印刷用紙:A4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):97   −−以下 指導案本文−−   第1学年道徳学習指導案 日  時 平成8年10月2日(水)5校時 指導学級 水沢市立水沢中学校 1年D組 男18名,女17名,計35名 指 導 者 佐々木かおる 1. 主題名  働く喜び      4−(4)働く喜び     資料名「芝浜」(出典:古典落語百選) 2. 主題設定の理由 (1)価値観  学習指導要領では,4−(4)についての目標を「勤労の尊さを理解するとともに,社会 への奉仕の気持ちを深め,すすんで公共の福祉と社会の発展のために尽くすように努める」 と押さえている。勤労を通して充実した生き方を追求し実現していくことが,一人一人の真 の幸福につながってくる。   ここでは,仕事に打ち込むことによって,充実した生活を送れるということに気づかせた い。 (2)生徒観  この学級の生徒は,学級や家庭生活において,自分の係や仕事を大切にして積極的な取り 組みをしている。また,ほとんどの生徒が将来は何らかの職業に就いて働きたいと考えてい る。  学級の生徒に対して実施した「道徳教育に関するアンケート」の中で,4−(4)の「働 くことの大切さを知り,すすんで働こうとする」という項目での結果は次の通りであった。 +−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−+ |   よい |  大体よい |あまりよくない|  よくない | +−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−+ | 24% | 38 | 32 | 6 | +−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−+  これを見ると,学級の生徒の半数以上は,自分はすすんで働く気持ちをがあると考えてい る。しかし,その動機は,損得を考えたものであることが多く,精いっぱいに仕事に打ち込 むことは少ない。この資料を通して,一生懸命働くことによって,ささやかな充実感が得ら れ,その積み重ねが充実した生活につながることに気づかせたい。 (3)資料観  芝の金杉にすんでいた魚屋の熊さんは,腕のいい魚屋で,他に道楽はないが,酒を飲むと 商売を怠け,いつも貧乏でぴいぴいしている。ある日,芝の浜で50両の大金が入った財布 を拾う。大喜びで,飲めや歌えの大騒ぎのあげく酔いつぶれて寝てしまう。しかし,「財布 を拾ったことは夢だった」と言う妻のうそを信じ,好きな酒をやめて商売に精を出し,気持 ちよく大晦日を迎えられるようになる。3年目の大晦日の晩,妻は,熊さんに事実を打ち明 ける。生まれ変わったように商売に精を出すようになった熊さんの胸中を追求させることに よって,精いっぱい働くことが充実した生活につながることに気づかせたい。 (4)指導観 事前・・・・・落語家のテープを聞かせ,資料についてイメージを持たせる。  導入・・・・・テープを聞かせ,資料を想起させる。 展開の前段・・「熊さん」の心情に共感させることによって,価値を追求・把握さ せる。  展開の後段・・生徒の今までの生活を振り返らせ,価値の内面的自覚を図らせる。 終末・・・・・VTRを見せることにより,価値への理解を深めさせる。 3. 指導計画 +−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 領 域 | 項目・内容 | 時 期 | ね   ら   い | +−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |学級活動|進路の学習 |6月3週|進路学習の意義や必要性を理解するとともに、将来の進| | | | |路選択に向けて主体的な態度と意欲を持たせる。 | | | | |               (進路選択に向けて) | +−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |学級活動|働く人々の姿 |9月1週|働く人々の姿は職業によってさまざまあることに気づき| | | | |職業に対する視野を広めさせる。          | | |        | | (将来つきたい職業と仕事の内容)| +−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |道徳 |芝浜 | 本 時 |別記 | +−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |学級活動|働く人たちの仕事と考|10 月|働く人々のその仕事の内容と考えを知るための職業調査| | |え(1) |1 週 |の方法を考えさせる。(仕事に対する働く人々の考え)| +−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |学級活動|働く人たちの仕事と考|10 月|調査結果を発表しあって職業や勤労に対する関心・理解| | | |2 週 |を深め、職業選択や職業観形成の基礎をつくらせる | | | | |           (人は何のために働くのか) | +−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 4. 