印刷用紙:B4縦 1ページの行数:70 1行の文字数(半角文字で):106 国 語 科 学 習 指 導 案 日 時:平成7年11月17日2校時 場 所:北上市立和賀東中学校1年B組教室 指導学級:1年B組(男子15名 女子16名) 指 導 者:中村 純子 1、単元名 「古典との出会い」 教材名 『蓬莱の玉の枝』 2、単元設定の理由 (1)教材について   中学校における古典学習の入門となる本単元は、『むかしむかし、うらしまは』と『故事から生まれた言葉』と本  教材の3つからなる。『むかし〜』と『蓬莱の〜』ともに、誰もが知っている御伽噺であることから、中学生にも親  しみやすい内容となっている。現代文によるあらすじが書かれた中に、口語訳と脚注を施した原文がはさまっている  という構成で、物語の全体像がとらえられるようになっている。生徒達にとって、初めて出会う昔の文章は、朗読し  た時の響きの心地よさ、歯切れのよさをもっている。音読を繰り返すことによって、文語文のリズムに慣れさせると  ともに、そういったよさを味わわせたい。古文独特の表現や仮名遣いに対する抵抗感をもつ生徒は多いと思われるが  、戸惑いをなくし、古典との楽しい出会いを設定しなくてはならないだろう。そのために、音読のさせ方を工夫し、  生徒達の心に古典の美しいリズムが入り込んでいくようにしたい。また、昔の人達が美しいかぐや姫に憧れて集まり  、またその別れを悲しんだという内容は、現代に通じる行動や心理であることに気づかせれば、生徒達と古典との距  離をぐんと短くすることがでよう。語り継がれ、読み継がれてきた、優れた文章から広がる世界を、生徒一人一人に  育てることができればと考える。 (2)生徒の実態   男子生徒の元気のよさが、クラスのムードを作っている。国語に対する意欲を問うアンケートによれば「どちらか  といえば嫌い」と答える生徒が男子に多く、その理由として「漢字を覚えるのが大変だ。難しい。」ということをあ  げている。授業で積極的に挙手発言しようとする生徒は固定化しているが、問いかけに対する散発的な答え方は活発  である。このことから、意欲はもっているものの、自分の考えや答えに自信をもてないでいる生徒が多いこと、及び  自信がないから嫌いという意識につながっているように考えられる。 目標が示されると、とても燃えて取り組むの  がこのクラスのよさである。国語における好きなジャンルの第2位に、音読があげられているが、1学期に詩や小説  の音読を熱心に頑張った。   本教材では、教材文の暗唱を競争させることにより、古典学習への意欲づけを図りたい。また「読めた」という達  成感をもとに、国語学習に対する自信をもたせ意欲につなげたい。さらに、楽しみながら繰り返し読むことを通して  、古文のもつリズムの美しさにふれさせ、古典に対する関心をもたせることができたらと考える。 3、単元の目標 (1)国語への関心・意欲・態度 古典に対する興味と関心をもち、進んで古典に親しもうとする。 (2)表現の能力 音読を通して古文の調子に慣れ、原文がすらすら読めるようになる。 (3)理解の能力 &物語のあらすじをつかむことができる。 &昔の人のものの見方や考え方を知り、現代と比較して考えることができる。 (4)言語についての知識・理解・技能 歴史的仮名遣いの読みや、古語の意味を理解することができる。 4、学習計画 (1)全文を通読し、あらすじをつかむ。・・・・・・・・・・・・ (2)歴史的仮名遣いや切り方に注意して古文を音読する。・・・・1時間 (3)古語の意味を現代語訳と比べながら理解する。・・・・・・・1時間 (4)場面や様子、登場人物の心情を読み取る。 &くらもちの皇子の策略とその失敗 ・・・・・・・・・・・・1時間 &かぐや姫との別れ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1時間 (5)暗唱大会にむけて計画を作り、練習をする。