中学校3年 国語(古典を味わう「夏草」) 指導案 上田中学校 用紙は A4 縦  1行 80字(半角) 1ページ 49行に設定してください。            ・国・語・科・学・習・指・導・案                              指導者  及 川 政 己 1 日  時  平成元年7月7日(金)    第1校時 2 学  級  3年1組   男子23名 女子20名   南校舎1階       3 主  題  六 古典を味わう 「夏草」−『おくのほそ道』から− 4 主題について   中学校における古典指導の系統は、一年では「古典との出会い」(昔の文章に読み慣  れる)となっている。主として文語文に読み慣れ、現代文との違いに気づかせることが  中心である。二年では「古典に親しむ(古人の心に触れる)ことが加わり、三年の「古  典を味わう」(古典の心に触れる)につながっている。                 本教材「夏草」は、松尾芭蕉の紀行文「おくのほそ道」の冒頭の部分と平泉の部分と  で構成されている。いずれも作品中の出色の名文とされ、地の文は推敲に推敲を重ねて  練り上げられた引き締まった文体である。またそれぞれの俳句は、地の文の内容を凝縮  し、互いに響き合せることにより、文章全体を深みのあるものとしてる。前半部は、人  生は旅のような(常に変わっていく)ものである」という芭蕉の人生観が述べられ、古  人の姿に自分を重ねながら、旅へのあこがれを記している。後半部は、藤原三代の旧跡  に立ち、移りゆく時を思いながら人の世のはかなさに泪し、また幾多の風雪を経てもな  お燦然として残る光堂に驚く。特に後半部は前後の対照的に描き、平泉を訪れた芭蕉の  思いが一層引き立てられている。   生徒は、古典では特に音読に興味をもってきている。一部ではあるが暗唱するまで読  みこなしているものもいる。読みの基本は音読にあるので、今回もできるだけ暗唱でき  ることを 目標にし、音読を十分にさせていきたい。またこの二年間の古典学習では、  古の人々と現代の人々の共通する心に目を向けて読み取る学習を積んできている。今回  は中学最後の古典学 習でもあるので、古人の人生観についても深く探っていきたい。  そのために、芭蕉が旅の中で目にしたものとそれに対する感慨をとらえ、さらに地の文  と俳句との関わりをふまえながら、芭蕉の思想に迫っていきたい。 5 指導計画                           @ 全文を通読し、大まかな現代語訳をすることができる。………………………1時間  A 「1」を読み、部分暗唱をすることができる。…………………………………1時間  B 「1」を読み、芭蕉の人生観について、「人生は旅のような…………………1時間   (移り変わるもの)である」という内容でまとめることができる。          C 「2」の前半を読み、芭蕉が泪したわけを「人間のはかなさに………………1時間    強く心を打たれたから」という内容で説明することができる。      (本時)  D 「2」の後半を読み、「五月雨の…」の句中にこめられた芭蕉………………1時間    の思いをとらえ、芭蕉の人生観について自分なりの考えを書く   ことができる。                               6 本時の達成目標   ○ 芭蕉が泪したわけを、「栄華と滅亡の姿から人間のはかなさを強く感じたため」と   いう内容で説明することができる。