印刷用紙:A4縦 1ページの行数:38 1行の文字数(半角で82) 「国語」学習指導案 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |1 指導期間 平成6年9月21日(水)〜10月7日(金) | | | |2 指導学級 北上市立北上北中学校 1年□組(男子22名,女子16名,合計38名)| | | |3 指導者  県立総合教育センター 藤原正義        | | | |4 教科書名 光村図書出版   国語1    | | | |5 単元名  『身の回りを見つめる』 | | 文章の構成をとらえ, 身の回りの暮らしを考える | | | |6 教材名  「自然の小さな診断役」 青木淳一 | | | |7 教材観 | | 近年, 私たちを取り巻く自然環境が悪化しつつあり, これを保護する立場から環| | 境問題を扱った新聞記事やニュースの報道等に接する機会が多くなった。中学生と| | いえども, 自然や環境問題について無関心でいることは許されない。 | | 本単元は, 「身の回りを見つめる」のテーマに示されているように, ふだん気づ| | かない問題を自分の身の回りに引き寄せ, 学習者である生徒自身が自分もそのこと| | にかかわりがあることとして考え直すこと, また, 科学的文章を通して自分のもの| | の見方や考え方を確かめることとして設定されている。 | | 本教材「自然の小さな診断役」は, 自然環境の実態を科学的に把握する方法を示| | した説明文である。 | | ダニの研究者である筆者は, 私たちの身の回りにいるダニの種類を調べることに| | よって自然の豊かさを診断できるのではないかという。 | | ダニと聞くと, 動物の血を吸うものとして, また不潔なものとして嫌われがちで| | ある。しかし, 筆者によるとダニのうちで動物の血を吸うものはわずかに10%にも| | 満たず, ほとんどは血を吸うことはなく, 人間に被害を及ぼすことはない。それど| | ころか, このダニを「指標生物」として用いることによって, 人間を取り巻く環境| | の実態を把握することができるという。また, ダニと人間が共存することが望まし| | い自然の姿だという。 | | この教材から, ダニという小さな生命が人間が生きていく環境にとって大きくか| | かわっていることに, 生徒は新しい発見と驚きをもつにちがいない。 | | ものごとを考えるに当たって, 中学生は, とかく情緒的・観念的なとらえかたを| | しがちであるが, この教材の学習を通して, 生徒は科学的なものの見方や考え方を| | 身につけることができるとともに, 知的興味や探究心をもつであろう。 | | | |8 生徒観 | | 生徒はこれまでに, 説明的文章教材として「ちょっと立ち止まって」と「心のメ| | ッセージ」を学習してきている。生徒の多くは, 文学的文章に比べて説明的文章に| | はやや苦手意識をもっていると思われる。このことは, 説明的文章の学習において| | 強く求められる論理的思考を苦手とすることによるものと考えられる。更に, 文学| | 的文章の学習に比べて説明的文章の学習は, ともすると教師による説明や解釈が中| | 心となりがちで, とかく生徒の活動が希薄になる傾向が見受けられることによると| | 考えられる。これは, 本校の生徒に限らず, 中学生の一般的傾向としてとらえるこ| | とができる。 | | | |9 指導観 | | 前年度研究において, 指導試案を作成するために本校1年生の1学級を対象とし| | て, 国語の学習に関する実態調査を実施した。その主な結果は, 次に示すとおりで| | ある。 | | ア 課題作文の記述状況からみて, 個人差がきわめて大きいこと。 | | イ 文章の長所指摘・短所指摘及び比較の意味類推・類別の意味類推による学習| | 方法に対する有用意識が高いこと。 | | ウ 文章の推考に当たり, 推考の対象とする文章を他人の文章に求めようとする| | 意識が強いこと。 | | エ 文章の推考活動が, すぐれた文章表現力を育成するうえで大切であるという| | 意識が強くみられたこと。 | | したがって, 指導に当たっては, これらの調査結果を十分に留意して指導過程| | に位置づける必要があること。 | | | |10 単元の指導目標 | | ア 各段落の要点を読み取り, 文章全体の構成を理解させる。 | | イ 筆者の, 科学者としてのものの見方や・考え方を理解させる。 | | ウ 筆者のものの見方や考え方をもとにして, 各自の感想や意見をもたせる。| | エ わかりやすく説明するために, 筆者が工夫しているところを学びとらせる| | | |11 単元の指導計画(8時間配当) | | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | |時 間| 学 習 内 容 || | |−−−|−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−|| | | |・文章表記等の一括指導 || | |第1時|・推考等を必要とする文章例を提示し, グループ学習及び一斉学習に|| | | | よる指導。 || | |−−−|−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |・本文を通読し, あらましを理解する。 || | |第2時|・新出漢字の読み, 難語句の意味を確認する。 || | | |・初発の感想発表をもとに, 学習課題をもつ。 || | | |・六つの部分に分けて, 作品構成を理解する。 || | |−−−|−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |・意味段落1の学習(1.2.3.4 の形式段落) || | | |・形式段落ごとの内容を理解するとともに, 意味段落1の内容を理解|| | |第3時| する。 || | | |・意味段落1に関する記述をする。 || | | |・筆者がわかりやすく説明するために工夫した表現を学び取る。 || | |−−−|−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |・意味段落2の学習(5.6.7.8 の形式段落) || | | |・形式段落ごとの内容を理解するとともに, 意味段落2の内容を理解|| | |第4時| する。 || | | |・意味段落2に関する記述をする。 || | | |・筆者がわかりやすく説明するために工夫した表現を学び取る。 || | |−−−|−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |・意味段落3の学習(9.10の形式段落) || | | |・形式段落ごとの内容を理解するとともに, 意味段落3の内容を理解|| | |第5時| する。 || | | |・意味段落3に関する記述をする。 || | | |・筆者がわかりやすく説明するために工夫した表現を学び取る。 || | |−−−|−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |・意味段落4の学習と5の学習(11.12と13.14の形式段落) || | |第6時|・形式段落ごとの内容を理解するとともに, 意味段落4と5の内容を|| | | | 理解する。 || | |本 時|・意味段落4と5に関する記述をする。 || | | |・筆者がわかりやすく説明するために工夫した表現を学び取る。 || | |−−−|−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |・意味段落5の学習(15の形式段落) || | |・形式段落ごとの内容を理解するとともに, 意味段落5の内容を理解|| | | | する。 || | |第7時|・意味段落5に関する記述をする。 || | | |・筆者がわかりやすく説明するために工夫した表現を学び取る。 || | | |・文章の要旨をもとに, 筆者の考えに対して, 各自の感想や意見書い|| | | | てまとめる。 || | |−−−|−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |・前時に書いてまとめた各自の感想や意見を発表する。 || | |第8時|・文章構成や表現等を確認するとともに, 筆者がわかりやすく説明す|| | | | るために工夫した表現を学び取る。 || | | |・言語事項等の確認とその定着を図る。 || | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |12 本時の指導目標 | | ア 文章に即して, 内容を正しく読み取らせる。 | | イ ササラダニを自然の健康診断に使うことの有効性を, 筆者はどのように述| | べているかを理解させる。 | | ウ 指標生物の意味を理解させるとともに, ダニが指標生物として持つ利便性| | を理解させる。 | | エ 身の回りから, ダニ以外に指標生物としてどのようなものが上げられるか| | を考えさせるとともに, 自然環境について考えさせる。 | | オ 分かりやすく説明するために, 筆者が工夫している表現を学び取らせる。| |13 指導展開案(第6時の導入及び展開) | |+−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−− +| ||段階| 指 導 内 容 | 主発問及び教師の活動 |生徒の反応及び留意点|| |+−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−− +|+ || |1 前時の学習内容|1 前時の学習内容を想起|・ ササラダニを研究|| || 導 | の想起と整理 | させ要点を整理させる。| の対象とする。 || || | | |・ダニは, 種類により|| || | | | すむ場所が違う。 || || | | |・5グループに分類。|| || 入 |2 本時学習範囲と|2 第4と第5段落の内容| || || | 学習内容の提示 | を読み取らせる。 | || || |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|  || ||5分||【板書】 ||・板書した学習課題を|| || ||アなぜ, ダニは自然の健康診断に役立つか。|| ノートに視写する。|| || ||イなぜ, ダニは指標生物として便利か。 || || || ||ウ指標生物として他に何が考えられるか。 || || || |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| || || |3 学習範囲の音読|3 指名読みと一斉読み |・指名読みと一斉読み|| || | | | || || 展 |4 自然の健康診断|4 5つのグループを使用|・類似表現の指摘など|| || | | | +------------+ || || |5 Kの意味段落中|5 「もしAなら, A′で|・|プリント学習 | || || | の第一文の構文 | 反対にBなら, B′」| +----------- + || || | | |・いつでも調査が可能|| || |6 指標生物 |6 その意味と利便性は?|・診断の確実性が増す|| || 開 | | →筆者の考え(環境)|・自然を荒らさず調査|| || | | | || || |7 他の指標生物 |7 ダニ以外に考えよう |・トンボ, 蛍, 魚など|| || | | | (環境と関係ある)|| || | | | || || |8 修辞法 |8 対句表現, 擬人法など|・文中から指摘, 用例|| ||40分| | | || || |9 表現上の工夫 |9 筆者が工夫していると|・グループに分ける || || | | 思われることは何か? |・数字を用いている || || | | |・「表現集め」シート|| || ま | | | 使用による推考活動|| || と |10 本時のまとめ |10 本時の学習内容の確認| || || め | | |・教科書, ノート類 || ||5分|11 次時の予告 |11 次時の学習の予告 |・ノートに書き取る || ++−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−++ +- −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−++