・・・・・・・・1時間 (6)暗唱を発表し、互いに審査をする。・・・・・・・・・・・・1時間(本時) 5、本時の目標 暗唱大会に積極的に取り組み、古典学習への意欲を高める。 6、本時の評価 【関心・意欲・態度】 自分が選んだ場面の暗唱に積極的に取り組み、他の人の暗唱発表も進んで聞くことができたか。 【表現の能力】 自分の表現したいことが伝わるように読むことができたか。 【理解の能力】 登場人物の性格や行動をつかみ、それについて自分なりの考えをもつことができたか。 【言語事項】 歴史的仮名遣いに注意して正しく読むことができたか。 7、展開 ┌──┬──────────────────┬──────────────┬─────────────┐ │ │ 学 習 活 動 │ 主 な 支 援 │ 評価の方法及び留意点 │ ├──┼──────────────────┼──────────────┼─────────────┤ │ │ │ │ │ │ 導 │ 1、原文を全員で朗読する。 │ │ │ │ │ 2、自分が選んだ場面の暗唱に向け │ プリントで間の取り方などを │ 前時記入した暗唱計画の │ │ │ て練習をする。 │ 確かめさせる。 │ プリントを使わせる。 │ │ 入 │ │ │ │ │ │ ┌────────┴──────────────┴───┐ │ │ │ │ │ ├──┼─────────┤ 場面の様子や、人物の気持ちが伝わるように暗唱しよう ├─────────┤ │ │ │ │ │ │ │ └────────┬──────────────┬───┘ │ │ │ │ │ │ │ 3、グループごとに暗唱大会の予選 │ 各自が記入したプリントを印 │ ┌─【関心・意欲・態度】─ │ │ をする。 │ 刷し他のメンバーにわたし、 │ │積極的に暗唱を発表し、 │ │ │ │ それを見ながら審査させる。 │ │他の発表も聞こうとしい│ │ │ │ │ │るか。(観察) │ │ │ │ │ └───────────┘ │ │ │ │ ┌───【表現】────┐ │ │ │ │ │仮名遣いや切り方に注意│ │ 展 │ │ │ │し古文を正しく読めてい│ │ │ │ │ │るか。(観察・自己評価 │ │ │ │ │ └───────────┘ │ │ │ │ 代表者を1〜2名選ばせ │ │ │ 4、暗唱大会をする。 │ 暗唱の前に、どの場面をどの │ る。 │ │ │ │ ように暗唱したいかを発表さ │ │ │ │ │ せる。 │ ┌─【関心・意欲・態度】─ │ │ │ │ │代表者の発表を聞き、よ│ │ 開 │ │ 登場人物や場面の様子を想像 │ │い点に学ぼうとしている│ │ │ │ しながら聞くようにさせる。 │ │か。(観察・自己評価) │ │ │ │ │ └───────────┘ │ │ │ │ │ │ │ 5、代表者の暗唱を聞いた感想を、 │ 代表者のよい点を自分の暗唱 │ │ │ │ 自分の暗唱の反省と合わせて 発表す │ に生かせるよう、プリントに │ 数名に指名し発表させる │ │ │ る。 │ 書き込みをさせる。 │ │ │ │ │ │ │ │ │ 6、登場人物の行動や性格について │ 原文、現代語訳を読み、まと │ 前の時間に書き始めたも │ │ │ まとめ、感想を書く。 │ めさせる。 │ のの続きを仕上げる。 │ │ │ │ │ │ │ │ 7、場面順に原文を暗唱する。 │ 自分の選んだ場面を大きな声 │ │ │ │ │ で暗唱させる。 │ │ ├──┼──────────────────┼──────────────┼─────────────┤ │ │ 8、自己評価をし、本時の学習をふ │ │ ┌─【関心・意欲・態度】─ │ 終 │ り返り、次時のめあてをもつ。 │ │ │本時の取り組みの評価が│ │ │ │ │ │でき、次時へのめあてが│ │ 末 │ │ │ │もてたか。(自己評価)│ │ │ │ │ └───────────┘