印刷用紙:B4縦 1ページの行数:44 1行の文字数(半角で):106   −−以下 指導案本文−−   選択技術・家庭学習指導案           日 時 平成8年10月23日(水)           学 級 2年選択技術・家庭                                男子13名 女子7名 計20名          指導者 齋藤 秀一 1 単元       情報基礎 「プログラミング」について 2  単元について 教材観    学習指導要領における目標は、「コンピュータの操作等を通して、その役割と機能について理解させ、情報を適 切に活用する基礎的能力を養う。」となっている。情報活用能力の育成を字面どおりに受け入れれば、情報基礎の  目標はアプリケーションソフトの活用能力を習得することであるという偏った見方になりかねない。アプリケーシ   ョンのみのコンピュータ教育では、コンピュータに関する真の力がつかないし、たちまちゆきづまるであろう。   コンピュータは命令の手順を示したソフトウェア(=プログラム)がなければ、作動せず、ただの箱である。コ ンピュータの操作においては、データとプログラムが重要な概念となる。プログラムはデータを加工・選択する手  順を示している。データを制御する手順、すなわち情報処理構造の活用手段(プログラム)を習得することこそ、   「情報活用能力」の習得の真髄と考える。このことを達成するために、選択技術・家庭の単元を設定することにし   た。 アプリケーションソフトを用いて、情報の選択、整理、処理、表現などができるようにするためには、何のため にソフトを活用するかという目的が明確になることが必要である。そのため、プログラミングを通して、目的意識 を明確にさせて活用する意識付けや活用の手順を理解させたい。このことにより、子どもたちが受動的にコンピュ   ータを利用するのではなく、能動的にコンピュータを使用する姿勢も養われるものと考える。 生徒観 コンピュータはゲームをするためのものと考える生徒も見受けられるが、グラフィックス作成などは、興味・関 心が強く積極的に取り組む子どもたちが多い。しかし、入力の際に使用するローマ字が多少不安な生徒がいるので、 個別に指導する必要がある。 指導観    今回使用するLogo−Writer2というソフトについては、英語で入力を行うBASIC等と比較すると   、Logo言語(日本語)を使用しているのでプログラム学習初期段階の教材としては子供たちにとって取り組み   やすいものと考える。本題材(反復命令を使って正多角形を描こう)では、目的にあった作品を作り出させること   により、プログラミングの基本的な手順を習得させたい。 また、情報基礎領域の学習目標を達成するための一つとして、「簡単なプログラミングの作成」という内容があ るが、子どもたちは一般にマニュアルに沿ってコンピュータを作動させることには抵抗を感じないが、自分で内容 を工夫しながら作業を進めることには抵抗を感じるという傾向がある。 そこで、プログラムの作成を通して、「何をするのか(目的の設定)」「手順はどうするのか(方法)」という 点を明らかにし、目的としている処理の流れを考えやすいように個に配慮する事(本時の例、導入時に「複雑な模 様の提示」)により、自ら工夫して学習を進めるようにしたい。 3 単元目標 <関心・意欲・態度>      プログラムの作り方や利用のしかたを知ろうとする。   <創意・工夫>      課題に応じてプログラムをいかした応用がみられる。   <技   能>      簡単なプログラムの作成ができる。 <知識・理解>      プログラムの作成手順と方法がいえる。 4 指導構想と計画(別紙) 5  本時について  (1) 本時の目標 反復命令を使って正多角形を描くことができる。 (2) 展 開 ★評価の視点を示す +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ |段| 学習内容・学習活動 |自力解|個への配慮(評価の視点、方法、留意事項)|教具・資料| |階| |決の場|  |等 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ |導| 前時の学習内容の確認 |   | | | | | コンピュータ起動 |  |正常にLogo-Writer2が起動したかの確認 |Logo- | | | |   |ローマ字入力の仕方・亀の動かし方 |Writer2 | | | 複雑な模様の提示 |  | |実行ソフト| | | |   | | | | | プログラミング開始 |   |前時に学習した命令「みぎへ」と「まえへ」|学習プリン| | |・正方形を描く(反復命令を使わず)|   |「へ」と「え」、を間違わずに入力する。 |ト | | | |  | | | |入| 本時の学習内容の確認 |   |本時、新しく学習する命令「くりかえせ」 | | |8|・正方形を描く(反復命令を使う) |   |・プログラムを見せる→モニタ | | | | +−−−−−−+−−−+−−−−−−+ | | +−+−−−−−−−−−−+反復命令を使って正多角形を描こう +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | | +−−−−−−+−−−+−−−−−−+ | | | | プログラミングを行う | | | | | | ・正三角形を描く |  |反復命令の確認(くりかえせは”3”) | | | | | ○ |内角と外角の確認(角度の入力は120度)| | | | |  |・机間巡視及びモニタで描けないでいる生徒| | |展| |  |に支援する | | | | |  |★正三角形を描くことができたか。 | | | | ・多角形の外角の和を考える |  | |学習プリン| | | ・正五角形を描く | ○ |内角と外角の確認(角度の入力は72度) |ト | |開| |  |反復命令の確認(くりかえせは”5”) | | | | |  |・机間巡視及びモニタで描けないでいる生徒| | | | |  |に支援する | | | | |  |★正五角形を描くことができたか。 | | |35| ・いろいろな正多角形を描く | ○ |★正多角形を描くことができたか。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ |終| 次時の予告 |  | | | |結| |   | | | |7| システムの終了 |   |フロッピーディスクを抜いて電源を切断する| | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ (3) 評価の内容    ・プログラミングのポイントを理解して、図形(正方形・正三角形・正五角形)を描くことができたか。 指 導 構 想 表 +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |時|学 習 内 容| 学 習 活 動 |自力解決| 個 へ の 配 慮 | 評 価 内 容 | |限| | | | | | +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |1|プログラミング|コンピュータの起動やフロ|集 団|起動できない生徒への支援 |正常に起動するこ| | | (基 本) |ッピーディスクの正しい取| | |とができたか | | | |り扱いを行う。 | | | | | | |入力モードの設定(ローマ|集 団|設定できない生徒への支援 |正常に入力モード| | | |字) | | |を設定することが| | | | | | |できたか | | | |亀を動かす |個 人|正常に入力することができな|「まえへ」「うし| | | | | |い生徒への支援 |ろへ」「みぎへ」| | | | | | |「ひだりへ」「え| | | | | | |をもとへ」の動作| | | | | | |を正常に行うこと| | | |コンピュータの終了 | |終了できない生徒への支援 |ができたか正常に| | | | | | |終了することがで| | | | | | |きたか | +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |2| |反復命令を使う |個 人|反復命令を理解できない生徒|反復命令を使って| |本| | | |への支援 |正多角形を描くこ| |時| | | | |とができたか | +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |3| |プログラムを組み合わせる|個 人|プログラムを組み合わせるこ|複雑な模様を描く| | | | | |とができない生徒への支援 |ことができたか | | | |完成した作品をフロッピー| |フロッピーディスクに保存で|作品を保存するこ| | | |ディスクに保存する | |きない生徒への支援 |とができたか | +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |4|プログラミング|亀を特定の方向に向かせて|個 人|亀を特定の方向に向かせて山|亀を特定の方向に| | | (応 用) |山を描く | |を描くことができない生徒へ|向かせて山を描く| | |1.山を描く | | |の支援 |ことができたか | +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |5|2.車道を描く|指定したy座標に亀を移動|個 人|指定したy座標に亀を移動し|指定したy座標に| | | |して車道を描く | |て車道を描くことができない|亀を移動して車道| | | | | |生徒への支援 |を描くことができ| | | | | | |たか | +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |6|3.景色を描く|亀の形を指定した倍率に拡|個 人|亀の形を指定した倍率に拡大|指定した倍率に拡| | | |大して景色を描く | |して景色を描くことができな|大して景色を描く| | | | | |い生徒への支援 |ことができたか | | | |完成した作品をフロッピー| |フロッピーディスクに保存で|作品を保存するこ| | | |ディスクに保存する | |きない生徒への支援 |とができたか | +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |7|4.男の子と女|形のエディタに男の子と女|個 人|形のエディタに男の子と女の|形のエディタに登| | | の子を描く|の子を登録する | |子を登録することができない|録することができ| | | | | |生徒への支援 |たか | | | |完成した作品をフロッピー| |フロッピーディスクに保存で|作品を保存するこ| | | |ディスクに保存する | |きない生徒への支援 |とができたか | +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |8|5.車を走らせ|音を出力して車を走らせる|個 人|音を出力して車を走らせるこ|音を出力して車を| | | る | | |とができない生徒への支援 |走らせることがで| | | | | | |きたか | | | |完成した作品をフロッピー| |フロッピーディスクに保存で|作品を保存するこ| | | |ディスクに保存する | |きない生徒への支援 |とができたか | +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ 学 習 プ リ ン ト 1.正方形を描こう     −−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | +−−+ | | まえへ_100_みぎへ_90 | ← | | | +−−+ | | まえへ_100_みぎへ_90 | ← | | | +−−+ | | まえへ_100_みぎへ_90 | ← | | | +−−+ | | まえへ_100_みぎへ_90 | ← | | | +−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 2.本時の目標 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 3.反復命令のプログラム (例)正方形のプログラム えをもとへ +−−−+ +−−−−++−−+ くりかえせ_|4 _[まえへ_100_みぎへ_ 90 ] ← | +−−−+ +−−−−++−−+  (1)正三角形のプログラム えをもとへ +−−−+ +−−−−++−−+ くりかえせ_| _[まえへ_100_みぎへ_ ] ← | +−−−+ +−−−−++−−+ (2)正五角形のプログラム えをもとへ +−−−+ +−−−−++−−+ くりかえせ_| _[まえへ_100_みぎへ_ ] ← | +−−−+ +−−−−++−−+ (3)正 角形のプログラム −−−− えをもとへ +−−−+ +−−−−++−−+ くりかえせ_| _[まえへ_100_みぎへ_ ] ← | +−−−+ +−−−−++−−+ +−−−−−+−−−−−−+−−−−+−−−−−−+ 4.a→ b→ | |繰り返す回数|外角の和|1つの外角b| −−−−−−− −−−−−−−+−−−−−+−−−−−−+−−−−+−−−−−−+ |正三角形 | | 360 | | +−−−−−+−−−−−−+−−−−+−−−−−−+ | |正方形 | | 360 | | | +−−−−−+−−−−−−+−−−−+−−−−−−+ |b |正五角形 | | 360 | | +−−−−−−−+−− +−−−−−+−−−−−−+−−−−+−−−−−−+ |a a |b |正六角形 | | 360 | | | | +−−−−−+−−−−−−+−−−−+−−−−−−+ | | |正十角形 | | 360 | | | | +−−−−−+−−−−−−+−−−−+−−−−−−+ | | |正十二角形| | 360 | | | | +−−−−−+−−−−−−+−−−−+−−−−−−+ | | |正十八角形| | 360 | | | | +−−−−−+−−−−−−+−−−−+−−−−−−+ | | |正三十角形| | 360 | | | | +−−−−−+−−−−−−+−−−−+−−−−−−+ | | b |a a | −−+−−−−−−−+ b | |