印刷用紙:B4縦 1ページの行数:70 1行の文字数(半角で)115                      選択音楽学習指導案                                  日 時  平成6年11月16日(水)2校時                                生 徒 2年 男子7名 女子3名 計10名                                指導者  櫛 引 勝 代 1 講座名 「魂の叫びよ うら松原に響け!」 2 題材名  和太鼓の醍醐味を味わおう 3 指導にあたって (1) 題材観 学習指導要領の改訂により、音楽科の学習内容が自由な発想による即興的な表現や創作など、創造的な自己表現活動が    かなり重視されるようになった。それに加え、選択の授業においても個性的、創造的な学習の成立を図るため、表現や鑑    賞の能力を高める学習、総合的な学習、課題学習、創造的な表現活動などを積極的に導入することが重視されてきている。 後期の選択音楽の開設にあたっても、生徒の事前希望調査結果による学習内容と上記のことを考え合わせた上で学習内    容を設定することを基本とした。 音楽を選択した生徒のほとんどは「太鼓」に興味をもっている。これは地域性ということもあるが、当市において毎年    開催している全国レベルのイベントである「全国太鼓フェステイバル」の影響がかなり大きいと考える。必修音楽の授業    において手がけることのできない分野でもあることから題材として「創作太鼓」を選んだ。 この学習活動を通して創作活動の喜び・楽しさを味わわせるとともに、課題解決に向けて意欲的に取り組む力や主体的    に学ぶ力を育成したい。 第1時のオリエンテーションでは、太鼓をたたくにあたって、まず何から学習したらよいかを考えそれに基づいて学習    計画を立て、学習の見通しを立てた。また、授業を進めるにあたって、学習の結果もさることながらその学習過程と各自    の発想を大事にしていきたいことを強調し、班編成を行った。 第2時は「和太鼓の種類」「バチの握り方」「姿勢」「太鼓譜(リズム譜)」等の太鼓についての基本的なことについ    て学習したあと、自由に太鼓を乱打させ太鼓に親しませた。元気良く楽しそうに太鼓をたたいていた。 第3時は「太鼓譜」を参考にしながらリズム打ちの練習を全員で行った。やがてそれを基にして班毎にリズムの組み立    てを考えていき、それを創作活動(創作太鼓)の第1歩とすることにした。 太鼓そのものには興味があっても、それを音楽的に表現したり創作することにはかなり抵抗があるようである。教師の    指導の手だてや支援・援助を得ながら、生徒達が生徒達の手で創りあげようとする意欲を育成することや創る喜び・楽し    さを得させることをねらいとしたい。 (2) 生徒の実態 男子7名、女子3名の生徒が本コースを選択している。そのうちの半数の生徒は第2希望で個別面談を経て選択履修し    ているが、比較的音楽の好きな生徒達であり、女子2名はピアノの演奏を得意としている。 また、約半数の生徒は「お祭」等で太鼓をたたいた経験があることもあって、太鼓の学習に積極的に取り組んでいるが    創作的活動分野になると、やや抵抗を感じている様子が窺える。 (3) 指導観 「創作太鼓」は空間的・抽象的な学習内容である上に、即興表現的な部分があるので非常に難しい分野である。この講    座においては、創作活動に興味をもち意欲的に取り組もうとする姿勢と、個々の学習課題の解決にあたっていろいろなア    イデアや考えを生かそうとする力、また、自分なりに表現できる力を育成していきたい。 「創作太鼓」は全国的に広まっているわりには、具体的な指導法を示唆してもらえるような資料が少なく、教師自身に    も未知なる部分が多い。学習活動を進める過程において具体的な学習パターンを示したりヒントを与える等をして課題解    決のための支援・援助をしていきたい。 評価については、関心、意欲、態度の面を重視しながら、課題解決力や表現力等についても自己評価、相互評価、教師    による評価により総合的に評価していくが、その評価が次の学習活動に生かされるようにしていきたい。 4 指導目標 (1) 学習の見通しをもつことができる (2) 太鼓に関する基本的なことがわかる。 (3) 太鼓譜(リズム譜)を見ながら太鼓をたたくことができる。 (4) グループ毎にリズム創作をしながら「創作太鼓」の練習をし、発表できる。 (5) 相互に考えやアイデアを出し合いながら学習を深め、まとめることができる。  5 指導計画    (13時間扱い) ・オリエンテーション、学習計画の作成、班編成をする。・・・・・・・・・・・第1時 ・太鼓についての基本的なことや、太鼓譜(リズム譜)について知る。・・・・・第2時 ・太鼓をたたきながら、リズムの基礎練習をする。