本時の学習指導 (1)ねらい 仕事に打ち込むことによって仕事の中に喜びと生きがいを見つけられることに気づき,充実        した生活を追求しようとする心情を養う。 (2)展開 +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | | 教師の働きかけ | 生 徒 の 反 応 |  指導上の留意点  |評価・準備| +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ |導|1.「芝浜」のテープを聞| |場面を想起させる。 |テープ | |入| かせる。 | | | | | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | |2.資料「芝浜」のあらす| | 登場人物,場面を確認さ |絵,紙板書| | | じを確認した後,話し合| |せる。 | | | | わせる。 | | | | | | | | | | | |(1)「商売なんかおかしく |・もう貧乏しなくてもいい| お金を拾って友達と酒を|発問, | | | って・・・・。」と言っ|・遊んで暮らせるぞ。 |飲んだり楽しく歌ったりす|紙板書 | | | た熊さんの気持ちはどん|・好きな酒をいくらでも飲|る熊さんの気持ちに共感さ| | | | なだったろう。 | める。 |せる。 | | | | |・働かなくてもいい。 | | | | | |・商売なんかしないぞ。 | | | |展| | | | | | |(2)おかみさんに「夢に決 |・信じられない。 | 生まれ変わったように商|発問, | | | まっているじゃないか。」|・遊んで暮らせると思った|売に精を出すようになるま|紙板書 | |開| と言われたときの熊さん| のに・・・。 |での熊さんの胸中を追求さ| | | | の気持ちはどんなだった|・今日の飲み食いの勘定は|せる。 | | | | ろう。 | どうしよう。 | | | |前| |・自分が情けない。 | | | | | |・金なんて楽をして手に入| | | | | | れるもんじゃない。 | | | |段| |・酒はもうやめる。 | | | | | |・心を入れ替えて商いに精| | | | | | を出すぞ。 | | | | | | | | | | |(3)おかみさんに「ぶつで |・畜生。俺が今まで働いた| 心を入れ替えて働き続け|発問, | | | も蹴るでもしてくれ。」| のは何だったんだ。 |た熊さんの気持ちに共感さ|紙板書 | | | と言われたときの熊さん|・夢と諦めて働いたおかげ|せ,精いっぱい働くことが| | | | の気持ちはどんなだった| で,よい大晦日を迎える|充実した生活につながると| | | | ろう。 | ことができたんだ。  |いうことに気づかせる。 | | | | |・おっかあ,ありがとう。| | | | | | | |○価値を把| | | | | |握すること| | | | |   |ができたか| +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | |3.働く喜びについて自分| | |学習プリン| |展| の生活経験を想起させる| | |ト | |開| | | |◎本時の価| |後|(1)今までに,一生懸命働 |・掃除を一所懸命やったと| 仕事に打ち込むことで,|値を今まで| |段| くことで充実感をもった| き。 |充実感を味わえたことに気|の自分の体| | | ことはありませんか。 |・係活動に打ち込んだとき|づかせる。 |験に照らし| | | | |   |合わせて自| | | | |   |分を見つめ| | | | |   |ることがで| | | | |   |きたか。 | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | |4.働く喜びについてのV| | 精いっぱい働くことが喜|資料 | |終| TRを提示する。 | |びをうむという気持ちを持| | |末| | |たせ,本時の学習を強く印| | | | | |象づけさせる。 | | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ (3)評価 仕事に打ち込むことによって仕事の中に喜びと生きがいを見つけられることに気づいたか。 (座席表は別ファイル) 道徳学習プリント             一年  組  番 氏名 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 今までの生活を振り返り、一生懸命働くことで充実感を持った経験を書 | | いてみよう。 