印刷用紙:B4縦 1ページの行数:65 1行の文字数(半角で):128   −−以下 指導案本文−−                   選択保健体育科学習指導案 日 時:平成8年10月23日(水) 対 象:2年男子27名女子5名 計32名 場 所:本校体育館 指導者:加 美 山  保 夫 1 コース名    「うなれ剛球、でんぐり返し(ハンドボール、ユニホック、器械運動)」 2 題材名 球技ハンドボール 3 目標 (1)自分たちの技能に応じた攻め方、守り方を工夫して、進んで練習することができる。 (2)集団的技能や個人的技能を学び、互いに協力し合って、安全に楽しくゲームすることができる。 (3)練習のきまりやゲームのルールを守り、互いに協力し合う態度や行動を身につけることができる。 4 題材観   ハンドボールは、相対する2チーム(1チーム7人)が、走・跳・投を中心とした動きの中でボールを手で奪い合い、積極的にシュートし  て得点を競い合う集団スポーツである。手頃な大きさのボールを手で扱い、いろいろなパスや思い切ったシュートで攻めたり、マンツーマン  防御やゾーン防御などで守ったりして勝敗を争うところに楽しさがある。スピード感あふれるパスワークやダイナミックなシュート等は、他  の競技に見られない醍醐味を味うことができる。集団で作戦を立てて勝敗を競い合う過程や結果に楽しさや喜びを味わうことのできる運動領  域でもある。また、器械運動は、用具を使った技で構成されている運動で、各運動種目の技が円滑にできることをねらいとし、自己の努力や  工夫によって課題の達成に取り組むことのできる運動である。また、全身の機能を高めることのできる運動種目でもある。自己の能力に適し  た課題に挑み、その課題を達成した時の喜びは、非常に大きいものである。   ハンドボールは、1915年頃、トーアバル(門球)という名称で女子のゲームとしてドイツで始められ、後に男子の間でも行われるようにな  った競技である。その後、ドイツのカールシェレンツによって改正され、フットボールに対してハンドボールと改称された。日本へは、1922  年大谷武一によって紹介され、学校体育の新教材として採用された。その間、11人制から7人制に切り替えられ、プレーがいっそうスピード  アップされ、スリルにとんだダイナミックな集団スポーツとして親しまれるようになった。ルールが簡単で、だれもが参加しやすく、技能の  段階に応じてプレーすることができるので、全身運動として理想的な球技である。 《ハンドボールの特性》   @人間の基本的な動きである走・跳・投を基本にした運動である。 A人間の基本動作がもとなので、老若男女楽しく行える運動である。   Bスピーディーでダイナミックな動きのスポーツである。     Cボールは握って操作できる大きさ、重さである。 5 生徒の実態 運動を好み、自分から進んで本コースを選択した生徒がほとんどである。そのため、パス練習やシュート練習、ルールの説明などをしっか  りと聞く生徒が多い。ゲームの時間になると互いのチームの動きを指摘したり、声援したりする生徒が多く、楽しんで授業に参加している。  男子27人中6人は、シュートが鋭くゲームの中で中心になって得点を挙げている。チーム編成は、試しのゲームをもとに教師が行った。試し  のゲームを通しての生徒の特徴は、パスを多く使って前に進もうとする生徒が多いということである。また、相手のいない場所へ走り込み、  パスを受けてシュートへ持ち込める生徒も何人かいる。ただ、2、3人のみで攻撃を行ったり、ドリブルで持ち込もうとして失敗する生徒も  少なくはない。女子の中には、自分からゴールキーパーを引き受け、男子のシュートに対して尻込みしない生徒もいる。男女に関係なくパス  を出し、ゲームに全員で参加し楽しんでいる。また、進んで用具を準備したり、自分たちから進んで片付けたりする生徒も多い。 6 指導観   このコースは、選択教科としての保健体育において考えられる内容のうち、生徒の希望や興味・関心を多く示した球技ハンドボールを中心  に取り扱い、指導をすすめていくこととする。なお、グランドコンディションの良好でない場合には、体育館においてハンドボールの基礎的  な個人技能の練習を行ったり、器械運動やユニホックを通して一人ひとりの運動能力を高めたり、ゲームの楽しさを味わえるように指導して  いきたい。 ハンドボールの学習は、必修教科「球技」において4時間程度、基礎を指導したりゲームをさせたりして軽く触れてきたが、生徒にとって  は、まだ十分にハンドボールの特性や醍醐味を味わえていないと考える。したがって、選択教科を通してさらに深化・発展させていく必要が  あると考える。そこで、選択教科の指導の導入段階では、生徒が今、身につけている集団的技能や個人的技能を生かしてのゲームを中心に扱  い、次にこれらの技能の進歩の状況と関連させながら、味方同士が協力しあって攻防の作戦を立てて相手チームに対応したゲームができるよ  うに指導していきたい。   