中学校2年 国語(文学の味わい「短歌の世界」)指導案 黄海中学校 用紙は A4 縦  1行 90字(半角) 1ページ 36行に設定してください。  ・国・語         ・国・語・科・学・習・指・導・案                             平成2年7月10日(火) 4校時                             第 2 学 年 B 組                             生徒数 男8名 女14名 (計22名)                             指導者  千  葉   優 1.題材名  文学の味わい  「短歌の世界」 2.題材について   1年の「空のうた」は、短歌を扱ってはいるが、短歌そのものの学習を第一    目的とした教材とは言えない。それに対して、2年の本単元の「短歌の世界」は、正しく短歌    そのものの、本格的な学習のねらいとしている。生徒の文学における観賞力は少しずつではあ    るがレベルアップしてきているといえよう。だが、それの多くは小説ないしは物語教材によっ    てなされているのが実情である。確かに小説(物語)は作者の心情および主題が読み手に十分    伝わるように描写や表現がされている。しかし、生徒の心情理解をさらに深めていくためには、    作者の心情を凝縮し、最も短い言葉で表現した詩歌にも目を向けさせることは、大変価値のあ    ることである。本単元はそうした生徒の文学観賞力の総体的な幅と深さが増すことをねらいと    して設定したものである。 3.生徒の実態   生徒は小学校そして中1年で短歌というものの、表面的な形態については見て    きている。しかし、その文学的価値や心情表現の特徴などについては、まったくはじめて学習    するといってよい。よって最初ある程度の抵抗感は予想される。音読を繰り返し、一つ一つの    語句についての意味をつかませていきながら、そこに込められている作者の心情を、その背景    などをもとにしながらつかませていきたい。心情理解にはかなりの個人差が見られるのが現状    である。しかし、作者の心情を凝縮した表現によって語っている短歌は、普段はほとんど書い                      35    てある事実しか見ることのできない下位の生徒にとっては、音読、語句の理解、感動の中心の    着眼、心情把握へと段階的にとらえていける絶好の機会であろう。心情理解の上位は女子が数    名、中位が女子が7名、男子が2名、下位は女子が1名と男子が数名である。普段は活発な生    徒であるが、本時のような内容展開になるとやや発言も少なくなるので、できるだけ生徒を活    動させたい。 4.指導計画   5時間扱い   @.1の前半を読み、作品例に即しながら、短歌とはどういうものかを理解させる。 1時間   A.1の後半を読み、短歌の観賞のしかたをつかませる。       1時間   B.2の短歌十首の作品を音読させる。               1時間   C.石川啄木の作品を味読させ、作者の心情をつかませる。      1時間(本時)   D.好きな短歌を選ばせ、作者の心情について発表する。       1時間 5.本時の指導   教材名  短歌作品   やはらかに  柳あおめる  北上の                   岸辺目に見ゆ  泣けとごとくに                            石川 啄木   最終到達目標 G:石川啄木の短歌から、その心情を読み取り、発表することができる。   下位行動目標     @.短歌から作者の心情を読み取り、発表することができる。     A.作者の心情のだいたいの輪郭をつかみ発表することができる。     B.作者の心情のあらわれている語句を指摘することができる。     C.短歌の成立した背景について説明を聞き、心情理解に結び付けることができる。     D.石川啄木の生涯について説明を聞き、心情理解に結び付けることができる。     E.短歌のおおまかな意味をノートにまとめることができる。     F.語句の意味がだいたいわかり、言うことができる。     G.意味のわかりにくい語句を指摘することができる。     H.短歌のおおまかな意味が言える。     I.短歌を自分の口に出して読みながら視写することができる。     ○.短歌を「読み方のポイント」にしたがって1人で正しく読むことができる。     ○.短歌をまわりのみんなと声を合わせて読むことができる。     ○.範読を聞き、読み方のポイントをつかみそれが何であるか言える。     ○.短歌のすぐれている点についていくつかあげることができる。    R○.短歌がいつごろできたものなのか説明できる。    R○.短歌とはどのような形式のものなのか説明できる。                      36   形成関係図   読みの流れ  13 12 11           書きの流れ        10        6           理解の流れ R16   14   9  8  7  3  2  1  G           関心の流れ R15           5  4 6.指導過程  段階  学習内容      学 習 活 動        留意点・配慮事項    評価