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |        | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |        | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |        | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |        | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |        | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |        | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |        | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 授業の感想を書こう。        | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |        | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |        | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |        | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |        | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |        | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ (資料分析表は別ファイル)   芝 浜  芝に住んでいた魚屋の熊さん、腕のいい魚屋で、ほかに道楽はないのですが、酒を飲むと商売 を怠けるのが玉にきず。いつも貧乏でぴいぴいしております。  熊さん、芝の浜をぶらぶらやって来ますと、何か足にひっかかるものがあります。 「何だろう、あれっ、革の財布だ。」 熊さん、財布を腹がけの中へつっこむと、うちへとんで帰って行きました。 「よほど重いぜ。」「あら、勘定してご覧。」「五十両ありゃあ。」「まあ。」「江戸にこれだ け持ってる者がいるか。てめえにゃ苦労させてらあ。これだけ金がありゃあ、当分は、うめえも ん食って、好きな酒飲んで、遊んで暮らしていけらあ。」  一眠りした後・・・。 「熊さん、買い出しに行っとくれ。買い出しに。」「何言ってんい。買い出しなんか行かれるか い。商売なんておかしくって・・・・」  熊さんは出かけていきましたが、帰りに友達を大勢呼んできました。 「おう。上がってくれ。少しめでてえことがあるからみんなに飲ませるんだ。」 飲めや食えやの大さわぎのあげくに、みんなは帰ってしまい、熊さんは酔いつぶれてその場に寝 てしまいました。 日が暮れて、あんどんにあかりがはいりました。 「ちょいと、おまえさん。みんなにお酒飲まして、仕出屋から何か物をとって、ど、どうしたの ?どうしてこんなことすんの?」 「どうしてこんなことすんのったって、きまってんじゃないか。芝で拾った財布に五十両の金入 ってたじゃないか。めでてえじゃねえか。」 「おまえさん、それ拾ったの?」「そうよ。」 「そう?まあ。それで、その拾ったお金はどうしたい?」 「何言ってんでい、おまえは。薄気味悪いこと言っちゃいけねえよ。おまえに預けたじゃないか 、財布ごと。」 「あたしゃ預かりゃしないよ。」 「何だよ。おい。・・・・・あの銭みんなとっちゃうのかい。」 「とっちまうもなにも、あたしゃ知らないよ。いつ拾ってきたのさ。」 「いつ拾ってきたのって、買い出しに行って芝の浜で拾ってきたじゃないか。」 「おまえさんがかい。」「うん。」 「いつ買い出しに行ったの?あたしがおまえさんを起こしたろ。買い出しに行っとくれよって言 ったら、何言ってやんでい、いえ行くんでいって、大勢ひっぱってきて、めでてえ、めでてえっ ておまえさん飲んでね、寝ちゃって今起きたんだよ。どうしておまえさん買い出しに行ったの? 」 「どうして行った?何言ってんだよ。」 「夢に決まっているじゃないか。お金ほしいほしいって思ってるから、お金拾った夢見るんだよ 。え。ばちがあたっちゃったんだよ。お酒を断っちゃやぶり、絶っちゃやぶりしてるからこんな ことになっちゃうんだよ。夢でまでお金を拾いたいなんて・・・そんなにお金がほしかったら、お まえさん、なぜ働いてお金を残すことを考えないんだよ。夢でまで見ちゃって、そして、こんな にお酒をみんなに飲ましちゃって・・・。仕出屋なんか・・・。いったいこれどうすんの。この払いを ・・。」 「・・・何だよ、おい。じゃあ、何かい、金拾ったの夢で、酒飲んだの本当かい。」 「そうなんだよ。」 「へえ〜。情けねえこともあるもんだなあ。」 「そうなんだよ。だから言ったろ。ばちが当たっちゃったんだって。この払いをどうすんの?」 「はあ。なるほど。ばちが当たっちゃったんだ。すまねえ。この払いを何とかしてくれ。そのか わり俺はもう酒をやめて働くから。」 「何とかしてくれっておまえさん。これだけの払いができるもんかねえ。おまえさんが本当にお 酒をやめるってんなら、おじさんのところに行って泣きついてみるからね。今まで度々無理を言 ってるけど、おまえさんがお酒をやめることを証拠にして、おじさんから都合してきて、この払 いをするから。」  