印刷用紙:B4縦 1ページの行数:55 1行の文字数(半角文字で):134 その1 (次の登録番号は 950059.JXW) 国 語 科 学 習 指 導 案                                                    指導者  及川 政己 1.日 時  平成7年 7月 7日(金)第2校時 2.学 級  3年1組  男子22名  女子16名   南校舎2階 3.主 題  三 わたしたちと言葉  教材名「なつかしいと恋しい」        4.主題について  本教材「なつかしいと恋しい」は日本語の微妙な違いのもつ意味について述べた説明文である。筆者は外国人留学生との会話をきっかけに、    「なつかしい」と「恋しい」の微妙な違いについて考察を加える。文章は前半と後半に分かれ、前半では言葉と体験との結び付きの重要性が示    され、たくさんの言葉を身につけている人は物事の細かな違いまでわかり、心の豊かな人であるという結論を述べている。後半は、「なつかし    い」と「恋しい」の違いを対比的な分析により明確に示すことで、前半部の結論の補強をしている。また、読者が自分でさらに調べることがで    きるようにするなど、学んだことを生かし発展的に学習していくことができるようになっている。身近な言葉から日本語の本質に迫る文章であ    り、述べ方も明確で平易であることから、文章の要旨をとらえ日本語について改めて見つめ直すのに適した教材である。               生徒たちは、根拠を明らかにして自分の考えを述べることが習慣化してきている。発言の際には級友の考えを参考にすることで、自分たちの    力で文章を深く読むことができることに気がついてきている。また、共通課題をつくり、課題の解決を意識していくことで、より意欲的に学習    に取り組む姿勢が窺われる。事前調査によると、何を課題にするかについてはほぼ全員が書いており、学級の半数以上が適切な部分に着目して    いる。また、文章の大切な部分への着目については、各意味段落の中心になる段落、結論の意味段落の選択のいずれも約半数が適切に答えてい    る。しかし、論の展開を意識しながら重要部分に着目し、それを関連づけて読んだりする力は不十分である。より確かな読み取りをするために    は、互いの考えから学び合う学習に取り組んでいかなければならない。   そこで本教材では、生徒の共に学ぼうとする意欲を高め、また文章を読む力を高めるために、課題づくりを最初に行う。事前調査での個人課    題を生かし、集計をもとに学級全体で検討して中心となる学習課題をつくっていく。ふるい分けられていった個人課題は学習の途中でできるだ    け扱うことを確認することで、学習計画や課題解決の方法の見通しを持たせて学習に臨ませる。内容精査の段階においては、段落相互の関係や    段落の中心文のとらえ方を対立的に取り上げて討論したり、対比的にまとめたりしていくことで、ともに学ぶよさを実感しながらより正確に読    み取ることができるようにしたい。最終段階においては、読み取ったことをもとにさらに自分の考えを深めるような作文にも取り組ませること    とする。              5.指導計画 (1) 事前調査。                                    ……………………………0.5時間   (2) 事前調査での個人課題をもとに共通課題を設定し、学習の計画を立てることができる。  ……………………………1時間     (3) 意味段落一を読み、結論部分を確かめ、意味段落一の共通課題を解決することができる。 ……………………………1時間(本時) (4) 意味段落二を読み、意味段落二の共通課題を解決することができる。          ……………………………1時間       (5) 各自の選択により、言葉の微妙な違いを分析し、自分の考えをまとめることができる。  ……………………………1時間     6.本時の達成目標 (1) 結論の部分を指摘し、筆者の主張が納得できるかどうかについて、自分の考えを説明することができる。 (2) 文章を根拠に意見を述べるとともに、級友の意見を参考にしながら最後まで学習に粘り強く取り組もうとしている。 7.本時の下位行動目標                                           (観点別評価項目)    a 筆者の結論が納得できるかどうか、論展開を根拠にして自分の考えを述べることができる。             (表・理)     b 具体例や論展開に着目して、意味段落一の結論部分が形式段落5.であると説明できる。               (理・言)       c 具体部分とまとめの部分の違いを意識して、形式段落5.の中心文が第一文であると説明できる。           (理・言)      d 具体例や段落内の論展開をもとに、形式段落4.の中心文が段落最後の文であると説明できる。            (理・言)     e 具体例とまとめの部分の違いに着目して、前半部分の中心文が最後の文であると説明できる。            (理・言)     f 具体例の部分と考察の部分の違いに着目して意味段落一を、1.〜3.、4.5.段落に分けることができる。        (理・言)     g はっきりした発音で、学習場面を音読できる。                                 (表・言)     h 本時の学習課題を確認し、段落の中心文を見つけながら筆者の考えが納得できるかどうかを考えていくと確認できる。 (関・理)     i 「言葉」「経験」などの重要語句を指摘し、段落分けや中心文に着目しながら学習を進めることが確認できる。    (関・言)     8.本時の評価の観点 (1) 中心文や結論を根拠をもって説明し、意見交換をしながら確認することができたか。 (2) 筆者の結論が納得できるかどうか、自分なりの考えを根拠をもって説明できたか。 (3) 文章を根拠に意見を述べるとともに、級友の意見を参考にしながら最後まで学習に粘り強く取り組もうとしていたか。 印刷用紙:B4縦 1ページの行数:85 1行の文字数(半角文字で):128 その2 (前の登録番号は 950058.JXW) 9.本時の展開   <個に配慮する視点> <A>達成度     <B>学習速度   <C>取り組み方                 <D>見方・考え方  <E>興味・関心  <F>生活経験           +−+−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ |段|過|時| |    個人差に対する配慮 | | | | | | 学  習  活  動 +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+資料・教具等| |階|程|間| |  評価の観点・方法 |   配慮事項 | | +−+−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ | |想| |1 学習場面を確認し、重要語| |※1<D>個人課題一覧表をもとに確認した| | | |起| | 句や学習方法が確認できる。