生徒は、これまで、ドッジボールやバスケットボール、バレーボール、サッカー等といった球技を学習し体験してきているが、ハンドボー  ルについての知識・技能は、ほとんどないものと考えられる。したがって、毎時間の学習内容の中にラーニングタイムを設け、教師が生徒に  基礎的な技能を教えながら指導を進めていきたいと考える。また、自分の習得したい技能を練習できるようにチーム毎に練習内容を選択し、  自分たちで集団の技能や個人の技能を高めていくことができるように指導を工夫していきたい。   そこで、毎時間の個人の技能や集団の技能を高めるための練習計画が分かるような学習カードを作成し、その活用を図っていきたいと考え  る。なお、審判については、主審、副審の動き方とともに、実際の場面に応じた判定やゲームの運営ができるようにゲームを通して指導して  いきたい。 7 指導計画(15時間) (1)ハンドボールについて +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− 時間     第1〜3時 | 第4〜8時(本時6/8) | 第9〜12時 | 第13〜15時 +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− | |◎オリエンテーション ◎ゲーム1とめあての確認 ◎ゲーム1とめあての確認 ◎まとめのゲーム | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+|+−−−−−−−−−−−−−−+|+−−−−−−−−−+ | |(ハンドボールの学習につい || 基本的なコンビネーションを使 ||| コンビネーションを発展させ、 || チームの特徴を生 | | | て) | ってのゲームを楽しむ。 || 自分のチームの作戦を立ててゲ || かして、ゲームを楽 | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+|| ||| | | |・グルーピング 《基本的な個人技能の練習》 | ームをして楽しむ。 || しむ。   | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−+|+−−−−−−−−−+ |学|(役割分担、準備運動) ・パスとキャッチ | ・めあての確認 | |・ルールの確認と工夫 (ショルダー、アンダーハンド、ラテ 《個人技能の習得》 ・リーグ戦 | |(オーバーステップ、オーバ | ラルパス) ・パス、キャッチ ・作戦と練習 |習| ータイム、ダブルドリブル、 ・ドリブル (プッシュ、チェスト、ジャンプパ ◎反省、記録 | | キック、プッシング、ホー (片手、ワンドリブル) | ス) ◎まとめ | | ルディング、ハッキング、 ・シュート ・シュート | |内| チャージング、ラインクロ (ステップシュート、ジャンプシュー (ポスト、倒れ込みシュート等) | | | ス、男女の得点ハンディ、 | ト) ・ペナルティースロー    | | | 全員タッチ等) ・ゴールキーピング 《集団技能の練習》  | |容|◎試しのゲーム 《個人技能から集団技能へ》 ・スリーメン速攻 | | |◎チーム編成 ・フェイント→シュート、パス ・ポストプレー | | |・めあて作り ・キーパーとプレーヤーの連携、速攻 ・ゾーンディフェンス | | | ・マンツーマンディフェンス ・フリースローからの攻防 | | | ・カットインプレー ・セットオフェンス(遅攻) | | | ・ゲーム2と次時の計画 ◎ゲーム2と次時の計画 | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− (2)ユニホック、器械運動について    グランドコンディションの良好でない場合に、体育館半面を使ってハンドボールの個人的技能の練習と合わせて指導する。器械運動につ   いては、特に回転系(跳び箱運動は、はねとび→前方倒立回転跳び。マット運動は、はねおき→前方倒立回転)を指導し、生徒一人ひとり   の全身の機能を高めていく機会として扱いたい。また、ユニホックについては、集団の一員としてゲームに参加し、協力して得点をあげる   ことの喜びを味わわせる機会として扱いたい。 8 本時の計画 (1)目標   ○積極的に練習に参加し、自分の技能や集団の技能を高めようとすることができる。   ○フェイントモーションで相手を抜いて、シュートすることができる。   ○協力して準備・片付けをしたり、審判を引き受けることができる。 (2)展開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−+ 過程     教師の働きかけ | 生 徒 の 活 動 時間| 指導上の留意点 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−+ | |1 用具の準備、あいさつをさせる。|1 用具の準備、あいさつをする。 