印刷用紙:B4縦 1ページの行数:50 1行の文字数(半角で):128   −−以下 指導案本文−−   国語科学習指導案 日 時 平成8年10月23日(水) 学 級 1年2組 男子18名 女子16名 計34名 指導者 菅原 玲子 1 単元 六、古典との出会い −蓬莱の玉の枝−「竹取物語」から 2 単元について 教材観  生徒は小学校で文語調に触れてはいるが、「古典」を学習したことがない。本単元は、初めて「古典」 を学習する一年生の入門として、古典とは何かを知り、古典の興味・関心を高めることがねらいとなって いる。「蓬莱の玉の枝」は昔話「かぐや姫」としてよく知られる「竹取物語」の原文を取り上げながら、 物語全体のあらすじがわかるように構成されている。古典特有の言いまわしや聞き慣れない語句に対する 抵抗感を可能な限りやわらげ、そこにある豊かな想像力や古人の生活の様子、ものの考え方に気付かせた い。そして物語に登場する人物の心情や情景を味わい、古典であっても現代に通じる面があることや違い も考えさせたい。また、簡潔でリズミカルな文体なので、音読によって読み親しませることにも適してい る。 生徒観  これまでに生徒は、「野原はうたう」で朗読について学んでいるが、音読を「好き」と答える生徒は4 名にとどまり「ふつう」12名「きらい」18名と好んで音読に取り組まない傾向がある。しかし、音読 を好きではなくても得意であると答えるせいとは多い。また、初発の感想から学習課題を作り、理解した ことを作文に書きまとめる学習においては、ほとんどの生徒が意欲的に取り組んだ。理解力も書く力もあ るが、それを発表したり説明することが苦手でわかっていても発言しない生徒が多く、学習に対して受け 身になることが予想される。特に自分がどう感じ、どう考えたかを述べることに消極的なので支援の工夫 が必要である。昔話について「好き」と答えた生徒は19名と多いので、その興味・関心を生かしたい。 指導観  指導にあたっては、難解さを印象づけやすい文法解説や解釈に傾注せず、生徒の興味・関心を生かしな がら、まず読み慣れることに重点を置きたい。解釈は大まかな内容のみに押さえながら、繰り返し読み親 しむことで古文特有の言いまわしやリズムに気づかせ、読めた成就感から今後の古典学習への意欲づけを 図りたい。また、授業の中で生徒が書いたものをたくさん取り上げてほめたり、生徒が感じたことや考え たことをたくさん発表し合うことが大切だという雰囲気を作り、発言することへの抵抗感を克服させたい。 3 単元の目標 ・古典に対する興味がわき、古典学習への意欲を持つことができる。(興味・関心) ・古文を朗読することができる。(表現) ・漢文独特のリズムで音読できる。(表現) ・古文の特徴に気づくことができる。(理解) ・古文に描かれている場面の情景や人物の心情を読み取ることができる。(理解) ・現代の文章と文語文との違いに気づくことができる。(言語事項) ・日常よく使われる故事成語の由来を押さえ、その意味と用法を理解することができる。(言語事項) 4 目標分析表 別紙 5 指導構想表 別紙 6 本時について 1 本時の目標 ・「竹取物語」の冒頭部分を古文の特徴に注意しながら読むことができる。 ・古語、歴史的仮名遣い、調子など古文の特徴に気づくことができる。 2 本時の展開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ |段| |自| 個への配慮(評価の視点や方法・留意事項) | | |階| 学 習 内 容 ・ 学 習 活 動 |力| | 教具・ | |時|  |解| ★は評価の視点を示す。 | 資料等| |間| |決| | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ | |1 「かぐやひめ」の絵本の冒頭部分を見ながら、|個|・いろいろな表現や書き方があってよいことを確認する。 |絵本等 | |導| 生徒が前時に想起して作文した昔話「かぐやひ| |・数名用意する。 | | | | め」の冒頭部分を読む。 | | | | |入| ・「むかし」「光る竹」「女の子(赤ちゃん)」| |★「むかし」「光る竹」「女の子(赤ちゃん)」などの言葉に| | | | が共通していることを確かめる。 | | 注目したか。 | | |5|2 本時の学習内容の確認。 | | |紙板書 | |分|+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | +−++「竹取物語」の冒頭部分を、古文の特徴に注意しながらすらすらと読めるようになろう。 ++−−−−+ | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |3 学習の見通しを持つ。 | | | | | |4 古文の特徴に気づく。 | | |紙板書 | | | ・自分で1回越えに出して読み、読めない部分に|個|・興味・関心の低い生徒や理解力の低い生徒を中心に机間指導|学習プリ| | | 線を引き「むかし」「光る竹」「女の子(| | をし、援助や励ましを行う。 |ント | |展| 赤ちゃん)」に当たるところや、その他の意味| |・低位、中位の生徒中心にどこがわからないのか確かめ、発表|発言支援| | | を予想して書き込む。 | | を促す。 |カード | | | ・班でそれぞれの学習の進み具合を確認する。 |班|・上位の生徒には、予想したことの理由を説明できるように支| | | | ・自分の考えを発表し合う。 |個| 援する。 | | | | ・確かめプリントを見て予想と違うところや気づ|個|★歴史的仮名遣いや古語に気づいているか。 |確かめ | |開| かなかったところを確かめる。 | | |プリント| | |5 原文を読む。 | |★範読を聞き、歴史的仮名遣いを確かめ古文のリズムに気づく| | | | ・範読を聞きながら、読めない語句に読みを書き|個| ことができたか。 | | | | 込んだり、区切れる部分を確かめる。 |一|★姿勢、口の開け方、声の大きさ、間の取り方にきをつけて読| | | | |斉| んでいるか。 | | | | ・音読練習をする。 |二| |紙板書 | | | |人| | | | | 一斉→二人組→一斉 |一|★古文の特徴に注意しながら読んでいるか。 | | | | |斉| | | |40| ・暗唱している生徒や古文の特徴にきをつけて読|個|・読みを苦手とする生徒を中心に励ましや援助を行う。上位の| | |分| んでいる生徒に指名する。 | | 生徒に発表や暗唱を勧める。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ |終|6 自己評価・感想 | |★大まかな内容をつかんでいるか。 |評価  | |結| | | 意欲的に取り組んだか。 |カード | |5|7 次時の予告 | | 友達の良さに気づいているか。 | | |分| ・暗唱テストを予告する。 | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ 3 評価の内容 ・昔話「かぐやひめ」に興味をもち、意欲的に取り組んでいたか。 ・意欲的に意味の予想を考え、書き込んでいたか。 ・歴史的仮名遣いや古文のリズムに気づくことができたか。 ・意欲的に音読練習に取り組んだか。 ・古文の特徴に注意しながら音読することができたか。 目 標 の 分 析 ・教科名 国 語 ・学 年 1 年 ・単元名 古典との出会い +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−+ | | | | |目 標 領 域| | | | | +−+−+−+−+ | 教 材 名 | 実 現 目 標 | 下 位 目 標 |時|関|表|理|言| | | | |間|心| | | | | | | | |意|現|解|語| | | | | |欲| | | | | | | | |態| | | | | | | | |度| | | | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ | |古典を学ぶ意義をとらえ、|@昔話を思い出すことができる。 | |◎| | | | |むかしむかし、|古典を尊重し、自ら伝えて+−−−−−−−−−−−−−−−−−+1+−+−+−+−+ |うらしまは |いこうとする姿勢を身につ|A全文を音読できる。 | | |◎| | | | |ける。 +−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ | | |B古典が変化したことに気付く。 | | | |◎|○| | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−+−+−+−+ | | |C古典学習の意義が理解できる。 |1| | |◎| | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−+−+−+−+ | | |D古典学習への意欲がわく。 | |◎| | | | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ |蓬莱の玉の枝 |現代の文章と古典の文章と|@かぐや姫の概要をつかめる。 |1|◎| |○| | | |の違いに気付き、文語文の+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ | |特徴を生かした朗読ができ|A原文を音読できる。 | | |◎| | | | |る。 +−−−−−−−−−−−−−−−−−+1+−+−+−+−+ | | |B古文の特徴に気づくことができる。| | | |◎|○| | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ | | |C古典を暗唱することができる。 |1| |◎| | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ | | |D原文から情景や心情を読み取る。 |1| | |◎| | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ | | |E古典から現代に通ずるものを学ぶ。|1|○| |◎| | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ |故事から生まれ|故事成語についての理解を|@身近な故事成語を指摘できる。 | |◎| | | | |た言葉 |深め、中国古典への関心を+−−−−−−−−−−−−−−−−−+1+−+−+−+−+ | |高める。 |A推敲の意味と、故事がわかる。 | | | |◎| | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ | | |B矛盾の意味と、故事がわかる。 | | | |◎| | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−+1+−+−+−+−+ | | |C漢文独特のリズムで音読できる。 | | |◎| | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ | | |D多くの故事成語を調べ発表する。 |1|◎|○|○|○| +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−+−+−+−+ <指導の構想と計画> +−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | | |自| | | |時限 学 習 内 容 | 学 習 活 動 |力| 個 へ の 配 慮 | 評 価 内 容 | | | | |解| | | | | | |決| | | +−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |1|・「竹取物語」につい|・昔話としての「かぐや姫」を|個|・一人一人の発表を大|・あらすじをつかんで| | | ての導入 | 思い出し発表する。 |人| 切にする。 | いるか。 | | |・「蓬莱の玉の枝」の|・「蓬莱の玉の枝」の全文を読|個|・読めない漢字を全員| | | | 全文を読み、概略を| む。 |人| が読めるようにし、| | | | つかむ。 |・「蓬莱の玉の枝」の概略をつ|集| 内容の理解を支援す|・正しく内容をつかん| | | | かむ。 |団| る。 | でいるか。 | +−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |2|・原文を読み、古文の|・今まで習った現代文と比べな|個|・それぞれの発見を大|・古文の特徴に気づく| | | 特徴に気づく。 | がら違いを指摘する。 |人| 事に取り扱う。 | ことができたか。 | | | | ・左側の小さい文字の意味 |集| | | | | | ・区切るところ、助詞の省略|団| | | | | | ・聞いたことのない言葉など| | | | | |・原文を繰り返し読ん|・仮名遣い、区切るところに注|個|・机間指導をしながら|・リズムを大切にしな| | | で、古文の特徴にな| 意してすらすら読めるように|人| 正しく読めるように| がら正しく読んでい| | | れ、音読する。 | する。 | | 支援する。 | るか。 | +−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |3|・冒頭の原文部分を暗|・古文のリズムを大切にしなが|個|・全員発表できるよう|・全員が意欲的に取り| | | 唱する。 | ら全員で暗記し、発表する。|人| に支援する。 |組んでいるか。 | | | | |集| |・正しく暗唱している| | | | |団| | か。 | +−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |4|・原文から情景や心情|・冒頭の部分から、場面や情景|集|・必要に応じて口語訳|・積極的に考えて、発| | | を読み取る。 | 登場人物の心情を読み取る。|団| を参考にさせるが、| 表しようとしている| | | | | | 個人の解釈を大切に| か。 | | | | | | する。 | | +−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |5|・古典から現代に通じ|・古典の中に生きている人間の|集|・本文に基づき、補足|・本文の中から該当部| | | るものを学ぶ。 | 現代にも通じる姿について考|団| 説明を加えながら考| 分を指摘できたか。| | | | えさせる。 | | えさせる。 |・自分の考えを持つこ| | | | | | | とができたか。 | +−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+