印刷用紙:B4縦 1ページの行数:65 1行の文字数(半角文字で):120 その1 (次の登録番号は 950064.JXW)                   国 語 科 学 習 指 導 案                                                   指導者 鈴木 美成  1 日 時  平成7年7月7日(金) 第1校時 2 学 級  1年5組  男子17名 女子19名  北校舎4階 3 主 題  四 命ということ  教材名「命ということ」 4 主題について   本教材「命ということ」は,「僕」の大きな変容体験をつづった小説である。ケルン(ドイツ)のギムナジウムに通って6年目に  なる日本人の「僕」は,ある日,担任の先生や級友と共にソーセージ作りを見学しに農場へと出かける。単なる興味本位で出かけた  「僕たち」ではあったが,豚の「死」の生々しさに衝撃を受ける。しかし,その死体に触れ,その温かさを実感するという体験を通  し,「僕」は命の尊さに気づかされる。また,ブリギッテ(マドンナB)に寄せるほのかな恋心も「僕」の変容に大きな影響を与え  ている。豚の死体の生々しさや異性に対する心情の表現などから,生徒は興味を持って学習に取り組めると考えられる。さらに,各  場面が一行空けによって明確に区切られ,それぞれの状況や「僕」の心情を具体的にイメージしながら読むことが可能であり,人物  像をとらえたり心情を考えたりするのに適した教材である。   事前調査によると,小説の学習に対して「おもしろさ」「プラスイメージ」を感じている生徒が多い(29名)ことがわかった。  また,「課題づくり・解決」についてプラスイメージでとらえている生徒は半数(18名)であり,「苦手だけれども本教材で『課  題づくり・解決』をがんばりたい」と思っている生徒と合わせると,約6割(21名)の生徒が「課題」について前向きに考えてい  ることが明らかになった。入学以来「課題づくり・解決」を中心に学習を進めてきたが,課題づくりの観点も焦点化されつつあり,  活発な話し合い活動もできるようになってきた。しかし,表面的な読み取りをもとにした考えや発言も見られ,よく読めばすぐに分  かることを課題としてあげている生徒も少なくない。また、文脈の把握や心情の読み取りに甘さが見られ、深く主題に迫れない傾向  もある。   そこで本教材では,これまでの課題づくりを通して学習した「課題づくりの観点」を確認し,そのうえで通読・状況設定の確認を  行い,個人課題・グループ課題をもとに共通課題を設定する。話し合いでは,常に根拠をもって自分の立場を明らかにしながら課題  設定を進めたい。また,共通課題にならなかった個人課題・グループ課題も学習計画の中に位置づけ,意欲的に学習が進められるよ  う配慮する。内容精査の段階では,細かい文章表現にも注目し常に文章を根拠にしながら考えを出し合っていくことで,課題解決に  迫っていきたい。また,最終段階においては,読み取った主題と自分の生活を関係づけ,「評論文」の形で作文に取り組ませ,学習  のまとめとしたい。 5 指導計画       1 事前調査。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−0.5時間  2 全文を通読し,新出漢字・難語句を確認することができる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1時間  3 三要素・最重要場面などを確認し,個人課題をつくることができる。 −−−−−−−−−−−−−−− 1時間  4 共通課題を設定し,学習の計画を立てることができる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1時間(本時)  5 第一・第二場面を読み,農場見学のいきさつとマドンナBに対する「僕」の思いが説明できる。 −−− 1時間  6 第三・第四場面を読み,豚の死体に触れる前と触れた後の「僕」の変化について説明できる。 −−−− 2時間  7 第五場面を読み,「僕」の心情について考え,共通課題を解決することができる。 −−−−−−−−− 1時間  8 読み取ったことをもとにして「命ということ」をテーマに作文をまとめることができる。 −−−−−− 1時間   6 本時の達成目標  1 中心人物・心情の変化・最重要場面・題名などに着目して共通課題を設定できる。  2 グループ内で協力して話し合い,グループ課題を文の形でまとめることができる。  3 最後まで粘り強く集中して学習に取り組もうとしている。                                               7 本時の下位行動目標                                    (観点別評価項目)  a 中心人物・心情の変化・題名などに着目して,次のような形で共通課題を設定できる。       (表・理)     「なぜ『眠れない夜,眠りたくない夜』なのか」                      「『僕』にとっての『命ということ』とは」   など            b 共通課題として採用されなかったものも共通課題を解決するうえで必要であることを確認しながら,   学習の計画を立てることができる。                               (関・理)  c 級友の考えを参考にしながら,自分の考えを述べることができる。                (関・表)  d 出されたグループ課題に対して,自分の立場を明確にして考えを述べることができる。       (表・理)  e 理由を明確にして,自分たちのグループ課題を説明することができる。              (表・理)  f 話し合いをもとにグループの意見をまとめ,グループ課題をまとめることができる。        (表・理)  g 課題づくりの観点をもとに,グループ内で互いの意見を述べたり聞き合ったりできる。       (表・言)  h 本時は,個人課題・グループ課題をもとに共通課題を設定していくということを確認できる。    (関・理) 8 本時の評価の観点  1 中心人物・心情の変化・最重要場面・題名などに着目して共通課題が設定できたか。  2 グループ内で協力して話し合い,グループ課題を文の形でまとめることができたか。  