中学校 2年 英語(The Altamira Cave) 指導案 矢沢中学校 用紙は A4 縦  1行 100字(半角) 1ページ 30行に設定してください。 英  語  科  学  習  指  導  案 指導者  吉 田 道 一 1 日    時  昭和63年9月28日(水) 第5校時 2 学    級  花巻市立矢沢中学校  2年 C組(男子19名 女子16名 計35名) 3 主    題  The Altamira Cave (Let's Read 2, Book , NHEC) 4 主題の目標      (1) 開発音声教材に積極的に取り組むことができる。    (2) 物語文(The Altamira Cave)を読み味わうことができる。    (3) 感嘆文の機能と構造を理解することができる。    (4) 音変化を意識して、本文を英語らしく音読することができる。 5 教材について     Let's Read 2の題材内容は、人類最古と言われるアルタミラの壁画の発見にまつわるもので、5歳の少    女マリアと考古学者であるその父の対話を中心に構成されており、生徒にとって興味深く学習できるもの    である。      本単元で新出の感嘆文は文の系列から見ると、平叙文、疑問文、命令文に続くもので、中学校では最終    に位置する。この感嘆文は、文としてはおそらく最も原始的なもので、歓喜・驚き・苦痛・断言などの叫    び、命令、希望などの色々な意味を示し、その最も典型的なものは疑問詞What,Howで始まる。 又感嘆文    を形式的な面から、考察の対象をWhat + 名詞句またはHowによって導かれる感嘆的な発話に限るとすると、    この感嘆文は、何らかの可変的な要因についてその程度が極端であることを表すものである。 さらに語    順の面からは、Wh-要素を文頭に置くという点で、Wh-疑問文と形態を同一にしている。感嘆文の文中にお    けるWh-要素を分類すると次のようにまとめられる。       (1) Wh-要素が主 語  What an enormous crowd came !    (2) Wh-要素が目的語 What a time we've had today ! (3) Wh-要素が補 語 How delightful her manners are ! (4) Wh-要素が副詞類 What a long time it lasted !  この観点からは、ここで扱うのは(3)に限る。     ところで、感嘆文を言語機能の面から見ると、感情的態度を表現したり求めたりすること、の範疇に入    り、驚き・感嘆を表現するものとなる。 しかし、時には驚きを通して相手の行動、態度をたしなめたり、    良いとほめたりする道義的態度も表現できるものである。実際にこの単元で用いられている感嘆文は、語    り手の立場から述べられるHow big the cave was !と父の言葉に見られるWhat a clever idea !の 2つで    ある。これらはともに強い感情表現であり、聞き手の態度、行動に効果的な作用を及ぼしている。     語法の面からは、既習のbe going toとは性格を異にする発着動詞の進行形、依頼の用法としては初出の   Can you ~ ? 表現、さらにに否定主語のNo oneが見られ、 過去の学習と区別する必要がある。     次に、この教材を音声的な面からみると、Her father looked at her.に見られるdeletion、Some people lived in the cave about 10.000 years ago.やSoon they got to the cave.に見られるassimilation、 for a long timeに見られるliaison(r-coloring)など、音変化に富んでいる。従って、リズムやイントネー    ションに留意した指導が、この教材を読み味わう点から、意義あることと考えられる。 6 生徒について     6月に実施した英語学習に関するアンケートによると、 英語をきれいな発音でじょうずに話したいとい    う願望をほぼ70%の生徒が抱いているのに対して、 それが英語学習の目的意識を支えているとは言い切れ    ない状態である。 中学2年のこの時期の生徒は、入学当初の英語に対する興味をもち続けたり、又それを    広げようという積極的な姿勢に弱まりが見られるのは否めない事実と思われるが、英語の学習を開始して    から初めて触れるこの物語文教材を通し、まとまった内容を読み味わえるという成就感を、英語学習への    意欲に結びつけていく必要があると思われる。 7 単元の指導構想    (1) 構想 生徒が初めて接する物語文である本教材は、 その内容の連続性を分断することなく、前半、後半のま とまった単位で扱うこととする。 文の面で新出となる感嘆文については、単元の最初に扱い、生徒の 生活場面から遊離しない設定の中で導入してみる。 