印刷用紙:A4縦 1ページの行数:50 1行の文字数(半角文字で):88 技術・家庭科学習指導案                      日  時 平成7年11月17日(金)2校時       場  所 北上市立和賀東中学校コンピュータ室                      指導学級 2年C組(男子20名 女子15名)       指 導 者 米川  聡 1.領域−単元名−     情報基礎−プログラミング− 2.単元設定の理由 (1)教材について  プログラミングは、コンピュータで情報を処理する際、その手順をコンピュータが認識し処理で きるように、プログラム言語で表された一連の命令である。ここでは、プログラムの機能と基本的 な情報処理の手順や方法を知り、簡単な目的を持ったプログラムの作成ができるようにすることを ねらいとする。  コンピュータを用いてプログラミングしていった場合、明確に処理結果が表れた方が理解し易い ということは明らかである。  プログラミングの題材には、「計算」「グラフ」「データベース」「グラフィック」「ミュージ ック」その他、様々考えられるが上記のことと、初めてのコンピュータによる思考を伴う内容であ るということ、間違ったらどうしようと恐れのようなものを抱いている者が数名見られるというこ となど考えると、比較的扱い易く、視覚的にもわかりやすい「グラフィック」をメインに選ぶこと にした。  題材は、絵が動き、その絵にあわせて文字が並び、音楽が鳴るというアニメーションで、生徒が 目標を持って楽しみながらプログラムの基本を理解させることができる。 また、この単元の学習を通して、生徒1人ひとりの思考力、創造力の伸長につとめていく。  一連のプログラム手順を計画させ、創造力を十分発揮した「構想」に近づけるよう、修正を加え 続け、完成させる。その際、さらに涌き出てくる「構想」を大切にして学習を進めさせていきたい。  また、「構想」を実現させるために「プログラム」を行うわけであるが、正確な命令を送らない 限りは正しくコンピュータ動作しない、というコンピュータの特質も体感させたい。 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 利用環境 FM−TOWNS220台 | | 使用ソフト『LOGOWriter2』 | | 周辺装置 マウス、イメージスキャナ、プリンター | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ ◎ソフトウェアの特徴 プログラムを日本語で組むことができるため、抵抗なくプログラム学習に取り掛かることができ る。命令語も日常用いる言葉であるため、命令語を覚えていなくても見つけ出すことが容易である。 グラフィック、ミュージック、ワープロ、制御など、どれも容易にプログラミングできる。 (2)生徒について  2学年になり、初めて情報基礎領域でコンピュータの学習を開始した。  コンピュータに関して非常に関心を抱き、授業時間だけでなく昼休み時間や放課後にもコンピュ ータを前にして意欲的に学習する。  コンピュータやワープロが家にあり、よく使用しているという者はごく小数であるが、将来プロ グラムを組んだり、仕事などに利用していきたいと考えているものは約9割を越える。  フリーソフトを用いてのブラインドタッチ練習、マウス練習を行い、ハード的なことも含め基礎 的事項を約5時間学習し、このプログラム学習に臨んでいる。  技能的な面で具体的には、4月当初にワープロの練習を行い、キー配列・キー操作を一通り学習 した。また、ワープロソフトを用いて文字飾り等の装飾を行うことにより、特殊キーも学習を終え ている。マウスの扱いもフリーソフトの「猫叩き」等を通して思い通りに扱える者が多くなった。  これまでの学習を基盤に、簡単なプログラミングを行っていくことで、思考力、創造力の伸長に つとめていく。 3.単元の目標  (1)プログラムの必要性を知り、プログラムに用いる命令語を組み合わせることができる。 [関心・意欲・態度、知識・理解]  (2)構想通りのプログラムを作成・実行し、不備な点を修正し補充することができる。 [創意工夫、技能]  (3)順次・分岐・反復の基本的な情報処理の手順を理解でき応用できる。 [創意工夫、知識・理解]  (4)プログラム題材を主体的に選択し、構想の練り直しから学びのスタイルに応じたコンピュー   の利用ができる。[関心・意欲・態度、技能] 4.指導計画  (1)プログラミングの基礎 −−−−−−−−−−−−−−2時間    1.リアルタイムで簡単な図形を描く 2.様々な命令を用い、複雑な図形を描く 3.プログラム命令語  (2)プログラミングの実践 −−−−−−−−−−−−−12時間 1.構想    2.グラフィック         3.ミュージック 4.装飾(背景、文字の拡大、その他)    5.仮評価(発表会による) −−−−−−−−−−−−−−−−−[本時]    6.修整    7.評価(発表会による)  (3)コンピュータ制御プログラム −−−−−−−−−−−1時間 5.本時の目標  友達のオリジナル作品(アニメーション)を鑑賞し、それぞれの作品の「工夫点」を見つけ評価 する。 6.本時の評価  1.作品の工夫されているところを見つけ出すことができる。[関心・意欲・態度] 2.