印刷用紙:B4縦 1ページの行数:74 1行の文字数(半角で):130   −−以下 指導案本文−−             第 3 学 年 国 語 科 学 習 指 導 案                             日 時 平成8年10月8日(火)第2校時                             学 級 3年A組 男子21名女子14名計35名                             授業会場 3年A組教室(校舎3階)                             授業者  筒井久美    1 単元名  五 現代社会を考える (教材 金星大気の教えるもの) 2 単元について    本単元は「犬に名前のない社会」と「金星大気の教えるもの」の2教材で構成されている。前者は文化比較の問題を取り上げ、   文化には優劣の差はなく「違い」があるだけであり、その「違い」が実は自分の文化を発見することになるのだと論じている。ま   た「金星大気の教えるもの」は人類の環境としての地球は一つという立場から、金星の環境を地球への警告と受け止め、世界の国   々が今こそ知恵を出し合って地球環境を守ることが地球に住む人間すべての課題であると論じている。このような「世界の中の日   本」「地球人としての私たち」といった視点からの情報は現代社会においてとても多くなっている。そのような中で、真の情報は   どれなのかを判断する力をつけることは大切なことだと思われる。よって本単元を通して、情報時代における情報への接し方を身   につけさせたいと考える。    中学3年ともなれば、社会の動きに関心が向いてくる。それまでの家庭中心、学校中心の生活から、外の世界にも目を向けるよ   うになってくる、このような時期に、自分たちの生きる社会を大きな視点で見つめ、考えていく姿勢や力はぜひとも身につけてほ   しいものである。そのことからも、今の時期に日本文化との比較を論じた論評と、確かなデータに基づいて地球環境の問題をグロ   ーバルに論じた論説文を学習することは意味のあることである。    生徒達は、説明的文章の学習を苦手とする傾向が強く、本学級の8割近くの生徒もそのように答えている。特に要点まとめが難   しいと感じている場合が多く、その原因としては@長文読解に抵抗があるA語句の意味が分からない、という2点が考えられる。   したがって本単元においては、あらかじめ難語句の意味をするとともに、なるべく多く本文の読みを取り入れながら進めたい。ま   た、要点まとめにのみ時間を費やすのではなく、論の展開には筆者の意図があり、それを参考に文章を書けば説得力のある文章に   なるのだということをねらいとして行きたいと考える。本単元は、複教材を読んでいく学習としても、文章の筋道や論の展開をと   らえるといった論理的文章読解の技能的な面でも総まとめの単元である。よって、視野の広がり、物の見方・考え方の深まりを期   待するとともに、確かな説明的文章読解の力をつけさせたいと考える。 3 指導目標    (1)国際社会に生きる者として、異文化交流や地球規模での環境問題に関心をもって考えようとすることができる。                                                 (意欲・関心・態度)      (2)自然と人間のかかわりについて、事実に基づいて自分の考えを述べたり書いたりすることができる。(表現)    (3)情景や心情を想像したり、根拠となる事柄をもとに筆者の考えを理解できる。         (理解)    (4)文章の展開のしかたや文章のまとまりかたなどを考えることができる。 (言語) 4 指導計画  (15時間扱い)    ・犬に名前のない社会 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 6時間 ・金星大気の教えるもの −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 6時間      @全文を通読し、初発の感想を書く。              (1)      A意味段落1についての内容を押さえる。            (1)      B意味段落2についての内容を押さえる。            (1)      C意味段落3についての内容を押さえる。            (1)      D意味段落4についての内容を押さえる。            (1)    E4つの意味段落の関係を考える。               (1) 本時(12/15) ・表現に学ぶ(説得力のある文章の書き方) −−−−−− 2時間 ・漢字の学習4 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1時間   5 本時について(12/15時間)    (1)主題 意味段落相互の役割をとらえ、筆者の文章展開のくふうについて考える。    (2)目標      @筆者の主張が最終意味段落にあることに気づき、他の意味段落にもそれぞれ役割があることを理解する。      A自分の考えを持ち、挙手によって発言しようとすることができる。    (3)指導の構想      前時までは意味段落ごとに内容を読み取る学習をしてきたが、本時は文章全体を見渡してその論理的な展開の工夫について 知り、次時からの、「説得力のある文章の書き方」につなげたい。筆者が一番訴えたかった「結論」は最終意味段落にあるこ     とを押さえ、筆者の興味を引くような具体例からはじまり、金星と地球を比較しながら論を進めていることをしっかりと把握 させることをねらいとしたい。本校の研究テーマにかかわって意図する場面は次のとおりである。まず導入の課題作りでは、     筆者の主張が書いてある意味段落四が大切なようだととらえさせ、他の三つは一体何が書いてあるのかという知的好奇心を喚     起させたいたいと考える。また、考えをまとめるさいに小グループの話し合いを持ち、後の発表の際に少しでも自信を持って     挙手発言できるようにさせたいと考える。    (4)評価の観点       @筆者の主張が最終意味段落にあることに気づき、他の意味段落にもそれぞれ役割があることを理解することができたか。      