・・・・・・・・・・・・・・第3・4時 ・グループ毎にリズムの組み合わせを考えながら創作太鼓を練習する。・・・・・第5・6時 ・グループ毎に創作太鼓の中間発表会をし、新たな学習課題をつかむ。・・・・・第7時(本時) ・相互に考えを出し合いながら学習を深め、創作太鼓をまとめる。・・・・・・・第8・9・10・11時 ・創作太鼓のまとめ発表会をする。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第12時 ・反省とまとめをする。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第13時 6 本時の指導目標 グループ毎にリズム創作をしながら「創作太鼓」の練習をし、発表ができる。 ・これまで取り組んできた練習内容をみんなの前で発表できる。   ・自己評価や相互評価から新たな学習課題をつかみ、今後の学習の方向性がわかる。 7 本時の展開 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー |過程|  教 師 の 働 き か け |  生 徒 の 活 動     | 支 援・援 助 と 評 価 | |ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー| | み |1 前時の学習内容を想起させる。|1 前時はリズムの組み合わせを |・学習課題の確認をすることにより、学 | |  | | 考えながら、グループ毎に創作 | 習活動への意識づけとしたい。 | | つ | | 太鼓の練習したことを想起する | | | | | | | | け |2 本時の学習内容を把握させる。|2 本時は「創作太鼓」の中間発 |・学習目標をしっかりとつかませたい。 | | | | 表会をし、新たな学習課題を把 | | | る | | 握することを確認する。 | | |( 5)| ーーー本時の学習課題ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー | | | | | 「創作太鼓」の中間発表会をし、今後の練習課題をつかもう。| | | |ーー|ー| |ー|ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー | | | | | | | | ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー | | | し |3 グループ毎に発表前の練習の仕|3 本時の中間発表会にあたって |・ブロックとブロックとのつなぎの部分 | | ら | 方について話し合わせてから、練| 特にどの部分を重点的に練習を | について、机間指導をしながら、アド | | べ | 習をさせる。 | したらよいか、話し合いをして | バイスをしたい。 | | る | | から練習をする。 | | | | | | | | た |4 司会者の指示に従い、グループ|4 司会者の指示に従い、グルー |・良かった点、工夫すればもっと良くな | | し | 毎に発表させる。 | プ毎に発表する。 | ると思われる点等に注意させながら、 | | か | ・創作で工夫した点 | ・取り組みの様子や作品につい | 鑑賞させたい。 | | め | ・苦労した点 | て、説明してから発表する。| | | る | ・作品の良い点 | | | | | | | | | ふ |5 司会者のリードで、発表が終わ|5 グループ毎に発表が終わった |・感想や意見を建設的に自由に述べさせ | | か | り次第、相互評価をさせる。 | ら、お互いに評価をしあう。 | たい。 | | め | | | | | る | | | | |(37)| | | | |ーー|ーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー| | ま |6 相互評価や反省から、新たな学|6 他のグループからの感想や自 |・新たな課題を見つけさせる重要な段階 | | と | 習課題をグループ毎に把握させる。 分達の評価・反省を基に、新た | であることを認識させたい。 | | め | | な学習課題をつかむ。 |・次時からの学習課題をしっかりつかま | | る | | | せると同時に、今後の練習に目的意識 | | | | | をもたせたい。 | | | | | | |ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 8 評価 グループ毎にリズム創作をしながら「創作太鼓」の練習をし、発表ができたか。 ・これまで取り組んできた練習内容をみんなの前で発表ができたか。 ・自己評価や相互評価から新たな学習課題をつかみ、今後の学習の方向性をつかめたか。