| |  「言葉」「経験」などを確認する。また| | |導| | | | |  段落分けや中心文に着目しながら学習を| | | |課| |2 本時学習課題が確認できる| |  進めていくことを確認する。 | | | |題| |+−−−−−−−−−−−−+| | | | | |確| || なぜ、たくさんの言葉を|| |※2<C>生徒とともに作った共通課題を提|課題紙板書 | | |認| ||身につけている人は、細か|| |  示することで、学習の意欲を高めたい。| | |入| | ||い違いまでもわかり、心が|| |  また、本時の学習の方向性を明らかにす| | | | |3||豊かな人といえるのか。 || |  ることで、文章に対する集中力を高めた| | | | |分|+−−−−−−−−−−−−+| |  い。 | | +−+−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ | |音| |3 意味段落一が音読できる。| |※3<D>二つに分かれる部分と、段落の中| | | |読| | | |  心文に注意しながら読むよう指示する。| | | | | | | | | | | | | |4 意味段落一をさらに具体例| |※4<B>分かれ目の段落に線を引かせる。| | | | | | 部分と考察部分の違いに着目| |  机間指導により、特にPレベルの生徒に| | | | | | して、二つの部分に分けるこ| |  援助しながら、全体の傾向をつかんでお| | | | | | とができる。 | |  く。適宜理解度のチェックをしながら、| | | |課| | | |  対立の場合でも全員一致の場合でも、十| | | | | | | |  分に生徒の意見を導き出して確認する。| | | | | | | | | | |展| | |5 前半部分の中心文について| |※5<A>理解の徹底を図るため、できるだ| | | | | | 具体例とまとめの部分に着目| |  け多くの生徒に発表させる。前に出た意| | | | | | して説明できる。 | | 見を参考にさせながら説明させる。 | | | | | | | | | | | |題| |6 形式段落4.の中心文を、具|6−−−−−−−−−−−+|6<BD>段落中の文の数を確認してから中| | | | | | 体例や段落内の論展開をもと|| 中心文が段落最後の文||  心文に線を引かせる。机間指導をしなが| | | | | | に説明できる。      ||であると説明できたか。||  ら全体の傾向をつかんでおく。挙手で人| | | | | | |+−−−−−−−−−−−+|  数を確認し、文番順に一通り選んだ理由| | | | | | |挙手・指名発表      |  を述べさせ、その後討論とする。各文の| | | | | | | |  内容や役割等を根拠にして説明させる。| | | | | | |     | <D>具体例ではなく大きくまとめている| | | |追| | |  |  部分が大切であることを確認する。  | | | | | | | | | | | | | |7 形式段落5.の中心文につい| |※7<AD>中心文に線を引かせ挙手で人数| | | | | | て、具体部分とまとめ部分の| |  確認する。その後は討論とする。級友の| | | | | | 違いを意識して説明できる。| |  意見を参考にさせ生徒の力でまとめる。| | | | | | | | | | | |究| |8 意味段落一の結論部分を、|8−−−−−−−−−−−+|8<D>形式段落4.5.を対立させ、人数確認| | | | | | 具体例や論展開に着目して説|| 意味段落一の結論部分||  の後、討論させる。各段落の内容や例な| | | | | | 明できる。        ||が形式段落5.であると説||  どを根拠に、文章全体の中での役割を意| | |開| | | ||明できたか。     ||  識させる。             | | | | | | |+−−−−−−−−−−−+| <D>全体を大きくまとめている部分が大| | | | | | |挙手・指名発表      |  切であることを確認する。      | | | | | | | | | | | | | | |          | | | | | |33| |   | | | | |分| | | | | | |課| |9 結論部分の筆者の主張につ|9−−−−−−−−−−−+|9<D>結論部分の筆者の主張が納得できる| | | | | | いて納得できるかどうか、論|| 自分の考えを述べるこ||  かできないかまず挙手させ、その後その| | | |題| | 展開を根拠にして自分の考え||とができたか。    ||  理由を説明させる。どちらかに収束させ| | | | | | を述べることができる。  |+−−−−−−−−−−−+|  せる必要はない。一方に偏った場合でも| | | |解| | |挙手・指名発表      |  多くの生徒に理由を言わせる。できるだ| | | | | | | |  け形式段落4.の例や形式段落5.の第二文| | | |決| | |         |  の例をもとに説明させることで、説明的| | | | | | | |  文章の仕組みにも目を向けさせながら、| | | | |7| |          |  文章の内容を実感をもって読み取らせた| | | | |分| |  |  い。                | | +−+−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ | |ま| |10 意味段落二の役割が説明で| |※10<D>納得できる生徒には「意味段落二| | |と| | きる。 | |  の役割は何か」、納得できない生徒には| | |終|め| | | |  「意味段落二で何が述べられていれば納| | | | | | | |  得できるか」と問う。うまく言えない場| | | | | | | |  合は、学習して明らかにしようと話す。| | | |自| |11 「自己評価カード」で、学| | |自己評価カ | | |己| | 習への取り組みについて自己| | |ド | |末|評| | 評価することができる。 | | |道しるべ | | |価| | | | | 6〜13 | | |7|12 次時の学習内容が確認でき| | | 14〜22 | | | |分| る。 | | |課題紙板書 | +−+−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+