印刷用紙:A4縦 1ページの行数:45 1行の文字数(半角で):92   −−以下 指導案本文−−   第3学年国語科学習指導案  日 時  平成8年11月19日(火)2校時  学 級 3年C組(男子14名 女子18名 計32名)  場 所 3年C組 教室  指導者 教諭 岡本眞喜子 1 単元名 六 古典を味わう  夏草(「おくのほそ道」から) 2 単元について   中学校における古典の学習では、一年の「古典との出会い」(昔の文章に読み慣れる)で、音読  を繰り返して古文に読み慣れ、口語文との違いや言葉の伝統性に気づかせながら以後の古典学習へ  の意欲を育てることを目標とした。また、二年生の「古典に親しむ」(古人の心に触れる)で、音  読や朗読を中心に古文に読み慣れ、親しむとともに、古人の生き方や考え方を読みとることにより  、古文に対する興味・関心を高めることをねらった。そして、三年の「古典を味わう」(古典の文  章を読み味わい、作者の感じ方・考え方をとらえる)では、一・二年の古典学習を発展させ、さら  に古人の生活や心にふれ、自分自身のあり方や生き方に思いを巡らすことができるようにしたい。  そして、進んで古典に触れようとする意欲を育てたい。   本教材「夏草」は、松尾芭蕉の紀行文「おくのほそ道」の冒頭部分と、平泉の部分から構成され  ている。「おくのほそ道」は、46歳の芭蕉が門人曽良を伴って江戸を出発し、奥州・北陸をまわ  り、大垣に到着するまでの約150日間、2400キロにも及ぶ紀行文である。その価値は、江戸  文学の代表としてだけではなく、奈良時代以降の古典や中国古典をふまえて書かれ、古典文学を総  括するという意味も持っている。足かけ5年の歳月をかけて、推敲に推敲を重ねて完成された文章  は、引き締まった文体で、格調高い。また、散文と俳句が見事にとけあい深みをもったものとなっ  ている。冒頭部分では「月日は永遠にとどまることのない旅人であり、人生もまた旅人である」と  いう芭蕉の人生観と、旅へのあこがれ、旅に出ずにはいられなかった心境が述べられている。平泉  の部分では、藤原三代の栄華の跡や義経主従の戦いの跡を眺めることによって、自然の悠久さと人  間の営みのはかなさを肌で感じ取っている。さらに、光堂では滅びさるはずのものが、人間の営み  によって残っていることに驚く。2の部分は、前後が対照的に描かれて、平泉での芭蕉の思いが一  層引き立っている。読み進むに従って、生徒は求道者としての厳しい生き方に驚くとともに、芭蕉  の人間性に心惹かれていくものと思われる。音読・朗読を繰り返し俳文の美しさに気づかせるとと  もに、表現に即して読みとったり、調べたりすることによって芭蕉のものの見方、感じ方、生き方  を現代の我々と比較しながらとらえさせ、今後の自分のあり方と関わらせながら学習することを重  点としたい。   3 生徒の実態 明るく開放的で、感じたことや気づいたことをどんどん発表する生徒たちである。時には、思い  つきや的を射ない発言が飛び出すこともあるが、どの発言も共感的に受け止められて、和やかな雰  囲気の中で意欲的に学習を進める。 古典学習では、一・二年とも音読・朗読・暗唱を中心に学習を進めてきた。特に、音読を好み、  積極的に暗唱に取り組む者がいる。古典学習に対する期待の中で一番多いのは、音読や朗読である  。古典学習の基本は音読であるので、今回も可能な限り音声表現を取り入れていきたい。そうする  ことにより、リズムのよさや俳文の美しさに気づき暗唱への意欲も高まるものと思われる。また、  一・二年の学習を通じて、古人の考え方、現代に生きる自分との相違点や共通点を興味深いと感じ  ている者がいる。今回の事前調査の中でも、古人の様々な考え方に触れてみたいと希望する者がい  た。それらの生徒の感じ方を進んで取り上げ、人間としての生き方を考えさせたい。 4 単元の目標及び指導計画 指導目標及び指導計画 +−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+ | | | |            |時| | 教 材 | 指 導 内 容 | +−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ + | | | | 国語への関心・意欲・態度  |  表 現 の 能 力 |  理 解 の 能 力   |言語についての知識理解技能|間| +−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−+ |君待つと |・作品を繰り返し| |・1、2年の内容を想起し、古|・範読に従って、句切れに注|・歴史的仮名遣いが使われて|・歴史的仮名遣いを現代仮名| | |−−万葉・| 音読させる。 |   | 典の学習について興味を持つ| 意して正しく音読すること| いる語句を指摘し、現代仮| 遣いに直すことができる。| | |古今・新古| | |     | ができる。       | 名遣いに直すことができる| | | |今 | | |・範読を聞いて内容を理解しよ|・古文の特徴やリズムなどの| | | | | | | うとしたり、すすんで音読し| よさを指摘しながら、正し| | | | | | | たりしようとする。 | く読むことができる。 | | | | |・それぞれの和歌| |・積極的に取り組み、内容の理|・和歌の内容(情景・心情)|・作品の内容や、作品の特徴|・助詞の省略、係り結びを指| | | | の情景や心情を| | 解に努めようとする。 | を自分なりの言葉や方法で| を理解することができる。| 摘し、補ったりその働きを| | | | 読み味わわせる| |   | 表すことができる。    |             | おさえたりすることができ| | | |・印象に残る歌に| |・作者のものの見方、感じ方、|・自分が選んだ歌について、|・作者のものの見方や感じ方| る。 | | | | ついて鑑賞文を| | 表現の仕方について鑑賞文を| 鑑賞文を書くことができる| と、自分や現代のそれとを|・和歌特有の表現や、語彙に| | | | 書かせる。 | | 書こうとする。 |      | 比較することができる。 | ついての知識を得る。 | | | |・万葉・古今・新| |・繰り返し読んだり、歌の内容|・万葉・古今・新古今の和歌| | | | | 古今の特徴をと| | や表現を比較したりしながら| を繰り返し読み、それぞれ| | | | | らえさせる | | 、それぞれの和歌集の違いを| のリズムをつかむことがで| | | | | | | まとめようとする。 | きる | | | | | | |   |・三大和歌集の歌風の特徴を| | | | | | |    | 歌の中から指摘することが| | | | | | | | できる。 | |5| | |・それぞれの作品| |・歌の味わいを生かした朗読を|・歌の味わいを生かした朗読| | | | | をリズムや語調| | しようと工夫する。 | を工夫し表現の美しさを味| | | | | を生かして朗読| |    | わうことができる。 | | | | | させる。 | | | | | | | |・暗唱させる。 | |・教材の中から、また、自分で|・好きな歌を暗唱することが|                            | | | | | | 調べて好きな歌を暗唱しよう|できる。 | | | | | | | とする。 | | | | +−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ + |東下り |・作品を繰り返し| |・物語の展開に注意して、すす|・範読にしたがって、区切り|・歴史的仮名遣いが使われて|・歴史的仮名遣いを現代仮名| | |(「伊勢物| 音読させる。 | | んで音読しようとする。  | に気をつけながら正しく音| いる語句を指摘することが| 遣いに直すことができる。| | |語」から)| | |   | 読することができる。   | できる。それを現代仮名遣| | | | |・音読、視写、語| |・すすんで話の筋をとらえよう|          | いに直すことができる。 | | | | | 注などを手がか| | とする。    | |・音読を繰り返すことや、視|・歌の修辞法、二重否定の表| | | | りにして話の筋| |・さまざまなことを参考にしな|・口語訳ができる。 | 写、下段の語注を参考にし| 現など古文特有の表現や語| | | | をとらえ、口語| | がら、口語に訳そうとする。| | て話の筋をとらえ、口語に| 彙を知る。 | | | | に訳させる。 | |    | | 訳すことができる。 | | | |・当時の人々の生| |・当時の人々の生き方、考え方|・自分の考えを発表したり、|・旅についての考え方や、人| | | | | き方考え方をと| | をすすんでとらえ、自分たち| 友達の発表を聞いたりして| 々の生き方、感じ方を作品| | | | | らえ、現代と比| | と比較してみようとする。 |  、考えをまとめる。   | から読みとることができる| | | | | べる。 | | | | | | | +−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−+ 単元の指導目標及び指導計画 +−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+ | | | |            |時| | 教 材 | 指 導 内 容 | 指 導 目 標 +−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ + | | | | 国語への関心・意欲・態度  |  表 現 の 能 力 |  理 解 の 能 力   |言語についての知識理解技能|間| +−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−+ | |・自分にとっての|・作品への意欲・|・「思い出に残る旅」「行って|・旅についての自分の思いを| | | | | | 旅はどんなもの| 関心を高め、学| みたい所」などを発表し合い| まとめ、発表し合う。 | | | | | | か考えさせ作品| 習課題を設定す| 旅と自分との関わりを明らか| | | | | | | に対する関心を| る。 | にする。  | | | | | | | 高める。 | | | | | | | |     |・作者、作品の概| |・作者や作品について知ってい|・作者、作品、俳句などにつ|・作者と出典を確認し作品の| | | |夏草(「お| 略を知る。 | | ることを発表し合ったり、説| いて知っていることや、教| 概略がわかる。 | | | |くのほそ道| | | 明を聞いたりして、学習に対| 科書や資料集で調べたこと| | | | |」から) | | | する構えを持つ。 | を発表する。 | | | | | |・当時の旅につい| |・当時の旅の状況を想像し、疑|・当時の旅について、いろい|・社会状況、道路状況、芭蕉| | | | | て考え、学習課| | 問を持つ。 | ろ想像して、現代と比較し| の年齢、持病などをおして| | | |     | 題を設定する。| |     | ながら発表し、学習課題に| 旅に出たことを知り、学習| | | | | | |   | まとめることができる。 | 課題を設定することができ| | | | | | | | | る。 | | | | |・学習課題につい| |・進んで予想を書こうとする |・課題に対する予想を書き、|・課題に対して、予想を立て| | | | | て予測させる。| |   | 発表する。     | ることができる。    |             |1| |    | | |    | | | | | | | | |    | | | | | | +−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−+ | |・繰り返し音読さ|・現代語訳や脚注|・各自微音読し、読みの不確か|・仮名遣いや古文の言い回し|・歴史的仮名遣いの箇所を指|・歴史的仮名遣いを現代仮名| | | | せ、作品を読み| 、地図などを手| なところを明らかにする。 | になれて正しく音読するこ| 摘して現代仮名遣いに直し| 遣いに直すことができる。| | | | 慣れさせる | がかりにして、| 範読後、繰り返し練習して正| とができる。       | たり、古文の言い回しを理|・比喩表現、対句的表現、掛| | | | | 古文の言い回し| しく読もうとする。 | | 解したりする。 | 詞、縁語、語句の省略がわ| | | | | や語句を理解し|        | | | かる。 | | | | | 古文の文章に読|    |      |・作品の大意をつかむことが|・古語の意味が分かる。 | | | | | み慣れる。 | | | できる。 | | | | |・「1」を通読し| |・現代語訳や注釈を参考にして|        |             |             |1| | | 大意をつかませ| | 進んで大意をつかもうとする| | | | | | | る | | | | | | | | +−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−+ | |・芭蕉の旅に対す|・旅に寄せる芭蕉|・旅について、自分と比較しな|・旅についての芭蕉の思いを|・文章に従って、芭蕉の旅に| | | | | る思いを読みと| の思いを読みと| がら芭蕉の思いをとらえよう| とらえ、発表することがで| 対する思いや、いきさつ、| | | | | らせる。 | る。 | とする。 | きる。    | 旅支度、決意などを読みと| | | | |・地の文と俳句と| |・地の文と俳句との関わりを考|          | ることができる。 | | | | | の関わりを考え| | えようとする。   |        |・俳句の基本事項をおさえ、|・俳句の基本事項(季語、切| | | | ながら、俳句を| |    |        | 俳句を鑑賞することができ| れ字など)をおさえる。 |1| | | 味わい、芭蕉の| |    |       | る | |本| | | 思いを味わわせ| | | | | |時| | | る。 | | | | | | | | +−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−+ | |・グループ学習の| |・学習を通じて、さらに詳しく|・グループの学習課題を設定|              |             | | | | 課題を作らせる| | 知りたいことを明らかにする| することができる。 | | | | | | | |    | | | | | | | | |   | | | | | | |・「2」の部分を|・平泉における芭|・脚注を参考にして、進んで口|・「2」の部分を口語に訳し|・旧跡の地理関係、芭蕉が目| | | | | 口語訳させる。