これからこの熊さん、生まれ変わったように働きだした。一年、二年、三年目。稼ぎに追いつ く貧乏なしで、三年目の大晦日には、世間に貸しはあるが借りはない。 「三年前に借金取りが押しかけてきた大晦日のことを考えると、今年の大晦日なんざあ、何とも いえないいい心持ちがするなあ。」 「そうさ。おまえさんが働いてくれたからさ。」 「俺はあの時分はなんて馬鹿だったって今考えるよ。だんだん俺は一生懸命になると稼ぐのが楽 しみになってきて、この頃は働かなきゃいられねえよ。若いやつが少し怠けてると、『だめだよ 。人間働かなくっちゃ。』こう言ってな、働くのが楽しみになってきた。」 「おまえさんがそんなになってくれて、あたしゃうれしいよ。あのね、おまえさんにちょいと見 せたい物があるの。おまえさんこの財布見覚えないかい。」 「ねえよ。なんだいこりゃ。」「開けてみておくれよ。」 「どうしたんだ?」「三年前におまえさんが芝の浜で拾ってきたあのお金だよ。」 「だって、あれっ、おめえ・・・・・、夢だったじゃないか。」 「夢じゃないんだよ。ほんとに拾ったんだよ。夢と言っておまえさんをあたしゃだましたよ。」 「えっ、夢っ。こんちくしょうめ。俺はなあ、あんな情けないことなかったぞ。確かに拾ったん だけどわけが分からなくなっちゃって・・・。がっかりしちゃって、情けなくって・・・。」 「まあ、ちょいとまっとくれよ。おまえさんがお金をほしいのはわかってんだよ。あんなに喜ん でるんだからって思ったんだけどね、『あのお金をおまえさんどうすんだい。』って言ったら『 拾ってきたお金で、これからぜいたくして、いいなりをして、湯治に行ったりして当分遊んで暮 らすんだ。』って言ったろう。もしそんなことをしてごらん。あの貧乏な熊さんの家でこの頃ぜ いたくなことをして、いいなりをして遊んでいるってことが町方の役人の耳に入ってごらん。お まえさんはすぐ番屋へ引っ張っていかれて、脅かされて、あの金のでどこはどうしたって聞かれ りゃ、どうしても拾ったてことを言わなきゃないだろう。たとえ海の中で拾っても、拾った物を 黙って使うってことはこりゃできないよ。そんなことでもしおまえさんが暗いとこへでも行くこ とになったらどうすんだろう。といっていくら止めたって、おまえさんはあの金をどうしてもあ きらめる人じゃない。どうしたらよかろう。大事な夫の善と悪との二筋の道。どうしようと思っ ておまえさんが寝てから考えた。おまえさんに夢だと言ってあたしはだましちまった。それから おまえさんは生まれ変わったように働きだした。一年経ってお上から下がってきたときは本当に うれしかった。おまえさんにだそうとおもたんだけど、ようやっとおまえさんが心を入れ替えた 。これをおまえさんにだして、またもとに戻っちゃあ大変だと思って、あたしはしまっておいた 。今、おまえさんが人って奴は働かなきゃだめだってことを聞いて、もう大丈夫だと思ったから あたしこれを出したんだ。けれど、三年の間おまえさんをだましていたのはあたしが悪かった。 あたしをどんなひどいめにでもあわしておくれ。ぶつでも蹴るでもして、それで勘弁してくださ い。」 「どうぞお手をあげなさい。ああ、そうか、俺は馬鹿だなあ。なるほどあの勢いじゃ、使っちま あ。使っちまって、それが人に知れて、引っ張っていかれちゃ、今頃どんなになっているか知れ ねえ。おめえのおかげだ。ありがてえ。すまねえ。」 「もう三年経ったんだから、もうお酒飲んでもいいよ。御神酒が上がってんだから一杯やんな。 」 「じゃ、一つついでもらおうか。おおきいのがいいな。ありがてえな。しばらくこの色も見なか ったな。へへ。この匂いもかがなかった。しばらくだったなあ、酒ちゃん。へへ・・・、ありがて えじゃねえか。金はあるしよ。除夜の鐘が鳴ってるなあ。除夜の鐘が鳴る頃は、貧乏人はみんな 借金取りと闘ってらあ。そいつがこうやって・・・金はあるし、家は楽になったし、・・・いい大晦日 だな。・・・・・口の方からおでむかえだ。・・・・俺はよそう、酒。」 「どうしてさ。」 「夢になるといけねえ。」 板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |   | |  芝 浜 | | | | | | 酒を飲むと商売を怠ける | |    | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−+ | | |   五十両=百万円以上 | | | +−−−−−−−−−−−−−+ | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | |「商売なんかおかしくって・・・・。」|| | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| |    ・遊んで暮らせるぞ | |       ・もう貧乏しなくていい | |      ・商売なんかしないぞ | | | | +−−−−−−−−−−−−−+ | | | お金を拾ったのは夢?   | | | +−−−−−−−−−−−−−+ | |   ・信じられない | |   ・自分が情けない | |  ・商いに精を出すぞ | | | | 三年目の大晦日 | | +−−−−−−−−−−−−−−+ | | | お金を拾ったのは夢じゃない |  | | +−−−−−−−−−−−−−−+  | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| ||「ぶつでも蹴るでもして、それで勘弁してください。」| |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| |   ・今まで働いたのは何だったんだ | |  ・おっかあありがとう | |  ・夢と諦めて働いたおかげで良い | | 大晦日を迎えることができた | | | | +−−−−−−−−−+ | | | 働く喜び   | | | | 充実した生き方  | | | +−−−−−−−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 1. 資 料 名  「芝浜」 2. 価値項目  働く喜び 3. ね ら い  仕事に打ち込むことによって仕事の中に喜びと生きがいを見つけられることに気づき,充実した生活を追求しようとする心情を育てる。 4. 資料分析 +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ |   主 要 場 面 |  |  主 人 公 の 意 識 |   |  学 習 者 の 意 識 | |  意 識 の 焦 点 化 |  | 発 問 案 | +−−−−−−−+−−−−−−+  +−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ | |   | | | +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ | 熊さんは,財布を拾い,大喜| |・もう貧乏しなくてもいい | |・大金を手にしたら働きたくな| | お金を拾って友達と酒を飲ん| |「商売なんかおかしくって・・| |びで友達と飲めや歌えの大騒ぎ| |・遊んで暮らせるぞ | | いのはもっともだ。 | |だり楽しく歌ったりする熊さん| |・・。」と言った熊さんの気持| |をし,酔いつぶれて寝てしまう+−−+・好きな酒をいくらでも飲める+−−+・いくら貧しくても,自分の金+−−+の気持ちに共感させたい。 +−−+ちはどんなだったろう。 | | | |・働かなくてもいい | | じゃないんだから返さなくっ| | | | | | | |・商売なんかしないぞ | | ちゃ。 | | | | | +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ | |   | | | +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ | 熊さんのおかみさんは,「金| |・信じられない。 | |・熊さんかわいそうに。 | | 生まれ変わったように商売に| | おかみさんに「夢に決まって| |を拾ったのは夢だ」と熊さんに| |・遊んで暮らせると思ったのに| |・熊さんは,おかみさんのうそ| |精を出すようになるまでの熊さ| |いるじゃないか。」と言われた| |うそをつく。 | |・今日の飲み食いの勘定はどう| | に気づかなかったのかなあ。| |んの胸中を追求させたい。 | |ときの熊さんの気持ちはどんな| | | | しよう。 | |・おかみさんは,熊さんのこと| | | |だったろう。 | | +−−+・自分が情けない。 +−−+ をよくわかっているなあ。 +−−+ +−−+ | | | |・金なんて楽をして手に入れる| |・おかみさんのとった行動は当| | | | | | | | もんじゃない。 | | 然だ。 | | | | | | | |・酒はもうやめる。 | |・商売に精を出すと決めた熊さ| | | | | | | |・心を入れかえて商いに精を出| | んは偉い。 | | | | | | | | すぞ。 | | | | | | | +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ | |   | | | +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ | 三年目の大晦日の晩,熊さん| |・畜生。俺が今まで働いたのは| |・おかみさんは偉いなあ。 | | 心を入れかえて働き続けた熊| | おかみさんに「ぶつでも蹴る| |におかみさんは,財布を拾った| | 何だったんだ。 | |・酒も飲まずに働いて店を持っ| |さんの気持ちに共感させ,精一| |でもしてくれ。」と言われたと| |のが夢でなかったことを熊さん+−−+・夢と諦めて働いたおかげで,+−−+ た熊さんは偉い。 +−−+杯働くことが充実した生活につ+−−+きの熊さんの気持ちはどんなだ| |にうちあける。 | | 店を持つことができたんだ。| |・自分が一生懸命働くことで充| |ながることに気づかせたい。 | |ったろう。 | | | |・おっかあ,ありがとう。 | | 実した生活を送れるんだ。 | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+