A自分の考えを持ち、挙手によって発言しようとすることができたか。 (5)展開案 +−+−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ |段階 学 習 内 容 |時間| 学 習  活 動 (○は発問) | 留 意 事 項 |準 備 物 +−+−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | |1 前時までの想起 | |1 前時までの4つの意味段落の要旨を振| 1 全員の生徒が挙手できるような確認発問を|・教科書 |導| | | り返る。 | 投げかけ、すべての生徒に挙手させたい。 |・プリント| | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|・前時までの | | | | | |挙手によって答えようとしているか。 ||紙板書| | | | | | | 《挙手》 || | | | | | ○4つのうち大切なのはどの意味段落だ| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | と思うか。 |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |入|2 課題の確認 | |2 本時の課題を把握する。 |2 おそらく生徒は「大切なのは意味段落四だ」 | | | | | | | と答えると思われる。そこで他の三つは一体 | | | | |10| | 何が書いてあるのか、何か工夫があるのでは | | | | +−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ || | | | | | | | ないかとなげかけ、課題につなげたい。 | | | | | 学習課題 どのような「書き方の工夫」をしているのだろう。 |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | +−+−−−+ +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | | +−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | | | | | | |3学習課題の解決 | |3 |3 | | | |(1) 小グループごとの話| |(1) 意味段落一、二、三はそれぞれどのよ| (1)司会者、時間係を決めて話し合わせ、話 | | | |し合い。 | N | うな工夫をしながら書いているのか小グ| し合ってまとめた考えをプリントに記入さ | | | | | | ループごとに考えを出し合う。 | せる。 | | | | | | | | | | | | | | | | |展| | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | |・ 意味段落一二三で工夫していること 」| | | | | | | | を考えることができたか。《机間巡視》 | | | | | | | | | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | | | | |(2) 全体で話し合う。 | N |(2) 発表・話し合い | (2)予想される生徒の反応 | | | | | | ○意味段落一で工夫していることは何か| ○書き出しで読者の興味を引こうとしている。| | | | | | | 地球と比べるために金星の話を出している。 | | | | | | 期待を持つような書き方をしている。 | | | | | | | | | | | | | ○意味段落二で工夫していることは何か| ○意味段落一の説明をしている。 | | | | | | | 夢に対して現実の事実を言っている。 | | | | | | | 意味段落一を否定して読者を驚かせようと | | | | | | | している。 | | | | | | | | | | | | | ○意味段落三で工夫していることは何か| ○地球と金星を比べて違いを言っている。 | | | | | | | 地球のすばらしさを言っている。 | | | | | | | | | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | ||・自分の考えを挙手によって発表するこ || | | | | | ||とができたか。 《挙手》 || | |開| | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |(3) まとめ | D |(3)4つの意味段落にそれぞれ工夫がある | (3)4つの意味段落にそれぞれ工夫があり | | | | | | ことをまとめる。 | 筆者はそれを意図しながら文章を作って | | | | | | | いるのだ(起承転結)ということをまと | | | | | | ・起承転結について知る。 | める。 | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |4 次時の学習内容を | |4 次時は、自分で論文を書くために、 | | | | | 確認する | | 筆者の言葉遣いについて探ることを知 | | | | | | | る。 | | | +−+−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | | | | | | | | |5 自己評価 | |5 授業を振り返っての感想を発表する。|5 学習課題に対する実現状況をはかるも |カード | | | 《カード記入・ | | | のだけにとどまらず、自分の学習への取 | | |終| 感想発表》 | | | り組についてもふれさせたい。 | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |末| | 5 | ||学習したことを振り返り自己評価できたか。| | | | | | || 《発表・カード》 | | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | +−+−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+