| 蕉の心情を読み| 語訳しようとする。 | 発表することができる。 | にしたものを読みとること| | | | |・芭蕉が平泉で目| とる。 |・芭蕉が目にしたもの、感じた|・地図や資料集なども利用し| ができる。 | | | | | にしたものをと| | ことを表現に即して読みとろ| て旧跡の地理関係を表すこ| | | | | | らえさせる | | うとする。 | とができる。 | | | | | | | |   |・芭蕉が目にしたものを「自| | | | | | | |   | 然の姿」と「人間の営み」| | | | | | | |   | に分けて書くことができる| | | | | |・表現に即して芭| |・進んで書いたり発表したりし|・「泪をおとしはべりぬ」こ|・表現に即して、芭蕉の思い|・「三代の栄耀一睡のうちに| | | | 蕉が感じたこと| | て課題を解決しようとする。| のときの芭蕉の心情を想像| を読みとることができる。| して」「国破れて山河あり| | | | を読みとらせる| | | して書いてみる。 | | 、城春にして草青みたり」| | | |    | | |・「2」の部分の前半と後半| | の意味や出展などがわかる| | | | | |    | の対照がわかる。 | | | | | | | |   |      |           |・数字を用いた表現 | | | |・地の文との関わ| |   |・俳句の鑑賞文を書く。   |・地の文で読みとった芭蕉の| | | | | りを考えながら| |    |        | 思いを考えながら、俳句を|             |2| | | 、俳句を鑑賞さ| |    |       | 鑑賞することができる。 | | | | | せる。 | |    | | | | | | +−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−+ | |・全文の朗読、暗|・古文のリズム、|・進んで暗唱しようとする。 |・古文のリズム、響きを味わ| | | | | | 唱をさせる。 | 響きを味わい、|     | いながら、朗読、暗唱をす| | | | | | | 暗唱する。 |           | る。 | | | | | |・芭蕉のものの見|・芭蕉の生き方を|・芭蕉のものの見方や考え方を|・芭蕉の考え方についてまと|             |             |1| | | 方、感じ方を読| 考え、自分の生| とらえて、自分の生き方を豊| め、それに対する自分の考| | | | | | みとらせ、自分| き方について考| かにしようとする。 | えや感想をまとめる。 | | | | | | の生き方と照ら| えをまとめる |    | | | | | | | し合わせて感想| | | | | | | |     | を持たせる。 | | | | | | | +−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−+ 5 研究主題との関連 研究主題に迫るために、これまで課題解決学習に取り組んできた。どの生徒も課題作りに関わり  、共通課題と個人課題を設定し、予測を立てさせた。次に、課題解決のための手だてや方法を選択  させながら、どの生徒も自分で考え、気づいたり発見したりできるような指導過程を多く取り入れ  た。 本単元では、「おくのほそ道」の概略をとらえながら、疑問点を自由に発表させ、芭蕉と旅に関  する課題を設定する。その課題を解決するために、何をどのように調べたらいいのか、方法や手順  を一緒に考え、課題解決を支援したい。また、図書室の参考文献リストやビデオ、補助プリントな  どを示して、「調べ学習」を進めさせ、それを発表することにより、表現力の育成を図っていきた  いと考えた。このような学習活動を充実させるために、次に挙げる視点から、生徒指導の機能を生  かしていきたい。 (1)自己決定の場を工夫し、自己の可能性の開発を支援する。   @ 学習課題の決定や解決の手だての選択に関わり、生徒の学習意欲を高める。 A 学習の見通しがもてるようにする。 B 発問に対して、十分な考える時間を保障して、主体的な思考や判断を引き出す。 C 自己評価を行い、次の学習への意欲を促す。 (2)個々の生徒に自己存在感を持たせる。 @ ノートやワークシートには、コメントを書いて返却する。 A 生徒が決めた学習課題や予想、解決の手だてなどをプリントで示し、認める。 B 机間指導をして、できるだけ多くの生徒に声をかけ、取り組みのよさを認める。 C 取り組みのよさや発言のよさを取り上げ、全ての生徒の活動が課題解決の過程に位置づけら    れているということが実感できるようにする。 (3)生徒相互、生徒と教師間に共感的人間関係を育成する。 @ ともに追究して解決する態度をとる。 