3 最後まで粘り強く集中して学習に取り組もうとしていたか。 印刷用紙:B4縦 1ページの行数:80 1行の文字数(半角文字で):120 その2 (前の登録番号は 950063.JXW) 9 本時の展開   <個に配慮する視点> <A>達成度    <B>学習速度   <C>取り組み方                         <D>見方・考え方 <E>興味・関心  <F>生活経験   +−+−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ |段|過|時| |   個  人  差  に  対  す  る  配  慮 | | | | | |  学  習  活  動 +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+資料・教材等| |階|程|間| |  評価の観点・方法 |   配   慮   事   項 | | +−+−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ | |課| |1 学習内容が確認できる。| |※1<D>「この文章で,これを解決す| | | | | |+−−−−−−−−−−−+| | れば学習した意味がある」というよう| | | | | || 個人課題をもとにして|| | な価値のある課題をつくるのだという| | | | | ||グループ課題をつくり,|| | ことを強調する。 | | |導|題| ||そこから共通課題を設定|| | | | | | | ||する。 || | | | | | | |+−−−−−−−−−−−+| | | | | | | | | | | | | |確| |2 話し合いの観点を確認で| |※2<D>「スカイハイツオーケストラ」や「おいの|個人課題プリ| | | | | きる。 | | り」での課題づくりを想起させ,前時|ント | | | | | | | の学習内容と考え合わせて課題をつく| | | | | | | | っていくことを確認する。 | | |入|認| | | |    出された個人課題やこれまでの| | | | | | | |   学習から, | | | | | | | |    ・中心人物・心情や行動の大き| | | | |10| | |    な変化・題名・最重要場面 | | | |分| | |   などに注目。 | | +−+−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ | |課| |3 グループ内で互いの案を|3−−−−−−−−−−+|3<C>リーダーが中心となって話し合|短冊 | | | | | 発表し合い,グループ課題|| 協力して話し合い,|| いを進め,全員の意見を出し合ってま|マジック | | | | | をまとめることができる。||文の形でまとめること|| とめることを強調する。      |クリップ | | | | | ||ができたか。    || <B>早く終わったグループは,自分| | | | | | |+−−−−−−−−−−+| たちの考えを根拠を明確にして説明で| | | |題| | |机間指導による観察   | きるようにさせる。        | | | | | | | | | | | | | | |  | | | | | | | |   | | | | | | | | | | | |展|追| | |  | | | | | | | |   | | | | | | | | | | | | | | | |  | | | | | | | | | | | | |究| |4 出された意見を整理する| |※4<D>討論しやすくするため,教師| | | | | | ことができる。 | | が二つに分類し,その分類についての| | | | | | | | 同意または反対の意志を明らかにさせ| | | | |15| | | る。 | | | |分| | | | | | |課| |5 理由を明確にして,自分| |※5<CD>他のグループの考えをしっ| | | | | | たちのグループ課題を説明| | かり聞き,自分たちの考えとの異同を| | | | | | することができる。 | | 明らかにするよう指示する。 | | | | | | | | | | | | | |6 討論によって,共通課題|6−−−−−−−−−−+|6<C>根拠を明確にしたうえでいずれ| | | |題| | を設定することができる。|| 他者の意見を参考に|| かの考えに賛同することによって,全| | | | | | ||しながら,理由を明確|| 員を学習に参加させるようにする。 | | | | | | ||に述べ合うことによっ|| <D>共通課題として採用されなかっ| | | | | | ||て,共通課題をつくる|| たものも,共通課題を解決するうえで| | |開| | | ||ことができたか。  || 必要であることを確認させる。   | | | |解| | |+−−−−−−−−−−+| | | | | | | |挙手・指名発表    | | | | | | | | | | | | | | | |  | | | | | | | |  | | | | |決| | |  | | | | | | | | | | | | | | | |  | | | | | |20| | | | | | |分| |      | | | +−+−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ | |ま| |7 課題解決のためには何に| |※7<D>「僕」の心情が表れていると| | | | | | 注目していけばいいかを確| | ころや,他の登場人物の様子などに着| | |終| | | 認できる。 | | 目させたい。 | | | |と| | | | | | | | | |8 音読することができる。| |※8<C>課題に最も関係の深い一場面| | | | | | | | を音読させ、次時からの課題解決の意| | |末|め| | | | 欲づけとする。 | | | | |5|9 次時の学習内容を確認す| | |道しるべ | | | |分| ることができる。 | | | 6〜11 +−+−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+