印刷用紙:A4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):88   −−以下 指導案本文−−    保健体育科学習指導案                            3年A・B組                            平成8年11月20日(水)5校時                            指導者  鈴木 洋子 単元名   「 バレ−ボ−ル  」 1、単元と生徒  1 単元について     バレ−ボ−ルは1885年に、アメリカのウイリアム・G・モルガンによって創案され、    その後1913年に日本に伝えられたスポ−ツである。適度な運動量、いつでも、どこで    もできるという手軽さもあり、急激に普及していったといわれている。現在日本では、ポ    ピュラ−なスポ−ツとなり、競技人口も多くなっている。     学校教育においても、かなり古くから教材として取り扱われていたようであり、このこ    ともその普及に大きく関係していると考えられる。教材として取り扱う観点から、バレ−    ボ−ルの特性をとらえると、次のようなことが言える。●安全性が高い。●全身的運動で    ある。●集団としてのプレ−が中心になり、集団と個人との相互依存関係を深めることが    できる。●学習者の能力に応じて学習活動を与えることができる。●パスゲ−ムからの発    展段階がわかりやすい。●学校を離れても生涯にわたって行うことができる。などである。     このように、教材としては申し分のない特性を有しているが、中学校の段階での指導に    はかなり難しい面もある。小学校で取り扱われていないということと、今まで経験したこ    とのない、ボ−ルを突く・弾くという技術の習得が難しい、ということがその理由である。    この動きをいかに楽しく習得させ、ボ−ルを落とさずにつなぐ喜びを味わわせたい。また、    個々に適した課題を見つけ、それぞれに自分の力を伸ばすことによっても喜びを得させた    い。     バレ−ボ−ルの楽しさを味わわせ、今後も機会があれば進んでバレ−ボ−ルをしたいと    思う生徒を育成することを目標に指導したい。  2生徒について     生徒は、1・2年で既にバレ−ボ−ルの基本的技能を履修しており、パスゲ−ムやラリ    −を楽しめる段階に達している。しかし、スパイクを入れた3段攻撃はまだゲ−ムの中で    1・2回見られる程度であり、ブロックやフォロ−などの高度な技術・フォ−メ−ション    の履修なども今年度の課題として残っている。     3年A・B組の生徒は、穏やかで、協調性があり、運動能力は高くはないものの運動を    楽しもうとする姿勢にがある。そのため、個人種目より集団種目を好み、チ−ムのために    努力しようとする。学級の中には、場面寡黙の生徒、運動の苦手な生徒もいるが、互いに    助け合い、仲間と苦労しながら物事を達成する喜びを味わわせたい。  3 学習活動について     単元は15時間扱いとし、はじめにオリエンテ−ションを行い、この単元についての説    明、授業の進め方、グル−ピングをする。グル−ピングは@ 正規のボ−ル・ル−ルでゲ    −ムをしてゆきたいチ−ム、A ミニコ−トで、ル−ルを工夫しながらゲ−ムをしてゆき    たいチ−ム、B ミニコ−トで、ソフトバレ−ボ−ルによるゲ−ムをしてゆきたいチ−ム    に分ける。@〜Bのそれぞれの条件で、3段攻撃・フォ−メ−ションを考えたゲ−ムの組    み立て・ブロックやフォロ−など3年生として目標とする技術の習得を目的とした練習及    びゲ−ムを5〜6時間行う。後半は、9人制の正規のコ−ト・ル−ル、で習得した技術を    使ってゲ−ムを楽しむ。前半後半いずれも、1時間の授業は、目的別練習→ゲ−ム→ゲ−    ムを反省しての練習という流れで進めて行きたい。また、学習カ−ドや紙板書を効果的に    活用して行くことも、本単元の課題としたい。 2、主な学習内容と育てたいこと +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |時| 主 な 学 習 活 動 | |数| | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |1|| 自分にあった練習形態を選択し、単元の目標を立てる。 | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | ● バレ−ボ−ルの特性や行い方などについて学習する。(オリエンテ−ション) | |オ| ● 1、2年で学んだ技術について、復習する。 | |リ| ● 3つの練習形態を確認し、自己にあったものを選択する。 | | | ● 今後の活動を見通してチ−ムづくりを行う。 | | | ● 授業の約束などの確認を行う。 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | || サ−ブ・レシ−ブ・スパイク・ブロックなどの基本的技術を高めることができる|| | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| |2〜 ● 各チ−ム重点目標を設定し、目標達成のための練習を行う。 | | 7| @ パスゲ−ム | | | A サ−ブ | | | B サ−ブカット | | | C スパイク | | | D スパイクレシ−ブ | | | E ブロック | | | F フォ−メ−ション | |本| ●ゲ−ムの反省をし、課題克服のための練習を行う。 | |時|+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| |6|| 習得した技術を使い、自分達にあった試合形態で楽しくゲ−ムを行う。仲間と協|| |校||力しあい、チ−ムワ−クを高めてゆくことができる。 || |時|+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| |目| ● 試合内容を向上させるため、1回毎ゲ−ム目標を設定する。 | | | ● 学習カ−ドを使い、ゲ−ムを分析・反省する。 | | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | || 自分の特性を生かしたポジションで、9人制のバレ−ボ−ルのゲ−ムを楽しく行|| | ||うことができる。習得した技術を使ったゲ−ムができる。 || | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| |8〜 ● 9人制バレ−ボ−ルの特性を学ぶ。 | |14| ● チ−ムづくりと各自の得意技能を生かしたポジション・フォ−メ−ションづくり| | | ● リ−グ戦 | | | | |15| ●チ−ムとしての高まり、個人としての高まりを確認する。まとめ。 | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 育てたいこと | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | 目標・課題設定の力 | 真剣に取り組む意欲・態度 | かかわり合う力 | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ |◎ 練習形態選択の意義と、| |◎チ−ムづくりについて、| |単元の全体計画を理解できる| |望ましいあり方を考えて意| | | |見が言える。 | |◎ 自分の持っている力を知| | | |り、興味のある、やってみた| |◎仲間はずれのないチ−ム| |い形態を選ぼうとする。 | |づくりができる。 | | |◎種目の特性や、行い方につい| | |◎ 高まりたいという気持ち|て、進んで調べたり研究したり| | |を持ち、目標を設定できる。|できる。 | | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ |◎自分の得意な技術、苦手な|◎学習カ−ドを積極的に活用し|◎準備運動、用具の準備な| |技術を確認できる。 |、練習に生かそうとすることが|ど仲間と協力して行うこと| | |できる。 |ができる。 | |◎現在の自分のフォ−ムを分|◎他の人のフォ−ムや技術を積| | |析し、課題を知ることができ|極的に見て学ぶことができる。|◎自分より勝れている人か| |る。 | |ら学び、また自分が助言で| | | |きる人へ援助することがで| |◎練習メニュ−の中から、自|◎時間を有効に使うことができ|きる。 | |分たちの現状に見合ったもの|る。 | | |を選択することができる。 | | | | |◎教師の助言を聞き、時には望|◎練習の過程で仲間と互い| |◎試合内容を分析し、新たな|んでアドバイスを求めることが|の課題を確かめ合うことが| |課題を設定できる。 |できる。 |できる。 | | | | | |◎課題にあった練習方法を考|◎練習〜ゲ−ム〜反省〜課題設|◎仲間と、互いの成長を喜| |え、行うことができる。 |定〜練習というサイクルの中で|び合うことができる。 | | |自分たちの力を高めてゆくこと| | | |ができる |◎マナ−を守り楽しく活動| | | |できる。 | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ |◎自己の特性を理解し、また|◎9人制のル−ルについて積極|◎互いに励まし合い、助け| |他の人の特性を考えてポジシ|的に学びゲ−ムを行うことがで|合いながらプレ−できる。| |ョンが決められる。 |きる。 | | | | |◎結果だけでなく、頑張っ| |◎習得した技術を使いより高|◎積極的に学んだ技術を試合で|ていた仲間を讃えることが| |度なプレ−をめざすことがで|生かそうとすることができる。|できる。 | |きる。 | | | | |◎学習態度や、練習の成果・反| | |◎バレ−ボ−ルで学んだこと|省・感想をまとめることができ| | |をほかのスポ−ツに生かそう|る。 | | |とすることができる。 | | | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ 3、本時の指導  1 単元名 「バレ−ボ−ル」  2 目標  (ねらい)自分たちの課題を見つけ、それに向かって練習を行う。ゲ−ムの中で課             題の解決を確認し、 新たな課題を見つける。  3 授業の構想     前時の活動から、現在の自分たちの課題を見出し、それを解決するための練習方法を考え、    協力して練習をおこなう。簡単なゲ−ムの中でその練習が生きたか・課題は解決したか確認    し、新たな(または、同じ)課題を設定し再び解決するための練習に取り組む。  4 展開 +−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 生 徒 の 活 動 |時 間| 留 意 点(※評価) | +−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |●協力して準備を行う | |※準備が協力して行われているか | | | | | |●体育館を3周し集合してリ−ダ−| | | |の指示により体操・サ−キット・基| | | |本ドリルを行う。 | | | | | | | |●あいさつをする。 |1 0|※リ−ダ−の指示にしたがって準備運動など| | | |ができたか。 | |●本時の学習内容について指示を受| | | |け、チ−ムの課題を確認し、今日の| |※教師の指示を聞き、本時の練習計画を立て| |練習計画を立てる。 | |ることができたか。 | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | +−+ 現在のチ−ムの課題を見つけ、それを解決するための練習をしよう。 +−+ | | 練習の成果を試合で生かそう。 | | | +−−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | |●チ−ムでミ−ティングをしフォ−| |※ミ−ティングで、課題の共通理解ができた| | メ−ションを確認する。 | |か。 | | | | | |●練習方法を選択・工夫しそれぞれ|1 5|●学習カ−ドから今日の練習を考えさせる。| | チ−ム毎に練習を行う。 | |●教師のアドバイス・援助 | | | | | |●それぞれ工夫してミニゲ−ムを行| | | | う。 |1 0|※ゲ−ムに練習が生かされているか。 | | | | | |●ゲ−ムの反省を学習カ−ドにて行| |●教師からゲ−ムの評価を与える。 | | う。 | | | | | | | |●反省をふまえて再度練習をする。|1 0| | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |●集合し、本時の成果を確認する。| | | | | | | |●次時の活動内容を確認し、あいさ| |※かたづけを協力して行うことができたか。| |つをする。 | 5 | | | | | | |●後片付けをする。 | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+