A 生徒のどんな意見も共感的に受け止め、授業に生かすようにする。 B 机間指導をして、個々の生徒の立場に立った支援を行う。 C 小集団での話し合い活動を取り入れ、協力しながら学習できるように支援する。 6 本時の目標 (1)表現に着目し、芭蕉の旅に対する考え方や思いを読みとることができる。 (2)芭蕉の思いに触れ、ものの見方や考え方を広げることができる。 7 指導過程 +−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ |過| | |   個  へ  の  配  慮   | 資 料 | | +−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−+ |程| 学 習 内 容 |生 徒 の 活 動| 指導上の留意点  |  評価の観点 |教材教具| +−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−+ | |1本時の学習課題|本時の学習課題を確|・係の活動のよさを|・係は分かり易い|紙板書 | |導| の確認 |認する。 | すすんで認める雰| ように工夫して| | | | |・教科係の提示によ| 囲気を作る。 | 書いているか。| | |入| | り確認 |・個人課題について| |  | | | | | も触れ、意欲を高| | | |5| | | める。 | | | |分|+−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−+  | +−++ 芭蕉は「旅」をどのように考え、どのような思いを持っていたのだろうか。 +−−−−+ | |+−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−+  | | | | |   | | | | |2課題解決の見通|課題解決のための手|・前時の個人学習の|・進んでよさを見| | | | しを持つ。 |順と方法を確かめる| 取り組みからよさ| つけようとして| | | | |・音読⇒大意(ペア| を学ばせる。 | いるか。 | | | | |)⇒話し合い(グル| |・学習の手順と方| | | | |ープ)⇒全体 |   | 法がわかりすす| | | | | |   | んで取り組もう| | |展| |@芭蕉は旅に対して|  | としているか。| | | | | どんな考えを持っ|   |   | | | | | ていたのか。 | | | | | | |Aどんな旅なのか。|   |  | | | | |B思いの強さはどれ|   |  | | | | | ほどか。 |   | | | | |3「1」の音読 |「1」を音読する。|・学習課題を考えな|・正しく読んでい| | | |・イメージを広げ|・表現に着目して自| がら読み、傍線を| るか。 | | | | られそうな表現| 分なりのイメージ| 引く。 | |   | | | に傍線を引く。| を持つ。 |   | | | | |4大意の確認  |口語訳を読んで大意|・二人一組で古文と|・意欲的に取り組| | | | |の確認をする。 | 口語訳を読み合う| んでいるか。 | | | |5グループに分か|芭蕉の旅に寄せる思|・机間指導による支| |資料集 | |開| れて芭蕉の旅に|いについてグループ| 援       |        |    | | | よせる思いを読|で話し合いまとめる|・個人学習が生かさ|・意欲的に話し合| | | | みとる。 |・役割分担をする。| れるように進んで| いに参加してい| | | |         |(司会者、記録者、| 発表させる。   | たか。     | | | | | 発表者) |・どんな発表も受容|・イメージが広げ| | | | |         | 的に受け止めさせ| られたか。 | | | | | | る。      |・芭蕉の思いを読| | | | | | | みとることがで| | | |6音読する   |グループ毎に音読す| | きたか     | | | | |る。 |   | | | | |7グループで話し|発表する。 |@「月日は〜 | |プリント| | | 合ったことを発|・時間は旅人であり|「舟の上に〜  | | | | | 表する。 | 人間も旅人である|「住み替わる代  | | | | | |・あてもなくさまよ|A「古人も 〜予も | | | | | | い歩く旅である。|「片雲の風に   |  | | | | | 古人と同様の生き|「漂泊の思い   |  | | | | | 方をする旅である|「海浜にさすらへ | | | | | | 。困難を承知で死|「住めるかたは人に|   | | | | | をも覚悟の旅であ|  譲り   |   | | | | | る。 | | | | | | |・旅に出たい憧れ、|B「漂泊の思いやま| | | | | | 自分以外のどうし| ず | | | | | | ようもない力が働|「去年の秋〜春立て|  |プリント| | | | いて、いてもたっ| る霞の空に白河の|   | | | | | てもいられない。