印刷用紙:A3横 1ページの行数:87 1行の文字数(半角で):140   −−以下 指導案本文−−   第2学年道徳学習指導案                                                 日  時 平成8年10月2日 (水)5校時                                                 指導学級 水沢市立水沢中学校  2年D組                                                      男19名、女18名、計37名                                                 指導者・・ 浅利 政江 1、主題名   強い意志   1−(2) 強い意志 資料名 「新平の医学」−−−− 後藤新平  (出典『わたしたちの道徳』一部省略・他資料引用) 2、主題設定の理由        (1)価値観 学習指導要領では、1−(2)についての内容項目を「目標を達成するために着実にやりぬく強い意志をもつことを目指す」               と押さえている。人間は、自分の人生に夢や希望を抱いて生きている。夢や希望を実現するには、強い意志を持ち、努力し               ていくことが大切である。また、強い意志で、粘り強く困難を克服していこうとする態度が必要である。               ここでは、価値ある目標を見いだそうとする姿勢や、逆境の中にあっても、その中で精一杯努力し、自分の夢を実現してい               こうとする強い意志を持たせたい。        (2)生徒観 この学級の生徒は、自分の好むことに対しては積極的に取り組む。多少無理をしても、熱中して好きなことに取り組み、雄               々しくたくましい行動力となって現れることもある。しかし、困難に直面すると、簡単に挫折してしまうことも少なくない。               今の自分を高めていこうと努力を続けるよりも、安易な方向へ妥協する傾向がみられる。 昨年度実施した「道徳教育に関するアンケート」の中で強い意志1−(2)の項目についての結果は次のとおりであった。                 ア、よい  イ、大体よい  ウ、あまりよくない  エ、よくない    (%)                +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+                |調査対象| 内     容    |ア|イ|ウ|エ|                +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+                |生 徒|少々のことではあきらめず、最後まで目標に向かってやりぬこうとする強い意志がある。|22|54|21|3|                +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+                |保 護 者|少々のことではあきらめず、最後まで目標に向かってやりぬこうとする強い意志がある。|22|39|32|7|                +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+                これを見ると、生徒自身は強い意志を持っているという意識であるが、保護者は不十分であるととらえている人が生徒より               多く、意識にずれがみられる。このような実態から、この資料をとおして理解を深めることに意義があると思われる        (3)資料観 自分の進むべき道を見極め、持ち前の負けん気で困難を乗り越え夢を実現した郷土水沢の偉人、後藤新平の伝記資料である。               よりよい自分を求め、強い意志を持って一瞬一瞬を意義あるものにしていくことで、夢を実現した新平。               新平の生き方や考え方から、より高い目標を持つことの大切さや、強い意志を持って、困難に打ち勝つことの素晴らしさに               気づかせ価値に迫りたい。        (4)指導観  事前・・・・・資料を配付して読み聞かせ、感想や考えを持たせ、本時への意識づけをする。                導入・・・・・新平の肖像画から価値への方向づけをする。                展開の前段・・大変な苦労や挫折を糧に自分の夢を果たした新平の心情に共感させることでやり抜くことの大切さに気づか                       せる。                展開の後段・・生徒のこれまでの経験から価値の内面化を図らせる。                終末・・・・・新平に関る説話を通して、価値への意識を深めさせる。 3、指導計画 +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 領 域 | 項目・内容 | 時 期 | ね ら い | +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 学級活動 |学習方法の検討 |9月 4週 |今までの学習方法を振り返り、今後の努力点を明らかにする。| | | | | | | | | | (相互の学習目標の紹介) | +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 道 徳 |「新平の医学」 |本 時 | 別記 | | | | | | | | | | | +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 学級活動 |さまざまな勉学の道 |10月 2週 |卒業後の勉学の道を、学校制度の系統図を中心に理解する。 | | | | | | | | | | (先人の足跡) | +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 4、本時の学習指導  (1)ねらい 高い目標を目指し、よりよい自分を求め、強い意志を持ってやり抜こうとする心情を育てる。  (2)展開 +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | | 教師の働きかけ | 生徒の反応 | 指導上の留意点    |  評価・準備 | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ |導|1、後藤新平の肖像画の提|・きりっとした意志の強そうな人に| 肖像画からのイメージを大切にしながら価値へ|肖像画 | | | 示 ・15歳 |見える。 |の方向づけをする。一枚ずつゆっくり提示する | | | | ・25歳 |・偉そうだ。 | | | |入| ・65歳 |・怖そうだ。 | | | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | |2、資料「新平の医学」の| | 「新平」の生誕地。15歳、25歳、65歳の|「新平」の年表 | | |あらすじを確認した後、話| |時、「新平」は何をしていたかを確認する。 |紙板書 | | |し合う。 | | | | |展| | | | | | | | | | | | |(1)「朝敵の子」と言わ|・悔しい | 希望に満ちて上京したのに、屈辱的な言葉に挫|発問 紙板書 | | | れた時、「新平」はど|・何で今更こんなことを言われるの|折感を味わった新平のつらさに、共感させる。 | | | | んな気持ちでしたか。|か。 | | | |開| |・もうこんな所に居たくない。 | | | | | |・つらくて仕方ない。 | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |前|(2)どんな思いで、斎藤|・自分と同じ様な失敗をしてほしく| 故郷に戻るしかなかった「新平」のやるせない|発問 紙板書 | | | らに「おれのようにな|ない。 |気持ちや挫折感をつかませ、さらにそれでも自分| | | | るなよ。」と、新平は|・自分のみじめさを語りながらも、|の弱さと闘い、ひたすら努力を続ける「新平」の| | | | 言い聞かせましたか。|今度上京する時には、もっと強くな|意志の強さをつかませる。 | | | | |ろうと思っている。 | | | |段| |・今は負けているけれど、いつかき| | | | | |っと医者になろう。 | | | | | | | | | | | | | | | | |(3)苦労して医者になる|・まだまだ学ぶべきことがたくさん| かつての屈辱を覆そうと、向学心に燃え、夢を|発問 紙板書 | | | ための勉強を続けてい|ある。頑張ろう。 |叶えようと懸命に勉強する「新平」の自分の夢に| | | | た時、「新平」はどん|・もっともっと勉強して、絶対に医|対するひたむきさに共感させる。 | | | | な気持ちでしたか。 |者になろう。 | | | | | |・眠る時間もなくてつらい。 | | | | | | | | | | | | | | | | |(4)ここまで「新平」を|・自分の夢に向かって、懸命に努力| 強い意志を持って困難に打ち勝つことで得られ|発問 紙板書 | | | 支えてきたものは何で|し続ける強い意志。 |る大きな喜びに気づかせる。          |◎価値を把握することが| | | しょうか。 |・根性、向上心 |          | できたか。 | | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | |3、本時の価値について自| | | | |展| 分や身近な人の生活経験| | | | | | を想起させる。 | | | | |開| | | | | | | | | | | |後|(1)途中で挫けたり、諦|・クラブ活動に関すること。 | 常に自分の弱さと闘いながら、自分の夢や希望|学習プリント | | | めたりしながらも再度|・学校での行事。 |に前向きに頑張ることが、達成感・成就感をもた|◎本時の価値を自分や周| |段| 挑戦し、やり遂げたこ|・職業に就くまでのいきさつ。 |らすことに気づかせたい。          | りの人達の経験に照ら| | | とがありましたか。 |・その他 |          | し合わせて、深く考え| | | | |          | ることが出来たか | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | |4、後藤新平に関る説話を| | 「新平」に関る説話を通して価値への意識を高| 「新平」直筆の色紙 | | | 紹介する。 | |めたい。 | 配布 | | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ (3)ねらい 高い目標を目指し、よりよい自分を求め、強い意志を持ってやり抜こうとする心情が持てたか。 (座席表は別ファイル) +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 道徳 学習プリント          | | | | 二年 組 番 氏名 | |●途中で挫けたり、諦めたりしながらも再度挑戦し、 | | やりとげたことがありましたか。 | | | | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ (資料分析は別ファイル) 板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |「新平の医学」 −−−−−−−後藤新平              | | | | +−−−−−+ | | |新平の心情| | | +−−−−−+ | | | |+−−−−−+ | ||肖像画 | +−−−−−−−−−−+| || | |「朝敵の子」 || || | +−−−−−−−−−−+| || | ・もうこんな所に居たくない。| || | ・何で今更こんなことを言われ| |+−−−−−+ るのか。 | | ・悔しい、つらくて仕方ない。| | +−−−−−−−−−−−−+ | | |「おれのようになるなよ」| | | +−−−−−−−−−−−−+ | | ・自分と同じような失敗をして欲しく| | ない。 | | ・もっと強くなろう。 | | ・今は負けているけど、いつかきっと| |+−−−−−+ 医者になってみせる。 | ||肖像画 | | || | | || | +−−−−−−−−−−−−−+ | || | |苦学・不眠不休の日々 | | || | +−−−−−−−−−−−−−+ | |+−−−−−+ ・まだまだ学ぶことがある。 | | ・もっともっと勉強しよう。 | | ・絶対に慰謝になってみせるぞ。 | |+−−−−−+ ・でも眠い。 | ||肖像画 | | || | | || |+−−−−−−−−−−+ | || ||新平を支えたもの | | || |+−−−−−−−−−−+ | |+−−−−−+ | | ・懸命に努力しつづける力。 | | ・根性 | | | | ◇強い意志 ◇      | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 資料分析 資料名「新平の医学」−−−− 後藤新平  (出典 学研2)  一部省略  他資料引用 +−−−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 主要場面 || 主人公の意識 || 学習者の意識 ||      意識の焦点化 ||      発 問案 | +−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−+ |明治4年 新平15歳。 ||・悔しい ||・つらかったろうな。      || 希望に満ちて上京したのに、屈辱||「朝敵の子」と言われた時、新平は| |阿川の世話で上京。努力するが「朝++・何で今更こんなことを言われるの++・故郷に帰って来るのも仕方いなあ||的な言葉に挫折感を味わった新平の||どんな気持ちでしたか。 | |敵の子」という言い方に我慢できず||か。 ||・上京が早すぎたのかも。     ||つらさに共感させる。 || | |郷里に戻る。 ||・つらくて仕方ない。 || || || | +−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−+ |明治5年 新平16歳。 ||・自分と同じような失敗をしてほし||・後輩達に追い抜かれて焦っている|| 新平の挫折感をつかませ、さらに||どんな思いで、斎藤らに「おれのよ| |郷里水沢で、後輩達の活躍を知り、||くない。 ||だろうに、よくこんなことが言える||それでも自分の弱さと闘い、努力を||うになるなよ。」と新平は言い聞か| |焦りながらも、自分の進むべき道を||・自分のみじめさを語りながらも、||なあ。        ||続ける意志の強さをつかませる。 ||せましたか。 | |ひたすら模索する。 ++今度上京する時には、もっと強くな++・心の奥で、また上京したいと思っ|| || | | ||ろうと思っている。 ||ているだろう。 || || | | ||・今は負けているけれど、いつかき||・夢は諦めていないと思う。 || || | | ||っと医者になろう。 || || || | +−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−+ |明治8年 新平19歳。 ||・眠る時間もなくてつらい。 ||・やる気で勉強していてうらやまし|| かつての屈辱を覆そうと向学心に|| 苦労して医者になるための勉強を| |医学の道を志、苦しい学生生活の中||・まだまだ学ぶべきことがたくさん||い。         ||燃え、懸命に努力を続ける新平の自||続けていた時、新平はどんな気持ち| |で医者の卵となる新平。自ら学びと++ある。頑張ろう。 ++・貧しくてかわいそうだ。     ||分の夢に対するひたむきさに共感さ||でしたか。 | |ろうとする姿勢で、明治14年には||・もっともっと勉強して、絶対に医||・とことん頑張れることがあってう||せる。 || | |愛知県病院長となり、やがて政界へ||者になろう。 ||らやましい。 || || | |進出する。 || || || || | +−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−+ | ||・自分の夢に向かって、懸命に努力||・自分の夢に向かって、頑張ってい|| 強い意志を持って困難に打ち勝つ||ここまで新平を支えてきたものは | | ||し続ける強い意志。 ||てすごい。        ||ことで得られる大きな喜びに気づか||何でしょうか。 | | ++・向上心 ++・こんなふうに、自分の夢を叶える||せる。 || | | ||・自分の希望実現のためには、どん||ために精一杯努力したい。 || || | | ||なことでも乗り越える根性。 || || || | +−−−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−+