えてくれたから。 | させるとともに、戦争の | | | か | +−−−−−−−−−−−−−+| | 痛手がいかに人の人生を | | | | | | 狂わすかを考えさせたい | | | む | |・日本人がひどいことをしたのだから憎まれて | | | | − | +−−−−−−−−−−−−−+| もしかたがない。 | | | | | |35年間も憎み続けることを||・老婦人の気持ちがわかる、当然だ。 |・老婦人の生き方に共感す | | | | |生きがいにした老婦人の気持||・夫も殺され、自分も体の障害を受けたのだ | る意見と批判する意見を | | 展| | |ちをどう思うか。 || からこれくらいは当たり前だ。 | 出させ、話し合いを行う。 | | | | +−−−−−−−−−−−−−+|・気持ちはわかるが、35年間もずっと憎みつ | (別紙) | | | 心| | づけるというのはわからない。 | | | | | |・自分が不幸だと思い込んでいる生き方は変だ | | | | | |・前向きに生きるべきだ。 | | | | 情| |・自分だけがひどい目にあっているわけではな | | | | | | いのでもっと心を開いていったらどうだろう | | | | を| | | | | | | | | | | | 考| ○日本(広島)に行って私のよ | | | | | | うに傷ついた人達に会ってみ |・被爆者は自分よりひどい目に合いながらもア |・「原爆を知らない人に繰 | | | | たいと思う気持ちについて話 | メリカの事を憎んでいないことを知った。 | り返し平和を説く」被爆 | | | え| し合う。 |・アメリカのことを許していた。 | 者を知った時、“許す” | | | | +−−−−−−−−−−−−−+|・憎しみを越えて平和活動を自らしているこ | ということの真意を感じ | | | | |私の考えをひっくり返したも|| とに驚いた。 | 自分のしてきたことを打 | | | る| |のは何か。 ||・自分のしてきたことを打ち消される思いが | ち消される老婦人の気持 | | | | +−−−−−−−−−−−−−+| した。 | ちを理解させる。 | | | | |・“許す”という行為が自分自身を幸せにする | | | | − | | ということに気が付いた。 | | | | | | | | | | | ○「あなたたちのことは忘れま | | | | 開| | せん」とメモを残して帰国す | | | | | | る老婦人の気持ちを考える。 | | | | | 生| +−−−−−−−−−−−−−+| |・老婦人が「人間の最悪の | | | | |老婦人はどうして幸福感につ||・憎しみを乗り越えて“許す”ことにより、 | 行為」を許し、「人間の | | | き| |つまれて日本を去ることがで|| 間の最高の美徳を教えてくれた人々に感謝 | 最高の美徳」に生きる被 | | | | |きたのだろうか。 || しながら新しい生き方を発見できたから。 | 爆者の生き方に出会うこ | | | 方| +−−−−−−−−−−−−−+|・自分が不幸な人間だと思って生きてきた愚か | とによって、自分の新し | | | | | さを反省し、新しい気持ちで生きようとして | い生き方を見つけたこと | | | を| | いる。 | をつかませる。 | | | | |・憎しみを乗り越えて“許す”ということが自 | | | | 学| | 分自身を幸せにすることだし、心が安らぐこ |・“許す”ということは自 | | 40| | | とだと気が付いたから。 | らの中の最大の憎しみを | | 分| ぶ| | | 無条件で打ち消し、一段 | | | | | | 高い次元に立つという点 | | | | | | を深く考えさせる。 | +−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | 終 |3教師の説話 | | | | 末 | | | | | 5分 | | | | +−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ 資 料 分 析 図 主 題 名 心 の 平 和 を 求 め て 4 ― ( 9 ) 資 料 名 命 見 つ め て (明日をひらく・ 東 京 書 籍 ) +−−−+  +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+  +−−−−−−−−−−−−−−−+ | 場 | | 老婦人が広島を訪れる前の | | 日本の広島を訪れる場面 | | 「あなたたちのことは忘れま | | +−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−+ せん」とメモを残して帰国し | | 面 |   | 場面 | | | | た場面 | | |   | | | | | | +−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |・憎むことが生きていく支 | | ・「おまえさんだけが不幸な | | ・広島の人々はずっと前に | | 主 | | えだ。 | | んじゃないよ」 と言われて | | アメリカを許していたこ | | 人 | |・身体が不自由で、何もす | | 傷ついた人達に会いたい | | とを老婦人が最高の美徳 | | 公 | | ることができない。 | | ・アメリカ(人)を憎んでい | | と感じる。 | | の | | | | ないことを知る。 | | ・“あなた達のことは忘れ | | 心 | |・夫が収容所に入れられて | | ・「原爆を知らない人に繰り | | ません”と言葉を残し、 | | の | | 病気で死んだ。殺された | | 返し平和を説く」姿に驚く | | 幸福感に包まれた気持ち | | 変 | | も同然だ。 | | ・憎み続けてきたことを打ち | | で帰国する。 | | 容 | | | | 消される思いがした。 | | | |    | | | | | | | +−−−+   +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+  +−−−−−−−−−−−−−+  +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−+ | 基 | | 老婦人はどうして、日本と | | 35年間も憎み続けること | | | | 老婦人はどうして幸福感に | | 本 | | 日本人を憎むことを生きが | | を生きがいにした老婦人の | | 私の考えをひっくり返した | | 包まれて日本を去ることが | | 発 | | いにしなければならなかっ | | 気持ちをどう思うか。 | | ものは何か。 | |  できたのだろうか。 | | 問 | | たのだろう。 | | | | | | | +−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+  +−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+  +−−−−−−−−−−−−−−+   +−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |・夫を日本人に殺されたも | |・日本人がひどいことをし | |・被爆者は自分よりひどい | | ・憎しみを乗り越えて“許 | | | | 同じだ。 | | たのだから憎まれてもし | | 目にあいながらもアメリ | | す”ことにより、人間の | | 予 | |・夫人も日本人のためにリ | | かたない。 | | カのことを憎んでいない | | 最高の美徳を教えてくれ | | 想 | | ューマチになり、体の障 | | ・夫も殺され、自分も障害 | | ことを知った。 | | た人々に感謝し、新しい | | さ | | 害をうけたのだから。 | | を受けたのだからこれく | |・憎しみを越えて平和活動 | | 生き方を発見できたから | | れ | |・何もすることができない | | らいは当たり前だ。 | | を自らしていることに驚 | | | | る +−−+ 煩わしさから、絶望感を +−−+・自分が不幸だと思い込ん +−−+ いた。 +−−+ ・自分が不幸な人間だと思 | | 生 | | もち孤独になった。 | | でいる生き方は変だ。 | |・自分のしてきたことを打 | | って生きてきた愚かさを | | 徒 | |・なぜ自分だけが、こんな | |・戦争が起きた事実はしか | | ち消される思いがした。 | | 反省し、新しい気持ちで | | の | | 目にあわなければいけな | | たないが、今の日本(人)| |・“許す”という行為が自 | | 生きてみようと思った。 | | 反 | | いのか。 | | を憎むのは変だ。 | | 分自身を幸せにするとい | | | | 応 | |・憎しみだけが自分を支え | |・自分だけが不幸ではない | | うことに気が付いた。 | | ・許すことが心の安らぎに | | | | てくれた。 | | もっと考えを変えては。 | | | | なることに気づいたから | +−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−+ 資 料 名 「 命 見 つ め て 」 発 問   反 応 分 析 表 〈発問 「35年間も憎み続けることを生きがいにした老婦人の気持ちをどう思うか」という発問に対する生徒の反応の予想と具体的な指導の手立て〉 +−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |   | 予 想 さ れ る 生 徒 の 反 応 と 類 型      | | +−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | 類 型 | A 共感型(孤立している自分) | B 中間型 |C 批判型(見つめなおそうとする自分)|   | +−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | |・35年間も日本を憎むことを生き | ・憎まなければならない状況もわか |・憎むことが生きがいとする考え方に   | | | | がいとしなければならない状況に | るがそれだけで良いのだろうかと | 批判する生徒   | | | 特 徴 | 共感している生徒 | 考える生徒 |   | | | | | ・なげやりになりながらも、納得で |   | | | |・孤立している老婦人に共感した生 | きない人生を見つめ直そうとする |   | | | | 徒 | ることに共感した生徒 | | | +−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | |・日本人がひどいことをしたのだか | ・気持ちはわかるが、何も35年間 |・自分が不幸だと思い込んでいる生き  | | | 予想さ | ら憎まれてもしかたない。 | も憎み続けなくともいいだろう。 | 方は変だ。   | | | れる生 |・老婦人の気持ちがわかる。 | |・憎みつづけることが生きがいなんて   | | | 徒の反 |・老婦人も苦しい思いをしているの | ・なげやりになる気持ちもわかるが | おかしいと思う。   | | | 応 | だから当然だ。 | 意地をはっているだけなのではな |・自分だけがひどい目にあっているわ   | | | |・夫も殺され、自分も体の障害を受 | いか。 | けではないので、もっと心を開いた   | | | | けたのだからこれくらいは当たり | | らいいと思う。   | | | | 前だ。 | |・完全に孤立した自分を見つめなおす  | | | |・同情的に考える生徒。 | | べきだ。   | | +−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | 予想さ |・苦しい思いにさせられれば、憎ん | ・老婦人の考えや行動を共感も批判 |・苦しいとき、つらいときでもなんと   | | | れる生 | でも当然と考える生徒。 | もできない。 | か解決しようと努力する生徒。   | | | 徒の心 |・孤立しがちな生徒。 | ・共感と批判と両方の立場から老婦 |・自分のことだけでなく、相手のこと   | | | 情、体 |・自己中心的でみんなの幸福のため | 人の考え方や行動を見つめている | や周囲のことも考えて、物事を進め   | | | 験 | になど考えられない生徒。 | | たり実行したりした経験がある。   | | | | | |   | | | −−−− | −−−−−−−−−−−−−−−− | −−−−−−−−−−−−−−−−−− | −−−−−−−−−−−−−−−−−  |   | +−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | | ・孤立して意地になっている心の中 | ・困難に直面したときの人間の弱さ |・誰でも苦しい思いにさせられれば孤   | | | | に見つめ直したい自分も存在する | に気づかせながら、老婦人に共感 | 立しがちになり、絶望的になること   | | | 手立て | ことを考えさせる。 | している生徒や批判的な立場をと | を考えさせる。   | | | ・発問 | ・「苦しい思いにさせられれば、憎 | っている生徒の考え方を聞かせる |   | | | の工夫 | んでもいいのだろうか。」 | |・「夫も殺され、自分も体に障害を受   | | | | ・「自分が相手にいやな思いをされ | | けた老婦人は、一生どうやって生き   | | | | れば何をしてもいいのか。」 | ・「みんなの考えを聞いてみよう。」 | て行くのだろう。」   | | | | ・「これで平和な世界はくるのか」 | |   | | | −−−− | −−−−−−−−−−−−−−−− | −−−−−−−−−−−−−−−−−− | −−−−−−−−−−−−−−−−− |  | +−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−+ | 話し合 |・ 感動資料であり、ここでは討論を期待する場面ではない。 | | | いの工 | しかし、A型に類型される「孤立して意地になっている自分」は、苦しみにより憎み続けることが生きる力となら | | | 夫 | ざるをえない心境をとらえさせながらも、心のどこかで自分の納得できない人生をもう一度考え直し、自分を見つ | | | | め直そうとする心の表れを感じ取らせたいため、単なる共感的、批判的な考えで流れるような展開は避けたい。 | | | | そのためには、討論とまではいかなくとも、共感的な考えの生徒、批判的な考えの生徒、あるいは、中間的な考 | | | | えの生徒の見方や考え方をそれぞれにじっくりと聞かせる必要がある。 | | | |・ 制約された時間の中ではあるが、老婦人の納得できない人生を被爆者に会うことによって、自分のしてきたこと | | | | が打ち消されるすばらしさを感じ取る足がかりとしたい。 | | | −−−− | −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | +−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 授業   |    | | | 記録・ |   | | | メモ |   | | +−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+