| 関越えん」 |   | | | | | 旅支度をしながら|「そぞろ神の   |   | | | | | も旅先に思いをは|「道祖神の   |  |    | | |        | せる。旅に死ぬ覚| | | | | |        | 悟を決めている。|         |        | | | | | |「松島の月まづ   |・芭蕉のものの見| | | |8芭蕉のものの見|・自分や現代の生活|・事前に自分の旅に| 方考え方を自分| | | | 方、考え方と現| との関わりで、芭| ついて記入してい| のそれと比べて| | | | 代のわれわれの| 蕉のものの見方や| たプリントに記入| 共通点や相違点| | | | 生活との関わり| 考え方について考| させる。・さらに| を考えようとし|   | | | を考える。 | え、感想を書き発| 詳しく知りたいこ| ているか。  | | | | | 表し合う。 | とも挙げさせる。|・感想を持ち表現| | | | | |・机間指導で励まし| できたか。  | | | | | | 、誉める。   |・新たな疑問を持| | |43| | |・参考図書、ビデオ| ち進んで解決し| | |分|   | | の紹介 | ようとしている| | | | | | | か。 | | +−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−+ |終|9次時の予告 |・次時は「平泉」の|・係の生徒から発表|・学習内容や学習| | |結| | 部分を学習し芭蕉| させる。 | の仕方がわかっ| | | | | の心情をとらえる|          | たか。 | | |2| | ことを確認する。| | | | |分|        |         |         |        |    | +−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−+ 8 評価の観点 (1) 意欲的に話し合っていたか。 (2) 表現に着目してイメージを広げることができたか。 (3) 芭蕉のものの見方や考え方に触れ、自分の感想を持つことができたか。 (指導目標及び指導計画は別ファイル) 夏草−−− 「おくのほそ道」から−− 個人学習課題 「おくのほそ道」の旅の様子について +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | ・芭蕉は旅に出てどんな人たちと出会ったのだろう。様々な人たちと出会って芭蕉は | | どう感じたのだろうか。(ゆみ子) | | ・この旅に出て、何を得ることができたのだろうか。また、なぜ曾良だけをつれて旅 | | に出たのだろうか。(真理子、敬、涼子) | | ・どんな景色に感動したのだろうか。(ゆかり) | | ・芭蕉はどんなことを思って旅していたのか。旅の途中でどんなものを見て、それを | | どう思ったのか。(宏介) | | ・旅先でどんな扱いを受けたのか。なぜ、何も持たずに旅したのか。曾良と分かれて | | もなお旅を続けた理由。(和美) | | ・辛いだけの長い旅なら、すぐに止めてしまいたくなるので楽しいことも多かったと | | 思う。どんなことだろう。(研治) | | ・どんな気持ちで旅を続けたのか。旅をしておもしろかったのか。(崇、貢) | | ・日本海の海岸沿いをずっと歩いているがなぜだろう。海を見たかったのだろうか。 | | (聖華) | | ・旅を止めようと思ったことはないのか。(雄二) | | ・自分が感じた松島と芭蕉が感じた松島とは違いがあるのだろうか。みちのくのどん | | なところが好きになったのか。(美雪) | | ・自然に触れて心を動かされた時があったのか。(貢、麻理) | | ・白河の関とはどんなところだったのか。(麻理) | | ・旅の先々で芭蕉はどのように思われていたのか。(結香) | | ・旅の途中で殺されそうになったことはないのか。(桂也) | | ・旅に出るとき、周りはどう思ったのか。行く先には何か意味があったのだろうか。 | | 途中で倒れて旅が中断されることはなかったのか。旅をやめようと思ったことはない | | のか。(龍大) | | ・芭蕉はどんな出会いを求めたのか。(宏美) | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+  平泉について +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | ・以前、平泉に行った時にたくさんの木が生い茂った道を歩いた。そのとき「すごく | | 自然が豊かな所だ。」と思った。芭蕉はどのような気持ちで平泉を歩いたのだろうか | | (志帆) | | ・芭蕉は平泉にきて是非見たい物があったのだろう。あの長い長い階段を上った後、 | | 金色堂や中尊寺を見た。