1 ・事前にラインテープを引 | | | ・協力して安全に機敏に準備しよう。 ・ゴール運搬や用具、ボールの準備をする。| ・ゴールの安全やネットの | |と|2 今日のめあての確認をさせる。 |2 今日のめあてを確認する。 | | 確認する。       | | | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | |ら| | 自分のテクニックやチームの技能をさらに磨いて、さあ、うなれ剛球だ!| | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | |え|3 準備運動をさせる。 |3 班毎にストレッチ運動を行う。 3 ・上腕部、腕、アキレス腱 | |る|4 補助運動をさせる。 |4 全体でダッシュ、ストップ、サイドス 2 | を中心に行う。 | | | | テップを行う。 | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−+ | |5 ゲーム@をさせる。 |5 ゲーム@を行う。 12 ・対戦チームを決めてゲー | | | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | |た| | 今できる力で、ゲームをして楽しもう。(チーム毎にめあての確認) | | | ムを行わせる。(5分× | | | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | ・前の時間までの学習を生かしてゲ|・役割を決めて、審判や記録をする。 | | 2試合)待機チームには | |め| ームしよう。 | (待機チームは、反省と審判及び練習) | | 審判や練習を行わせる。 | | |6 ゲーム@の反省とゲームAのめあ|6 ゲーム@の反省を行い、ゲームAのめ 2 ・前時までに学習した速攻 | |す| ての確認をさせる。 | あてを決める。 | | やマンツーマンディフェ | | | | | | ンス等を生かしているか | | | | | | どうかを確認する。 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−+ | |7 ラーニングタイムで学ばせる。 |7 今日の技を学び、練習する。 5 ・生徒による教え合い、学 | | | ・今日は、フェイントからのシュー| | | び合いができるように次 | |ふ| トを学習しよう。 | | | のポイント(視点)を指導 | | | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | パスを受けて「ワンフェイント→ワンドリブル→シュート」してみよう。| | | する。@大きなシュート | |り| |(応用;「リターンパスモーション→ドリブルイン→シュート」) | | | 態勢から素早く反対の手 | | | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | | | にボールをA反対側に大 | |か| | | | きくステップB低い態勢 | | | | | | でワンドリブルシュート | |え|8 チーム毎に練習させる。 |8 チーム毎に、選択した練習を行う。 8 ・練習カードを各チームに | | | ・チーム毎の練習をしよう。 | 例)速攻、フェイントからのシュート | | 選択させ、練習させる。 | |る| | | | コート半面で4分練習。 | | |9 ゲームAを行わせる。 |9 めあてや役割を確認しゲームAを行う。 12 ・本時までの学習の成果を | | | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | 今できる力や今日、練習してできるようになった力を使って、ゲームをし| | | 生かして全員でゲームを | | | |て楽しもう。 | | | 楽しんでいるかどうかを | | | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | | | 確認する。(5分×2) | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−+ |ま|10 整理運動をさせる。 |10 整理運動をする。 1 | | |と|11 反省、評価させる。 |11 互いの動きを反省し、評価し合う。 3 ・学習カードに自己評価、 | |め|12 あいさつ、片付けをさせる。 |12 あいさつをし、速やかに安全に気を付 1 | 相互評価させる。 | |る| | けて用具等を片付ける。 | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−+ (3)評価 ○積極的に練習に参加し、自分の技能や集団の技能を高めようとしていたか。   ○フェイントモーションを意識して、練習できていたか。   ○協力して準備・片付けをしたり、審判を引き受けることができたか。