印刷用紙:B4縦 1ページの行数:78 1行の文字数(半角で):116   −−以下 指導案本文−−   第  1  学  年 家  庭  科  学  習  指  導  案        日  時  平成8年11月14日(木)5校時         学  級 1年4組(男子16名,女子18名,計34名)    場  所 1年4組教室    授 業 者 村 上 志 保 1 単元名  衣服の着用と手入れ 2 単元について (1)教材観について   ここでは自分の日常の衣生活について必要な衣服の種類や数量,その購入,管理を計画的に行う必要とその方法について学   習する。手入れについては,日常着の汚れの種類,被服材料の種類と特徴について,基本的知識を理解し,洗濯,しみ抜き,   補修などの方法を知ることにより,家庭における実践の見通しを持たせることができると考える。近年,衣生活を取り巻く環   境も大きく変化してきている。次々と新製品が出回り,入手は容易になった反面,手入れや管理は複雑になっておりその変化   に対応できる能力の育成と,課題をもって取り組もうとする姿勢を養うことが必要となってきている。  本単元では,身近な自分の衣生活を見つめ直すことにより,自分の生活の中から課題を見つけだし,自分で課題解決のため   に努力する学習から生活に必要な基礎的な知識や技術を身につけ,さらに生活に生かしていける喜びをを体得させたい。 (2)生徒の実態   小学校では家族の一員としての自分の役割として家庭科の学習はしてきているものの,本校生徒1学年の調査結果では,家   庭での手伝いを毎日している生徒は全体の20%,時々している生徒は59%,全くしない生徒が21%と,家庭における実   践は今一つといえる。手伝いの内容に関しても,夕食の手伝い,後片付けが圧倒的に多く,衣生活に関する仕事の手伝いをし   ている生徒はわずか5%ということから,家庭での衣生活の仕事にあまり関心がないと思われる。    明るく素直な生徒たちで,男子は活発でさまざまなことに興味を示し,積極的であるが,やや集中力に欠ける。女子はおと   なしく,きちんと自分の考えをもっているものの,なかなか発言しようとしない。どちらかというと受け身がちな授業態度で   ある。    4月に行ったアンケートの結果,家庭科が好きという生徒は68%,嫌いという生徒は32%であったが,男子に嫌う傾向   が見られた。また,1年間の家庭科で勉強したいことには,料理53%,裁縫18%,洗濯の方法5%,日常生活全般につい   て24%と食物領域に関する興味が強いようである。 (3)指導観について 今回の学習指導の方向性は,教師の働きかけをヒントに,課題をつかみ,協力して実習を進め,結果を得,まとめるという   自発的かつ自主的な取り組みができるように,と考えている。また,知識を得るだけに留まらず,今後の生活でどう生かして   いくかまで迫りたい。説明よりも実習の時間を多く確保することにより,生徒の意欲,関心を喚起させたい。 3 単元の目標 (1)生活や技術への関心・意欲・態度 ・日常の衣生活に関心をもち,家庭で実践的意欲を示している ・被服計画をもとに,積極的に被服の管理や整理をしようとする態度がみられる (2)生活を創意工夫する能力 ・自分や家族の生活に合わせた被服計画を工夫することができる ・手入れや管理について工夫することができる ・中学生にふさわしい日常着や季節・目的に合った着用の工夫をすることができる (3)生活の技能 ・日常着の適切な着用ができる ・被服の汚れや材質に応じた手入れができる(洗濯,しみ抜き,ほころび直しなど) ・季節や目的に合った被服の着用ができる ・各自の衣生活を適切に行うための衣服の計画ができる (4)生活や技術についての知識・理解 ・被服の着用について,季節や目的に合わせた説明ができる ・被服の管理や手入れについてその方法が説明できる ・取り扱い絵表示と組成表示について説明できる  ・衣生活の今日的特徴や購入の方法等の留意点についていえる 4 指導計画と観点別評価計画 「衣服の着用と手入れ」 +−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |時数| 学習内容 |関心・意欲・態度  | 創 意 ・ 工 夫 | 技 能 | 知 識 ・ 理 解 | +−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |  |衣生活の仕事を調べ|衣生活の仕事に関心を|          | |衣生活のしごとの種類| | 1 |よう |もち実生活に生かそう|    | |と内容を理解できる | | | |とする | | | | +−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |衣服の着用と手入れ|日常着の手入れに関心|汚れの種類や繊維に合|           |取り扱い絵表示や組成| | 1 |をしよう |をもつ |った手入れの方法を工| |表示について説明でき| |  |         |          |夫できる      |          |る | +−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |衣服の着用を工夫し|実生活で衣服の再利用|衣服の再利用を工夫で|衣服を再利用し、有効|季節や目的に合った着| | 4 |衣服計画を考えよう|をしようとする   |きる       | に利用できる    |方や組み合わせができ| | | | | |          |衣服計画を立てること| | | | | |          |ができる      | +−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |  |洗剤の働きと洗濯 |洗剤の種類や働きにつ|          |   |洗濯の方法を知り、洗| | 1 |         |いて関心をもち、調べ|          |          |剤の種類と働きを説明| | | |ようとする | | |できる | +−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |  | しみ抜きをしよう |しみの種類と取り方を|しみの種類に応じた | グループで協力して |しみ抜きの方法を理解| | 2 |     |調べ、進んで家庭生活|取り方を工夫できる |実習ができる |できる | |本時| |で実践しようとする | | | | |2/2 |   | | | | | +−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |ほころび直しをしよ|ほころびの直し方を |ほころびの箇所や縫い|ほころび直しができる| | | 1 |う |調べ、家庭で実践しよ|方に合った補修の仕方| | | | |   |うとする |を工夫する | | | +−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |衣生活に強くなろう| |衣生活にトラブルが合っ |         |     | | 1 |   |    |たときの対処方法を | | | | |   | |工夫できる | | | +−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ 5 本時の指導 (9/11) (1)題材 しみ抜きをしよう   (2)本時の目標 ・日常生活でつきやすいしみの種類と取り方を調べ,家庭生活で実践しようとする。 (関心・意欲・態度)   ・しみの種類に応じた取り方を工夫できる。                   (創意・工夫) ・グループで協力して能率よく実習ができる。                    (技能) ・しみ抜きの方法を説明できる。                         (知識・理解) (3)学ぼうとする力を育てるための工夫 @ 生徒の興味・関心をくすぐるため,身近な課題を設定した。 A 主体的な学習をするために,課題追求の場を実習とし「自学タイム」とした。 B 作業がしやすく,今後の生活に生かせる学習シートと自己評価カードの工夫をした。 (4)本時の展開 +−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | |学習内容 |生徒の活動 |教師のはたらきかけ |資料等 | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | |1 課題の把握|しみの種類を探る。 |+−クイズ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | || これは何のしみでしょう? ||しみがつい| | |      |              |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|た布を数種| |導| | |                          |類用意する| | | | ・どうしてしみを付けたまま |・日常つきやすいと思われるしみを提示し,しみ抜きを | | | | | だとだめなのか確認する | やってみたい!という意欲付けをする。 | | |入| | | | | | | |+−−−−−−−−−−−−+|+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |  | |10|2課題の設定||《自学テーマの設定》 |||《課題》 | |学習シート | | |   |+−−−−−−−−−−−−+|| 正しい方法でしみを取ってみよう!     | |班で話し合| | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |い決める | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | | |+−−自 学 タ イ ム−−−+| | | | |3見通す || || 指示1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | ||@ 方法を考え発表する。 ||| 自分たちが考えたしみ抜きの方法を発表しよう 発表ボード | |展| ||・必要だと思われる用具 ||+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | ||・どのような方法で行うの ||・前時に行ったしょうゆのしみ抜きのポイントを確認し,| | | | || か           || 方法の手掛かりをつかませる | | | | ||・なぜ,この方法を選んだ || | | | | || のか    || | | | | ||            || 指示2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+各班1つの | | |4 課題追求 ||A 班毎にしみ抜きを行う ||| いろいろな方法でしみ抜きにチャレンジしてみよう! |しみにつき| | |      ||・数種類の方法で試してみ||+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+2,3枚の| | |      ||る           ||・同じ種類の付けてすぐのしみと3日前に付けたしみ |布を用意す| | |       |+−−−−−−−−−−−−+| の取れ方の違いにも気をつけさせる         |る    | | |      |              |・実習結果を学習シートに記入するよう指示する    |3日前に付 | | | |              |・机間指導で進度状況を把握する            |けたしみの| | | |              |                    |布    | | |      |              |                          |タオル、霧| | | | | |吹き、歯ブ| | |      |              |                           |ラシ、洗剤| | |      |              |                          |液、ベンジ| | |      |             | |ン、水、綿| | | |              |                          |棒、バケツ| | | |              |               |雑布など | |開|5 課題解決 |結果をまとめ,発表する。 | 発問1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | |・正しいしみ抜きの方法を知る||しみに気づいたら,どうすれば良いのでしょうか? | | | | |・しみの種類によって取り方も|+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | 違ってくることを知る |・ついたらすぐに取ること | | |30| | |・しみの種類によって用剤や方法が違うこと | | | |    | |・必要な用具を日常用意しておくこと | | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | |6 まとめ |本時の学習を振り返って,自己| 指示2−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+自己評価 | |終| |評価カードに記入する。 ||しみを見つけたり,気づいたらこれからどうするか学習|カード | | | | ・数名が発表する ||シートに書こう | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |結| | | ・今後の衣生活についても書かせたい | | | | | | ・静かに片付けるように指示する | | | | |後片付けをする |                | | |10| | | | | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ (5)評価の観点  ・日常生活でつきやすいしみの種類と取り方がわかり,家庭生活で生かそうという意欲がわいたか。    ・しみの種類に応じた取り方を工夫できたか。  ・グループで協力して能率よくできたか。  ・しみ抜きの方法が解ったか。