プログラムを書き換え、固有のものを考えることができる。[創意工夫] 3.自己評価し、自己に対して意欲づけを行うことができる。[関心・意欲・態度] 絵の動きと音楽と文字の一体化をしたアニメーションをプログラミングしていく。それらの作業 を通して、技術・家庭科での4つの観点を十分に満足できるように毎時指導し、評価を加えていく。  毎日の授業での声かけや、毎回どの様な評価を行うか等を常に工夫し、特に関心・意欲・態度の項 目を重視していく。 なお、授業では毎回机間指導とRANシステム、自己評価により生徒の進行状況および学習の取 り組み状況を把握していくことにする。  次時に最終作品発表会を行うため、今回の授業では「北上市立和賀東中学校 学習発表会」でパ ソコンでデモンストレーションを流した作品について検討を加え、友達の作品の「工夫点」を自分 の作品に応用できるよう構成した。 ◎評価方法について 【関心意欲態度1】作品の工夫されているところを見つけ出すことができるか〔評価カード〕  ・友達の『工夫点』を見つけ、評価カードに記述できればよい。的確に指摘できればA。 【関心意欲態度2】自己評価し、自己に対して意欲づけを行うことができる〔学習プリント〕 ・授業の中でよくできた点を確認でき、「次こうしたい」という目標があればA。 【 創 意 】プログラムを書き換え固有のものを考えることができるか〔机間指導 、FD〕 ・『工夫点』を自分の作品に応用し、自分の「構想」に合うものを考え修整を行えばよい。   より滑らかな動作になればA。 7.展開案 +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | 学 習 活 動 | 主  な  支  援 | 評価方法・留意点 | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | |1.作品評価の観点を復習す |・前回学習した内容の要点を、紙板|紙板書 | |導| る。 |書で提示し、学習を進めていく上で| | | | |必要に応じいつでも参考にできるよ| | | |2.板書で、本日の学習課題 |うにする。 |何に注目して評価し| |入| を確認し、学習プリントに| |ていけば良いかを特| | | 記入する。 | |に強調する。 | | |  +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ |+−+−−−−−+作品の『工夫点』を見つけ評価しよう +−+| | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+| | |1.作品の鑑賞を行う。 | | | | |(1)発表者は、作品の概略と |・発表し易いように支援する。 | | | | 鑑賞のポイントを発表する| | | | |(2)友人の作品を鑑賞し、ど |・順次生徒作品を各ディスプレイに|画面転送 | |展| のような『工夫』を行って| 同時に流し、一斉に鑑賞させる。+【関心・意欲・態度】+ | | いるかを知る。     | |作品の工夫されてい| | |(3)絵や音の組合せ方などの |・優れた点を評価カードに記入させ|るところを見つけ出| | | 優れた点を指摘し、評価を| る。  |すことができるか。| | | 加える。 |・感想を発表させる。 |〔評価カード〕 | | | | +−−−−−−−−−+ | |(4)様々に工夫されたプログ |・プログラム解析をさせる。 |(Program LIST) | | | ラムの作り方を考える。 | |画面転送 | | |  | |紙板書 | | |2.『工夫点』を自分の作品 |・アニメーション技法を再度確認さ| | | | に応用できるかを考える。| せる。 |紙板書 | | |(イメージを膨らませる) |・プログラムの組合せ方を再度確認| | | | | させる。 | | | | |・応用の仕方をいくつか紹介し、自| | | | | 分の作品との共通点を探させる。| | | | | +【創 意 ・ 工 夫】+ |開|3.自分のプログラム作品に |・机間指導を行い、新しい構想に近|プログラムを書き換 | | | 修整を加える。 | づくよう、個別に支援を行う。 |え、固有のものを考 | | |[随時、プログラムを実行]|・「プログラムリスト」で修整を行|える事ができるか。 | | | | | * | | | | う者には、特に意識的に支援に行|〔机間指導, FD〕 | | |  | くよう心がける。 |※机間指導で、各々 | | | | |に評価・アドバイス | | | | |を加え、より一層意 | | | | |欲を高めるよう留意 | | | | |する。 | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | |1.次時の学習内容を確認す |・次時に行う発表会の概要を説明す+【関心・意欲・態度】+ |終| る。 |る。 |自己評価し、自己 | | |2.自己評価を行う。 |・学習課題が理解できたかどうかと|に対して意欲づけ | | | |感想の記述を行い、次時への自己課 |を行う事ができる | |末| |題を持つ。 |〔学習プリント〕 | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+