印刷用紙:A4縦 1ページの行数:48 1行の文字数(半角で):92   −−以下 指導案本文−−                国語科指導案                       1年B組                       日 時  平成8年11月20日(水) 5校時                       指導者  小野寺 明子 1.単元名 「わたし」をこえて  教材名 「足どり」(竹中 郁) 2.教材と生徒  1教材について    中学1年生のこの時期になると、自我意識に目覚め、自己の存在や他人の評価などが気になる   ようになる。他人の考え方や言動に大きく影響されながらも心身共に著しく成長し、自分の考え   を主張し、我を通し始めるようになる。他人とのかかわりの中で生活し成長しているということ   を自覚し、今までの「わたし」を見つめ直し、他人との関係の中で「わたし」を豊かにし磨いて   いってほしいと思い、本単元を設定した。    本教材は、大変短く、表現も象徴的な詩である。「見しらぬ人」と出会い、会釈をし合って別   れたというただそれだけの事実が描かれているのだが、人と人との出会いや連帯感について考え   させる大きな内容を秘めている。また、自分たちが今まで体験したさまざまな出会いをもとに、   生徒一人一人に自分なりの色づけができるような詩の読ませ方が可能な教材である。  2生徒について    1年生の中では比較的落ち着いた学級である。男子には発想がユニークな生徒が、女子には表   現力の豊かな生徒がいる。そういった友達のすぐれた感性や表現を素直に認め、受け止められる   生徒が比較的多い学級でもある。また、創作活動に対して意欲的に取り組む生徒も多い傾向にあ   る。その一方で、投げやりな態度の生徒や意思表示をしない生徒、わかっていても発言しない生   徒もいる。    この教材を通し、友達のすぐれた表現を学ばせ、出会いを通じて得られる連帯感を感じ取らせ   たいと思う。  3学習活動について    短く象徴的な表現が特徴の詩なので、できるだけ多くの生徒のイメージを引き出せるように問   いかけしたい。と同時に、類義的な言葉と比較したり比喩表現に着目させたりしながらしっかり   とした読み取りをさせたい。また、表現学習として「詩から散文へ、散文から詩へ」という学習   活動を取り入れ、表現をふくらませることや無駄な言葉を省いた的確な表現について実習させた   い。 3.主な学習内容と育てたいこと +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |時数| 主 な 学 習 活 動 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |足どり | |本時|+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | ||二人が遠ざかろうとしたとき、それぞれの足どりはどんな足どりだったろう。| | |1/2 |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |「足どり」は気持ちが表れるものであることをおさえ、この詩の「足どり」はどんな足ど| | |りなのかを考える。 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | ||(A)「足どり」という詩を情景や心情をまじえながら文章で書いてみよう。 || | ||(B)あなた自身の出会いと別れをテーマに詩を作ってみよう。 || |2/2 |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | |(A)時や場所、「見しらぬ人」「会釈をかえした」人などを具体的に考え、「足どり」| | | という詩を文章で書いてみる。 | | |(B)出会いと別れというテーマで作文を書き、そこから詩の創作を試みる。 | | | *書き上げた作品を発表し合い、互いに評価しあう。 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |少年の日の思い出 | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | ||1表現を根拠に「僕」の心情を読み取ろう。 | | | ||2「僕」の心情をふまえながら作文を書こう。| | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |*全文通読、第1次感想、課題設定。 | | |*全体構成の把握、展開について。 | |10|*登場人物の行動や性格についてとらえる。 | | |*場面1〜7について、情景描写や行動描写に気をつけながら人物の心情についてとらえ| | | る。 | | |*題名や主題について話し合う。 | | |*課題を選び、作文を書く。 | | | | | | | | | | | | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |私の周りには、いつもあなたがいる | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | ||1文章の表現に即して内容をとらえさせる。 | | | ||2他の人を見る自分の見方を振り返り、人間関係のあり方について考えさせる。| | |3 |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |*全文を通読し、文章を大きく三つにわける。 | | |*形式段落の要点を押さえ、要旨を書く。 | | |*筆者の考えに対する文章を書く。 | | | | | | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 育てたいこと(心情豊かな表現力と自己表現力) | +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |自己表現力 | 読 解 力 | 語 彙 | 興味関心 | +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |・二人の足どりがどんな|・情景と心情を経過に|・「会釈」「丁重」|・友達の発想や表現を| | 足どりか自分の言葉で| そってとらえること| を正しく読み、そ| 参考に、詩に対する| | 表現できる。 | ができる。 | の意味がわかる。| 自分の感想を豊かに| | | | | することができる。| +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |A読み取りをもとに想像| |・文章にする際、詩|・詩を通し、出会いや| | 力を働かせて文章で表| | の中の言葉を大切| 連帯について考える| | 現することができる。| | に使うことができ| ことができる。 | |B出会いと別れをテーマ| | る。 | | | に自分の体験を書き、| |・余分な言葉を使わ| | | それをもとに詩を書く| | ず、的確な言葉を| | | ことができる。 | | 選ぶことができる| | +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |・僕の心情を自分の言葉|・全体の構成や展開を|・新出漢字を読み、|・初発の感想、疑問を| | を使ってまとめること| とらえることができ| 書くことができる| 持つことができる。| | ができる。 | る。 |・語句の意味、用法|・いくつかの課題の中| |・グループによる話し合|・主人公の行動や性格| を理解する。 | から書きたいものを| | い活動の中で自分の考| を捉えることができ| | 一つ選び、作文を書| | えを述べることができ| る。 | | くことができる。 | | る。 |・情景描写や行動描写| |・友達の作文を読み、| |・読み取った人物の心情| から、人物の心情を| | 自分なりに評価する| | を生かしながら工夫を| 読み取ることができ| | ことができる。 | | 加え、作文を書くこと| る。 | | | | ができる。 | | | | +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |・形式段落ごとに要点を|・構成や展開を捉える|・新出漢字を読み、|・自分なりの考えをま| | 書くことができる。 | ことができる。 | 書くことができる| とめ、発表すること| |・要点をもとに、要旨を|・形式段落ごとに中心|・語句の意味、用法| ができる。 | | 書くことができる。 | 文を見つけることが| を理解する。 |・他人の意見を聞きな| |・筆者の考えに対し、自| できる。 | | がら、新たな感想を| | 分の考えを述べること|・筆者の考え方を捉え| | もつことができる。| | ができる。 | ることができる。 | | | +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ 4.本時の指導  1教材名     『足どり』  2目 標     「足どり」は気持ちが表れるものであることをおさえ、この詩の「足どり」は           どんな足どりなのかを考える。  3授業の構想   読み取りを中心に、豊かなイメージを持たせるように働きかけたい。  4展 開 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 生 徒 の 活 動 |時間| 留意点(*評価) | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |1.「足どり」ということについて、どんな| |*1「〜足どり」様々な場面を想起し、 | | 足どりがあるか出し合う。 |導入| それらの場面ではどんな修飾語がつく足| | | | どりなのかをとらえることができる。 | |2.「足どり」を読み、空欄部分にどんな言|10|2.「(地球を一廻りして/また出会う)| | 葉が入ると思うかを話し合ってみる。 | | つもりの足どりだった」 の部分 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |3.音読。課題確認。 | |3.難しいと思われる漢字・語句の読みを| | | | おさえてから音読させる。 | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | +−−+ 二人が遠ざかろうとしたとき、それぞれの足どりはどんな足どりだったろう。+−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | |4.「見しらぬ人」について考える。 | |4〜6.難しいと思われる語句については| | | | 予め学習シートに意味を書いておき| | | | 読解の際の手助けとする。 | | | |*「見しらぬ人」について、感じや年齢な| | | | ど、イメージをもつことができる。 | | |展開| | |5.「丁重に会釈をかえした」「二人のあい| |*5.二人の気持ちがここちよいものであ| | だを/ここちよい風がふいた」について| | ることをとらえることができる。 | | 考える。 | | | | | | | |E.「地球を一廻りして/また出会うつもり| |*61それぞれの気持ちは明るく前向きな| | の足どりだった」について考える。 | | なものであることから、それぞれの| | |35| 足どりも明るく前向きなものである| | | | ことを説明できる。 | | | | 2それぞれの足どりを明るく前向きな| | | | 感じの言葉で表現することができる| | | | 3友達の発表に対し感想をもつことが| | | | できる。 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |7.まとめ |終末|7.明るい余韻のある読み方を工夫する。| | 1音読。 | | | | | | | |8.次時の予告 | 5| | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+