三代の栄えていた当時の平泉をおもいうかべていたのだろう | | か。(英市) | | ・平泉とはそんなに良いところなのか。(優香) | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 芭蕉という人間について +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | ・芭蕉はどんな性格なのか。(ゆかり、太佑) | | ・芭蕉は運動神経はよかったのだろうか。結婚したのか。(ゆかり) | | ・芭蕉はどういう人生を送ったのか。(龍大) | | ・子供の頃の芭蕉はどんなだったのか。(勝人) | | ・芭蕉は死ぬときどんな気持ちだったのだろう。(篤)死ぬときの様子。(千春) | | ・芭蕉の生い立ち、経歴、晩年の暮らし方。(千夏、関) | | ・芭蕉という名前の由来。(涼子、太佑) | | ・芭蕉はなぜ俳人になったのか。(智美、千春) | | ・家族や幼年時代。芭蕉の病の具合(特に痔)芭蕉はどんなところに住み、どんな生 | | 活をしていたのか。(宏美) | | ・芭蕉はどんな物を食べていたのか。(基人) | | ・芭蕉の夢は、何だったのか。(千夏) | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 俳人芭蕉について +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | ・俳句はどのようにして確立していったのか。(龍大) | | ・他の俳人と芭蕉とでは、考え方や価値観に違いがあるのか。(美雪) | | ・いつ頃から自分の才能に気づいていたのか。(結香) | | ・芭蕉の作品にはどんなものがあるのか。芭蕉の生きた時代の背景。(美穂子) | | ・芭蕉の気持ちを顕著に表している俳句。その意味を理解し考える。もしかしたら芭 | | 蕉の変化がわかるかもしれない。芭蕉はどの作品で地位を確立したのか。(亜希子) | | ・病に苦しみながらも旅を続ける芭蕉にとって俳句とは何だったのだろう。(麻代) | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 芭蕉と旅について +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |・芭蕉の旅は観光旅行とは違うのか。(千春) | |・芭蕉にとって旅とは何だったのか。わたしの考える、楽しみを求める旅とは違うの| | か。(聖華) | |・旅と旅行との違い。(麻代) | |・芭蕉が訪れた場所に意味はあるのか。(麻理) | |・なぜ、旅に出て俳句を作ったのか。(優香) | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 「夏草」−−− 「おくのほそ道」から −−−−− +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 参考文献、ビデオリスト | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | ・奥の細道を読もう(さ・え・ら書房) | | ・おくのほそ道の世界(大日本図書) | | ・奥の細道(現代語訳 富士正晴)(学研) | | ・新訂 おくのほそ道(角川文庫) | | ・日本文学の古典五十選(岩波ジュニア新書)近世の文学 | | ・日本の古典文学 芭蕉・蕪村・一茶(さ・え・ら書房9 | | ・まんがで学習「奥の細道」を歩く(あかね書房) | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 辞典、事典類 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | ・広辞苑 | | ・大辞林 | | ・日本語大辞典 | | ・人物学習事典(学研) | | ・人物を調べる事典(リブリオ出版) | | ・ブリタニカ国際大百科事典 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | ビデオ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | ・芭蕉(アポロン) | | ・奥の細道の世界(学研) | | | 「夏草」学習プリント 一 組  氏名 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 芭蕉は旅についてどのような考えを持っていたのか。 | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | どのような旅なのか。 | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 思いの強さはどれほどか。 | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+