印刷用紙:A4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):102   −−以下 指導案本文−−   第1学年道徳学習指導案 日  時 平成8年10月2日(水) 5校時 指導学級  水沢市立水沢中学校 1年F組 男子17名、女子17名、計34名 指 導 者  倉本 将志 1.主題名  自他の尊重 2−(5)自他の尊重   資料名 「茂の悩み」(出典:中学校読み物資料とその利用 文部省) 2.主題設定の理由 (1)価値観   学習指導要領では、2−(5)の目標を「それぞれの個性や立場を尊重し、いろいろな物      の見方や考え方があることを理解して、謙虚に他に学ぶ広い心を持つようにする」と押さえ          ている。  中学生の時期は、自我がめばえ、自分のものの見方や考え方が次第に確立されてくる頃で ある。しかし、不完全さゆえに自分の意見や考え、感じ方に偏りがあっても、それらに固執 したり、とらわれたりしてしまう場合やその場の雰囲気に流されてしまうこともある。人に は個性があり、いろいろな見方、考え方がある。そして、自分らしさを発揮するとともに、 他の人の個性や立場を尊重し合うことによって、互いを高め合うことができる。そのために は、他の人の生き方から謙虚に学ぼうとする広い心を持つことが大切である。ここでは、立 場が異なる場合でも、相手を理解し信頼するように努め、自分に対しても謙虚に反省して他 に学ぶ心を養いたい。 (2)生徒観  この学級は教科学習、特別活動においても活発な活動と発言をする生徒が多い。その中に は、相手の立場に立って考えようと努める生徒や、謙虚に他の人の忠告や助言を受け入れ、 自らの成長に役立てようとする生徒もいる。しかし、時として自分勝手な行動を取ったり、 他人の言動を軽視したり、欠点を指摘して笑ったり、感情を害するようなことを平気で言っ たりする自己中心的な生徒もいる。     学級の生徒に対して実施した「道徳教育に関するアンケート」の中での、2−(5)の「 自分の考えだけを押し付けず、人の意見にも素直に耳を傾ける」という項目での結果は次の 通りであった。 +−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | よ い | 大 体 よ い | あまりよくない | よ く な い | +−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | 19、4% | 51、6% | 25、8% | 3、2% | +−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+  これを見ると、学級の生徒の半数以上は、他の意見を受け入れることができていると捉え ている。しかし、朝、帰りのHR、学級内での話し合いなどの活動の様子を見ると、人の意 見に耳を傾ける姿勢はまだまだ確立されていない。本資料を通して、いろいろなものの見方 や考え方があることを理解させ、個性や立場を尊重することのできる態度を養うことへとつ なげたい。 (3)資料観  バスケットボール部のキャプテンである「茂」は、副キャプテンの「浩二」の私情や、一 年生への対応を気にして、技量の劣る「正夫」をレギュラーメンバーから外してしまおうと いう考えに傾斜していく。そして、「正夫」が自分から降りるようにと、キャプテンという 立場を利用して強引に説得しようとする。しかし、自主練習に取組む「正夫」と、それを支 えて励ます「稔」の努力を惜しまぬ真摯な姿にふれて、揺れ動く「茂」の姿が描かれている。  「茂」の揺れ動く胸中を追求しながら、相手の気持ちを考えて行動することの大切さにつ         いて考えさせたい。 (4)指導観 事前‥‥‥‥‥資料を読み聞かせ、感想、イメージを抱かせる 。 導入‥‥‥‥‥新人戦について聞くことにより部活動の様子を想起させる。 展開の前段‥‥茂の揺れ動く胸中に共感させることによって価値の追求・把握させる。 展開の後段‥‥生徒の今までの生活経験を振り返らせ、価値の内面的自覚を図る。 終末‥‥‥‥‥説話によって価値への理解を深めさせる。 3.指導計画 +−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | 領 域 | 項目 ・ 内容 | 時 間 | ね ら い | +−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | 1学期の学級の問題点をもとに| | 学級活動 |学級活動の改善 | 8月4週 |よい学級にするための課題と手だ| | | | |てを考える。(話し合い活動) | +−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | 学級展示の内容や役割分担を話| | 学級活動 |文化祭を成功させよう| 9月4週 |し合い、学級のまとまりを強いも| | | | |のにする。(役割分担の決定) | +−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | 道 徳 |茂の悩み |10月1週|別記 | | | | | | +−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ 4.本時の学習指導 (1)いろいろなものの見方や考え方があることを知り、個性や立場を尊重することのできる心情を育てる。 (2)展開 +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |教師の働きかけ |生徒の反応 |指導上の留意点 |評価・準備 | +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |導|1、地区新人戦について|・精いっぱい頑張った | 地区新人戦について質| | | | 質問する。 |・一生懸命応援した |問し、部活動の様子を想| | | | | |起させる。 | | |入| | | | | +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |2、資料「茂の悩み」の| | 登場人物、場面を確認|紙板書 | | | あらすじを確認し話し| |させる。 | | |展| 合う。 | | | | | | | | | | | | | | | | | |(1)「キャプテンとして|・勝つためにはその方が| 正夫を外そうと考える|発問、紙板書 | | | 部全体のことを考えて| いいかな。 |ようになった茂の気持ち| | | | ください。」と言われ|・リズムが崩れることも|を考えさせる。 | | | | た茂はどんな気持ちだ| ある | | | | | ったろう。 |・どうしたらいいのか | | | |開| |・外した方がキャプテン| | | | | | としてやりやすくなる| | | | | | な | | | | | | | | | | |(2)外したほうがいいと|・二人とも同じ考えなの| 正夫を外すことが得策|発問、紙板書 | | | 言う二人のことばを聞| か |だと考えるようになった| | | | いたとき、茂はどんな|・一年生にやる気を起こ|茂の心情に迫らせる。 | | | | 気持ちだったろう。 | させるため外そう | | | |前| |・外した方が得策だ | | | | | | | | | | | | | | | | |(3)正夫にシュートを教|・正夫は努力している。| 正夫の練習につきあう|発問、紙板書 | | | える稔を見たときの茂|・稔は正夫を励まして支|稔を見ることによって、| | | | はどんな気持ちだった| えている。 |自分とは異なった考え方| | | | ろう。 |・稔に比べて、自分は正|があることを知った茂の| | |段| | 夫の気持ちを考えてい|気持ちに気づかせる。 |○本時の価値を把握で| | | | なかった。 | | きたか | | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |3、本時の価値について|・友人の大変そうな仕事| 自分の経験を振り返ら|学習プリント | | | 自分の生活経験を想起| を手伝ったら、とても|せ、いろいろなものの見| | |展| させる。 | 喜んでくれてうれしか|方や考え方があることを| | | | | った |知り、それぞれの個性や| | |開|(1)他の人のことを思い|・一人でさみしそうな人|立場を尊重する大切さに| | | | やってよかったという| に声をかけたら仲良く|気づかせる。 |◎本時の価値をいまま| |後| 経験を思いだしてその| なれてよかった。 | | での体験に照らし合| | | 時の自分の気持ちを考| | | わせて自分を見つめ| |段| えてみよう。 | | | ることができたか。| | | | | | | | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |4、教師の説話でまとめ| | 本時の学習をさらに印| | |終| る。 | |象づける。 | | | | | | | | | | | | | | |末| | | | | | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ (3)評価      ・いろいろなものの見方や考え方があることに気づいたか。      ・それぞれの個性や立場を尊重する大切さに気づいたか。       お知らせニュース +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |【見出し】 | | | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |【内容】 | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−| | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−| | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−| | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−| | | |【感想】 | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−| | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−| | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−| | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−| | | |【記事、写真、イラスト】 | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | 月  日 発表者 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 道徳学習プリント | | | | 1年F組 番 氏名 | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| ||○他の人のことを思いやって行動したという経験を書いてみよう。 || ||−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−|| || || ||−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−|| || || ||−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−|| || || ||−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−|| || || ||−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−|| || || ||−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−|| || || ||−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−|| || || ||−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−|| || || ||−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−|| ||○その時の自分の気持ちを考えてみよう。 || ||−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−|| || || ||−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−|| || || ||−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−|| || || ||−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−|| || || ||−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−|| || || ||−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−|| || || ||−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−|| || || ||−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−|| || || ||−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−|| || || ||−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−|| || || ||−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−|| || || |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+  板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | 茂の悩み | | | | +−−−−+ | | |茂(絵)+−−−−−−+ | | +−−−−+ | | |+−−−−−−−−+ | | ||一年生からの不満| | ・勝つためには外した方がいいかな | |+−−−−−−−−+ | | | | ・外すとリズムが崩れることもある | | 部全体のことを +−+−−+ | | 考えてください | |・どうしたらいいのか | | +−+−−+ | | | ・外した方が今後キャプテンとして | | | やりやすくなるな | | | | |+−−−−−−−−+ | | ||二人に相談 | | | |+−−−−−−−−+ | | |+−−−−+ +−+−−+・一年生にやる気を起こさせるために| ||浩二 | | | 外そう | || (絵)|犠牲になっ +−+−−+・外したほうが得策だ | |+−−−−+てもらおう | | | +−−−−+ | | |以前から |信一郎 | | | |気に食わ | (絵)| | | |ないんだ +−−−−+ | | | | | | | | |+−−−−−−+ | | ||稔と正夫が | | +−−−−+ | ||シュート練習| | |稔 | 何とかマスター | |+−−−−−−+ | | (絵)| しなきゃ | | ・正夫は努力している。 | +−−−−+ +−−−−+ | | | 良くなって |正夫 | | | ・稔は正夫を励まして | いるぞ。も | (絵)| | | 支えている。 +−+−−+ う一歩だよ +−−−−+ | | ・自分は正夫の気持ちを| | | | 考えていなかった。 +−+−−+ | | | | | | | | +−−−−+ | | | |茂(絵)+−−−−−−+ | | +−−−−+ | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 学級副委員長 | | | | 岩渕 藍 | | | | 私の目指す一年F組は、みんながみんなを| |信頼しあえる学級です。 | | 今の学級は、信頼できる人が、「いない」 | |という人がいるように感じられます。いたと| |しても、みんなを信頼することはできないと| |思います。 | | 私も信頼できる人はいます。でも、みんな| |を信頼する事はできません。承認されたはず| |の活動に協力しない、「もう二度としない」 | |そう言ったはずなのにまたする。信頼なんて| |できるはずがありません。 | | 反対に。私達、代議員、学級執行部も信頼| |されていないような気がします。先頭に立っ| |て引っ張っていくはずの人が、やるべきこと| |をきちんとできていない。「やる」と言った | |はずの活動をきちんと行っていない。みんな| |に公平、公正ではない。 | | 今はこんなふうに見えるけど、残りの二学| |期、三学期で、理想の学級を自分達の手でつ| |くりあげ、「F組は大丈夫です」と言えるよ | |うになりたいです。 | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+