印刷用紙   :B4 縦 1ページの行数:46 1行の文字数 :79                            単元『生きる姿』教材「字のないはがき」の学習指導案     随筆文の読解力を高めるために,学習シ−トを用いた指導試案をもとに,単元     『生きる姿』教材「字のないはがき」の学習指導案を次のように作成した。   [資料−1] 学習指導案    1. 指導期日  平成4年9月21日(月)3校時    2. 指導学級  矢巾町立矢巾中学校2年5組(男子20名,女子16名,計36名)    3. 教科書   光村図書 2    4. 単元名   四 生きる姿    5. 教材名   「字のないはがき」     本教材「字のないはがき」は優れた随筆家,向田邦子が書いた作品である。筆    者の女学生時代の思い出がめりはりのある文章で生き生きと表現されている。こ    の教材は大きく二つの部分に分けられる。前半は「父からの手紙の思い出」であ    る。自分が初めて親元を離れた時,三日にあげずもらった手紙の中の父親は,い    つもとはまったく違う,威厳と愛情にあふれた非の打ちどころのない父親であっ    た。そして,手紙の中でしか優しさを見せることがなかった父の生き方を思って    いる。後半は「末の妹に持たせたはがき」であり,まだ字の書けない妹に父親は    元気な日はマルを書いて出すようにはがきを持たせたのである。その妹が病気に    になって疎開先から引き上げたとき,はだしで表へ飛び出し,妹のやせた肩を抱    いて男泣きに泣く父の姿に,筆者は,親の子を思う温かい気持ちを見ている。今    まで知ることのなかった父の優しさ,そんな父を知った喜び,表向きは家族に厳    しい父の深い愛情に気づいた筆者の感動と喜び,そして,今は亡き父への深い思    慕と敬意とを読み取ることができる。中学2年生という自己や社会に目覚めるこ    の時期に,一つの時代において自分と同じくらいの年齢の筆者が経験したことへ    の心の動き,それらを懐かしく回想する筆者のこまやかな心が表現されているこ    の教材を学ぶことは人間の機微に触れることになるとともに,見聞が広がり,心    が豊かになると考えられる。    6. 指導目標     教材の文章に即して,筆者の気持ちの変化を追い,父親への見方・考え方を読     み取らせる。                7. 指導計画(5時間)      第1時 随筆文作品筆者指導 新出漢字難語句確認 通読 初発の感想      第2時 ねらい 内容構成理解 前半部分その1 読解      第3時 前半部分その2 読解      第4時 後半部分その1 読解      第5時 後半部分その2 読解 まとめ指導 読後の感想    8. 本時の指導    (1) 本時の目標     「字のないはがき」の前半部分,女学生として初めて親元を離れた時,ふだん    の父親からは想像のできない手紙をもらい,父親への見方・考え方が変わる筆者    の気持ちを生徒の考え方とのかかわりをとおして読み取らせる。    (2) 指導の展開(第3時)     段階時間  指 導  内 容    学 習  活 動   留 意 点     導 5 1 本時の学習内容を確認○ 本時の学習内容を確認     入 分  させる。        する。         2 表書きを見て,筆者の○ 自分ならこんな時,ど○ 全員,学習          気持ちを読み取らせる。 んな気持ちになるかを書 シ−トに書か           ・ひどくびっくりする く。          かせ,何人か           ・こそばゆい                 発表させる。     展 40   ・晴れがましい         3 文面を見て,筆者の気○ 「非のうちどころのな○ ふだんの父          持ちを読み取らせる。  い」父親とは自分にとっ と手紙での父          ・威厳と愛情にあふれた ては,どんな父親かを書 を比較しなが          父。          く。          らすすめてい                                   く。         4 父の変わり様への筆者○ 筆者の考えに対して,          の気持ちの変化を読み取 自分はどう思うか書く。          らせる。                   ○ 筆者の本心           ・てれ性 他人行儀              をつかみ,ま           ・手紙の中だけで父親             とめにつなげ      開 分   を演じる。                  る。         5 父への筆者のものの見○ これまでの学習をふま          方・考え方の変化を理解 えて書く。          させる。     終 5 6 本時のまとめ。   ○ 学習の流れを想起して     末 分 7 次時の予告。     確認する。