そして折しも開催中であるSeoul Olympic Games の感動場面に適用が可能であることを意識させたい。構造面のWh-要素に続くS + Vの語順については、 1年生で学んだ How old are you ?との対比から印象深く学習させたい。 内容把握については、 ややもすると消極的な活動になりがちなListeningを潜在的なコミュニケー ションに高めるために、学習プリントにインフォメーションギャップを適当に配置し、生徒の興味を引 き出すように仕組みたい。 又、その活動の段階的手法としては、音声による提示、ピクチャーカード      を伴った音声の提示、そしてVTR視聴の 段階を基本としながら取り組ませる。       さらに、開発教材への取り組みについては、耳を慣らすためのA-1~A-3が第2時で終了し、 既習レベ ルの音変化の習得を目標としたSpot Dictation(A-4,A-5)、そして聴解用のB-1を扱うことになり、教科      書本文の聴解や音読とかからせて進めていきたい。    (2) 指導計画(5時間扱い) 1) 聞き取り練習A-2、 感嘆文の機能と構造 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間 2) 聞き取り練習A-3、 P.P. 34~35の内容理解 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間 3) 聞き取り練習A-4、 P.P. 34~35の音読 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間 4) 聞き取り練習B-1、 P.P. 36~37の内容理解 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間(本時) 5) 聞き取り練習A-5、 P.P. 36~37の音読、音変化を中心とした単元のまとめ ・・・・・ 1時間 8 本時について    (1) 主   題   The Altamira Cave(P.P. 36 ~ 37)の内容理解 (2) 目   標       1) 開発教材B-1に対して、目標を明確にして取り組むことができる。 2) 物語文の後半部分を聞き取りのポイントに照らして、自分の予測を立てて聞くことができる。 3) 実際に用いられている感嘆文から、父の驚きの根拠に目を向けることができる。 4) 物語文後半の音変化の重点部分を把握することができる。 (3) 指導の構想 開発教材であるB-1は、 Lucyの兄弟を話題にしたもので、Kenとの対話形式をとり37語で構成され ている。 聞き取りの設問も、兄弟の数や好きなスポーツなど基本的なものであるが、まとまった内容 の聴解となるように、delayed recallを徹底させたい。        ここで扱う教材を内容面から見ると、壁面の物体を絵だと主張し確信を深めていくマリアと、手       提げランプをかざして初めて壁画の存在を知らされた父が、大きな感動に包まれるクライマックス       の場面である。この教材の理解を助ける視聴覚機器としては、テープレコーダー、ピクチャーカー       ド及びパントマイム形式で録画されているVTRを用いるが、特にマリアと父がアルタミラの壁画の第 1発見者であったこと、及び旧石器時代の人々の壁画の描き方の知恵に目を向けさせたい。          音声面では、英文Maria's father almost dropped the lantern. のリズム・イントネーション図 を学習プリントに示し、looked と and の弱化を重点的に扱い、 又 went to のassimilation、さら にwith a 、in its、 as a 、 for a 、のliaisonに注意を払わせ次時の音読に生きるものにしたい。 (4) 展開 段階 学習内容 学 習 活 動 時間 留 意 点 聞き取り 1 開発教材B-1を練習する (1)練習シートに目を通し、聞き取る ・対話の場面と話題を意識させ聞く構 導 ポイントを把握する えを作らせる (2)TCの音声を手掛かりに、シートに ・記入しながらの聴解で音から耳が離 答えを記入する れないようにdelayed recallを徹底 させる (3)書かれた原稿文を見て加除修正を ・自分で聞き取れなかった語句、 文に 入 行う 下線を引かせる (4)自分の聞き取れなかった部分に留 ・文字を見る、見ないの区別を徹底させ 意して、再度聞き直す る 復 習 2 感嘆文の機能と構造を想起する ・強い感情表現の一種であり、具体的な 10 使用例を学習プリントで確認させる 本 文 3 物語文後半(P.P.36 ~ 37)の内容を 理解する (1)新出語句の発音と意味を理解する just,bump,cow,think,run(ning), ・Consonant Clusters -st,-ld,dr-, 展 held